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危険物乙4の措置命令・許可の取消し・使用停止|違反の種類で見分ける

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重要度:◎ よく問われます

法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日

危険物(きけんぶつ)の施設で違反が見つかると、市町村長等(しちょうそんちょうとう)から命令が出ることがあります。危険物乙4では、どの違反で使用停止(しようていし)や許可の取消しまで進むかの見分けが問われます。

命令と取消し・使用停止 ── 取消しまであるのは設備と点検の違反

命令は設備・扱い方・人のどれの問題かで分かれる(措置命令・使用停止・許可の取消しの分類)

措置命令(そちめいれい)を受けるのは、施設の所有者等(しょゆうしゃとう)です。許可の取消しがあり得るのは設備と検査・点検の違反だけで、扱い方と人の違反は使用停止までです。

問われる形○×ポイント
基準に反した取扱いを正す命令は、保安監督者が受ける×相手は所有者・管理者・占有者
位置・構造・設備の不備には、修理・改造・移転を命じる○扱い方の命令と入れかえた文は誤り
無許可の変更や定期点検をしないことは、使用停止だけ×許可の取消しまであり得る
遵守命令に従わない、保安監督者がいない、で許可を取り消す×どちらも使用停止まで
講習の期限を過ぎた取扱者や、予防規程がないことで使用停止×どちらも使用停止の事由にない

市町村長等とは、施設の設置を許可する行政の長です。多くは市町村長で、場所や施設によっては都道府県知事や総務大臣になります。所有者等とは、施設の所有者・管理者・占有者(せんゆうしゃ)のことです。

設備の問題なら、位置・構造・設備を基準に合わせるよう、修理・改造・移転を命じます。扱い方の問題なら、基準どおりに貯蔵・取扱いをするよう命じます。人の問題なら、危険物保安監督者や危険物保安統括管理者の解任(かいにん)を命じます。

このほか、予防規程(よぼうきてい)の変更命令、事故のときの応急(おうきゅう)措置命令、無許可で危険物をためている人への措置命令があります。緊急の必要があるときは、施設の使用を一時止める命令も出せます。許可の取消しは許可をなくすこと、使用停止は期間を決めて施設を使わせないことです。

許可の取消しか使用停止になる違反です。

違反中身
無許可の変更許可を受けずに位置・構造・設備を変えた
完成検査の前の使用完成検査済証の交付前に使った(仮使用の承認なし)
修理・改造・移転の命令の違反設備を基準に合わせる命令に従わない
保安検査を受けない大きな屋外タンクなどが検査を受けない
定期点検をしない点検、記録の作成・保存をしない

使用停止だけになる違反です。

違反中身
貯蔵・取扱基準の遵守命令の違反扱い方を直す命令に従わない
保安統括管理者の違反定めない、または業務を統括管理させない
保安監督者の違反定めない、または保安の監督をさせない
解任命令の違反監督者などの解任の命令に従わない
  • 遵守(じゅんしゅ)命令とは、基準どおりに貯蔵・取扱いをするよう命じることです。設備は基準に合っているので、許可は残したまま使用を止めます。
  • 定期点検の記録を残していないのは、点検をしないのと同じ扱いで、許可の取消しまであり得ます。
  • 使用停止にもならない違反もあります。譲渡(じょうと)などの届出を怠った、立入検査を拒んだ、予防規程を定めない・認可(にんか)を受けない、などです。危険物施設保安員を定めないのも同じです。多くは罰則の対象です。
  • 保安監督者を定めていないのは使用停止の対象ですが、選任の届出を怠っただけでは使用停止になりません。
  • 保安講習(ほあんこうしゅう)を受けない、免状(めんじょう)を書き換えないといった違反は、危険物取扱者(きけんぶつとりあつかいしゃ)本人の問題です。免状を交付した都道府県知事が、返納(へんのう)を命じることがあります。くわしくは免状の返納命令の解説にまとめています。
  • 危険物施設保安員には、解任命令の決まりがありません。罰則の金額や期間は、後回しでかまいません。2025年6月から、罰則の「懲役」は「拘禁刑(こうきんけい)」という名前に変わりました。

事故のとき ── 所有者等は直ちに流出の拡大を防ぐ応急の措置をとる

工場・現場ではこうなる:事故のときに施設側がすること(措置は所有者等、通報は見つけた人)

危険物が漏れるなどの事故が起きたら、所有者等は直ちに応急の措置をとります。流出が続かないように止め、広がりを防ぎ、流れ出た危険物を取り除きます。

問われる形○×ポイント
応急の措置は消防機関の役目で、施設側の義務ではない×消防の到着を待たず、所有者等がとる
事故を見つけた人は、消防署などへ直ちに通報する○措置は所有者等、通報は見つけた人

事故を見つけた人は、直ちに、消防署、市町村長の指定した場所、警察署、海上警備救難機関のいずれかへ通報します。応急の措置をとるのは所有者等で、通報するのは事故を見つけた人です。

  • 流れ出た危険物は、広がるほど火災や汚染の範囲が大きくなります。
  • 所有者等がこの措置をとらないときは、市町村長等が応急措置命令を出します。

化学プラントの工場では、漏れを見つけたら、まず送液を止めて弁を閉め、流れ出た油を防油堤などの中にとどめます。同時に、社内の連絡の手順に沿って計器室と消防へ知らせ、周りの火気を止めます。流れ出た油は、吸着材などで回収します。

確認問題

問1 基準に違反した取扱いを正すよう命じられる相手は、その場で作業していた危険物取扱者である。
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答え:×

訂正:命令の相手は、製造所等(せいぞうしょとう)の所有者等。

根拠:市町村長等の命令は、施設に責任を持つ所有者・管理者・占有者に対して出されます。

なぜか:作業する人が替わっても、施設の責任者は変わりません。命令を責任者に向けることで、改善を確かなものにします。

狙われる形:命令の相手を、作業者や危険物保安監督者にすり替えた形で出ます。

問2 市町村長等の許可を受けずにタンクを増設した製造所は、許可を取り消されることがある。
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答え:○

根拠:設備が基準に合うと確かめられていない違反は、許可の取消しまたは使用停止の対象になります。

なぜか:無断で増設した設備は審査を受けていないので、許可の前提がくずれるからです。

狙われる形:無許可の変更を、使用停止だけの違反とする形で出ます。

問3 タンクから油が漏れ出したら、施設の所有者等は、すぐに広がりを止めて流れた油を取り除く措置をとる。
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答え:○

根拠:事故が起きたとき、施設側はまず応急の措置で被害の広がりを防ぎます。

なぜか:流れた油は時間がたつほど広がり、火災や汚染の範囲が大きくなるからです。

狙われる形:応急の措置は消防機関が行うもので、施設側の義務ではないとする形で出ます。

まとめ

措置命令は所有者等に出され、違反が設備・扱い方・人のどれに当たるかで種類が分かれます。無許可の変更や定期点検をしないなどの違反は許可の取消しまで、扱い方や監督者の違反は使用停止までです。事故のときは、所有者等が流出を止めて広がりを防ぎ、見つけた人が消防署などへ通報します。

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参考文献

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