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電験三種 理論 半導体|pn接合・ダイオード・FET・バイアス・チョッパ

電験三種 理論 半導体|pn接合・ダイオード・FET・バイアス・チョッパ

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最終確認:2026年10月24日

電験三種の理論で、半導体の素子を扱う6つの論点の辞書です。n形とp形、ダイオード、トランジスタ、FET、バイアス、サイリスタとスイッチング電源の順に確かめます。

理論の論点:直流回路①|直流回路②|静電気|磁気|電磁誘導|交流の基本

交流回路|三相交流|過渡現象|半導体|電子回路|電気計測

半導体の基礎 ── 5価を混ぜればn形、3価を混ぜればp形

n形とp形の半導体:シリコンの結晶に5価のリンを入れると結びつきに使われない電子が1個余ってn形、3価のホウ素を入れると電子の席が1つ空いて正孔ができp形になる
比べる所n形半導体(えぬがたはんどうたい)p形半導体(ぴーがたはんどうたい)
混ぜる不純物5価(リン・ヒ素・アンチモン)3価(ホウ素・インジウム・ガリウム)
不純物の呼び名ドナー(どなー):電子を与えるアクセプタ(あくせぷた):電子を受け取る
多数キャリヤ(たすうきゃりや)自由電子正孔(せいこう)
少数キャリヤ(しょうすうきゃりや)正孔自由電子
名前の由来negative(負の電子が主役)positive(正の正孔が主役)

5価を混ぜると電子が余ってn形、3価を混ぜると電子の席が空いてp形になります。真性半導体(しんせいはんどうたい)は、温度が上がるとキャリヤ(きゃりや)が増えて抵抗率が下がります。

言葉の式 拡散電流 ∝ キャリヤ濃度の傾き(濃度勾配)

I拡散∝キャリヤ濃度の傾き

I拡散:拡散電流〔A〕 濃度勾配:キャリヤ濃度の傾き(濃度こう配)

問われる形○×ポイント
真性半導体は、温度が上がると抵抗率が増える×電子と正孔の対が増えて、抵抗率は下がる。金属と逆
5価の不純物をアクセプタと呼ぶ×5価は電子を与えるドナー。アクセプタは3価
不純物を加えるとキャリヤは増えるが、抵抗率は変わらない×キャリヤが増えるので、抵抗率は下がる
ドリフト電流は電界に、拡散電流は濃度の傾きに比例する○どちらも比例。反比例と書かれたら誤り
  • シリコンは価電子(いちばん外側の電子)が4個で、となりの原子と電子を出し合って結びつきます。不純物の原子は、ごく少量だけ混ぜます。
  • 光や熱を受けると、電子が結びつきから飛び出し、自由電子と正孔が対で生まれます。電流の向きは、正孔の動く向きと同じです。
  • 電気の通しやすさ(導電率(どうでんりつ))は、金属、不純物半導体(ふじゅんぶつはんどうたい)、真性半導体の順に小さくなります。
  • SiとGeは1種類の元素でできた半導体、GaAsとInPは2種類の元素でできた化合物半導体です。
  • 電界でキャリヤが動く電流がドリフト電流、濃い所から薄い所へ広がる電流が拡散電流です。p形とn形をつなぐと、つなぎ目に空乏層(くうぼうそう)ができ、電流はほぼ順方向(じゅんほうこう)にだけ流れます。

関連:pn接合ダイオード|抵抗率と温度係数|変化の割合=グラフの傾き

pn接合ダイオード ── 順方向だけ流れ、逆方向は空乏層が広がる

pn接合ダイオード:p側を+にする順方向では空乏層が狭くなって電流が流れ、逆方向では空乏層が広がってほとんど流れない
素子使う向き使う性質と用途
整流用のダイオード(だいおーど)順方向で流し、逆方向で止める交流を直流に変える(整流)
発光ダイオード・レーザダイオード順方向電子と正孔が結びつくときに出る光
太陽電池・ホトダイオード光を当てて使う光で生まれた電子と正孔を分けて電気にする
定電圧ダイオード逆方向逆電圧を上げて急に流れ出す降伏の電圧がほぼ一定
可変容量ダイオード逆方向空乏層の幅で容量が変わる(同調回路)

