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最終確認:2026年9月23日
問題集で計算の章を開き、式と数字が並んでいるのを見て、「ここは捨てよう」と決めかけていませんか。危険物乙4の計算は、全部を捨てるのも、全部をやるのも遠回りです。この記事では、残す型と後回しにしてよい型の線を、問題集の中身から引きます。
この記事でわかること
- 危険物乙4の計算で残す5つの型と、後回しにしてよい型
- 計算を後回しにしても6問に届くかの考え方
- 電卓なしで解くための算数(小数・%・LとmL)
計算は全部を捨てず、掛け算と割り算で解ける5つの型だけを残します。
モルや化学反応式の計算は後回しにしても、ほかの問題で6問に届くと当サイトは判断しています。
よくある思い込み:計算問題は全部捨てるか、全部やるかの二択
計算は苦手だから全部捨てる、という人もいれば、化学の基礎から全部やり直す人もいます。けれども市販の問題集の中身を数えると、計算問題の重さは型ごとに大きく違います。
公論出版の問題集(令和8年版)で、計算を含む8つの項目には71問が載っています。そのうち、数値を計算して答える問題は32問です。問題集に載っている問題全体で見ると、計算が要る問題は約6%にとどまります。
さらに、よく出る印(★)が付いた計算問題は7問だけです。消防試験研究センターが公開している過去の問題1回分でも、計算が要る問題は物理・化学の1問だけでした。計算は「やる5つ・余力・後回し」の3段に分けて、やる5つだけを先に固めます。
電卓なしで解ける計算の5つの型:法令2つと物理・化学3つ
残す5つの型は、法令に2つ、物理・化学に3つあります。どれも、掛け算か割り算を1〜2回するだけで答えが出ます。

表には、指定数量(していすうりょう)、防油堤(ぼうゆてい)、比熱(ひねつ)、体膨張率(たいぼうちょうりつ)が出てきます。燃焼範囲(ねんしょうはんい)と、その濃さの単位のvol%(ボリュームパーセント)も並びます。意味は、それぞれの型の記事で確かめられます。
| 型 | 使う算数 | 記事 |
|---|---|---|
| 指定数量の倍数 | 品名ごとに割ってから足す | 指定数量の倍数計算 |
| 防油堤の容量 | いちばん大きいタンクの容量に1.1を掛ける | 屋外タンク貯蔵所と防油堤 |
| 熱量 | 質量×比熱×温度差 | 熱量と比熱の計算 |
| 熱膨張で増える体積 | 元の体積×体膨張率×温度差 | 熱膨張と容器のすき間 |
| 燃焼範囲に入るか | 蒸気÷(空気+蒸気)×100 を範囲と比べる | 燃焼範囲とvol%の計算 |
公論出版の問題集では、この5つの型に14問が入ります。よく出る印の付いた計算問題は、7問ともこの5つの型に入ります。 防油堤の1.1は、引火性(いんかせい)の液体のタンクでは、防油堤の容量をいちばん大きいタンクの110%以上にする決まりから来ています。
計算に見えて、実は数字を覚えれば取れる問題もあります。消火設備(しょうかせつび)の所要単位(しょようたんい)は、危険物(きけんぶつ)なら指定数量の10倍で1所要単位です。この数字を選ぶ問題だけで、問題集に計算の問題はありませんでした。
シャルルの法則で、体積が増える決まった割合を選ぶ問題も、計算ではなく数字の知識で取れます。圧力が一定なら、気体の体積は温度が1℃上がるごとに、0℃のときの体積の273分の1ずつ増えます。
計算問題を後回しにしても6問に届くか:当サイトの判断
5つの型のほかに、余力があればやる型と、後回しにしてよい型があります。
- 余力:ボイルの法則とシャルルの法則の計算、比重(ひじゅう)から体積を出す計算。問題集では5問で、よく出る印の付いた問題はありません。
- 後回し:化学反応式の係数合わせ、モルと分子量、化学反応の熱の計算。問題集では13問で、こちらも印の付いた問題はありません。
