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危険物乙4の移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の基準|間仕切りと防波板の役割

危険物乙4の移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の基準|間仕切りと防波板の役割のアイキャッチ

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重要度:◎ よく問われます(市販問題集の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)

法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月24日

タンクローリーのタンクの上には、マンホールのふたがいくつも並んでいます。1つの大きなタンクに見えても、中はいくつもの部屋に仕切られているからです。危険物乙4では、この仕切りの間仕切り(まじきり)(まじきり)と、部屋の中に入れる防波板(ぼうはばん)の違いが問われます。

この記事でわかること

  • タンクを間仕切りで部屋に分け、防波板を入れる決まり
  • 移動タンク貯蔵所(いどうタンクちょぞうしょ)を置く場所と、車に備える書類
  • 荷下ろしのときに守る取扱いの決まりと、その聞かれ方

間仕切りはタンクの中を部屋に分ける壁で、防波板は部屋の中で油の片寄りを抑える板です。

荷下ろしでは、注入ホースを注入口に固く結び、引火点(いんかてん)の低い油ならエンジンを止めます。

まず場面で:タンクローリーの上に並ぶいくつものマンホール

ガソリンスタンドに、タンクローリーが燃料を届けに来た場面を思い浮かべてください。タンクの上には、マンホールのふたが前から後ろへ並んでいます。外からは1つのタンクに見えても、中は前後にいくつもの部屋に分かれています。

タンクローリーの上に並ぶいくつものマンホール(間仕切りと防波板の透視図)

部屋と部屋を分ける壁が間仕切りで、1つの部屋の中に立てる板が防波板です。タンクローリーは、法令では移動タンク貯蔵所と呼びます。移動タンク貯蔵所とは、車両に固定したタンクで危険物(きけんぶつ)をためたり扱ったりする貯蔵所のことです。

タンクローリーで危険物を運ぶ移送(いそう)の決まりは、運搬と移送の違いにまとめています。この記事では、タンクそのものの造りと、荷を積み下ろすときの決まりを扱います。

間仕切りは部屋を分け、防波板は部屋の中の揺れを抑える

間仕切りとは、タンクの中を4,000L以下ごとの部屋に分ける、すき間のない壁のことです。タンクを輪切りにする向き、つまり車の進む向きに直角に入ります。仕切られた部屋ごとに、マンホールと安全装置を付けます。

防波板とは、1つの部屋の中で、油が片寄るのを抑える板のことです。走っている車が曲がったり止まったりすると、中の油は遠心力などで片側へ寄ろうとします。防波板はその片寄りを抑えるために、車の進む向きと平行に入れます。

間仕切りは進む向きに直角の壁、防波板は進む向きと平行の板です。 防波板は、容量が2,000L以上の部屋に、高さか間仕切りからの距離を変えて入れます。

間仕切りは、大きな水槽を小さな水槽に分ける壁のようなものです。防波板は、その小さな水槽の中に立てた、水の揺れを抑えるついたてです。正確には、間仕切りは4,000L以下ごとにタンクを区切るすき間のない壁です。防波板は、2,000L以上の部屋に入れる板です。

タンクそのものは、決まった厚さ以上の鋼板で気密に造り、外側にはさびどめの塗装をします。タンクの下の排出口には底弁(そこべん)を付け、非常のときにすぐ閉められる手動と自動の閉鎖装置を付けます。ガソリンのように静電気(せいでんき)の災害が起きるおそれのある液体のタンクには、接地導線(せっちどうせん)を付けます。

覚える言葉はこれだけ:タンクの部品と、置き場所と書類

タンクの部品は、次の5つを押さえます。

部品役割付け方
間仕切りタンクを部屋に分ける進む向きに直角
防波板部屋の中の油の片寄りを抑える進む向きと平行
マンホール・安全装置部屋ごとに付けるタンクの上
底弁使うとき以外は閉めておくタンクの下の排出口
接地導線静電気を地面へ逃がすガソリンなどのタンク

タンクの容量の数字は、次の3つです。

決まり数字ひとこと
タンク全体の容量30,000L以下上限がある
間仕切りで仕切る容量4,000L以下ごと部屋ごとにマンホールと安全装置
防波板を入れる部屋の容量2,000L以上進む向きと平行に入れる

移動タンク貯蔵所は、屋外の防火上安全な場所か、耐火構造(たいかこうぞう)または不燃材料(ふねんざいりょう)で造った建物の1階に常置(じょうち)します。常置とは、決まった場所に置いておくこと、つまり駐車しておく場所を決めることです。常置する場所を変えるときは、変更の許可が要ります。