p側を+にする順方向では電流が流れ、逆にすると空乏層が広がってほとんど流れません。光を出す素子は順方向、定電圧と可変容量は逆方向(ぎゃくほうこう)で使います。

言葉の式 静電容量 = 誘電率 × 極板の面積 ÷ 極板の間隔

C=εSd

C:静電容量〔F〕 ε:誘電率(ε₀ε_r)〔F/m〕 S:極板の面積〔m²〕 d:極板の間隔〔m〕

問われる形○×ポイント
発光ダイオードは、逆電圧を加えると光る×光るのは順電圧。電子と正孔が接合部で結びつくとき
定電圧ダイオードは、順電圧を上げたときの降伏を使う×降伏は、逆電圧を大きくしたときに起こる
可変容量ダイオードの逆電圧を大きくすると、容量も大きくなる×空乏層が広がり、極板の間隔が広がるのと同じで容量は小さくなる
順電圧を加えると、電子は素子の中をカソードからアノードへ動く○電流の向き(アノードからカソード)と逆
  • p形側の端子がアノード、n形側の端子がカソードです。シリコンでは、順電圧がおよそ0.6 Vで電流が流れ始め、電流が増えるともう少し高くなります。トランジスタの計算では、ベース・エミッタ間電圧に問題文が指定する値(0.7 Vなど)を使います。
  • 逆方向でも、少数キャリヤが動いて、ごくわずかな電流が流れます。
  • 太陽電池の構造はダイオードと同じ2層です。電子はn形側、正孔はp形側へ分けられ、p形側が+極になります。
  • 可変容量ダイオードでは、空乏層が極板の間の絶縁体、その幅が上の式の間隔にあたります。
  • ホール効果・超伝導・圧電効果は、pn接合の性質ではありません。磁界・低温・力で起こる、別の現象です。

解き方:ダイオードを含む回路の電圧と電流のグラフ

  • ① 最初の一手は、電圧の向きごとに、ダイオードがオンかオフかを決めることです。オンは導線、オフは切れた線として描き直します。
  • ② 描き直した回路の抵抗で、電流を、電圧を抵抗で割った値で表します。
  • ③ グラフの傾きは抵抗の逆数です。抵抗の小さい側ほど、傾きが急になります。

例の条件を短くまとめます(平成24年度 問13)。電圧Vの入力に抵抗R1が直列で、その先にダイオードと抵抗R2が並列です。R2はR1の2倍で、ダイオードはVが正のとき順方向になる向きです。

  • Vが正のとき:ダイオードがオンで、R2は短絡(たんらく)されます。抵抗はR1だけで、傾きは1÷R1です。
  • Vが負のとき:ダイオードはオフで、R1とR2の直列の3R1に流れます。傾きは1÷3R1です。
  • 答えは原点を通る折れ線で、正の側の傾きが負の側の3倍です。負の側でも電流は0にならず、負の値になります。

関連:半導体の基礎|平行板コンデンサ|合成抵抗|変化の割合=グラフの傾き

バイポーラトランジスタ ── 小さなベース電流で大きなコレクタ電流を制御

トランジスタの静特性:6 Vでベース電流が20 μA増えるごとにコレクタ電流は2 mA増えるので電流増幅率は100(40 μA・4.0 mAの比も100)、同じ曲線の4 V・3.8 mAと8 V・4.2 mAから出力インピーダンスは10 kΩ
読みたい量グラフのどこを読むか出し方
直流電流増幅率(ちょくりゅうでんりゅうぞうふくりつ)1本の曲線の上の1点その点のコレクタ電流を、その曲線のベース電流で割る
小信号電流増幅率(しょうしんごうでんりゅうぞうふくりつ)同じ電圧での2本の曲線の差コレクタ電流の差を、ベース電流の差で割る
出力インピーダンス(しゅつりょくいんぴーだんす)1本の曲線の上の2点電圧の差を電流の差で割る(傾きの逆数)

ベースに少しの電流を流すと、その数十〜数百倍の電流がコレクタに流れます。エミッタの電流は、ベースの電流とコレクタの電流の和です。

言葉の式 エミッタ電流 = ベース電流 + コレクタ電流

IE=IB+IC

IE:エミッタ電流〔A〕 IB:ベース電流〔A〕 IC:コレクタ電流〔A〕

言葉の式 直流電流増幅率 = コレクタ電流 ÷ ベース電流

hFE=ICIB

hFE:直流電流増幅率 IC:コレクタ電流〔A〕 IB:ベース電流〔A〕

言葉の式 小信号電流増幅率 = コレクタ電流の変化 ÷ ベース電流の変化(VCE 一定)

hfe=ΔICΔIB

hfe:小信号電流増幅率 ΔIC:コレクタ電流の変化〔A〕 ΔIB:ベース電流の変化〔A〕

言葉の式 1/hoe = コレクタ・エミッタ間電圧の変化 ÷ コレクタ電流の変化(IB 一定)

