動画解説はこちら|YouTube

危険物乙4の第4類の例外まとめ|水に溶ける・水より重い・引火点の大小の考え方

危険物乙4の第4類の例外まとめ|水に溶ける・水より重い・引火点の大小の考え方のアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

重要度:○ 押さえておきたい論点です

最終確認:2026年9月23日

第4類(だいよんるい)の多くは「水に溶けない・水より軽い・無色」ですが、危険物乙4ではこの原則どおりでない物品がくり返し問われます。

水に溶ける水溶性(すいようせい)の物品、水より重い物品、色と毒性、引火点(いんかてん)の大小を、品名から見分けます。

水に溶ける物 ── アルコール類は全部溶ける

覚える例外は水に溶ける物と水より重い物(品名×例外の種類のグリッド)

アルコール類は全部が水に溶けます。ほかは特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)から第3石油類まで、アセトン・酢酸・グリセリンなど決まった物品だけが溶けます。

問われる形○×ポイント
アセトンは第1石油類なので、水と混ざらない×第1石油類でも水によく溶ける
エタノールやメタノールは、水と層に分かれる×アルコール類は全部溶ける
酢酸・アクリル酸は、第2石油類の中で水に混ざる側○名前に「酸」が付く例外
グリセリンに水を加えると、二層に分かれる×グリセリンは水によく溶ける
水溶性の液体は、水を足すほど低い温度で火がつく×薄めると引火点は上がる
品名水に溶ける物品
特殊引火物アセトアルデヒド、酸化プロピレン
第1石油類アセトン、ピリジン
アルコール類メタノール、エタノールなど全部
第2石油類酢酸、プロピオン酸、アクリル酸
第3石油類エチレングリコール、グリセリン

見分け方は3つの手順です。手順1は、アルコール類かを見ます。手順2は、第2石油類で名前に「酸」が付くかを見て、手順3で残りは表の物品だけ溶けると考えます。

水溶性の液体を水で薄めると、液面から出る燃える蒸気が減り、引火点は高くなります。 燃えられる濃さの蒸気を出すのに、もっと高い液温が要るようになるからです。

  • 第4類の多くは石油からとれる油の仲間で、水と混ざりません。アルコールのように、分子の中に水となじみやすい部分を持つ液体は水に溶けます。
  • 第1〜第3石油類で水に溶ける物は、法令で水溶性として扱われます。指定数量(していすうりょう)は、非水溶性の2倍です。
  • 火災の消火(しょうか)では普通の泡が溶けて消えるので、専用の泡を使います。消し方は第4類の消火の記事にまとめています。
  • ジエチルエーテルのように「水に少し溶ける」物品は、表の物品を覚えてから広げれば足ります。

化学プラントなどの工場では、こぼれた溶剤が水に溶けるかで、回収のしかたや消火に使う泡が変わります。水に溶けない油は水面に浮くので、油と水を分ける槽で回収できます。アセトンやアルコールのような水溶性の溶剤は分けられないので、タンクには専用の泡を使う消火設備を選びます。

水より重い物 ── 二硫化炭素・酢酸・グリセリンなど

品名水より重い物品
特殊引火物二硫化炭素
第2石油類クロロベンゼン、酢酸、アクリル酸
第3石油類クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン、エチレングリコール、グリセリン

水より重い物品は、特殊引火物の二硫化炭素(にりゅうかたんそ)、第2石油類の酢酸など、第3石油類のグリセリン・ニトロベンゼンなどです。第1石油類とアルコール類の代表的な物品は、どれも水より軽い液体です。

問われる形○×ポイント
酢酸を水に入れると、上に浮く×水より重く、沈む
ニトロベンゼンやグリセリンは、水の下側にたまる○第3石油類に重い物品が多い
水より重い物品は、第1石油類とアルコール類に集まっている×両品名の代表的な物品はどれも軽い

水より重いかどうかは、水を1とした重さの比べ方である比重(ひじゅう)で表します。硫黄や塩素のような重い原子を含む液体には、水より重いものがあります。水に溶けない物品でも、二硫化炭素のように水より重い物があります。

  • ガソリン・アセトン・メタノールのように、第1石油類とアルコール類の代表的な物品は、どれも水より軽い液体です。
  • 二硫化炭素は、この性質を生かして水の中にためておきます。くわしくは特殊引火物の記事で扱います。
  • 例外のない性質もあります。第4類の蒸気はどれも空気より重く、低い所にたまります。蒸気の重さは第4類に共通する性質の記事で扱います。
  • 比重の細かい値は、覚えなくてかまいません。

