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ガス各論は49種類もあって、どこから覚えればいいのか分からない。
全部やる時間はない。優先順位をつけたい。
そんな悩みを解決します。
49ガスを令和2〜6年度の出題実績で並べ替えた
上位5ガス(酸素・水素・窒素・塩素・アンモニア)で全体の約4割
10ガスが5年連続で出ている ── ここは確実に
出題実績0のガスが10種類ある。捨てずに優先度だけ下げる

ガス各論は学識問4(20点)と保安管理技術の複数問に直結します。順番を間違えなければ、投資効率は高い分野です。
ガス各論の問題は、範囲の広さそのものです。
そこで、令和2〜6年度の試験問題集からガス名の出現を集計して、優先順位を作りました。
ガスごとの中身はガス各論①(水素・酸素・炭化水素・硫黄化合物系24ガス)・ガス各論②(ハロゲン・特殊材料ガス25種)にあります。この記事は「どの順で読むか」の地図です。
集計の方法と、その限界
先に限界を書いておきます。 数え方の性質を知らずに使うと、判断を誤ります。
試験問題集のテキストから、各ガス名が現れたページを数えた
ただし酸素・水素・窒素は、溶解度計算や法令の定義文でも大量に出てくる
→ 「可燃性・毒性・爆発範囲・許容濃度・腐食・製法」といったガス各論らしい語と同じページにあることを条件にして絞った
OCRテキストによる概数。設問1問=1件ではない
1問が複数ページに跨るので、実際の設問数とは一致しない
→ 絶対値ではなく、相対比較として使う
それでも順番を決めるには十分です。以下、その結果です。
上位20ガス ── ここまでで大勢が決まる
| 順 | ガス | 分類 | 保安 管理技術 | 学識 | 計 | 出題 年度数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 酸素 | 酸素・窒素系 | 38 | 19 | 57 | 5/5 |
| 2 | 水素 | 水素系 | 23 | 22 | 45 | 5/5 |
| 3 | 窒素 | 酸素・窒素系 | 20 | 17 | 37 | 5/5 |
| 4 | 塩素 | ハロゲン | 26 | 11 | 37 | 5/5 |
| 5 | アンモニア | 窒素化合物 | 19 | 7 | 26 | 5/5 |
| 6 | 貴ガス | 酸素・窒素系 | 9 | 7 | 16 | 5/5 |
| 7 | 二酸化炭素 | 炭素酸化物 | 6 | 8 | 14 | 5/5 |
| 8 | メタン | 炭化水素 | 8 | 6 | 14 | 4/5 |
| 9 | アセチレン | 炭化水素 | 4 | 8 | 12 | 5/5 |
| 10 | 塩化水素 | ハロゲン | 8 | 4 | 12 | 5/5 |
| 11 | 酸化エチレン | 炭化水素 | 8 | 4 | 12 | 4/5 |
| 12 | 二酸化硫黄 | 硫黄化合物 | 7 | 4 | 11 | 5/5 |
| 13 | シアン化水素 | 窒素化合物 | 7 | 3 | 10 | 5/5 |
| 14 | エチレン | 炭化水素 | 1 | 9 | 10 | 3/5 |
| 15 | LPガス | 炭化水素 | 3 | 6 | 9 | 5/5 |
| 16 | フッ素 | ハロゲン | 3 | 5 | 8 | 4/5 |
| 17 | ホスゲン | ハロゲン | 3 | 4 | 7 | 4/5 |
| 18 | エタン | 炭化水素 | 3 | 4 | 7 | 3/5 |
| 19 | プロピレン | 炭化水素 | 0 | 6 | 6 | 4/5 |
| 20 | 硫化水素 | 硫黄化合物 | 4 | 2 | 6 | 4/5 |
5年連続で出ている10ガス
酸素・水素・窒素・塩素・アンモニア(上位5)
貴ガス・二酸化炭素・アセチレン・塩化水素・二酸化硫黄・シアン化水素・LPガス
