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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日
ガソリンも灯油も、1種類ずつなら基準の量に届かないのに、同じ場所に置くと法令の扱いが変わることがあります。危険物乙4では、2種類以上の危険物(きけんぶつ)を合わせて、基準の量の何倍になるかを計算する問題が出ます。計算は割り算と足し算だけで、電卓なしの筆算で解けます。
この記事でわかること
- 指定数量(していすうりょう)の倍数の求め方(1種類のときと2種類以上のとき)
- 品名ごとに割ってから足す理由と、先に足すと答えが変わる例
- 倍数が1以上か1未満かで、かかる決まりが変わること
指定数量の倍数は、品名ごとに「貯蔵量÷指定数量」を出してから足します。
足した値が1以上なら、指定数量以上の危険物を貯蔵しているとみなされます。
量を先に合計して1つの指定数量で割ると、答えが変わってしまいます。
まず場面で:ガソリンと灯油を同じ倉庫に置くとき
ある倉庫に、ガソリンが120L、灯油が600L置いてあるとします。ガソリンの指定数量は200Lなので、ガソリンだけなら基準の量に届きません。灯油の指定数量は1000Lなので、灯油だけでも届きません。
指定数量とは、危険物の危なさを考えて、政令が品名ごとに決めた量のことです。どちらも第4類(だいよんるい)の危険物ですが、ガソリンは第1石油類、灯油は第2石油類と品名が違うので、指定数量も違います。
では、2つを同じ倉庫に置いたら、法令ではどう扱うのでしょうか。答えは、品名ごとに「指定数量の何倍か」を出して足し、1と比べて決めます。この倉庫は、あとで計算するとおり、指定数量以上の危険物を置いている扱いになります。
指定数量の倍数はなぜ品名ごとに割ってから足すのか
指定数量の倍数とは、貯蔵したり取り扱ったりする危険物の量が、その指定数量の何倍にあたるかを表す値のことです。1種類だけなら、貯蔵量を指定数量で割るだけで求まります。
品名や指定数量の違う危険物を同じ場所に置くときは、品名ごとに割った値を足します。消防法は、この和が1以上なら、その場所は指定数量以上の危険物を貯蔵しているとみなす、と決めています。1つずつは少なくても、合わせた危なさで判断するしくみです。
先に割る理由は、品名ごとに危なさの物差しが違うからです。「指定数量の何倍か」にそろえてから足せば、違う品名の量でも同じ物差しで比べられます。量を先に足してしまうと、どの品名の指定数量で割ればよいかが決まりません。
指定数量を、その品名の「1人前」と考えてみてください。ガソリン0.6人前と灯油0.6人前を合わせると、1.2人前で1人前を超えます。正確には、倍数は貯蔵量をその品名の指定数量で割った値です。品名ごとの値の和が1以上なら、指定数量以上を貯蔵しているとみなされます。
同じ品名で指定数量も同じ物どうしなら、量を先に足してから割っても答えは同じです。割ってから足す手順を守れば、品名が同じでも違っても同じやり方で解けます。
倍数の和が1以上になれば、許可を受けた製造所等(せいぞうしょとう)でなければ貯蔵も取扱いもできません。 例外は、消防署長などの承認を受けた短い期間の仮貯蔵(かりちょぞう)・仮取扱いです。1未満なら、貯蔵と取扱いの決まりは市町村の条例が定めます。
解き方の手順(3ステップ):品名ごとに割る→足す→1と比べる
例題で使う指定数量は、次の3つです。水に溶ける水溶性(すいようせい)の液体は、同じ品名でも指定数量が変わります。ほかの品名の指定数量は、指定数量の覚え方の表で確かめてください。
| 品名 | 代表的な物品 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 第1石油類(非水溶性) | ガソリン | 200L |
| 第2石油類(非水溶性) | 灯油、軽油 | 1000L |
| 第2石油類(水溶性) | 酢酸 | 2000L |

手順は、いつも次の3つです。
- ステップ1 品名ごとに割る:貯蔵量÷その品名の指定数量
- ステップ2 足す:品名ごとに出した値をすべて足す
- ステップ3 1と比べる:1以上なら指定数量以上、1未満なら指定数量未満
例題1は、軽油を2500L貯蔵する場合です。1種類なので、割るだけで終わります。
- 2500L÷1000L=2.5
- 2.5は1以上なので、指定数量以上です。
例題2は、場面の倉庫です。ガソリン120Lと灯油600Lを、品名ごとに割ります。
- ガソリン:120L÷200L=12÷20=0.6
- 灯油:600L÷1000L=6÷10=0.6
- 足す:0.6+0.6=1.2
- 1.2は1以上なので、指定数量以上です。
