動画解説はこちら|YouTube

危険物乙4で出る主な気体の性質|酸素・二酸化炭素・一酸化炭素・水素・窒素

危険物乙4で出る主な気体の性質|酸素・二酸化炭素・一酸化炭素・水素・窒素のアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

重要度:◎ よく問われます(市販問題集の頻出印と収録問題数から。当サイトの判断)

最終確認:2026年9月23日

閉め切った部屋で石油ストーブを使い続けると、一酸化炭素(いっさんかたんそ)が出るおそれがあります。一酸化炭素は色もにおいもないので、気づかないうちに吸ってしまいます。危険物乙4では、この一酸化炭素と、名前の似た二酸化炭素(にさんかたんそ)の違いがよく問われます。

この記事でわかること

  • 乙4で問われる5つの気体を、燃える・燃やす・燃えないに分ける方法
  • 一酸化炭素と二酸化炭素の違いと、それぞれができるとき
  • 「酸素は燃えやすい」のような、ひっかけの見抜き方

燃える気体は水素と一酸化炭素、燃やす気体は酸素、燃えない気体は二酸化炭素と窒素です。

不完全燃焼(ふかんぜんねんしょう)でできる一酸化炭素は燃えて毒が強く、完全燃焼(かんぜんねんしょう)でできる二酸化炭素は燃えません。

まず場面で:ストーブの一酸化炭素と、電気室の二酸化炭素

石油ストーブの灯油は、酸素が足りていれば、燃えて二酸化炭素と水になります。これを完全燃焼といいます。換気をしないで酸素が足りなくなると、不完全燃焼になり、一酸化炭素が出ます。

完全燃焼と不完全燃焼の違いは、燃焼の三要素(ねんしょうのさんようそ)でも見ました。一酸化炭素は、体に入ると強い毒になります。ストーブを使う部屋で換気をするのは、このためです。

一方、電気室などには、二酸化炭素を詰めた消火器(しょうかき)が置かれることがあります。二酸化炭素は燃えないので、燃えている物を包んで酸素を断ち、火を消します。名前は1文字違いでも、一酸化炭素は燃える気体、二酸化炭素は燃えない気体です。

乙4で問われる気体は、主に酸素・二酸化炭素・一酸化炭素・水素・窒素の5つです。5つを燃える気体・燃やす気体・燃えない気体の3つに分けると、性質が整理しやすくなります。

5つの気体は燃える・燃やす・燃えないの3つに分かれる

分け方の元は、燃焼の三要素です。燃える気体は可燃物(かねんぶつ)、燃やす気体は酸素供給源(さんそきょうきゅうげん)の側に入ります。燃えない気体は、そのどちらにも入りません。

5つの気体は燃える・燃やす・燃えないの3つに分かれる(一酸化炭素は燃え、二酸化炭素は燃えない)

燃える気体は水素と一酸化炭素、燃やす気体は酸素、燃えない気体は二酸化炭素と窒素です。 水素は、燃えると水になり、炎は淡い青色で見えにくい気体です。一酸化炭素は青白い炎を上げて燃え、二酸化炭素になります。

一酸化炭素がまだ燃えるのは、酸素と結びつく余地が残っているからです。二酸化炭素は、炭素がこれ以上酸素と結びつけない形なので、燃えません。物が酸素と結びつくことは、酸化(さんか)と還元(かんげん)で見た酸化です。

酸素は、自分は燃えませんが、ほかの物の燃焼(ねんしょう)を助けます。この性質を支燃性(しねんせい)といいます。酸素が濃いほど、物は激しく燃えます。

窒素は燃えず、ふだんの温度ではほかの物とほとんど反応しません。二酸化炭素と窒素は、燃えない性質を生かして、消火にも使われます。

覚える性質はこれだけ:一酸化炭素と二酸化炭素の違い

一酸化炭素と二酸化炭素は、どちらも色もにおいもない気体です。見た目では区別できないので、次の表の5つの違いで見分けます。

比べる点一酸化炭素二酸化炭素
できるとき不完全燃焼完全燃焼
空気中で青白い炎で燃える燃えない
空気と比べた重さわずかに軽い重い
体への害とても強い毒濃いと害がある
水にはほとんど溶けない溶けて弱い酸性になる

不完全燃焼でできる一酸化炭素は燃えて毒が強く、完全燃焼でできる二酸化炭素は燃えません。 二酸化炭素は空気より重いので、燃えている物を覆って消火に役立ちます。消火器での使われ方は、消火剤(しょうかざい)の種類と使える火災で見ます。

