〔一般〕第6条第2項(製造の方法の基準)のうち、止め弁・90%・点検・修理と清掃の論点を並べた記事です。見出しが論点名なので、目次から引いてください。
〔一般〕第6条(技術上の基準):①号の読み方と配置・距離|②設備・安全装置・防災設備|③製造の方法|液石則と取扱主任者
安全弁・逃し弁の止め弁 ── 常に全開。閉めてよいのは安全弁・逃し弁の修理・清掃のときだけ
| 状態 | 安全弁・逃し弁に付帯する止め弁 |
|---|---|
| 運転中 | 全開 |
| 運転終了後・休止中・製造していない間 | 全開 |
| 安全弁・逃し弁の修理・清掃のため特に必要なとき | 閉めてよい |
| 安全弁の止め弁とポンプの逃し弁の止め弁 | どちらも同じ扱い |
止め弁を閉じると、安全弁・逃し弁は働けなくなります。 だから運転中・休止中を問わず常に全開で、閉めてよいのは安全弁・逃し弁の修理・清掃のため特に必要なときだけです(第2項第1号イ)。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 窒素の貯槽の安全弁の止め弁は全開にし、窒素のポンプの逃し弁の止め弁は運転を終えた後は閉じた(平成28年度 問16イ) | × | 逃し弁の止め弁も常に全開 |
| ポンプの逃し弁の止め弁は、運転している間だけ開き、それ以外は閉じておく | × | 運転中・休止中を問わず全開 |
| ガスの漏えいや不用意な放出を防ぐため、使い終えたら安全弁の止め弁を閉じる | × | もっともらしい理由を付けた形 |
| 修理・清掃で特に必要な場合を除き、安全弁・逃し弁の止め弁は常に全開にしておく | ○ | 条文どおり |
出題:9記述(平成28〜令和7年度)
- 休止中も日射や外気温で圧力は上がるので運転中・休止中を問わず常に全開
- 窒素でも同じ。止め弁の定めにガスの種類の例外はない
関連:安全装置と放出管
液化ガスの貯槽は90%まで ── 充塡の上限は全ガス、超過の自動検知・警報は毒性だけ

前段(常用の温度で内容積の90%を超えない)はすべての貯槽、後段(90%超過の自動検知・警報)は毒性ガスの貯槽のみ(第2項第2号イ)。前段と後段で対象が違います。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 液化アンモニアの貯槽に充塡するとき、保安係員が開始から終了まで監視するなら自動検知・警報は要らない(平成28年度 問17ハ) | × | 毒性ガスである以上、監視体制があっても省けない |
| ここにある貯槽はすべて、常用の温度で内容積の90%を超えないように充塡する | ○ | 前段は全ガス |
| 90%超過の自動検知・警報も、ここにある貯槽すべてに講じる | × | 毒性ガスの貯槽だけ |
| 自動検知・警報が要るのは、液化アンモニアの貯槽だけ | ○ | 「だけ」が正しい例 |
出題:8記述(平成28〜令和7年度)
- 90%の理由:満液にすると温度上昇で液が膨張し、逃げ場がなくなって危険な圧力が生じる
- 容器の充塡量の式に0.9が掛かるのも同じ理由(→ 容器保安規則)
使用開始時・終了時の点検 ── 現行は種類と態様に応じて異常の有無を点検。窒素も対象
| 条文の版 | 点検の定め(第2項第4号) |
|---|---|
| 現行(令和7年4月18日施行の改正後。令和8年度試験の基準) | 製造する高圧ガスの種類と製造設備の態様に応じ、製造施設の異常の有無を点検し、異常があれば補修などの措置を講じる |
| 改正前(過去問・令和7年度試験の基準) | 使用開始時・使用終了時に施設の異常の有無を点検し、ほかに1日1回以上作動状況を点検する |
点検の義務にガスの種類の例外はなく、窒素も対象です。 現行の条文は、点検の内容をガスの種類と製造設備の態様に応じて決める形で、時期と回数は書いていません。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 窒素は不活性ガスなので、製造施設の異常の有無を点検しないで製造してよい | × | 点検にガスの種類の例外はない(改正前の試験でも×) |
