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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月24日
化学工場に危険物(きけんぶつ)の新しいタンクを建てるときは、工事を始める前にも、終わった後にも、役所の手続きがあります。危険物乙4では、その順番と、工事の途中に入る検査、工事中に一部を使うための仮使用(かりしよう)が問われます。この記事では、設置の許可から使い始めるまでを、時間の流れで整理します。
この記事でわかること
- 設置の許可から使用開始までの、手続きの順番
- 工事の途中に入る検査が、どの施設のどの工程か
- 仮使用で使えるのは、施設のどの部分か
製造所等(せいぞうしょとう)は、市町村長等(しちょうそんちょうとう)の許可→工事→完成検査(かんせいけんさ)の合格、の順で使い始めます。
仮使用は、変更工事の間に、工事をしていない部分を使うための承認(しょうにん)です。
液体のタンクがあれば、完成検査の前に、工事の途中で完成検査前検査を受けます。
まず場面で:新しいタンクを建てて使い始めるまで
化学工場で、原料の溶剤をためる屋外タンクを1基増やすことになったとします。図面を描き、工事の会社を決めても、すぐに工事を始めることはできません。使い始めるまでには、工事の前と後に、役所の手続きが入ります。

最初に市町村長等の許可を受け、許可が出てから工事を始めます。工事が終わったら完成検査を受け、合格して完成検査済証(かんせいけんさずみしょう)を受け取ってから使い始めます。液体をためるタンクなので、工事の途中で完成検査前検査(かんせいけんさまえけんさ)も受けます。
設置も変更も、許可を受けてから工事を始める
市町村長等とは、市町村長・都道府県知事・総務大臣のうち、その製造所等に許可を出す人のことです。だれになるかは施設を置く場所で決まり、法令の早見表に一覧があります。この記事では、許可から後の流れだけを追います。
製造所等を新しく設置するときも、位置・構造・設備を変更するときも、市町村長等の許可が要ります。許可は、工事を始める前に受けます。市町村長等は、施設が技術上の基準に合い、公共の安全に支障がなければ、許可を与えます。
完成検査とは、できあがった施設が技術上の基準に合っているかを、市町村長等が確かめる検査のことです。工事が終わったら、市町村長等に完成検査を申請します。完成検査に合格して完成検査済証の交付を受けるまで、施設を使ってはいけません。
完成検査前検査とは、液体の危険物を入れるタンクを、完成検査の前に、工事の途中で調べる検査のことです。タンクに配管を付けたり塗装したりした後では、タンクの中や本体を検査できなくなるからです。代表は、タンクの漏れや変形を水で確かめる水張検査(みずはりけんさ)と水圧検査です。
製造所と一般取扱所では、指定数量(していすうりょう)以上のタンクがある場合だけが対象です。完成検査前検査で基準に合うと認められた事項は、完成検査でもう一度受けなくてかまいません。
家を建てるときの流れに似ています。建てる前に計画を認めてもらい、完成後は見えなくなる所は途中で見てもらいます。でき上がったら最後の検査を受けてから住み始めます。正確には、製造所等では許可も2つの検査も市町村長等が行い、途中の検査は液体のタンクがある施設だけに入ります。
覚える言葉:仮使用は工事をしていない部分を使う
仮使用とは、製造所等の変更工事の間、工事をしていない部分の全部または一部を、承認を受けて完成検査の前に仮に使うことです。承認するのは、許可と同じ市町村長等です。たとえば、工場の一部の設備を改造している間も、改造していない設備で運転を続けられます。

仮使用で使えるのは、工事をしていない部分で、工事中の部分や工事を終えた部分ではありません。 仮使用は変更のときの決まりで、新しく設置する施設には使えません。変更の許可の申請と、仮使用の承認の申請は、同時に出せます。
| 言葉 | いつ | だれが・何をする |
|---|---|---|
| 許可 | 工事を始める前 | 市町村長等が、設置・変更を認める |
| 完成検査前検査 | 工事の途中(液体のタンクがあるとき) | 市町村長等が、配管を付ける前のタンクなどを調べる |
| 完成検査 | 工事が終わった後 | 市町村長等が、施設が基準に合うかを調べる |