(12種類になりますが、上位5に含まれるものを除くと7種類の追加です)
5/5年ということは、次も出る確率が非常に高いという意味です。
分類別に見ると、投資効率がはっきりする
| 分類 | ガス数 | 出題ページ計 | 1ガスあたり |
|---|---|---|---|
| 2. 酸素・窒素・貴ガス系 | 3 | 110 | 36.7 |
| 1. 水素・炭素酸化物系 | 3 | 64 | 21.3 |
| 3. 炭化水素ガス系 | 9 | 71 | 7.9 |
| 5. ハロゲン・ハロゲン化合物系 | 11 | 78 | 7.1 |
| 4. アンモニア・窒素化合物・硫黄化合物系 | 9 | 62 | 6.9 |
| 6. 特殊材料ガス系(半導体用) | 14 | 22 | 1.6 |
この表の読み方
最優先:分類2(酸素・窒素・貴ガス)── たった3ガスで110
次点:分類1(水素・CO・CO₂)── 3ガスで64
中位:分類3・4・5 ── ガス数が多いので、代表を絞る
最後:分類6(特殊材料ガス)── 横断整理で一気に片づける
分類6は個別に覚えるべきではありません。 14種類を1つずつ覚えるのは非効率です。
代わりに「シラン系は自然発火性」「ヒ素・リン系は毒性」のようなグループの性質で押さえます(→ ガス各論②の横断整理)。
出題実績0のガスが10種類ある
| ガス | 分類 |
|---|---|
| ブテン | 炭化水素 |
| 六フッ化硫黄 | 窒素化合物・硫黄化合物 |
| 塩化エチル/臭化メチル | ハロゲン |
| ジクロロシラン/トリクロロシラン | 特殊材料 |
| 四塩化ケイ素/四フッ化ケイ素 | 特殊材料 |
| ヒ素系ハロゲン化物 | 特殊材料 |
| リン系ハロゲン化物 | 特殊材料 |
| ホウ素系ハロゲン化物 | 特殊材料 |
| セレン化水素 | 特殊材料 |
捨ててよいか
捨てないでください。優先度を下げるだけです。
理由は2つあります。
- 5年間出ていないだけで、試験範囲には入っている。次に出ない保証はない
- グループの性質を押さえれば、個別に覚えなくても答えられるものが多い
たとえば「ヒ素系ハロゲン化物」は、「ヒ素だから毒性」「ハロゲン化物だから加水分解して腐食性」と分かれば、個別の知識がなくても○×は判定できます。
推奨する進め方 ── 4段階
貴ガス・二酸化炭素・アセチレン・塩化水素・二酸化硫黄・シアン化水素・LPガス
こちらは特徴的な性質と、他と混同しやすい点に絞る
酸化エチレン・エチレン・フッ素・ホスゲン・エタン・プロピレン・硫化水素・メタン
「このガスといえばこれ」を1つずつ
学識と保安管理技術で、必要な深さが違う
| 学識 問4(20点) | 保安管理技術 | |
|---|---|---|
| 形式 | 記述(2ガスについて詳しく) | 択一(○×判定) |
| 必要な深さ | 製法・用途・危険性を説明できる | 性質の方向が言える |
| 出るガス | 毎年2つ(頻出ガスから) | 広く浅く |
学識問4は毎年2ガスだけです。上位ガスから出る確率が高いので、第1・第2段階で十分カバーできます。
保安管理技術は範囲が広いので、第3・第4段階の「浅く広く」が効きます。
学識の全体像は学識の出題マップ、保安管理技術は保安管理技術の攻略へ。
学識 問4に実際に出たガス(5年10問)
| 年度 | 国家試験 問4 | 検定 問5 |
|---|---|---|
| R2 | 塩化ビニル/ブタジエン | イオン交換膜法/ガス選定6問 |
| R3 | エチレン/二酸化硫黄 | シアン化水素/ガス選定5問 |
| R4 | ブテン/塩素 | 塩化ビニル/ガス選定6問 |
| R5 | ブタン/窒素 | 二酸化硫黄/特殊材料ガスの分類 |
| R6 | アセトアルデヒド/亜酸化窒素 | 酸化エチレン/特殊材料ガスの分類 |