色と毒性の例外 ── 重油は褐色、二硫化炭素の蒸気は特に有毒

例外の種類物品覚え方
色がある重油は褐色、自動車ガソリンはオレンジ系第4類の多くは無色
毒性が強い二硫化炭素の蒸気は特に有毒ほかにメタノール・ベンゼンなど

第4類の多くは無色ですが、重油は褐色から暗褐色の液体です。毒性では、二硫化炭素の蒸気がとくに有毒で、試験でよく問われます。

問われる形○×ポイント
重油は、色のない透き通った液体×褐色から暗褐色
二硫化炭素は、蒸気を吸うと体に強い害がある○特に有毒な物品の代表
重油の色を、ガソリンのオレンジ系と取り違える×重油は褐色

色がある物は、オレンジ系に色をつけた自動車用ガソリンや、褐色の重油などです。灯油と軽油も、うすい黄色などの色がついていることがあります。二硫化炭素の蒸気は特に有毒で、燃えたときに出るガスも有毒です。

  • 毒性で問われやすいのは、二硫化炭素のほか、メタノール、ベンゼン、アニリンなどです。
  • 物品ごとの色の名前は、覚えなくてかまいません。

引火点の大小 ── 品名の順で決まる

水に溶けるかと引火点の大小は品名から決める(物質名から品名へ置きかえる2つの手順)

第1石油類から第4石油類どうしなら、品名の順がそのまま引火点の範囲の順です。物質名を品名に置きかえれば、数値を覚えていなくても大小が決まります。

問われる形○×ポイント
灯油とギヤー油では、灯油の引火点のほうが上×第4石油類のギヤー油のほうが高い
第1石油類と第2石油類なら、数値を見なくても第1石油類が低い○品名の境目で線が引かれている

引火点が低い物ほど、低い液温で引火(いんか)します。手順1で物質名を品名に置きかえ、手順2で品名の順に並べます。品名の区切りは、第4類の7品名の記事で引火点の物差しにまとめています。

第1石油類は引火点が21℃未満、第2石油類は21℃以上です。灯油は第2石油類、ギヤー油は引火点200℃以上の第4石油類なので、ギヤー油のほうが引火点は高くなります。重油のように名前で品名が決められた物品は、範囲から外れることがあります。

解き方の手順:水に溶けるかと引火点の大小は、品名から決める(代表の値で並べた順)
物品品名引火点
ジエチルエーテル特殊引火物−45℃
ガソリン第1石油類−40℃以下
メタノールアルコール類11℃
灯油第2石油類40℃以上
  • 特殊引火物、アルコール類、動植物油類は、引火点だけで区切られた品名ではないので、代表の値で位置を確かめます。
  • 表のように、特殊引火物のジエチルエーテルはガソリンより低く、アルコール類のメタノールはガソリンと灯油の間に入ります。
  • 同じ品名の中の比べ合いは、品名の順では決まらないので、数字で確かめます。

関連:指定数量の覚え方:第4類の7品名を「危ないほど少ない」で

確認問題

問1 第1石油類のアセトンは、水溶性(すいようせい)で、水とよく混ざり合う。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲

答え:○

根拠:第4類は水に溶けない物品が多いですが、水溶性の物品もあります。

なぜか:第4類は水に溶けない物品が多いですが、アセトンは例外です。水溶性なので、火災には水溶性液体用の泡を使います。

狙われる形:アセトンを非水溶性の物品と入れかえた形で出ます。

問2 第2石油類の酢酸は、比重が1より大きく、水より重い。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲

答え:○

根拠:第4類は水より軽い物品が多いですが、水より重い物品もあります。

なぜか:第4類の多くは水より軽いですが、酢酸は例外です。重い物品は、原則の反対側に入るので区別して整理します。

狙われる形:酢酸を「水より軽い」とした形で出ます。

問3 第2石油類の灯油は、第4石油類のギヤー油より引火点が高い。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲

答え:×

訂正:第4石油類のギヤー油のほうが、第2石油類の灯油より引火点が高い。

根拠:第1〜第4石油類は引火点の範囲で分けられていて、番号が小さいほど範囲が低くなります。

なぜか:第2石油類は第4石油類より、引火点の範囲が低い品名です。灯油のほうが、低い液温で引火します。

狙われる形:品名の順と引火点の大小を逆にした形で出ます。

まとめ

第4類は、水に溶けない・水より軽い・無色が原則で、例外の物品だけを表で覚えます。水に溶けるかは、アルコール類と「酸」の付く第2石油類から当たりを付け、残りは表の物品で決めます。引火点の大小は、物質名を品名に置きかえ、品名の順で当たりを付けます。

次に読む

第1類〜第6類の全体像:燃える側と燃やす側に分ける

参考文献

  • 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-10 第4類の危険物の特徴まとめ、5-2 第4類の危険物と指定数量 Amazonで見る
  • 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第3章 2 第4類危険物の性状、3 第4類危険物の消火、参考 乙種第4類の主な危険物(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る

内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む