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重要度:○ 押さえておきたい論点です(市販問題集の独立した節と、品名ごとの単元の頻出印から。当サイトの判断)
最終確認:2026年9月23日
バケツの水に、ガソリン、アルコール、二硫化炭素(にりゅうかたんそ)を少しずつ垂らすと、3つはまったく違う動きをします。ガソリンは水に浮き、アルコールは溶けて見えなくなり、二硫化炭素は底に沈みます。危険物乙4では、この「原則どおりでない物品」がくり返し問われます。
この記事でわかること
- 第4類(だいよんるい)の原則と、例外の物品の覚え方
- 水に溶けるかを、品名と物品名から見分ける手順
- 引火点(いんかてん)の大小を、数字を覚えずに比べる手順
第4類の多くは「水に溶けない・水より軽い・無色」で、例外の物品だけを覚えれば足ります。
引火点の大小は、まず品名の順で当たりを付けます。
まず場面で:こぼれた液体は水に浮くか、沈むか、溶けるか
工場の床で液体がこぼれ、排水の溝の水に流れこんだとします。ガソリンや灯油なら、水面に浮いて広がります。引火(いんか)すれば、水の上を炎が走ります。
アルコールやアセトンなら、水に溶けて見えなくなります。二硫化炭素なら、水の底に沈みます。同じ第4類でも、水との関係で危なさも対策も変わるのです。
この違いは、試験では「第4類はすべて水に溶けない」「すべて水より軽い」の誤りとして出ます。浮く・沈む・溶けるの3つを、原則と例外に分けて整理していきます。
第4類の原則は「水に溶けない・水より軽い・無色」
第4類の引火性液体(いんかせいえきたい)の多くは、石油からとれる油の仲間です。油は水と混ざらず、水より軽いので水に浮きます。色も、多くは無色透明です。
ただし、第4類には油でない液体も入っています。アルコールのように、分子の中に水となじみやすい部分をもつ液体は、水に溶けます。水に溶ける性質を、水溶性(すいようせい)といいます。
また、硫黄や塩素のような重い原子を含む液体には、水より重いものがあります。水より重いかどうかは、水を1とした重さの比べ方である比重(ひじゅう)で表します。
原則と例外は、クラス全員の名簿で、あてはまらない人にだけ印を付けるようなものです。正確には、第4類の物品の多くは原則どおりで、例外になるのは決まった物品だけだ、ということです。
一方で、例外のない性質もあります。第4類の蒸気は、どれも空気より重く、低い所にたまります。蒸気の重さについては、第4類に共通する性質の記事で扱います。
覚える例外はこれだけ:水に溶ける物と、水より重い物
例外は、水に溶ける物、水より重い物、色がある物、毒性がある物の4つの箱に分けられます。試験で問われやすいのは、はじめの2つです。
水に溶ける物は、特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)の酸化(さんか)プロピレンから第3石油類のグリセリンまで、品名をまたいでいます。品名ごとに見ると数が少ないので、次の2つの表で覚えます。

水に溶ける物(水溶性)
| 品名 | 水に溶ける物品 |
|---|---|
| 特殊引火物 | アセトアルデヒド、酸化プロピレン |
| 第1石油類 | アセトン、ピリジン |
| アルコール類 | メタノール、エタノールなど全部 |
| 第2石油類 | 酢酸、プロピオン酸、アクリル酸 |
| 第3石油類 | エチレングリコール、グリセリン |
水より重い物
| 品名 | 水より重い物品 |
|---|---|
| 特殊引火物 | 二硫化炭素 |
| 第2石油類 | クロロベンゼン、酢酸、アクリル酸 |
| 第3石油類 | クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン、エチレングリコール、グリセリン |
水に溶けない物品でも、二硫化炭素のように水より重い物があります。二硫化炭素は、この性質を生かして水の中にためておきます。くわしくは特殊引火物の記事で扱います。
色がある物は、オレンジ系に色をつけた自動車用ガソリンや、褐色の重油などです。灯油と軽油も、うすい黄色などの色がついていることがあります。毒性で問われやすいのは、メタノール、ベンゼン、二硫化炭素、アニリンなどです。
ここは覚えなくていい
比重の細かい値や、物品ごとの色の名前は覚えなくてかまいません。ジエチルエーテルのように「水に少し溶ける」物品も、まずは表の物品を覚えてから広げれば足ります。
解き方の手順:水に溶けるかと引火点の大小は、品名から決める
2つの手順は、どちらも「物質名を見たら、まず品名に置きかえる」から始まります。品名の区切りは、第4類の7品名の記事で引火点の物差しにまとめています。