この事実をどう扱うか
問4だけを狙って全ガスを深くやるのは、費用対効果が悪い。
問4は20点ですが、そのうち部分点は取れます。
上位ガスを深くやる → 出れば大きく取れる
下位ガスが出たら → グループの性質から書ける範囲で埋める
白紙にしないことが最重要
たとえば「ブテン」が出たら、「炭化水素だから可燃性」「炭素数4だから常温で気体、液化しやすい」「重合しやすい(二重結合)」と書けます。これだけでも部分点になります。
検定の問5は「ガス選定」が特徴的
検定側は「〜に適したガスを選べ」という形式が5〜6問付いています。
これは用途と性質の対応を問うもので、個別のガスを深く知らなくても、「不活性ならパージに使える」「毒性なら除害が要る」といった原則で答えられるものが多い。
R5・R6では「特殊材料ガスの分類」が2年連続で出ています。個別ではなく分類を問うている ── これも横断整理が効く証拠です。
横断整理の軸 ── 個別暗記の前にこれ
49ガスを1つずつ覚えるより、軸で切るほうが速い。
可燃性:水素・メタン・エタン・プロパン・アセチレン・エチレン・アンモニア・硫化水素・シアン化水素・酸化エチレン・LPガス・シラン系ほか
支燃性:酸素・塩素・フッ素・亜酸化窒素・三フッ化窒素
不活性:窒素・貴ガス・二酸化炭素・六フッ化硫黄
強い毒性:ホスゲン・シアン化水素・フッ素・アルシン・ホスフィン・セレン化水素
毒性:塩素・アンモニア・硫化水素・二酸化硫黄・一酸化炭素・塩化水素
両属性(可燃性かつ毒性):アンモニア・硫化水素・シアン化水素・酸化エチレン
分解爆発:アセチレン・酸化エチレン・亜酸化窒素・ヒドラジン(空気がなくても爆発する)
自然発火性:シラン系(モノシラン・ジシラン)・ホスフィン・ジボラン
重合性:塩化ビニル・ブタジエン・酸化エチレン・シアン化水素
加水分解して腐食性:ハロゲン化物全般(塩素・フッ素・ハロゲン化ケイ素ほか)
この3軸で切れば、知らないガスでも8割方の判断ができます。
詳細はガス各論②の横断整理、関連する概念は爆発範囲・毒性の指標・自然発火・重合と暴走反応を参照してください。
暗記カードにするならこれだけ
酸素・水素・窒素・塩素・アンモニア
この5つで全体の約4割
貴ガス・二酸化炭素・アセチレン・塩化水素・二酸化硫黄・シアン化水素・LPガス
酸素・窒素・貴ガス系が1ガスあたり36.7で最高
特殊材料ガス系が1.6で最低(14ガスもあるのに)
→ 特殊材料ガスはグループの性質で片づける
可燃性/支燃性/不活性
毒性の強さ、そして両属性(可燃性かつ毒性)
分解爆発・自然発火性・重合性・加水分解
アンモニア・硫化水素・シアン化水素・酸化エチレン
まとめ
- 49ガスを出題実績で並べると、上位5ガスで全体の約4割
- 10ガス以上が5年連続で出ている。ここは確実に取る
- 1ガスあたりの効率は、酸素・窒素・貴ガス系が最高(36.7)
- 特殊材料ガスは14種類で最低(1.6)。個別ではなくグループで
- 出題実績0が10種類。捨てずに優先度を下げる
- 学識問4は下位ガスも出る。分類から書ける範囲で埋めて部分点を取る
- 可燃性/毒性/特異な性質の3軸で切れば、知らないガスでも8割判断できる
- 推奨は4段階・合計7〜8時間
ガスごとの中身はガス各論①|水素・酸素・炭化水素・硫黄化合物系24ガス・ガス各論②|ハロゲン・特殊材料ガス25種と横断整理へ。
学識全体の攻略は学識の出題マップ、記述対策は問6の記述問題を参照してください。
出典:高圧ガス保安協会『甲種化学・機械 試験問題集 令和7年度版』および講習テキスト。集計は令和2〜6年度の試験問題集テキストから、ガス名の出現ページを筆者が独自に数えたものです。OCRテキストによる概数であり、設問数そのものではありません。相対比較としてお使いください。
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