※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。
重要度:◎ よく問われます
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日
ガソリンスタンドは、危険物乙4の法令では給油取扱所(きゅうゆとりあつかいじょ)と呼ばれます。
試験では、給油空地(きゅうゆくうち)の広さ、保有空地(ほゆうくうち)の有無、置ける建物、給油所での取扱いが問われます。
給油空地と注油空地 ── 間口10m以上・奥行6m以上

給油空地は、固定給油設備の周りで車が出入りし、直接給油を受けるための空地です。広さは、道路側の間口が10m以上、奥への奥行が6m以上です。容器に詰め替える注油空地は、給油空地の外に設けます。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 給油空地を、タンクローリーが止まる場所などと説明する | × | 車が出入りし、直接給油を受ける空地 |
| 給油空地の一部を、容器への詰め替えにも使う | × | 注油空地は給油空地以外の場所 |
| 注意すれば、車がはみ出したまま給油してよい | × | 一部でもはみ出したら給油しない |
| 間口と奥行の数字を入れかえる | × | 間口は道路側、奥行は奥へ |
給油取扱所には、ガソリンのように引火点(いんかてん)がとても低い油が毎日出入りします。基準の多くは、漏れた油と火を敷地の外へ出さないための決まりです。
固定給油設備(こていきゅうゆせつび)とは、ポンプとホースを地面や天井に固定した給油機のことです。車への給油は、この設備から燃料タンクへ直接行います。ホースの先には、たまった静電気(せいでんき)を逃がす装置を付けます。
給油空地は、車がはみ出さずに出入りし、給油を受けられる広さが要ります。床は漏れた油がしみ込まない舗装で、ふちの排水溝(はいすいこう)は油分離装置(ゆぶんりそうち)へつながっています。
給油取扱所は、ふちの立ったお盆の上で油を扱っているようなものです。こぼれた油はお盆の中で受け止め、敷地の外へ流しません。
車の一部でも給油空地からはみ出したままでは、給油してはいけません。 はみ出した部分は、舗装と排水溝で守られた範囲の外になるからです。
注油空地(ちゅうゆくうち)は、灯油や軽油を容器に詰め替えるための空地です。車が出入りする給油空地と作業が重ならないよう、給油空地とは別の場所に設けます。
周りの塀と地下タンク ── 保有空地はなく、周りは塀

給油取扱所には保安距離も保有空地もなく、車の出入りする側を除いて、周りを耐火構造か不燃材料の塀か壁で囲みます。地下の専用タンクに容量の上限はなく、上限があるのは廃油タンクです。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 製造所と同じく、周りに保有空地が要る | × | 保安距離も保有空地も要らない |
| 周囲の全部を、木の塀で囲む | × | 出入りする側を除き、耐火構造か不燃材料 |
| 廃油タンクと同じく、専用タンクにも容量の上限がある | × | 専用タンクに上限はない |
塀は、耐火構造(たいかこうぞう)か不燃材料(ふねんざいりょう)で造り、隣へ火が広がるのを防ぎます。保有空地が決められているのは、製造所や屋外タンク貯蔵所など一部の施設です。給油空地を、延焼を防ぐための保有空地と取り違えた文は誤りです。
ガソリンをためるタンクは地面の下に埋めるのが原則で、地上に見えるのは主に注入口(ちゅうにゅうこう)と通気管(つうきかん)です。給油機につながる専用タンクは、地下貯蔵タンクの基準の例によって造ります。
| 決まり | 数字 | ひとこと |
|---|---|---|
| 給油空地の間口 | 10m以上 | 道路に面した横幅 |
| 給油空地の奥行 | 6m以上 | 道路から奥への長さ |
| 周りの塀・壁の高さ | 2m以上 | 車が出入りする側を除く |
| 地下の専用タンク | 容量の上限なし | 給油機につながるタンク |
| 地下の廃油タンク | 10,000L以下 | 上限があるのはこちら |
| 給油ホースの全長 | 5m以下 | 先に静電気を逃がす装置 |
専用タンクに容量の上限はなく、上限があるのは廃油タンクです。 廃油(はいゆ)タンクは、使い終わったエンジンオイルなどをためるタンクです。
- 事務所など火を使う建物は、漏れた可燃性蒸気(かねんせいじょうき)が中へ流れ込まない構造にします。
- 給油機と道路の境目までの間隔や、地上に置ける小さなタンクの例外は、危険物乙4では覚えなくてかまいません。
置ける建物 ── 所有者や管理者の住居は置けるが、遊技場は置けない