水に溶けるかの見分け方
手順1は、アルコール類かどうかを見ることです。アルコール類は、全部が水に溶けます。
手順2は、第2石油類で名前に「酸」が付くかを見ることです。酢酸・プロピオン酸・アクリル酸は水に溶けます。
手順3で、残りは上の表の物品だけを覚え、それ以外は水に溶けないと考えます。第1〜第3石油類で水に溶ける物は、法令で水溶性として扱われ、指定数量(していすうりょう)が非水溶性の2倍になります。
火災の消火(しょうか)では、普通の泡が溶けて消えるので、専用の泡を使います。消し方は第4類の消火の記事にまとめています。
引火点の大小の考え方
手順1で、物質名を品名に置きかえます。手順2で、品名の順に並べます。第1石油類から第4石油類は、引火点の範囲で順に区切られた品名です。
第1石油類から第4石油類どうしなら、品名の順がそのまま引火点の範囲の順です。 ただし重油のように名前で品名が決められた物品は、範囲から外れることがあります。特殊引火物、アルコール類、動植物油類は、引火点だけで区切られた品名ではないので、代表の値で位置を確かめます。
| 物品 | 品名 | 引火点 |
|---|---|---|
| ジエチルエーテル | 特殊引火物 | −45℃ |
| ガソリン | 第1石油類 | −40℃以下 |
| メタノール | アルコール類 | 11℃ |
| 灯油 | 第2石油類 | 40℃以上 |
表のように、特殊引火物のジエチルエーテルはガソリンより低く、アルコール類のメタノールはガソリンと灯油の間に入ります。同じ品名の中の比べ合いは、品名の順では決まらないので、数字で確かめます。
指定数量の覚え方:第4類の7品名を「危ないほど少ない」で
工場・現場ではこうなる:水に溶ける溶剤は、油と同じ回収ができない
化学プラントでは、こぼれた溶剤が水に溶けるかどうかで、回収のしかたや火災のときに使う泡が変わります。水に溶けない油は水面に浮くので、油と水を分ける槽で回収できます。アセトンやアルコールのような水溶性の溶剤は水に溶けて分けられないので、タンクには専用の泡を使う消火設備を選びます。
確認問題
問1 第1石油類のアセトンは、水溶性(すいようせい)で、水とよく混ざり合う。
答え:○
根拠:第4類は水に溶けない物品が多いですが、水溶性の物品もあります。
なぜか:第4類は水に溶けない物品が多いですが、アセトンは例外です。水溶性なので、火災には水溶性液体用の泡を使います。
狙われる形:アセトンを非水溶性の物品と入れかえた形で出ます。
問2 第2石油類の酢酸は、比重が1より大きく、水より重い。
答え:○
根拠:第4類は水より軽い物品が多いですが、水より重い物品もあります。
なぜか:第4類の多くは水より軽いですが、酢酸は例外です。重い物品は、原則の反対側に入るので区別して整理します。
狙われる形:酢酸を「水より軽い」とした形で出ます。
問3 第2石油類の灯油は、第4石油類のギヤー油より引火点が高い。
答え:×
訂正:第4石油類のギヤー油のほうが、第2石油類の灯油より引火点が高い。
根拠:第1〜第4石油類は引火点の範囲で分けられていて、番号が小さいほど範囲が低くなります。
なぜか:第2石油類は第4石油類より、引火点の範囲が低い品名です。灯油のほうが、低い液温で引火します。
狙われる形:品名の順と引火点の大小を逆にした形で出ます。
まとめ
第4類は、水に溶けない・水より軽い・無色が原則で、例外の物品だけを表で覚えます。水に溶けるかは、アルコール類と「酸」の付く第2石油類から当たりを付け、残りは表の物品で決めます。引火点の大小は、物質名を品名に置きかえ、品名の順で当たりを付けます。
次に読む
- 前に戻る:動植物油類と第4石油類:油のしみた布がひとりでに燃え出す理由
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- もっと詳しく(甲種レベル):第4類 引火性液体の攻略
第1類〜第6類の全体像:燃える側と燃やす側に分ける
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-10 第4類の危険物の特徴まとめ、5-2 第4類の危険物と指定数量 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第3章 2 第4類危険物の性状、3 第4類危険物の消火、参考 乙種第4類の主な危険物(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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