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重要度:◎ よく問われます(市販問題集の頻出印と収録数から。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月24日
危険物(きけんぶつ)を扱う工場の建屋には、消火器(しょうかき)が何本も置かれ、壁には非常ベルのボタンがあります。消火器の本数も、非常ベルを付けるかどうかも、法令の数え方で決まります。危険物乙4では、何を数える決まりかを取り違えた文が出ます。
この記事でわかること
- 所要単位(しょようたんい)と能力単位(のうりょくたんい)が、それぞれ何を数える単位か
- 延べ面積から消火器の本数を出す3つの手順
- 警報設備(けいほうせつび)が要る施設と、警報設備の5種類
所要単位は施設の大きさや危険物の量を表す数、能力単位は消火器などが持つ消火の力を表す数です。
能力単位の合計が、所要単位の数に届くように消火設備を置きます。
警報設備は、指定数量(していすうりょう)の10倍以上の危険物を扱う製造所等(せいぞうしょとう)に要ります。
まず場面で:工場の消火器の本数と非常ベルのボタン
溶剤を扱う工場の建屋を歩くと、柱のそばや出入口の近くに消火器が置いてあります。建物が広いほど、危険物の量が多いほど、消火器はたくさん要ります。その「どれだけ要るか」を数にしたものが所要単位です。
一方、消火器の側から見た「1本でどれだけ消せるか」の数が能力単位です。施設の側の数と、消火器の側の数を比べて、足りるかどうかを見ます。
壁の非常ベルのボタンや、天井の火災報知器は、警報設備です。警報設備は消火器とは別の決まりで、危険物の量によって要るかどうかが決まります。
所要単位は施設の大きさ、能力単位は消火器の力
所要単位とは、消火設備を置く建物の大きさや危険物の量を表す、基準の単位のことです。能力単位とは、所要単位に対応する、消火設備の消火の力を表す基準の単位のことです。割られる側が所要単位、割る側が能力単位です。
建物は延べ面積(のべめんせき)で、危険物は指定数量の倍数で、所要単位に直します。延べ面積とは、その施設の建物の床面積を合計した面積のことです。建物の造りと施設の種類で、1所要単位になる面積が次のように決まっています。
| 対象 | 1所要単位になる大きさ |
|---|---|
| 製造所・取扱所(外壁が耐火構造) | 延べ面積100㎡ |
| 製造所・取扱所(外壁が耐火構造でない) | 延べ面積50㎡ |
| 貯蔵所(外壁が耐火構造) | 延べ面積150㎡ |
| 貯蔵所(外壁が耐火構造でない) | 延べ面積75㎡ |
| 危険物 | 指定数量の10倍 |
表の耐火構造(たいかこうぞう)とは、火災に長く耐える造りのことです。外壁が耐火構造なら、同じ施設でも1所要単位の面積が2倍になります。貯蔵所の面積は、製造所・取扱所の1.5倍です。
所要単位と能力単位は、部屋の広さと、エアコンの「何畳用」という力の関係に似ています。部屋が広いほど強いエアコンが要り、エアコンの力が部屋の広さに届けば足ります。正確には、所要単位は延べ面積と危険物の量から法令の割り算で出し、それに届くように消火設備の能力単位をそろえます。
第4種・第5種の消火設備は、守る場所の各部分から、歩いてたどる道のりの距離で置き場所が決まります。この道のりを歩行距離(ほこうきょり)といいます。歩行距離は、壁や機械を回り込んで歩く道のりで、直線距離ではありません。
| 消火設備 | 歩行距離 |
|---|---|
| 第4種の消火設備 | 30m以下 |
| 第5種の消火設備 | 20m以下 {NUM-L-0119}(地下タンク貯蔵所・給油取扱所などは有効に消火できる位置) |
消火困難性の3区分は出る形だけ
施設は、消火の難しさで3つの区分に分かれ、区分ごとにそろえる消火設備が決まっています。第1種〜第5種の中身は、消火設備の第1種〜第5種で確かめられます。
| 消火の難しさの区分 | そろえる消火設備 |
|---|---|
| 著しく消火困難な製造所等 | 第1種〜第3種のどれか+第4種+第5種 |
| 消火困難な製造所等 | 第4種+第5種 |
| その他の製造所等 | 第5種 |
ここは覚えなくていい
どの施設が「著しく消火困難」「消火困難」に当たるかの細かい条件は、覚えなくてかまいません。第1種〜第3種の設備ごとの水平距離や水の量も、乙4では覚えなくて足ります。
解き方の手順(3ステップ):延べ面積を所要単位に直し能力単位で割る
所要単位は、試験では「1所要単位になる面積や倍数」を問う形で出ます。それでも、何を何で割るかを一度手で追うと、数の取り違えに気づけます。ここでは、建物の分の消火器を数える型を1題だけ解きます。

手順は、いつも次の3つです。
- ステップ1 直す:延べ面積を、1所要単位になる面積で割って所要単位にする
- ステップ2 割る:所要単位を、消火器1本の能力単位で割る
- ステップ3 そろえる:能力単位の合計が所要単位に届く本数にする
例題は、外壁が耐火構造の製造所で、延べ面積が450㎡の建物です。能力単位が2の消火器で、建物の分をまかなうには何本要るかを求めます。
- 直す:450㎡÷100㎡=4.5所要単位