残りの3つは、分け方と一言の性質で覚えます。

気体分け方覚える性質
酸素燃やす自分は燃えない。濃いほど激しく燃える
水素燃えるとても軽い。炎が見えにくく、燃えると水になる
窒素燃えない空気の大部分。反応しにくく、水に溶けにくい

空気の大部分は窒素で、酸素はその次に多い成分です。空気中の酸素の濃さは、約21%です。水素は、燃焼範囲(ねんしょうはんい)がとても広い気体です。

ここは覚えなくていい

気体が液体になったときの色や、液体へのなりやすさ、沸点などの温度は、この記事では覚えなくてかまいません。貴ガスやアセチレンの性質も同じです。乙4では、5つの気体を3つに分け、一酸化炭素と二酸化炭素の違いを言えれば足ります。

試験ではこう聞かれる:「酸素は燃えやすい気体」は誤り

1つめは、酸素の性質のすり替えです。「酸素は非常に燃えやすい物質」という文は誤りです。酸素は燃焼を助ける気体で、酸素そのものは燃えません。

2つめは、一酸化炭素と二酸化炭素の入れ替えです。「二酸化炭素は不完全燃焼でできる」「二酸化炭素は青白い炎で燃える」は、どちらも一酸化炭素の性質です。一酸化炭素と二酸化炭素の問題は、どちらが燃えるかから確かめます。

二酸化炭素について、できるとき・重さ・水に溶けたときの性質を、穴埋めで問う形もあります。答えは、完全燃焼でできる、空気より重い、水に溶けて弱い酸性、の3つです。

3つめは、水素と窒素の細かい性質です。「純粋な水素には色やにおいがある」は誤りで、水素は色もにおいもありません。「窒素は水によく溶けて消火に役立つ」も誤りで、窒素は水に溶けにくい気体です。

気体の重さを比べる問題では、ガソリンや灯油の蒸気は空気より重く、水素は空気よりずっと軽い、と押さえます。蒸気の重さは、比重(ひじゅう)と蒸気比重(じょうきひじゅう)で詳しく見ます。

工場・現場ではこうなる:窒素で追い出し、入る前に酸素を測る

化学プラントでは、燃えない窒素を使って、タンクや配管の中の燃えるガスを追い出してから工事をします。窒素で満たした所は酸素が足りないので、中に入る前には酸素の濃さを測り、換気をしてから入ります。燃やす設備のある建物では、不完全燃焼で出る一酸化炭素に備えて、ガスの検知器を置くことがあります。

確認問題

問1 酸素は燃えない気体だが、ほかの物が燃えるのを助けるはたらきがある。

答え:○

根拠:燃焼を助ける性質(支燃性)と、それ自体が燃える性質(可燃性)は別の性質です。

なぜか:酸素がなければ物は燃えませんが、酸素だけがあっても火はつきません。燃えるのは可燃物で、酸素はそれを助ける側です。

狙われる形:酸素を「非常に燃えやすい気体」とした形で出ます。

問2 水にほとんど溶けないのは二酸化炭素で、一酸化炭素は水によく溶ける。

答え:×

訂正:水に溶けるのは二酸化炭素で、一酸化炭素は水にほとんど溶けない。

根拠:一酸化炭素と二酸化炭素は名前が似ていても、水への溶けやすさなどの性質が大きく違います。

なぜか:炭酸飲料の泡は、水に溶けていた二酸化炭素が出てきたものです。一酸化炭素にはそのような溶け方はありません。

狙われる形:2つの気体の溶けやすさを入れかえた形で出ます。

問3 水素は空気より重いので、もれると床の近くにたまる。

答え:×

訂正:水素は空気より軽いので、もれると上のほうへ広がる。

根拠:気体が上へ行くか低い所へたまるかは、空気と比べた重さで決まります。

なぜか:水素は、同じ体積の空気と比べてずっと軽い気体です。床の近くにたまるのは、ガソリンの蒸気のような空気より重い気体です。

狙われる形:水素を、空気より重い気体の仲間に入れた形で出ます。

まとめ

水素と一酸化炭素は燃える気体、酸素は燃えるのを助ける気体、二酸化炭素と窒素は燃えない気体です。一酸化炭素は酸素不足の不完全燃焼で出る毒の強い気体で、燃えて二酸化炭素になります。二酸化炭素は完全燃焼でできる燃えない気体で、空気より重く、消火にも使われます。

次に読む

有機化合物の基礎:アルコール→アルデヒド→カルボン酸の1本の線

参考文献

  • 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第2章 主な気体の特性(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
  • 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、3-2 危険物の燃焼形態 Amazonで見る

内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む