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重要度:◎ よく問われます
最終確認:2026年9月23日
危険物乙4では、ガソリン以外の第1石油類について、水溶性(すいようせい)かどうかの入れ替えと、引火点(いんかてん)の大小がよく問われます。工場の溶剤の棚に並ぶトルエンとアセトンも、同じ第1石油類なのに、水への溶け方と引火(いんか)のしやすさが違います。
水に溶けるかで2組 ── 水に溶けるのはアセトンとピリジン

水に溶ける組はアセトンとピリジンで、ベンゼン・トルエンなどは水に溶けない組です。ベンゼンとトルエンは芳香族炭化水素(ほうこうぞくたんかすいそ)の仲間で、蒸気の毒はベンゼンのほうが強くなります。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| ベンゼンやトルエンも、アセトンのように水とよく混ざる | × | 水とは分かれるが、有機溶剤とは混ざる |
| ピリジンは、ベンゼンと同じ水に溶けない組 | × | アセトンと同じ水に溶ける組 |
| 蒸気の毒はトルエンが強い、トルエンは毒がない | × | どちらも有毒で、強いのはベンゼン |
| 芳香族の仲間なのはベンゼンだけ | × | トルエンも同じ仲間 |
| ピリジンはにおいがない、果物の香りがする | × | 強い悪臭がある |
| 名前の長いエチルメチルケトンは、第2石油類 | × | アセトンと同じ第1石油類 |
第1石油類は、第4類(だいよんるい)のうち、1気圧で引火点が21℃未満の物品です。21℃未満は21℃を含みません。品名の区切り方は第4類の7品名で扱います。
非水溶性の組は、ガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル(さくさんエチル)、エチルメチルケトンです。水溶性の組は、アセトンとピリジンです。組が大事なのは、指定数量(していすうりょう)と消火(しょうか)のしかたが変わるからです。
| 組 | 主な物品 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 非水溶性 | ガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、エチルメチルケトン | 200L |
| 水溶性 | アセトン、ピリジン | 400L |
指定数量とは、法令の規制がかかり始める量のことです。水に溶ける液体の火災では、ふつうの泡消火剤(あわしょうかざい)の泡が液に溶けて消えてしまいます。そこで、泡が溶けにくい水溶性液体用泡消火剤(すいようせいえきたいようあわしょうかざい)を使います。
ベンゼンとトルエンは、炭素が輪の形につながった部分をもつ仲間です。独特の甘い香りがあり、蒸気には毒があります。水には溶けませんが、アルコールなどの有機溶剤にはよく溶けます。
アセトンは、水にもアルコールにもよく溶けます。ピリジンも水によく溶け、無色で独特の悪臭があります。エチルメチルケトンは、アセトンに似たにおいの第1石油類です。
- ベンゼンとトルエンは電気を通しにくく、流したりかき混ぜたりすると静電気(せいでんき)がたまりやすい液体です。
- 酢酸エチルとエチルメチルケトンは、法令の区分では非水溶性ですが、水に少しは溶けます。非水溶性と水溶性は、指定数量を決めるための法令上の区分です。「まったく溶けない」という性質の言葉とは、少しずれがあります。
- 化学プラントでは、トルエンやアセトンを洗浄や反応の溶剤に使います。アセトンは指定数量の数え方が非水溶性の溶剤と分かれ、タンクの泡消火設備も水溶性液体用を選びます。ベンゼンは蒸気の毒性が強いので、ふたを開けて扱わず、閉じた設備で扱います。
関連:第4類の消火
引火点と液温0℃ ── ベンゼン・アセトンは引火し、トルエンはしない

ベンゼンは引火点が−11℃で、液温が0℃でも火がつくおそれがあります。トルエンの引火点は4℃なので、液温が0℃なら引火しません。
| 物品 | 組 | 引火点 |
|---|---|---|
| ガソリン(比べる用) | 非水溶性 | −40℃以下 |
| ベンゼン | 非水溶性 | −11℃ |
| トルエン | 非水溶性 | 4℃ |
| アセトン | 水溶性 | −20℃ |
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| ベンゼンより低い温度で燃え出すのはトルエン | × | 引火点が低いのはベンゼン |
| 液温が0℃なら、ベンゼンにも火はつかない | × | 引火点より液温が高いので引火する |
| 0℃まで冷えたトルエンは、炎を寄せても燃え出さない | ○ | 引火点より液温が低い |
引火点とは、火を近づけたときに燃え始める、いちばん低い液温のことです。液温が引火点より低いと、液面の上の蒸気は燃焼範囲(ねんしょうはんい)の下限界(かげんかい)に届かず、火はつきません。
アセトンの引火点は−20℃(マイナス20度)で、3つの中でいちばん低い温度です。それでも、アセトンは特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)ではなく第1石油類です。
