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重要度:◎ よく問われます(市販問題集の頻出印から。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日
いつも給油に寄るガソリンスタンドは、危険物乙4の法令では給油取扱所(きゅうゆとりあつかいじょ)と呼ばれます。広いコンクリートの床も、敷地を囲む塀も、地面から立つ細い管も、法令で決まった設備です。見慣れた景色を上から見直すと、試験に出る基準がそのまま並んでいます。
この記事でわかること
- 給油空地(きゅうゆくうち)・塀・地下タンクなど、スタンドの景色のどこが法令の基準か
- 給油取扱所に置ける建物と、置けない建物の見分け方
- 2023年の改正で変わった、ガソリンの容器への詰め替えと荷下ろし中の給油
給油取扱所の基準は、漏れた油と火を敷地の外へ出さず、車を給油空地に収めるための決まりです。
タンクは地下に埋め、周りは塀で囲み、車は給油空地からはみ出さずに給油します。
置ける建物は、給油の業務に要るものと、店や飲食店など決められた用途に限られます。
まず場面で:スタンドを上から見て、法令の決まりを探す
セルフの店でも、店員さんが入れる店でも、スタンドの形はよく似ています。似ているのは、どの店も同じ法令の基準に合わせて造られているからです。道路から入って出るまでの景色を、上から順に見ていきます。

まず目に入るのは、給油機の周りに広がるコンクリートの床です。ここが給油空地で、車が出入りし、給油を受けるための空き地です。床は漏れた油がしみ込まない舗装で、ふちの排水溝(はいすいこう)は油分離装置(ゆぶんりそうち)へつながっています。
ガソリンをためるタンクは地面の下に埋まっていて、地上に見えるのは主に注入口(ちゅうにゅうこう)と通気管(つうきかん)です。通気管とは、タンクの中の空気や蒸気を逃がすための細い管のことです。敷地の奥と横は、車が出入りする側を除いて、塀か壁で囲まれています。
給油取扱所の基準は、漏れた油と火を外へ出さないため
給油取扱所には、ガソリンのように引火点(いんかてん)がとても低い油が毎日出入りします。基準の多くは、「漏れても広げない」「燃えても広げない」の2つに分けると理由が分かります。
給油取扱所は、ふちの立ったお盆の上で油を扱っているようなものです。こぼれた油はお盆の中で受け止め、外へ流しません。正確には、しみ込まない舗装と排水溝、油分離装置で漏れた油を集め、敷地の外へ流さないしくみです。
給油空地は、車がはみ出さずに出入りし、給油を受けられる広さが要ります。車の一部でも給油空地からはみ出したままでは、給油してはいけません。 はみ出した部分は、舗装と排水溝で守られた範囲の外になるからです。
塀は、耐火構造(たいかこうぞう)か不燃材料(ふねんざいりょう)で造り、隣へ火が広がるのを防ぎます。事務所など火を使う建物は、漏れた可燃性蒸気(かねんせいじょうき)が中へ流れ込まない構造にします。給油するときは、車の原動機(げんどうき)、つまりエンジンを止めさせます。
固定給油設備(こていきゅうゆせつび)とは、ポンプとホースを地面や天井に固定した給油機のことです。車への給油は、この設備を使って燃料タンクへ直接行います。ホースの先には、たまった静電気(せいでんき)を逃がす装置を付けます。
タンクは地下に埋めるのが原則です。給油機につながる専用タンクには、容量の上限がありません。使い終わったエンジンオイルなどをためる廃油(はいゆ)タンクには、上限があります。
タンクローリーから専用タンクへ油を入れている間は、そのタンクにつながる給油機を使わないのが原則です。2023年12月の改正で、満タンで自動的に止まるノズルなどの対策をとれば、使い続けてよくなりました。同じ改正で、店員が給油機からガソリンを容器に詰め替える作業も、給油取扱所の作業として条文に書かれました。
ガソリンを売るために容器へ詰め替えるときは、お客さんの本人確認、使う目的の確認、販売の記録が要ります。有人のスタンドでは、お客さん自身に給油や容器への詰め替えをさせてはいけません。お客さんが自分で入れる店の特例は、セルフスタンドの基準で扱います。
覚える数字と、給油取扱所に置ける建物
覚える数字は、給油空地の広さと塀の高さ、タンクとホースの決まりです。数字についている「以上」「以下」も答えの一部です。
| 決まり | 数字 | ひとこと |
|---|---|---|
| 給油空地の間口 | 10m以上 | 道路に面した横幅 |
| 給油空地の奥行 | 6m以上 | 道路から奥への長さ |
| 周りの塀・壁の高さ | 2m以上 | 車が出入りする側を除く |
| 地下の専用タンク | 容量の上限なし | 給油機につながるタンク |
| 地下の廃油タンク | 10,000L以下 | 上限があるのはこちら |
| 給油ホースの全長 | 5m以下 | 先に静電気を逃がす装置 |
専用タンクに容量の上限はなく、上限があるのは廃油タンクです。
給油取扱所に置ける建物は、給油の業務に要るものと、店や飲食店など法令で決められた用途に限られます。病院や老人ホームのように自力で逃げにくい人がいる施設や、遊技場、宿泊施設は置けません。

| 置ける | 置けない |
|---|---|