| 完成検査済証 | 完成検査に合格したとき | 市町村長等が交付し、ここから使い始められる |
| 仮使用 | 変更工事の間 | 市町村長等の承認で、工事をしていない部分を使う |
ここは覚えなくていい
完成検査前検査には、水張検査や水圧検査のほかに、大きな屋外タンクの基礎・地盤検査や溶接部検査があります。どのタンクがどの検査を受けるかという細かい区分は、覚えなくてかまいません。
試験ではこう聞かれる:許可の相手と、仮使用の向きのすり替え
1つめは、相手と手続きのすり替えです。設置の許可を出すのは市町村長等で、消防長や消防署長ではありません。「工事を始める前に届け出る」のように、許可を届出にすり替えた文も誤りです。
2つめは、検査の名前と順番です。工事の後に受ける検査の名前は完成検査で、「機能検査」は誤りです。液体のタンクがある施設で「完成検査だけ受ければよい」とする文も誤りです。
3つめは、仮使用の向きです。仮使用を「工事中の部分を仮に使う」と読むのは逆です。 仮使用には、仮貯蔵(かりちょぞう)・仮取扱いのような「10日以内」の期間の決まりもありません。
仮使用と仮貯蔵・仮取扱いの違いは、許可・認可(にんか)・承認・届出の違いで並べています。
完成検査の前に施設を使うと、許可の取消しや使用停止の命令を受けることがあります。命令の種類は、措置命令・許可の取消し・使用停止にまとめています。
工場・現場ではこうなる:タンクを増設する間も隣の設備は動いている
化学プラントでは、動いている施設の中に設備を足す変更工事が少なくありません。工事の区画をフェンスで仕切り、残りの設備は仮使用の承認を受けて運転を続けます。完成検査済証を受け取るまで、新しい設備には危険物を入れません。
確認問題
問1 消防本部も消防署もない村の区域に屋内貯蔵所を設けるときは、村長の許可を受ける。
答え:×
訂正:その区域を管轄する都道府県知事の許可を受ける。
根拠:製造所等(移送取扱所を除く)の許可権者は、消防本部と消防署がある市町村なら市町村長、ない市町村なら都道府県知事です。
なぜか:施設を審査する消防の体制がない市町村では、都道府県知事がその役目を受け持ちます。
狙われる形:許可権者を、施設のある市町村の長にした形で出ます。
問2 新しくつくった給油取扱所は、完成検査済証を受け取るまで営業に使えない。
答え:○
根拠:製造所等を使い始められるのは、完成検査に合格し、その証明となる書類を受け取った後です。
なぜか:完成検査は、できあがった施設が技術上の基準どおりかを確かめる検査です。これに通るまでは、危険物を扱えません。
狙われる形:工事が終わりさえすれば使い始めてよいとした形で出ます。
問3 変更工事の間でも、工事と関係のない部分なら、市町村長等(しちょうそんちょうとう)の承認を受けて使い続けられる。
答え:○
根拠:仮使用は、変更の工事に係る部分以外を、完成検査の前に市町村長等の承認を受けて使う手続きです。
なぜか:工事のたびに施設全体を止めなくて済むしくみです。工事をした部分そのものは、完成検査に通るまで使えません。
狙われる形:工事が終わった部分から順に使えるとした形で出ます。
まとめ
製造所等は、市町村長等の許可を受けてから工事を始め、完成検査に合格してから使います。液体のタンクがある施設は、配管を付ける前などの工事の途中で、完成検査前検査を受けます。仮使用は、変更工事の間に工事をしていない部分を使うための、市町村長等の承認です。
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- もっと詳しく(甲種レベル):製造所等の手続き:許可・検査・届出
参考文献
- 『消防法』第11条・第11条の2・第12条の2e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する政令』第6条・第8条・第8条の2e-Gov法令検索
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-6 製造所等の設置と変更の許可(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、5-4 製造所等の設置手続・5-5 承認・認可・届出の手続 Amazonで見る
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