給油取扱所に置ける建物は、給油の業務に要るものと、店や飲食店など法令で決められた用途に限られます。所有者や管理者の住居は置けますが、遊技場(ゆうぎじょう)は置けません。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 給油に来た人のための遊技場を設けてよい | × | 遊技場は決められた用途に入らない |
| 所有者や管理者の住居は一切置けない | × | 住居は置ける |
| 飲食店・展示場と、遊技場・診療所を入れかえる | × | 店や飲食店は置け、病院や遊技場は置けない |
| 置ける | 置けない |
|---|---|
| 給油、灯油・軽油の詰め替えの作業場 | 病院・診療所 |
| 給油取扱所の事務所 | 幼稚園・老人ホームなどの福祉施設 |
| 車の点検・整備、洗車の作業場 | ゲームセンターなどの遊技場 |
| 所有者・管理者の住居 | 宿泊施設 |
| 店・飲食店・展示場など | 立体駐車場 |
病院や老人ホームのように、自力で逃げにくい人がいる施設は置けません。病院・福祉施設・遊技場・立体駐車場は、給油取扱所に置けません。
- 所有者などの住居は、敷地に面する側の壁に出入口を設けない造りにします。
- 作業場として置けるのは灯油・軽油の詰め替えまでで、ガソリンの詰め替え専用の作業場は置けません。
- 屋内給油取扱所(建物の中に造るスタンド)は、「建物の中にも給油取扱所を造れる」とだけ知っておけば足ります。客が出入りする部分の床面積の上限も、覚えなくてかまいません。
給油所での取扱い ── 荷下ろし中はそのタンクから給油しない
| 場面 | してはいけないこと | 理由 |
|---|---|---|
| 車に給油する | エンジンをかけたまま給油する | 火花や熱が蒸気に火をつける |
| 車を洗う | 引火点のある液体の洗剤を使う | 燃える物を持ち込まない |
| 専用タンクへ荷下ろし中 | そのタンクにつながる給油機で給油する | 油が混ざったり、あふれたりする |
| 有人のスタンド | お客さん自身に給油や詰め替えをさせる | 自分で入れるのはセルフの特例 |
洗車に、引火点のある液体の洗剤は、引火点の高さにかかわらず使えません。専用タンクへの荷下ろし中は、原則として、そのタンクにつながる給油機で給油しません。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 引火点の高い洗剤なら洗車に使ってよい | × | 引火点のある洗剤はそもそも使えない |
| 専用タンクへの注入中も、ふだんどおり給油する | × | 原則は、つながる給油機を使わない |
| 注入中は、つながる給油機を必ず止める | × | 満タンで止まるノズルなどの対策で例外 |
給油するときは、車の原動機(げんどうき)、つまりエンジンを止めさせます。
荷下ろし中は、タンクの中身が入れかわる途中なので、違う油が混ざったり、あふれたりしても気づきにくくなります。2023年12月の改正で、満タンで自動的に止まるノズルなどの対策をとれば、使い続けてよくなりました。原則は使用中止で、対策をとれば使い続けてよい、が今の条文です。
同じ改正で、店員が給油機からガソリンを容器に詰め替える作業も、給油取扱所の作業として条文に書かれました。ガソリンを売るために容器へ詰め替えるときは、お客さんの本人確認、使う目的の確認、販売の記録が要ります。
お客さんが自分で入れる店の特例は、セルフスタンドの基準で扱います。
化学プラントなどの工場でも、タンクローリーから構内のタンクへ油や溶剤を受け入れる場面があります。ローリーは受け入れ口のそばに止めて接地(せっち)をとり、周りに他の車や火気を近づけません。スタンドで専用タンクへ荷下ろしするときの決まりと、考え方は同じです。
確認問題
問1 ガソリンスタンドで車が止まって給油を受ける場所は、給油取扱所(きゅうゆとりあつかいじょ)の給油空地にあたる。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲
答え:○
根拠:給油取扱所では、車への給油は給油空地の中で行い、車が空地からはみ出さないようにします。
なぜか:給油空地は固定給油設備のまわりに確保する広さで、車の出入りと給油をこの中で済ませます。
狙われる形:給油空地を、灯油を容器に詰め替えるための注油空地と入れかえた形で出ます。
問2 ガソリンスタンドの敷地に、給油の客向けのゲームセンターを併設してよい。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲
答え:×
訂正:給油取扱所に、ゲームセンターなどの遊技場は設けられない。
根拠:給油取扱所に設けられる建物は、給油の業務や、法令で認められた店舗・飲食店などの用途に限られます。
なぜか:法令が認める用途には、給油や点検・整備の作業場、事務所、飲食店、物品販売の店舗などがあります。遊技場はこの中に入っていません。
狙われる形:設けられる飲食店と、設けられないゲームセンターを入れかえた形で出ます。
問3 タンクローリーから地下の専用タンクへ荷下ろししている間は、原則、そのタンクにつながる給油設備を止める。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲
答え:○
根拠:専用タンクへの注入中は、例外の措置をとった場合を除き、つながる固定給油設備を使いません。
なぜか:荷下ろし中に同じタンクから給油すると、違う油が入ったり、あふれたりしても気づきにくくなります。2023年の改正で、決められた措置をとれば止めなくてよい例外ができました。
狙われる形:「荷下ろし中も給油を続けてよい」とした形で出ます。
まとめ
ガソリンスタンドの床・塀・地下タンクは、漏れた油と火を敷地の外へ出さないための法令の設備です。車は給油空地からはみ出さずにエンジンを止めて給油し、タンクは地下に埋めます。置ける建物は給油の業務と店や飲食店などに限られ、病院や遊技場、立体駐車場は置けません。
次に読む
- 前に戻る:保安距離と保有空地の違い:どこからどこまでか
- 次へ進む:セルフスタンドの基準:油種ごとの色と制御卓の監視のしくみ
- もっと詳しく(甲種レベル):位置・構造・設備の基準(甲種)
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の基準:間仕切りと防波板の役割
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、6-8 給油取扱所 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第1章 30 給油取扱所の基準(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『危険物の規制に関する政令』第3条・第17条・第27条e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する規則』第24条の14・第25条の4・第39条の3の2・第40条の3の3の2e-Gov法令検索
内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム
PLANT NEWS ON NOTE
化学プラントニュース
化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。
noteで最新ニュースを読む ↗
化学プラント大全 