| 点検で異常を見つけたら、補修その他の危険を防止する措置を講じてから製造する | ○ | 条文どおり |
| 点検は、製造する高圧ガスの種類と製造設備の態様に応じて行う | ○ | 現行の条文の文言 |
| 現行の条文は、使用開始時・使用終了時の点検と、1日1回以上の作動状況の点検を定めている | × | 時期と回数は改正で条文から外れた(改正前の試験では、この2つを求める記述が○) |
出題:9記述(平成28〜令和7年度)
令和7年4月18日施行の改正で、点検の時期と回数(開始・終了時、1日1回以上)は条文から外れました。 過去問(〜令和6年度)と令和7年度の試験(令和7年4月1日現在の法令で出題)は改正前の条文です。令和8年度の国家試験は令和8年4月1日現在施行されている法令で出題される(高圧ガス保安協会「令和8年度 受験案内書」)ので、改正後の条文で判断します。
- 改正前の過去問は、「開始・終了時」と「1日1回以上」が並列(「〜するほか」)で両方必要という読み方が答えだった。平成28年度 問17ロ・令和2年度 問19ハのように両方を挙げた記述が○、平成30年度 問19ハ(開始・終了時だけで足りる)・令和元年度 問20ロ(交替制がなければ開始・終了時だけ)・令和3年度 問19ハ(どちらか1回)が×
- 現行の条文は時期と回数を書いていないので、「1日1回以上の点検が要るか」という形は条文だけでは正誤が決まらない。「窒素だから点検しなくてよい」は今も×
修理・清掃 ── 計画と責任者、開放部への漏えい防止、終了後の作動確認はガスを問わない
| 第2項第5号 | 求めること | 対象 |
|---|---|---|
| イ | あらかじめ作業計画と責任者を定め、計画に従い、責任者の監視の下で行うか、異常を直ちに責任者へ通報できる措置を講じて行う | ガス設備(ガスを問わない) |
| ロ | 修理等をするときの危険を防止する措置 | 可燃性・毒性・特定不活性ガス・酸素のガス設備 |
| ハ | 作業員がガス設備を開放し、または中に入るときの危険を防止する措置 | ガス設備(ガスを問わない) |
| ニ | 開放する部分へ、他の部分からガスが漏えいしない措置 | ガス設備(ガスを問わない) |
| ホ | 修理等の後、正常に作動することを確認してから製造 | 「修理等」は清掃も含む |
号の中で項目ごとに対象が違います。 ロ(修理等をするときの危険防止)だけが可燃性・毒性・特定不活性ガス・酸素に限られ、イ・ハ・ニ・ホは窒素のガス設備にもかかります。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 窒素のガス設備でも、開放して修理するときは、開放部へ他の部分からガスが漏れない措置を講じる | ○ | ニはガスを問わない |
| 責任者の監視の下で行うなら、窒素のガス設備の修理に作業計画は要らない | × | 計画と責任者の両方を定める |
| 修理・清掃の危険防止の定めがあるのは、高圧ガス設備を修理するときだけ | × | ガス設備全般。開放・立入りの場面も |
| 危険防止の措置が要るのは、アンモニア・アセチレン・酸素のガス設備と窒素の高圧ガス設備 | × | ロ(修理等の危険防止)の対象に窒素は入らない |
| 液化窒素のポンプは、清掃の後なら作動を確かめずに製造に使ってよい | × | 清掃も「修理等」。作動の確認が要る |
出題:10記述(平成28〜令和7年度)
- イは「監視の下で行う」か「異常を直ちに通報できる措置」のどちらかでよい(計画と責任者を定めることは必須)
- 開放部への漏えい防止(ニ)は「可燃性・毒性だけ」と絞る形が出る。酸素・窒素も対象
出典:高圧ガス保安協会『甲種化学・機械 試験問題集 令和7年度版』ほか。平成28〜令和7年度の法令20問×10年分を1記述ずつ整理しました。問題文は転載せず、要約して解説しています。
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