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重要度:◎ よく問われます
最終確認:2026年9月23日
危険物乙4では、灯油と軽油(けいゆ)の引火点(いんかてん)・発火点(はっかてん)の数字と、火がつきやすくなる場面がよく問われます。灯油は常温(じょうおん)では引火(いんか)しない油ですが、使い方しだいで燃えやすくなります。
引火点と発火点 ── 灯油40℃以上・軽油45℃以上

引火点は灯油が40℃以上、軽油が45℃以上で、常温では引火しません。発火点はどちらも約220℃で、ガソリンより低くなります。
| 物質 | 引火点 | 発火点 |
|---|---|---|
| 灯油 | 40℃以上 | 約220℃ |
| 軽油 | 45℃以上 | 約220℃ |
| ガソリン | −40℃以下 | 約300℃ |
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 灯油や軽油も、ふだんの気温で火を近づければ燃える | × | 引火点が常温より高く、ふつうは引火しない |
| 軽油の引火点の境界を「未満」「以下」とする | × | 境界語は「以上」 |
| 灯油と軽油の発火点は、ほぼ同じ温度 | ○ | 成分が似ているため |
| 引火点が高い灯油は、発火点もガソリンより高い | × | 発火点はガソリンより低い |
常温とは、ふだんの気温くらいの温度のことです。引火点とは、火を近づけたときに燃え始める、いちばん低い液温のことです。灯油の引火点はふだんの気温より高いので、液のままでは燃えられる濃さの蒸気が液面の上にそろいません。
灯油と軽油は、引火点はガソリンよりずっと高く、発火点はガソリンより低くなります。引火点の並びだけを見て、発火点も同じ順だと思わないようにします。
数字についている「以上」「約」も、答えの一部です。たとえば「40℃以上」は、40℃ちょうども含みます。
- 灯油と軽油は、第4類(だいよんるい)の引火性液体(いんかせいえきたい)のうち、第2石油類(だいにせきゆるい)という品名に入ります。品名の区切りの温度は、第4類の7品名の記事で1本の物差しにまとめています。
- 発火点を100℃に届かない低い温度としたり、ガソリンの約300℃と取りちがえたりする文も誤りです。
- 沸点や燃える濃さの幅、蒸気の重さの細かい値は、危険物乙4では覚えなくてかまいません。軽油は「引火点が灯油より少し高い」と、並び順で覚えておけば足ります。
常温でも燃えやすくなる場面 ── 霧・布・加熱・ガソリンの混入

灯油と軽油は、4つの場面で火がつきやすくなります。温めて液温を引火点以上にする、霧にする、布にしみこませる、ガソリンが混ざる、の4つです。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 液温が引火点より低ければ、霧にしても燃えない | × | 空気にふれる面が広がり、火がつきやすい |
| 布に吸わせた灯油は、燃えにくくなる | × | 薄く広がって蒸発が進み、燃えやすい |
| ガソリンと灯油は、混ぜても上下2層に分かれる | × | 溶け合い、灯油だけより燃えやすくなる |
| 灯油はいくら温めても、炎を寄せて燃えることはない | × | 引火点まで温まれば、ガソリン同様に燃える |
1つめは、温めて液温が引火点以上になる場面です。加熱する設備や高温の機械の近くでは、灯油の液温も上がります。液温が引火点に届けば、灯油も火花などで引火します。
2つめは、霧状(きりじょう)にする場面です。霧状とは、液を細かい粒にして空気中に散らした状態のことです。粒が細かいほど空気にふれる面が広がり、液温が引火点より低くても火がつきやすくなります。
3つめは、布にしみこませる場面です。布の繊維に広がった灯油は、空気にふれる面が大きくなり、蒸発が進みます。ぼろ布やウエスにしみた灯油は、液のままより火がつきやすい状態です。
4つめは、ガソリンが混ざる場面です。ガソリンは引火点がとても低く、灯油と混ぜると分かれずに混ざり合います。灯油にガソリンが混ざると常温でも引火しやすくなるので、混ぜてはいけません。
- 灯油のつもりでガソリンをストーブに入れてしまう誤給油(ごきゅうゆ)が起きることがあります。ストーブは灯油を燃やす前提で作られているので、ガソリンが入ると思わぬ火の出方をします。
- 灯油も軽油も電気を通しにくい不良導体(ふりょうどうたい)で、配管やホースの中を流すと静電気(せいでんき)がたまりやすくなります。
- 布にしみた油が自分の熱で燃え出す自然発火(しぜんはっか)は、灯油ではふつう起きません(次の論点)。
