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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月24日
化学工場の保安の係には、同じ危険物(きけんぶつ)の施設について、「許可」「認可(にんか)」「承認(しょうにん)」「届出(とどけで)」と名前の違う書類が回ってきます。危険物乙4では、この4つの言葉と、だれに・いつまでに出すかを入れ替えた文が問われます。この記事では、4つの手続きを、工事の前から使い始めた後までの時間の流れに並べて整理します。
この記事でわかること
- 許可・認可・承認・届出の違いと、それぞれの相手
- 届出の期限の「10日前まで」と「遅滞(ちたい)なく」の分かれ目
- 仮貯蔵(かりちょぞう)・仮取扱い(かりとりあつかい)と仮使用(かりしよう)の違い
許可・認可・承認は相手が中身を見て認める手続きで、届出は相手に知らせる手続きです。
届出の期限は、品名・数量・倍数の変更だけが「10日前まで」で、ほかは「遅滞なく」です。
仮貯蔵・仮取扱いは所轄(しょかつ)の消防長か消防署長の承認で、仮使用とは相手も中身も違います。
まず場面で:保安の係の机に回ってくる4種類の書類
屋外タンクを増やす工事では、工事の前に許可の申請書を出します。予防規程(よぼうきてい)を書き直せば認可の申請、工事中も残りの設備を動かすなら仮使用の承認の申請です。工事が終わって扱う品名を変えるなら、変更の届出書も要ります。
4つの書類は、出す時期も相手も同じではありません。工事の前・工事の間・使い始めた後の時間の流れに置くと、区別しやすくなります。
許可・認可・承認・届出は、相手が認めるか知らせるだけかで分かれる
4つの手続きのうち3つは、相手が中身を見て「よい」と認めるものです。残りの届出だけが、相手に知らせる手続きです。

許可とは、市町村長等(しちょうそんちょうとう)が認めなければ、工事を始められない手続きのことです。乙4では、製造所等(せいぞうしょとう)の設置と、位置・構造・設備の変更が許可です。流れは設置許可から使用開始までの流れで追っています。
認可とは、事業所が自分で作った決まりを、市町村長等が中身を見て認める手続きのことです。乙4で出てくる認可は、予防規程の作成と変更です。予防規程は施設ごとの火災予防の決まりで、予防規程で扱います。
承認とは、決まりの例外として、一時的に使うことや扱うことを認めてもらう手続きのことです。乙4の承認は、仮使用と、仮貯蔵・仮取扱いの2つです。この2つは、承認する人が違います。
届出とは、決まった事実を相手に知らせる手続きのことです。許可のように、相手が認めるのを待ってから進める手続きではありません。この記事で扱う5つの届出の相手は、すべて市町村長等です。
許可は、門の鍵を開けてもらってから中に入ることに似ています。届出は、受付の名簿に名前を書いて中に入ることに似ています。正確には、許可は市町村長等が基準に合うと認めて初めて工事を始められ、届出は決まった期限までに知らせれば足ります。
覚える言葉と数字:届出は「10日前まで」と「遅滞なく」の2種類
届出が要るのは、次の5つです。出すのは施設の所有者などで、期限は2種類に分かれます。遅滞なくとは、とどこおらせずに、という意味です。
変える前に出す届出(10日前まで):
- 品名・数量・指定数量(していすうりょう)の倍数の変更(位置・構造・設備は変えない場合)
変えた後に出す届出(遅滞なく):
- 製造所等の譲渡(じょうと)・引渡し(ひきわたし)。ゆずり受けた人が出す
- 製造所等の用途の廃止
- 危険物保安統括管理者の選任・解任
- 危険物保安監督者の選任・解任
10日前までの届出は、品名・数量・指定数量の倍数の変更だけです。 期限は、変えようとする日の10日前までです。ほかの4つは、事実が起きた後に遅滞なく出します。
ゆずり受けた人は、前の持ち主が許可を受けた立場を引き継ぎます。そのため許可を取り直さず、届出で済みます。一方、位置・構造・設備を変えるときは、届出ではなく変更の許可が要ります。
試験では、「遅滞なく」の届出を「10日前まで」にした文や、届出の相手を消防長にした文が出ます。危険物施設保安員を選んだりやめさせたりしても、届出は要りません。 定期点検をしたときも、記録を残すだけで届出は要りません。
3つの役の違いは保安監督者など名前の似た3役で、点検の決まりは定期点検と保安検査の違いで扱います。