物理・化学は10問のうち6問が取れれば合格ラインです。公開1回分の計算1問は、後回しの型でした。そうした問題が1問出て飛ばしても、残りの9問から6問を取れば届きます。
「後回しの型を捨てても6問に届く」は、問題集の印と公開問題1回分から見た当サイトの判断です。 本試験で計算が何問出るかは公表されていないので、1回に2問出ることもありえます。だからこそ、筆算で取れる5つの型は捨てずに残します。
化学反応の熱の問題でも、「+は熱を出す反応」のように式を読むだけの問題は計算が要りません。熱化学方程式の読み方として、計算とは別に押さえておくと取りやすくなります。
ボイルの法則とシャルルの法則の計算
化学反応式の係数合わせ
モルと分子量
計算問題のよくある勘違い:電卓・公式の丸暗記・モルから始める
- 電卓があれば解けるのに:試験に電卓は持ち込めません。計算は筆算で解ける範囲で出ます。
- 公式を丸暗記すればよい:式の中に単位を書くと、何と何を掛けるかを忘れにくくなります。熱量なら「g×J/(g·K)×K=J」と並べると、gとKが消えてJが残ります。
- モルから始めないと解けない:残す5つの型は、どれもモルを使いません。化学の基礎をやり直す前に、5つの型から手を付けられます。
式は数字だけでなく単位ごと書くと、掛ける順番を取り違えにくくなります。 単位が消えて答えの単位だけが残れば、式の組み立ては合っています。
電卓なしの算数:小数の割り算・%・LとmLの換算
5つの型で手が止まる原因は、式ではなく算数のことがよくあります。筆算で使う手順は、次の4つで足ります。

- 小数の割り算:割る数と割られる数の小数点を、同じ桁だけ右へ動かします。2.4÷0.3は、24÷3=8と同じです。
- 小数の掛け算:小数点を外して掛け、最後に小数点以下の桁数だけ戻します。いちばん大きいタンクが3,000Lなら、3,000×1.1=3,300で、防油堤は3,300L以上の容量が要ります。
- 割合(%):部分÷全体×100で求めます。蒸気2Lと空気98Lなら、2÷(2+98)×100=2で、濃さは2vol%です。
- LとmL:1L=1,000mLです。問題の中でLとmLが混ざっていたら、先にどちらかにそろえます。
単位をそろえてから計算すると、桁の間違いが減ります。 ボイルやシャルルの計算では、温度をセルシウス温度から絶対温度(ぜったいおんど)に直す手順も要ります。
絶対温度は、セルシウス温度に273を足した値です。これは余力の型の手順なので、5つの型が固まってからで間に合います。
まとめ
危険物乙4の計算は、法令の倍数と防油堤、物理・化学の熱量・熱膨張・燃焼範囲の5つの型だけを残します。モルや化学反応式、化学反応の熱の計算は後回しにしても、ほかの問題で6問に届くと当サイトは判断しています。筆算は小数の割り算・掛け算、割合、LとmLの4つの手順で足り、単位をそろえてから計算します。
次に読む
- 前に戻る:危険物乙4の物理・化学が苦手な人へ:10問中6問を取る地図
- 次へ進む:指定数量の倍数計算:品名ごとに割ってから足す
- もっと詳しく(甲種レベル):甲種の計算問題:頻出5パターンと解き方
参考文献
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-4 指定数量・1-24 屋外タンク貯蔵所の基準・1-37 消火設備・2-5 燃焼範囲・2-15 ボイルの法則/シャルルの法則/ドルトンの法則・2-16 熱量と比熱・2-18 熱膨張・2-21 化学の基礎(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、1-1 共通の予備知識・1-3 熱とエネルギー・1-5 熱の移動と熱膨張・3-3 燃焼範囲・5-2 指定数量 Amazonで見る
- 『過去に出題された問題』一般財団法人 消防試験研究センター
- 『受験時の注意事項』一般財団法人 消防試験研究センター
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