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重要度:○ 押さえておきたい論点です(市販問題集2冊の頻出印から。公式公開問題では見当たりません。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日
ガソリンスタンドも、工場の大きなタンクも、塗料店の棚も、法令の上では同じ「製造所等(せいぞうしょとう)」の仲間です。危険物乙4では、指定数量(していすうりょう)以上の危険物(きけんぶつ)を置いたり扱ったりする施設を、12種類の区分に分けて覚えます。名前がよく似ているので、実物の景色と結びつけると崩れにくくなります。
この記事でわかること
- 「製造所等」に、製造所のほか貯蔵所と取扱所も入ること
- 貯蔵所7つと取扱所4つの名前と、実物の姿
- 似た名前の区分を見分ける決め手
製造所等とは、製造所1つ・貯蔵所7つ・取扱所4つを合わせた12区分の施設のことです。
貯蔵所は「どこに、何に入れてためるか」、取扱所は「何のために扱うか」で名前が決まります。
屋内貯蔵所と屋内タンク貯蔵所のように、1語の違いで別の区分になります。
まず場面で:街と工場を見渡すと製造所等は12種類ある
工業地帯に近い街を、高い所から見渡してみてください。道路沿いにはガソリンスタンドがあり、道路をタンクローリーが走っています。工場の敷地には、大きな丸いタンクや、ドラム缶を積んだ倉庫が並んでいます。

これらは見た目も使い道もばらばらですが、どれも危険物を置いたり扱ったりする施設です。法令では、こうした施設をまとめて製造所等と呼び、12の区分に分けています。
12の区分は、作る所が1つ、ためる所が7つ、扱う所が4つです。施設ごとの細かい決まりは、どれもこの12区分のどれかについての話です。まずは、景色の中のどれが何という名前なのかを結びつけます。
製造所等は「作る・ためる・扱う」の3つに分かれる
指定数量とは、法令の規制がかかり始める、危険物ごとの量のことです。消防法は、指定数量以上の危険物を、原則として決められた施設の外でためたり扱ったりしてはいけない、と定めています。その決められた施設が、製造所・貯蔵所(ちょぞうしょ)・取扱所(とりあつかいじょ)の3種類です。
製造所とは、危険物を作る施設のことです。貯蔵所とは、危険物をためておく施設のことで、7つに分かれます。取扱所とは、作る目的のほかに危険物を扱う施設のことで、4つに分かれます。
貯蔵所の名前は、「どこに」「何に入れて」ためるかで決まります。屋内か屋外か、容器のままかタンクか、タンクなら地面の下か車の上か、という具合です。取扱所の名前は、給油・販売・移送(いそう)のように、「何のために」扱うかで決まります。
製造所等の「等」は、名簿の「ほか11名」のようなものです。名簿の先頭には製造所の名前だけが書かれ、残りの11の施設は「等」の1文字に入っています。正確には、製造所等は法令で決めた呼び名で、製造所・貯蔵所・取扱所の3種類12区分をまとめて指します。
「製造所等」と書かれた決まりは、貯蔵所と取扱所にも当てはまります。「製造所」の3文字だけを見て、工場の話だと思い込まないようにします。
覚える言葉は貯蔵所7つと取扱所4つの名前
この論点で覚えるのは、数字ではなく名前です。製造所は危険物を作る施設で、区分は1つだけです。残りの11区分を、貯蔵所と取扱所の2つの表に分けて並べます。
貯蔵所の7つは、次のとおりです。
| 名前 | ためる場所と入れ物 | 身近な姿 |
|---|---|---|
| 屋内貯蔵所 | 建物の中に、容器のまま | ドラム缶を積んだ倉庫 |
| 屋外タンク貯蔵所 | 屋外のタンク | 工場の大きな丸いタンク |
| 屋内タンク貯蔵所 | 建物の中のタンク | タンク専用の部屋 |
| 地下タンク貯蔵所 | 地面の下に埋めたタンク | 地中に埋めた燃料タンク |
| 簡易タンク貯蔵所 | 小さな簡易タンク | 給油設備のついた小型タンク |
| 移動タンク貯蔵所 | 車両に固定したタンク | タンクローリー |
| 屋外貯蔵所 | 屋外に、タンクを使わずに | 柵で囲んだドラム缶置き場 |
取扱所の4つは、次のとおりです。
| 名前 | 何のために扱うか | 身近な姿 |
|---|---|---|
| 給油取扱所 | 自動車などの燃料タンクに直接給油する | ガソリンスタンド |
| 販売取扱所 | 店舗で容器入りのまま売る | 塗料店 |
| 移送取扱所 | 配管とポンプで送る | パイプライン |
| 一般取扱所 | 上の3つのほかの目的で扱う | ボイラーのある施設 |