どれも常温(じょうおん)より低く、トルエンだけが0℃より高い温度にあります。常温とは、ふだんの気温くらいの温度のことです。
- 覚え方:ベンゼンは先に燃えて毒も強い、トルエンは4℃まで待つ。
- 水溶性のピリジンも、引火点は0℃より高い物品です。
- 表の物品は、どれも水より軽い液体です。蒸気はどれも空気より重く、低い所にたまります。
- 発火点(はっかてん)・沸点・燃焼範囲の細かい値は、危険物乙4では覚えなくてかまいません。「非水溶性の組の引火点は0℃以下が多く、トルエンだけ少し高い」と分かれば足ります。
アセトンと酢酸エチル ── アセトンは特殊引火物ではない
| 物品 | 性質 | 試験の目印 |
|---|---|---|
| アセトン | 沸点が水より低く、蒸発しやすい | 第1石油類で、特殊引火物ではない |
| 酢酸エチル | 無色で、果物のような香り | 色はないが、においはある |
| エチルメチルケトン | アセトンに似たにおい | アセトンと同じ第1石油類 |
アセトンの引火点は−20℃ですが、沸点が56℃で40℃を超えるので、特殊引火物には入りません。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| アセトンは水より沸点が高く、蒸発しにくい | × | 沸点は水より低い |
| 引火点がとても低いので、アセトンは特殊引火物 | × | 沸点の条件を満たさない |
| 酢酸エチルは、色もにおいもない液体 | × | 色はないが、果実に似たにおいがある |
| アセトンの火災には、ふつうの泡消火剤が合う | × | 水溶性なので、水溶性液体用の泡 |
特殊引火物は、発火点が100℃以下の物か、引火点が−20℃以下で沸点が40℃以下の物です。アセトンは沸点が56℃で、発火点も100℃を大きく超えるので、どちらの条件も満たしません。
沸点の低い液体ほど、常温でもよく蒸発します。アセトンも、ふたを開けたとたんに蒸気が広がります。マニキュアの除光液や接着剤にも使われている液体です。
- 「ベンゼン・トルエン・アセトンは無色無臭」は誤りです。無色ですが、どれもにおいがあります。
- 無色だからといって、においもないとは限りません。
確認問題
問1 第1石油類のピリジンは、水溶性(すいようせい)の物品である。
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答え:○
根拠:第1石油類には、水に溶けない物品のほかに、アセトンやピリジンのように水に溶ける物品もあります。
なぜか:ピリジンは水とよく混ざり合います。水に溶けないベンゼンやトルエンとは、この点が違います。
狙われる形:ベンゼンやトルエンと同じ非水溶性の仲間に入れた形で出ます。
問2 ベンゼンとトルエンを比べると、より低い温度でも引火するのはトルエンである。
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答え:×
訂正:引火点が低いベンゼンのほうが、より低い温度でも引火する。
根拠:引火点が低い液体ほど、低い温度でも燃える蒸気を出して引火します。
なぜか:ベンゼンの引火点は−11℃、トルエンは4℃です。0℃の日でも、ベンゼンは引火するおそれがあります。
狙われる形:似た名前の2つの物質で、引火点の大小を入れかえた形で出ます。
問3 引火点が−20℃のアセトンは、ジエチルエーテルと同じ特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)の仲間である。
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答え:×
訂正:アセトンは第1石油類で、特殊引火物ではない。
根拠:特殊引火物かどうかは、引火点だけでなく、沸点や発火点の条件も合わせて決まります。
なぜか:アセトンの沸点は56℃で、特殊引火物の条件の40℃以下を満たしません。発火点も100℃を大きく超えています。
狙われる形:引火点の数字だけを見せて、特殊引火物に入れた形で出ます。
まとめ
ガソリン以外の第1石油類は、アセトン・ピリジンの水溶性の組と、ベンゼン・トルエンなどの非水溶性の組に分かれます。水溶性の組は指定数量が400Lで、火災には水溶性液体用の泡を使います。引火点はベンゼンが−11℃、トルエンが4℃、アセトンが−20℃で、毒性が強いのはベンゼンです。
次に読む
- 前に戻る:ガソリンの性質:引火点は低いのに発火点は灯油より高い
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- もっと詳しく(甲種レベル):第4類を品名ごとにまとめて復習する
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-4 第1石油類 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-3 第4類危険物・3-3 第4類危険物の消火・3-7 第1石油類の性状(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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