法令の問7は、液化石油ガスの特定高圧ガス消費者(消費施設の貯槽は貯蔵能力15トンのもの1基)の事業所例です。条文が〔液石〕第53条と第71条にほぼ集中するので、その論点を並べました。
〔一般〕第6条(技術上の基準):①号の読み方と配置・距離|②設備・安全装置・防災設備|③製造の方法|液石則と取扱主任者
液石則の設備距離と減圧設備 ── 減圧設備の外面から測り、距離は接続する貯蔵設備の貯蔵能力で決まる
| 問われる所 | 正しくは(〔液石〕第53条第1項第2号) |
|---|---|
| 距離の起点 | 減圧設備の外面(設備間の配管ではない) |
| 測る相手 | 第一種保安物件に第一種設備距離以上、第二種保安物件に第二種設備距離以上 |
| 距離を決める数量 | 減圧設備に接続する貯蔵設備の貯蔵能力(第2条第1項第16号の備考)。処理能力ではない |
| 障壁・地下への埋設で縮められるか | 縮められない(緩和の規定がない) |
消費施設の設備距離は減圧設備の外面から測ります。距離の起点は減圧設備、距離の大きさを決めるのは接続する貯蔵設備の貯蔵能力。この距離に緩和の規定はありません。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 保安物件までの距離は貯蔵設備から確保すればよく、減圧設備には定めがない | × | 減圧設備の外面から確保する |
| 第一種・第二種設備距離は、貯蔵設備と減圧設備をつなぐ配管の外面から測る | × | 起点は減圧設備の外面 |
| 第一種設備距離は、減圧設備の処理能力をもとに決める | × | 接続する貯蔵設備の貯蔵能力 |
| 第一種保安物件との間に所定の強度の障壁を設ければ、第一種設備距離を縮められる(令和元年度 問7イ) | × | 障壁を設けても縮められない |
| 減圧設備の外面から、第一種保安物件に第一種設備距離以上、第二種保安物件に第二種設備距離以上をとる | ○ | 条文どおり |
出題:9記述(平成28〜令和7年度)
- 「減圧設備を地盤面下に埋めれば距離を短くできる」も×。緩和の規定は条文に書かれている場合だけ使える
- 障壁による緩和の定めがあるのは容器置場の置場距離などの別の規定。「障壁=短縮できる」と一般化しない
- 減圧設備:高圧ガスを高圧ガスでないガスにする設備(〔液石〕第2条第1項第14号)
関連:容器置場の距離と面積
周囲5mの火気と静電気 ── 火気も引火性・発火性の物も禁止。例外は流動防止措置と連動消火措置だけ

貯蔵設備等の周囲5m以内は、火気(設備内のものを除く)の使用を禁じ、引火性・発火性の物を置きません(〔液石〕第53条第2項第1号)。例外は流動防止措置か連動消火措置だけで、静電気の除去や防消火設備では代わりになりません。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 貯蔵設備の静電気を除去する措置があれば、5m以内に引火性・発火性の物を置いてよい(平成28年度 問7ロ) | × | 静電気の除去は例外にならない |
| 適切な防消火設備を設けたなら、5m以内に引火性・発火性の物を置いてよい(令和元年度 問7ロ、令和4年度 問7ロ) | × | 例外は流動防止措置か連動消火措置だけ |
| 周囲5m以内で火気を使えないのは、消費設備のうち貯蔵設備だけ | × | 「貯蔵設備等」=貯蔵設備・導管・減圧設備とその間の配管 |
| 貯蔵設備等から5m以内では、特に定める場合を除き、火気を使わず引火性・発火性の物も置かない | ○ | 火気と物の両方 |
出題:8記述(平成28〜令和7年度)
- 「貯蔵設備等」の定義は第53条第1項第3号にある(第2項第1号はそれを使う)。定義語が何を含むかを確かめる
- 静電気の除去は着火源のひとつを潰すだけ(→ 静電気対策)、防消火設備は火が出た後の備えで、守備範囲が違う
- 第1項第3号には、貯蔵設備等から火気を使用する場所まで8m以上(または流動防止措置・連動消火措置)という定めもある。〔一般〕第6条第1項第3号と同じ形
関連:火気との距離(8m)
液石則の貯槽の支柱 ── 地盤が堅固でも同一の基礎に緊結。蒸発器の基礎も対象
| 定め(〔液石〕第53条第1項第8号) | 対象 |
|---|---|
| 基礎は不同沈下等で有害なひずみが生じないもの | 消費設備(配管などを除く)。蒸発器も含む |
| 支柱(支柱のない貯槽は底部)を同一の基礎に緊結 | 貯蔵能力100m³または1t以上の貯槽(問7の15トンの貯槽は該当) |
| 地盤が堅固なら緊結を省ける | 省けない(そうした定めはない) |
貯槽の支柱(支柱のない貯槽は底部)は同一の基礎に緊結します。地盤が堅固でも省けません。 基礎の定めは消費設備の基礎全体にかかり、蒸発器を除く規定もありません。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 貯槽の支柱(または底部)は同一の基礎に緊結し、地盤が堅固でも省けない | ○ | 構造の要求に緩和はない |
| 立地の地盤が堅固でありさえすれば、支柱を同一の基礎に緊結しなくてよい | × | 地盤を問わない |
| 貯槽の基礎には不同沈下を避ける定めがあるが、蒸発器の基礎には定めがない | × | 蒸発器の基礎も対象 |
出題:4記述(平成28〜令和7年度)
- 「地盤が堅固なら不要」は、条文にない免除を作る形
- 一般則の貯槽(〔一般〕第6条第1項第15号)と同じ形。沈下状況の測定も同じく定めがある(〔液石〕第53条第1項第15号)
取扱主任者 ── 免状か、1年以上の経験か、学歴・講習。どれか1つでよい
| 〔液石〕第71条 | 選任できる人(どれか1つ) |
|---|---|
| 第1号 | 液化石油ガスの製造または消費(特定高圧ガス消費者としての消費)に1年以上の経験 |
| 第2号 | 理工系の大学・高専の卒業、協会の液化石油ガスの講習の修了、または工業高校(工業の課程)の卒業+6月以上の経験 |
| 第3号 | 甲種・乙種化学、甲種・乙種機械、丙種化学の責任者免状 |
特定高圧ガス消費者は事業所ごとに取扱主任者を選任します(法第28条第2項)。要件はどれか1つで、免状と経験の両方は要りません。選任・解任は都道府県知事等に届け出ます(法第28条第3項)。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 免状がなくても、液化石油ガスの製造に1年以上の経験があれば選任できる | ○ | 第1号 |
| 甲種化学責任者免状があれば、消費の経験が1年なくても選任できる | ○ | 第3号 |
| 丙種化学責任者免状の交付を受けた者を、取扱主任者に充てられる | ○ | 甲種に限らない |
| 取扱主任者の選任・解任は、都道府県知事等に届け出なくてよい | × | 選任・解任とも届出 |
| 取扱主任者には、免状と1年以上の経験の両方が要る | × | どれか1つ |
出題:9記述(平成28〜令和7年度)
- 法第28条第3項は、保安統括者の選任・解任の届出(第27条の2第5項)を取扱主任者に準用している
- 免状と経験の両方を求める保安係員(→ 保安体制の選任)と違い、取扱主任者は第71条の各号のどれか1つで足ります
- 特定高圧ガス消費者に当たるかどうかは消費の章へ
出典:高圧ガス保安協会『甲種化学・機械 試験問題集 令和7年度版』ほか。平成28〜令和7年度の法令20問×10年分を1記述ずつ整理しました。問題文は転載せず、要約して解説しています。
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