車には、次の4つの書類を備え付けます。

  • 完成検査済証(かんせいけんさずみしょう)
  • 定期点検の記録
  • 譲渡・引渡の届出書
  • 品名・数量・指定数量(していすうりょう)の倍数の変更の届出書

移動タンク貯蔵所には、保安距離や保有空地(ほゆうくうち)の決まりはありません。予防規程や、危険物施設保安員の届出書は、備え付ける書類に入りません。

ここは覚えなくていい

タンクの鋼板の厚さや水圧試験の圧力、底弁の手動閉鎖装置のレバーの長さは、覚えなくてかまいません。車に備える消火器(しょうかき)の種類も、ここでは覚えなくて足ります。

移動タンク貯蔵所での取扱いはこう聞かれる:エンジン停止の温度

荷下ろしのときの決まりは、次の5つです。

  • 注入ホースを、受け入れるタンクの注入口に緊結(きんけつ)する
  • タンクから容器へ、液体の危険物を詰め替えない
  • ガソリンなど静電気の災害のおそれがある液体を出し入れするときは、タンクを接地する
  • 引火点が40℃未満の危険物を注入するときは、エンジンを止める
  • ガソリンなどを上から入れるときは、注入管の先をタンクの底に着ける

緊結とは、留め具などで、外れないようにしっかりつなぐことです。注入ホースを手で押さえておくだけでは、緊結になりません。 静電気がたまらないよう、接地は導線でタンクと接地電極をつないで行います。

容器への詰め替えには例外があります。対象は、引火点が40℃以上の第4類(だいよんるい)の油で、灯油や軽油がこれに当たります。手で開け閉めする注入ノズルを使うなどの条件を満たせば、容器に詰め替えられます。

試験では、エンジンを止める温度を穴埋めさせる形で問われます。ガソリンは引火点がとても低いので、荷下ろしではエンジンを止める側に入ります。 注入管の先を「底に着けないようにする」とした文は、向きが逆で誤りです。

構造と置き場所では、次のすり替えが出ます。「常置場所を変えるときは届出でよい」は誤りで、変更の許可が要ります。「建物の地階に常置する」「すべてのタンクに接地導線が要る」も誤りです。

名前のすり替えもあります。「移動タンク取扱所」という区分は無く、正しくは移動タンク貯蔵所です。

工場・現場ではこうなる:タンクローリーから溶剤を受け入れるとき

化学プラントでタンクローリーから溶剤を受け入れるときは、車を止めてエンジンを切ります。接地線をつないでからホースを受入口に結合し、荷下ろしの間はつなぎ目から漏れがないかをそばで見ています。終わったら底弁が閉まっていることを確かめてからホースを外し、最後に接地線を外します。

確認問題

問1 ガソリンを積むタンクローリーの常置場所には、住宅や病院から離す保安距離は定められていない。

答え:○

根拠:保安距離が求められるのは製造所や屋外タンク貯蔵所などで、移動タンク貯蔵所は含まれません。

なぜか:移動タンク貯蔵所の位置の基準は、常置する場所の条件です。屋外の防火上安全な場所か、耐火構造などの建物の1階に置きます。

狙われる形:移動タンク貯蔵所にも、製造所と同じ保安距離が要るとした形で出ます。

問2 移動貯蔵タンクの防波板(ぼうはばん)は、車体の外に張り出して、衝突からタンクを守る。

答え:×

訂正:防波板はタンクの室の中に設け、走行中の液体の揺れを抑える。

根拠:防波板は、タンクの中の液体が走行中に片寄らないようにする、内部の板です。

なぜか:カーブや急ブレーキで液体が一方へ寄ると、揺れが大きくなります。外からの衝撃に備えるのは、防護枠などの別の装置です。

狙われる形:防波板と防護枠の役目を取りかえた形で出ます。

問3 タンクローリーからガソリンを荷下ろしするときは、ローリーのエンジンを止めておく。

答え:○

根拠:ガソリンのように引火点の低い危険物を他のタンクへ注入する間は、エンジンを止めておきます。

なぜか:注入口の周りには、空気より重いガソリンの蒸気が広がることがあります。エンジンの熱や電気の火花が、その蒸気に火をつけないようにします。

狙われる形:注入中もエンジンをかけたままでよいとした形で出ます。

まとめ

タンクローリーのタンクは間仕切りで部屋に分けられ、大きさが一定以上の部屋には、油の片寄りを抑える防波板が入ります。置き場所は屋外の安全な場所か、耐火構造か不燃材料の建物の1階で、車には完成検査済証など4つの書類を備えます。荷下ろしでは注入ホースを緊結し、接地をとり、引火点の低い油ならエンジンを止めます。

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参考文献

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