| 給油、灯油・軽油の詰め替えの作業場 | 病院・診療所 |
| 給油取扱所の事務所 | 幼稚園・老人ホームなどの福祉施設 |
| 車の点検・整備、洗車の作業場 | ゲームセンターなどの遊技場 |
| 所有者・管理者の住居 | 宿泊施設 |
| 店・飲食店・展示場など | 立体駐車場 |
病院・福祉施設・遊技場・立体駐車場は、給油取扱所に置けません。
ここは覚えなくていい
屋内給油取扱所(建物の中に造るスタンド)は、「建物の中にも給油取扱所を造れる」とだけ知っておけば足ります。給油機と道路の境目までの間隔や、地上に置ける小さなタンクの例外も、覚えなくてかまいません。客が出入りする部分の床面積の上限も同じです。
試験ではこう聞かれる:給油取扱所に保安距離は要らない
1つめは、ほかの施設の決まりを持ち込む形です。給油取扱所には、学校や住宅から離す保安距離(ほあんきょり)も、周りに空ける保有空地(ほゆうくうち)も要りません。給油空地を、延焼を防ぐための保有空地と取り違えた文は誤りです。
2つめは、数字の入れ替えです。間口と奥行を逆にしたり、専用タンクにも廃油タンクと同じ上限を付けたりします。洗車の洗剤に「引火点が○℃以上のもの」と条件を付けた文も誤りで、引火点のある洗剤はそもそも使えません。
3つめは、置ける建物の見分けです。飲食店や展示場は置けますが、遊技場や立体駐車場は置けません。作業場として置けるのは灯油・軽油の詰め替えまでで、ガソリンの詰め替え専用の作業場は置けません。
4つめは、古い問題集にある「専用タンクへの注入中は、つながる給油機を必ず止める」という文です。原則は使用中止で、満タンで止まるノズルなどの対策をとれば使い続けてよい、が今の条文です。 古い形のまま覚えていると、「必ず」の付いた選択肢で迷います。
工場・現場ではこうなる:タンクローリーからの受け入れ
化学プラントでも、タンクローリーから構内のタンクへ油や溶剤を受け入れる場面があります。ローリーは受け入れ口のそばに止めて接地(せっち)をとり、周りに他の車や火気を近づけません。スタンドで専用タンクへ荷下ろしするときの決まりと、考え方は同じです。
確認問題
問1 ガソリンスタンドで車が止まって給油を受ける場所は、給油取扱所(きゅうゆとりあつかいじょ)の給油空地にあたる。
答え:○
根拠:給油取扱所では、車への給油は給油空地の中で行い、車が空地からはみ出さないようにします。
なぜか:給油空地は固定給油設備のまわりに確保する広さで、車の出入りと給油をこの中で済ませます。
狙われる形:給油空地を、灯油を容器に詰め替えるための注油空地と入れかえた形で出ます。
問2 ガソリンスタンドの敷地に、給油の客向けのゲームセンターを併設してよい。
答え:×
訂正:給油取扱所に、ゲームセンターなどの遊技場は設けられない。
根拠:給油取扱所に設けられる建物は、給油の業務や、法令で認められた店舗・飲食店などの用途に限られます。
なぜか:法令が認める用途には、給油や点検・整備の作業場、事務所、飲食店、物品販売の店舗などがあります。遊技場はこの中に入っていません。
狙われる形:設けられる飲食店と、設けられないゲームセンターを入れかえた形で出ます。
問3 タンクローリーから地下の専用タンクへ荷下ろししている間は、原則、そのタンクにつながる給油設備を止める。
答え:○
根拠:専用タンクへの注入中は、例外の措置をとった場合を除き、つながる固定給油設備を使いません。
なぜか:荷下ろし中に同じタンクから給油すると、違う油が入ったり、あふれたりしても気づきにくくなります。2023年の改正で、決められた措置をとれば止めなくてよい例外ができました。
狙われる形:「荷下ろし中も給油を続けてよい」とした形で出ます。
まとめ
ガソリンスタンドの床・塀・地下タンクは、漏れた油と火を敷地の外へ出さないための法令の設備です。車は給油空地からはみ出さずにエンジンを止めて給油し、タンクは地下に埋めます。置ける建物は給油の業務と店や飲食店などに限られ、病院や遊技場、立体駐車場は置けません。
次に読む
- 前に戻る:保安距離と保有空地の違い:どこからどこまでか
- 次へ進む:セルフスタンドの基準:油種ごとの色と制御卓の監視のしくみ
- もっと詳しく(甲種レベル):位置・構造・設備の基準(甲種)
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の基準:間仕切りと防波板の役割
標識と掲示板の違い:地の色・文字の色・文言の決まり
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、6-8 給油取扱所 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第1章 30 給油取扱所の基準(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『危険物の規制に関する政令』第3条・第17条・第27条e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する規則』第24条の14・第25条の4・第39条の3の2・第40条の3の3の2e-Gov法令検索
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