貯蔵所の7つは、「屋内」「屋外」の2つと、「タンク」のつく5つに分けると数えやすくなります。タンクのつく5つは、屋外・屋内・地下・簡易・移動です。
屋外貯蔵所には、置ける危険物が限られます。第4類(だいよんるい)の第1石油類は、引火点(いんかてん)が0℃以上のものしか置けません。屋外貯蔵所には、ガソリンや特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)は置けません。
ここは覚えなくていい
販売取扱所が、扱う量で第1種と第2種に分かれる境目は、ここでは覚えなくてかまいません。移送取扱所の細かい決まりや、屋外貯蔵所に置ける危険物の細かい条件も、「ガソリンは置けない」まで押さえれば足ります。
試験ではこう聞かれる:容器とタンク、移動と移送の入れ替え
1つめは、容器かタンクかの入れ替えです。建物の中のタンクでためる施設を「屋内貯蔵所」と書いた文は誤りで、正しくは屋内タンク貯蔵所です。屋外のタンクを「屋外貯蔵所」と書く形も、同じひっかけです。
2つめは、「移動」と「移送」の入れ替えです。車両に固定したタンクは移動タンク貯蔵所、配管とポンプで送るのは移送取扱所です。鉄道の貨車に固定したタンクは、移動タンク貯蔵所に入りません。
3つめは、取扱所の目的のすり替えです。店舗で容器入りのまま売る施設は販売取扱所で、給油取扱所や一般取扱所と書けば誤りです。ボイラーで重油を燃やすだけの施設は一般取扱所で、製造所ではありません。
4つめは、ガソリンスタンドの地下のタンクです。スタンドには地下にタンクがありますが、施設の区分は給油取扱所です。スタンドのどこに法令の決まりがあるかは、給油取扱所の基準で見られます。
工場・現場ではこうなる:1つの敷地に区分がいくつも並ぶ
化学プラントの敷地には、区分の違う施設がいくつも並んでいることがよくあります。作る設備は製造所、原料のタンクは屋外タンク貯蔵所、ボイラーは一般取扱所です。許可は施設ごとに受けるので、現場では「いまどの区分の中で作業しているか」を意識します。
確認問題
問1 製造所・貯蔵所・取扱所のうち、区分の数がいちばん多いのは貯蔵所である。
答え:○
根拠:製造所等は、製造所1・貯蔵所7・取扱所4の12区分です。
なぜか:危険物をためる方法は、屋内・屋外、タンクの置き場所、車両など形がいろいろあります。そのため貯蔵所の区分がいちばん多く、7つあります。
狙われる形:貯蔵所と取扱所の区分の数を入れかえた形で出ます。
問2 建物の中でドラム缶などの容器に入れて危険物を貯蔵する施設は、屋内貯蔵所である。
答え:○
根拠:貯蔵所の名前は、おもに屋内か屋外か、タンクを使うかどうかで分かれています。
なぜか:容器のまま建物の中に置くのが屋内貯蔵所です。建物の中のタンクにためるなら、屋内タンク貯蔵所になります。
狙われる形:屋内貯蔵所の説明に「タンク」を入れた形で出ます。
問3 車両に固定されたタンクで危険物を運ぶタンクローリーは、移送取扱所である。
答え:×
訂正:タンクローリーは移動タンク貯蔵所である。移送取扱所は、配管とポンプで危険物を送る施設。
根拠:移動タンク貯蔵所は車両に固定したタンクで貯蔵する貯蔵所、移送取扱所は配管とポンプで危険物を送る取扱所です。
なぜか:どちらも危険物を遠くへ運ぶ施設ですが、運び方が違います。車でタンクごと動くのが移動タンク貯蔵所、パイプラインで送るのが移送取扱所です。
狙われる形:移動タンク貯蔵所と移送取扱所の説明を入れかえた形で出ます。
まとめ
製造所等は、作る所1つ、ためる所7つ、扱う所4つの12区分をまとめた呼び名です。貯蔵所は場所と入れ物で、取扱所は目的で名前が決まります。容器かタンクか、車両か配管か、という1語の違いに気をつけましょう。
次に読む
- 前に戻る:指定数量の倍数計算:品名ごとに割ってから足す
- 次へ進む:保安距離と保有空地の違い:どこからどこまでかを工場の図で
- もっと詳しく(甲種レベル):製造所等の区分・許可・検査・届出
製造所と一般取扱所の基準:屋根を軽く、床を傾ける理由
設置許可から使用開始までの流れ:完成検査と仮使用の位置
参考文献
- 『消防法』第10条・第11条e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する政令』第2条・第3条e-Gov法令検索
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-5 製造所・貯蔵所・取扱所の区分(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、5-3 製造所等の種類 Amazonで見る
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