先に量を足して720Lとし、灯油の1000Lで割ると0.72になり、1未満と答えを誤ります。 1つずつ割ってから足す順番が、答えを分けます。
例題3は、酢酸4000Lと軽油1500Lです。酢酸は水に溶ける第2石油類なので、指定数量は非水溶性の2倍です。
- 酢酸:4000L÷2000L=2
- 軽油:1500L÷1000L=1.5
- 足す:2+1.5=3.5
酢酸を非水溶性の1000Lで割ると4になり、合計は5.5と大きくずれます。品名だけでなく、水に溶けるかどうかも確かめてから割ります。
ここは覚えなくていい
倍数から貯蔵量を逆に求める計算は、乙4では後回しでかまいません。第4類以外の類の指定数量(単位はkg)を使う計算も、乙4では後回しでかまいません。
試験ではこう聞かれる:合計量を1つの指定数量で割る誤り
1つめは、倍数の求め方を文で選ぶ形です。「貯蔵量の合計を指定数量の合計で割る」「指定数量の平均で割る」のような文が並びます。正しいのは、品名ごとの「貯蔵量÷指定数量」を足した値だけです。
2つめは、組合せの中から、倍数が1以上になるものを選ぶ形です。組ごとに品名ごとの値を足して、1と比べます。合計がちょうど1になる組も、1以上に入るので指定数量以上です。
3つめは、指定数量の取り違えを誘う形です。水溶性の液体を非水溶性の数量で割ったり、アルコール類を第1石油類の200Lで割ったりすると、答えがずれます。割る前に、品名と水に溶けるかを確かめます。
工場・現場ではこうなる:品名ごとの在庫表で倍数を見張る
化学プラントの倉庫やタンクの置き場では、置いてある溶剤や燃料を品名ごとに在庫表にして、倍数の合計を出しています。許可を受けた倍数を超えないよう、新しい品名を入れる前にこの計算をやり直します。倍数を変えるときは事前の届出が要るので、計算の結果も記録に残しておきます。
確認問題
問1 灯油とガソリンを一緒に置くときの倍数は、それぞれを自分の指定数量で割った値の和になる。
答え:○
根拠:品名や指定数量が違う危険物は、品名ごとに割ってから足します。
なぜか:灯油の指定数量は1000L、ガソリンは200Lで、同じ1Lでも重みが違います。それぞれ何倍かを出してから合わせると、全体の量を正しく表せます。
狙われる形:量を合計してから、どちらか一方の指定数量で割らせる形で出ます。
問2 ガソリン40Lと軽油600Lを置く倉庫は、指定数量以上の危険物を貯蔵していることになる。
答え:×
訂正:倍数はガソリン40÷200=0.2、軽油600÷1000=0.6で、合計0.8なので指定数量未満である。
根拠:品名が違う危険物は、品名ごとに指定数量で割り、その和が1以上かどうかで判断します。
なぜか:ガソリンの指定数量は200L、軽油は1000Lです。0.2と0.6を足すと0.8で、1に届きません。量を合計して640÷200=3.2とすると、指定数量以上だと答えてしまいます。
狙われる形:合計量をガソリンの指定数量で割らせて、倍数を大きく見せる形で出ます。
問3 シリンダー油1800Lとアセトン280Lを置く場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵しているとみなされる。
答え:○
根拠:倍数の和が1以上なら指定数量以上とみなします。「1以上」には1ちょうどを含みます。
なぜか:シリンダー油は第4石油類で6000L、アセトンは水溶性の第1石油類で400Lです。1800÷6000=0.3、280÷400=0.7で、足すとちょうど1になります。
狙われる形:倍数の和がちょうど1になる数を使い、「1未満だから規制されない」と答えさせる形で出ます。
まとめ
指定数量の倍数は、品名ごとに貯蔵量を指定数量で割り、その値を足して求めます。足した値が1以上なら、許可を受けた製造所等で扱う量になり、1未満なら市町村の条例の決まりがかかります。量を先に合計して割る方法や、水溶性の数量の取り違えは、答えを変えてしまいます。
次に読む
- 前に戻る:指定数量の覚え方:第4類の7品名を「危ないほど少ない」で
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- もっと詳しく(甲種レベル):全類の指定数量と倍数計算
参考文献
- 『消防法』第10条・第11条の4e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する政令』第1条の11・別表第三e-Gov法令検索
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-4 危険物の指定数量(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、5-2 第4類の危険物と指定数量 Amazonで見る
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