- 割る:4.5÷2=2.25
- そろえる:2本では能力単位の合計が4で、4.5に届かない。3本なら6で届くので、答えは3本
割る順は「延べ面積÷1所要単位の面積」、次に「所要単位÷能力単位」で、逆にしません。 外壁が耐火構造でない50㎡で割ると、450㎡÷50㎡=9所要単位になり、答えが大きくずれます。2.25を切り捨てて2本とすると、能力単位が足りません。
実際の施設では、危険物の量から出す所要単位も足してから比べます。危険物は、指定数量の倍数を10で割ると所要単位になります。倍数の求め方は指定数量の倍数の計算、計算の型の全体は電卓なしで解ける計算の5つの型で見渡せます。
警報設備は指定数量の10倍以上の製造所等に要る
警報設備とは、火災が起きたことを周りや消防に知らせる設備のことです。指定数量の10倍以上の危険物を扱う製造所等には、移動タンク貯蔵所を除いて、警報設備が要ります。 警報設備は、次の5種類に限られます。
表の中の警鐘(けいしょう)はたたいて鳴らす鐘、拡声装置(かくせいそうち)は放送で知らせる装置です。
| 警報設備 | どんなものか |
|---|---|
| 自動火災報知設備 | 火災を感じ取って自動で知らせる設備 |
| 消防機関に報知ができる電話 | 消防へ通報できる電話 |
| 非常ベル装置 | ボタンで鳴らすベル |
| 拡声装置 | 放送で知らせる装置 |
| 警鐘 | たたいて鳴らす鐘 |
延べ面積が一定以上の製造所・一般取扱所などには、自動火災報知設備を付けます。それ以外の施設は、電話・非常ベル・拡声装置・警鐘の中から1種類以上を付けるのが基本です。
試験ではこう聞かれる:10倍の取り違えと歩行距離
1つめは、所要単位の倍数です。危険物の1所要単位を、指定数量の100倍や30倍とした文は誤りで、10倍です。
2つめは、同じ10倍の取り違えです。所要単位の10倍は危険物の量を消火の数に直す割り算で、警報設備の10倍は要るかどうかの境目です。
3つめは、距離と施設です。第4種・第5種の置き場所を直線距離で測るとした文は誤りで、歩行距離で測ります。移動タンク貯蔵所にも警報設備が要るとした文、発煙筒を警報設備に入れた文も誤りです。
工場・現場ではこうなる:消火器の能力単位と置き場所
化学プラントの溶剤を扱う建屋では、消火器の本体に表示された能力単位を見て、置く本数を決めます。置き場所は、機械の奥や柱の陰に回り込む道のりを歩いて確かめてから決めます。非常ベルや火災報知器は、ふだんの点検で作動を確かめ、表示灯が消えていないかを見回ります。
確認問題
問1 所要単位(しょようたんい)は、施設にどれだけの消火の力が要るかを決めるための単位である。
答え:○
根拠:所要単位は、建物の規模や危険物の量から、必要な消火能力を決める単位です。
なぜか:施設の大きさや危険物の量を所要単位に直し、それを満たす能力単位の消火設備を置きます。消火設備の力を表すのは能力単位のほうです。
狙われる形:所要単位と能力単位の意味を入れ替えた形で出ます。
問2 タンクローリーのような移動タンク貯蔵所(いどうタンクちょぞうしょ)には、警報設備を設ける決まりがない。
答え:○
根拠:指定数量の10倍以上の製造所等でも、移動タンク貯蔵所は警報設備の対象から除かれています。
なぜか:警報設備は、火災を建物の中の人や消防に知らせるための設備です。車両であるタンクローリーは、その設置の対象から外されています。
狙われる形:量が多ければタンクローリーにも警報設備が要るとする形で出ます。
問3 消火器(しょうかき)を置く場所の決まりでは、まっすぐ測った距離が基準になる。
答え:×
訂正:第4種・第5種の消火設備までの距離は、実際に歩いてたどる歩行距離で決められている。
根拠:第4種・第5種の消火設備の配置は、歩行距離で決められています(第5種は地下タンク貯蔵所などを除く)。
なぜか:消火器は人が歩いて取りに行くものなので、壁や物を回りこんだ道のりで測ります。直線では近く見えても、実際には遠いことがあります。
狙われる形:歩行距離を直線距離とすり替えた形で出ます。
まとめ
所要単位は、建物の延べ面積や危険物の量を、消火に要る力の数に直したものです。能力単位は消火器などの消火の力で、延べ面積を所要単位に直し、能力単位で割り、足りる本数にそろえます。警報設備は、移動タンク貯蔵所を除く指定数量の10倍以上の製造所等に要り、種類は5つに限られます。
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参考文献
- 『危険物の規制に関する政令』第20条・第21条e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する規則』第29条〜第35条・第36条の2〜第38条e-Gov法令検索
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-37 消火設備と設置基準・1-38 警報設備(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、6-12 消火設備と警報設備 Amazonで見る
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