ここは覚えなくていい
保安統括管理者や保安監督者を置かなければならない施設の条件は、この記事では覚えなくてかまいません。選任・解任の届出が「遅滞なく」だと押さえれば足ります。
仮貯蔵・仮取扱いは仮使用と別物
仮貯蔵・仮取扱いとは、指定数量以上の危険物を、製造所等ではない場所で、仮に貯蔵したり取り扱ったりすることです。指定数量以上の危険物は、もともと製造所等でなければ扱えません。所轄の消防長か消防署長の承認を受けた場合に、10日以内の期間だけ例外が認められます。
仮使用は、製造所等の変更工事の間に、工事をしていない部分を使うための承認です。どちらも「仮」が付く承認ですが、比べると中身はまったく違います。
| 比べる点 | 仮使用 | 仮貯蔵・仮取扱い |
|---|---|---|
| 承認する人 | 市町村長等 | 所轄の消防長または消防署長 |
| 場所 | 変更工事中の製造所等の、工事をしていない部分 | 製造所等ではない場所 |
| 期間 | 完成検査を受けるまで | 10日以内 |
| 目的 | 工事の間も、施設の残りを使い続ける | 指定数量以上の危険物を一時的に置く・扱う |
名前は似ていても、仮使用の承認は市町村長等、仮貯蔵・仮取扱いの承認は消防長か消防署長です。 試験では、承認する人や期間を入れ替えた文や、承認を届出にすり替えた文が出ます。
工場・現場ではこうなる:定期修理でドラム缶を仮置きするとき
化学プラントの定期修理では、タンクや配管から抜いた油を、ドラム缶に移して一時的に置くことがあります。量が指定数量以上で、置き場所が製造所等でなければ、仮貯蔵の承認を受けてから置きます。承認の期間は10日以内なので、工事の日程と合わせて申請します。
確認問題
問1 消防署長の承認を受けた仮貯蔵(かりちょぞう)では、ドラム缶の灯油を最長10日間まで置ける。
答え:○
根拠:仮貯蔵・仮取扱いは、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて、10日以内に限って認められる例外です。
なぜか:指定数量以上の危険物は、原則として製造所等でなければ扱えません。承認を受けても、期間が過ぎれば製造所等以外には置いておけません。
狙われる形:承認があれば期間の制限はないとした形で出ます。
問2 屋内貯蔵所で貯蔵するガソリンを増やすときは、増やした後に届け出ればよい。
答え:×
訂正:ガソリンを増やす前に、市町村長等へ届け出ておかなければならない。
根拠:危険物の数量や品名を変えるときの届出は、変える日の10日前までに出しておく事前の届出です。
なぜか:譲渡・引渡しや用途の廃止は事後に遅滞なく届け出ますが、品名・数量・倍数の変更は10日前までに出します。
狙われる形:事前の届出を、事後の届出とした形で出ます。
問3 営業中の給油取扱所を買い取った会社は、使う前に設置の許可を取り直す。
答え:×
訂正:許可を受けた者の地位を引き継ぐので、許可の取り直しは要らない。遅滞なく市町村長等に届け出る。
根拠:製造所等の譲渡・引渡しを受けた者は、前の持ち主の許可をそのまま引き継ぎ、事後に届け出ます。
なぜか:施設の位置・構造・設備が変わらないので、審査をやり直す必要がありません。
狙われる形:持ち主が変わると許可が必要になるとした形で出ます。
まとめ
許可・認可・承認は相手が認める手続き、届出は相手に知らせる手続きで、届出の相手は市町村長等です。届出の期限は、品名・数量・指定数量の倍数の変更だけが10日前までで、譲渡や廃止、保安監督者の選任などは遅滞なくです。仮貯蔵・仮取扱いは消防長か消防署長の承認で、市町村長等が承認する仮使用とは別物です。
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- もっと詳しく(甲種レベル):製造所等の手続き:許可・検査・届出
参考文献
- 『消防法』第10条・第11条・第11条の4・第12条の6・第12条の7・第13条・第14条・第14条の2e-Gov法令検索
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-7 変更の届出・1-8 仮貯蔵と仮取扱い(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、5-5 承認・認可・届出の手続 Amazonで見る
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