動画解説はこちら|YouTube

危険物乙4の第4類の7品名|引火点の物差しに並べると区切りが覚えられる

危険物乙4の第4類の7品名|引火点の物差しに並べると区切りが覚えられるのアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

重要度:◎ よく問われます

最終確認:2026年9月23日

ガソリンは第1石油類、灯油は第2石油類と、同じ第4類(だいよんるい)の石油製品でも品名(ひんめい)が違います。危険物乙4では物質名から品名を答える問題が出て、多くの品名の決め手は引火点(いんかてん)です。

第4類の7品名 ── 引火点で決まる4つと別の条件の3つ

品名の区切り(引火点で決まる4品名と、別の条件で決まる3品名の入れ子)

消防法の危険物(きけんぶつ)の第4類は、7つの品名に分かれます。第1〜第4石油類の4つは引火点だけで決まり、残りの3つは別の条件で決まります。

問われる形○×ポイント
第4類の品名を6つや8つと数える、品名にない名前を混ぜる×品名は全部で7つ
引火点だけで品名が決まるのは、第1〜第4石油類○残りの3つには別の条件がつく
灯油と酢酸は同じ第2石油類なので、法令の量の基準も同じ×水に溶けるかどうかで量の基準が違う
  • 第4類は燃える液体をまとめた類で、引火性液体(いんかせいえきたい)とも呼びます。
  • 7品名は、特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)・第1石油類・アルコール類・第2石油類・第3石油類・第4石油類・動植物油類です。
  • 特殊引火物は、発火点(はっかてん)や引火点がとても低い、いちばん燃えやすい液体の集まりです。
  • アルコール類は分子の形で、動植物油類は動物や植物から取った油という出どころで決まります。

第1〜第3石油類は、さらに水に溶ける水溶性(すいようせい)と、水に溶けない非水溶性に分けます。たとえば第2石油類には、水溶性の酢酸と非水溶性の灯油があります。この区分は、法令で扱う量の基準を決めるためのものです。

水溶性の物の指定数量(していすうりょう)は、同じ品名の非水溶性の物の2倍です。 どの物質が水溶性かは、第4類の例外まとめで整理しています。

  • 品名ごとの指定数量の数字は、この記事では覚えなくてかまいません。法令の科目で「物差しの左ほど少ない」と合わせて覚えます。

特殊引火物の条件 ── 発火点か、引火点と沸点の両方で決まる

入口条件(1気圧)代表的な物品
発火点の入口発火点100℃以下二硫化炭素
引火点と沸点の入口引火点−20℃以下、かつ沸点40℃以下ジエチルエーテル

特殊引火物には、入口が2つあります。発火点が100℃以下か、引火点が−20℃以下で沸点も40℃以下か、のどちらかに当てはまれば入ります。

問われる形○×ポイント
発火点の低さだけで、特殊引火物に入る物がある○発火点の入口は、それだけで通れる
発火点の条件の向きを「以上」にする×低いほど危ないので「以下」
沸点を見ずに、引火点の低さだけで特殊引火物とする×引火点と沸点は2つそろって1つの入口
  • 2つめの入口は「かつ」でつながっています。引火点が低くても、沸点が40℃を超えれば、この入口は通れません。
  • その物は、発火点が100℃以下でない限り特殊引火物に入らず、ガソリンのように第1石油類などになります。
  • 発火点とは、火を近づけなくても自分から燃え出す、いちばん低い温度のことです。

石油類の区切り ── 境目は21・70・200・250℃

第4類の品名は引火点の物差しで区切られている(境目は右の品名が持つ)

第1〜第4石油類は、1気圧での引火点を21℃・70℃・200℃・250℃で区切った品名です。線の上にちょうど乗る物は、番号の大きいほうの品名に入ります。

問われる形○×ポイント
ガソリンを第2石油類、灯油を第3石油類と1段ずらす×ガソリンは第1、灯油・軽油は第2
重油を灯油・軽油と同じ品名にする×重油は第3石油類
アセトンは、ガソリンと同じ品名○どちらも第1石油類
境目の「以上」と「超」、「未満」と「以下」を入れかえる×境目の数字は右の品名が持つ
引火点がどれだけ高い油でも、第4石油類か動植物油類に入る×どちらも250℃未満に限られる

物差しの4本の線で、左から第1〜第4石油類の区間に分かれます。左ほど低い温度で引火(いんか)するので危険です。

引火点が21℃ちょうどなら、第1石油類ではなく第2石油類です。第1石油類は「21℃未満」、第2石油類は「21℃以上70℃未満」と書きます。

「以上」「以下」はその数字を含み、「未満」は含みません。第4石油類を「引火点200℃以上」とだけ書き、250℃未満を落とした文は誤りです。 引火点が250℃以上の液体は、第4類の危険物に入りません。