化学プラントなどの工場では、灯油や軽油をボイラーや非常用発電機の燃料として使います。配管のつなぎ目やポンプから圧力のかかった油がもれると、霧状に吹き出して火がつきやすくなります。そのため、もれはすぐに止めて火気を遠ざけ、油をふいたウエスもふた付きの金属容器に入れて片づけます。
そのほかの性質 ── 灯油は自然発火しない
| 性質 | 灯油・軽油 | 誤りの形 |
|---|---|---|
| 水との関係 | 水より軽く、水に溶けない | 水に沈む、水によく溶ける |
| 蒸気 | 空気より重く、低い所にたまる | 空気より軽い |
| 電気 | 通しにくく、静電気がたまりやすい | 静電気がたまりにくい |
| 自然発火 | 一般に起きない | 空気中で自然発火しやすい |
| 色 | 灯油は無色かうすい黄色、軽油はうすい黄色〜うすい褐色 | 軽油もオレンジ系に着色 |
灯油が自然発火することは、一般にありません。自然発火しやすいのは、動植物油類の中の乾性油(かんせいゆ)です。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 灯油は、置いておくだけで自分の熱で燃え出しやすい | × | 乾性油と取り違えた形 |
| 軽油の色も、ガソリンと同じオレンジ系 | × | オレンジ系は自動車ガソリンの色 |
| 灯油や軽油は、水に沈み、水によく溶ける | × | 水に浮き、水に溶けない |
自然発火とは、酸化(さんか)や分解で物が出す熱が逃げずにたまり、やがて燃え出す現象です。灯油では、ふつうこの現象は起きません。
軽油の色は、うすい黄色からうすい褐色のものが多く見られます。オレンジ系の色が付けてあるのは、自動車ガソリンのほうです。
- 灯油や軽油は水に溶けず、水より軽いので水面に浮きます。こぼれた油が水に入ると、水面に薄く広がっていきます。
関連:動植物油類と第4石油類:油のしみた布が自然発火する理由
確認問題
問1 霧吹きで細かい粒にした灯油は、液温が低くても、火を近づけると燃えることがある。
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答え:○
根拠:引火点より液温が低くても、霧状や布にしみた状態では燃えることがあります。
なぜか:石油ファンヒーターは、灯油を細かい霧にして燃やしています。粒が細かいほど空気と混ざりやすく、火がつきやすくなります。
狙われる形:「引火点より液温が低いので燃えない」とした形で出ます。
問2 灯油にガソリンが混ざると、灯油だけのときより低い温度で引火しやすくなる。
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答え:○
根拠:引火点の低い液体が混ざると、混ざった液体は引火しやすくなります。
なぜか:ガソリンは引火点がとても低く、灯油とよく混ざります。少し混ざっただけでも、ストーブの周りで火がつくおそれがあります。
狙われる形:「ガソリンは灯油と混ざらず分離する」とした形で出ます。
問3 引火点が高い灯油は、ストーブの上などでどれだけ温められても、引火することはない。
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答え:×
訂正:灯油でも、液温が引火点以上になれば引火する。
根拠:引火点が高い液体でも、液温が引火点に届けば引火します。
なぜか:灯油も、液温が引火点に届けば燃える濃さの蒸気を出します。熱い物の近くに置いた灯油は、ガソリンと同じように引火するおそれがあります。
狙われる形:「灯油は温めても引火しない」とした形で出ます。
まとめ
灯油と軽油は、引火点が常温より高いので、液のままでは火を近づけても燃え始めません。ただし、温めて引火点以上にする、霧にする、布にしみこませる、ガソリンを混ぜる、の4つで火がつきやすくなります。引火点はガソリンよりずっと高い一方で、発火点はガソリンより低いことも押さえておきます。
次に読む
- 前に戻る:ガソリンの性質:引火点は低いのに、発火点は灯油より高い
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- 同じ第2石油類:第2石油類(灯油・軽油以外):キシレン・酢酸・アクリル酸の見分け
- もっと詳しく(甲種レベル):第4類 引火性液体の攻略
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-6 第2石油類 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第3章 9 第2石油類の性状(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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