品名定義(1気圧)代表的な物品
特殊引火物発火点100℃以下、または引火点−20℃以下で沸点40℃以下ジエチルエーテル、二硫化炭素
第1石油類引火点21℃未満ガソリン、アセトン
アルコール類炭素の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(含有量60%未満の水溶液は除く)メタノール、エタノール
第2石油類引火点21℃以上70℃未満灯油、軽油
第3石油類引火点70℃以上200℃未満重油、グリセリン
第4石油類引火点200℃以上250℃未満ギヤー油、シリンダー油
動植物油類動物の脂肉や植物の種子・果肉から取った油で、引火点250℃未満アマニ油、ヤシ油

化学プラントなどの工場では、新しい溶剤を使う前に安全データシート(SDS)を見ます。引火点と水への溶けやすさから品名を決め、置く場所の許可の範囲や扱える量の上限と照らし合わせます。

水で薄めた製品や混合品は引火点が変わるので、製品ごとに確かめます。

アルコール類 ── 炭素1〜3個の飽和1価アルコール。60%未満の水溶液は除く

試験ではこう聞かれる:境目の「未満」と「以上」の取り違え(アルコール類は炭素3個まで)

消防法のアルコール類は、炭素の数が1個から3個までの飽和1価アルコールです。含有量が60%未満の水溶液は、アルコール類から除かれます。

問われる形○×ポイント
名前に「アルコール」が付けば、炭素の数によらずアルコール類×炭素は3個まで
水で薄めても、アルコール類であることは変わらない×薄い水溶液は外れる。境目の向きも問われる
ジエチルエーテルをアルコール類に入れる×ジエチルエーテルは特殊引火物
メタノールとエタノールは、どちらもアルコール類○表の代表的な物品にある
  • 炭素が4個のブタノールは、名前にアルコールとついても、消防法のアルコール類ではありません。1-ブタノールは第2石油類として扱われます。
  • 水で薄めたアルコールは燃えやすさが下がるので、一定の濃さより薄い水溶液は外されています。

確認問題

問1 引火点が−20℃以下の液体なら、沸点が何℃でも特殊引火物(とくしゅいんかぶつ)に入る。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲

答え:×

訂正:引火点が−20℃以下でも、沸点が40℃を超える物は、発火点が100℃以下でない限り特殊引火物に入らない。

根拠:特殊引火物を引火点で決めるときは、引火点が−20℃以下で、かつ沸点が40℃以下であることが条件です。

なぜか:引火点と沸点の両方が低いことが、1つめの条件です。もう1つ、発火点が100℃以下という条件があり、二硫化炭素はこちらで特殊引火物になります。

狙われる形:引火点の条件だけを示して、特殊引火物と決めつけた形で出ます。

問2 軽油は、ガソリンと同じ第1石油類に分類される。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲

答え:×

訂正:軽油は第2石油類で、第1石油類のガソリンとは品名が違う。

根拠:第2石油類は引火点が21℃以上70℃未満の品名で、灯油や軽油が入ります。

なぜか:ガソリンは引火点がとても低く、第1石油類に入ります。軽油は液温を上げないと引火しにくく、引火点が21℃以上の第2石油類です。

狙われる形:よく使う燃料どうしの品名を入れかえた形で出ます。

問3 重油とクレオソート油は、どちらも第3石油類に分類される。
答えと解説を見る ▼閉じる ▲

答え:○

根拠:第3石油類には、重油やクレオソート油が入ります。

なぜか:消防法の定義に、第3石油類の代表として重油とクレオソート油が名前で挙がっています。どちらも引火点が灯油や軽油より高い油です。

狙われる形:クレオソート油を、ギヤー油と同じ第4石油類とした形で出ます。

まとめ

第1〜第4石油類は、1気圧の引火点を21℃・70℃・200℃・250℃で区切った品名です。21℃・70℃・200℃ちょうどの物は、番号の大きいほうの品名に入ります。特殊引火物・アルコール類・動植物油類は、引火点のほかに発火点や分子の形、油の出どころで決まります。

次に読む

前に戻る:引火点・発火点・燃焼点の違い(火を近づけるか、近づけないか)

法令で指定数量を覚えるとき:第4類の7品名を「危ないほど少ない」で

参考文献

  • 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-3 第4類危険物(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
  • 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-2 第4類に共通の特性・5-2 第4類の危険物と指定数量 Amazonで見る

内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む