1hoe=ΔVCEΔIC

1/hoe:出力インピーダンス〔Ω〕 ΔVCE:コレクタ・エミッタ間電圧の変化〔V〕 ΔIC:コレクタ電流の変化〔A〕

問われる形○×ポイント
40 μAの曲線から読んだ4 mAを20 μAで割り、増幅率を200とする×割るのは、読んだ曲線と同じ40 μA。増幅率は100
出力インピーダンスは、曲線の傾き(電流の差÷電圧の差)そのもの×傾きの逆数(電圧の差÷電流の差)で、単位はΩ
曲線が横に平らなほど、電圧が変わってもコレクタ電流は変わりにくい○出力インピーダンスが大きく、一定の電流を流す電源に近い
  • 端子はエミッタ・ベース・コレクタの3つで、npn形とpnp形があります。真ん中のベースは、とても薄く作られています。
  • npn形では、エミッタから入った電子のほとんどがベースを通り抜けて、コレクタへ届きます。ベースに流れるのは、そのごく一部です。
  • ベースの電流でコレクタの電流を制御するので、電流制御形の素子と呼びます。

解き方:静特性から増幅率と出力インピーダンスを読む

  • ① 最初の一手は、条件のベース電流の曲線を1本決めることです。
  • ② その曲線を指定の電圧で読み、増幅率を出します。小信号の増幅率は、となりの曲線との差で読みます。
  • ③ 同じ曲線の上で2点を読み、電圧の差を電流の差で割ります。

例の条件を短くまとめます(令和7年度上期 問13)。エミッタ接地の静特性で、ベース電流40 μA、コレクタ・エミッタ間電圧6 Vの点の増幅率と出力インピーダンスを求めます。

  • 40 μAの曲線を6 Vで読むと4.0 mAです。4.0 mAは4000 μAなので、直流の比は4000÷40=100です。
  • 曲線は、ベース電流が20 μA増えるごとに約2 mAずつ上がります。
hfe=2 mA20 μA=100
  • 40 μAの曲線は、4 Vで3.8 mA、8 Vで4.2 mAです。差は4 Vと0.4 mAです。
1hoe=4 V0.4 mA=10000 Ω

関連:バイアスと動作点|FET|変化の割合=グラフの傾き

FET ── ゲート電圧でチャネルの幅を変える

FET:接合形はゲートの逆方向電圧を大きくすると空乏層が広がってチャネルが細くなり、MOS形のエンハンスメント形はゲートに正の電圧をかけると酸化膜の下に電子の層ができてチャネルになる
比べる所バイポーラトランジスタ(ばいぽーらとらんじすた)FET(電界効果トランジスタ)
制御するものベースの電流(電流制御形)ゲートの電圧(電圧制御形)
電流を運ぶキャリヤ電子と正孔の両方どちらか一方(多数キャリヤ)
入力インピーダンス(にゅうりょくいんぴーだんす)低い高い(ゲートに電流がほとんど流れない)
消費電力大きい小さい
静電気比較的強い弱い(MOS形のゲートの薄い膜が壊れやすい)

FETは、ゲートの電圧でチャネル(電流の通り道)の太さを変え、ドレーンの電流を制御します。ゲートに電流がほとんど流れないので、入力インピーダンスが高くなります。

問われる形○×ポイント
FETは、ドレーンの電圧のつくる電界で多数キャリヤを制御する×制御するのは、ゲートの電圧のつくる電界
エンハンスメント形は、ゲートの電圧に関係なくチャネルがある×ゲートに電圧を加えて初めてできる。0 Vでもあるのはデプレション形
接合形でゲートの逆方向電圧を大きくすると、チャネルが細くなり電流が減る○空乏層が広がって、通り道を狭める
p形の基板に電子の層ができるMOS形は、pチャネル×チャネルは電子の層なのでnチャネル。名前はキャリヤで決まる
  • 端子はゲート・ドレーン・ソースの3つで、チャネルにはnチャネルとpチャネルがあります。
  • 接合形FET(せつごうがたえふいーてぃー)は、ゲートとチャネルの間のpn接合に逆方向電圧を加え、空乏層の広がりでチャネルを狭めます。
  • MOS形FET(もすがたえふいーてぃー)は、nチャネルでは、ゲートの正の電圧で表面の正孔を追い払い、電子を集めます。この電子の層を反転層といい、これがチャネルになります。
  • MOS形は、エンハンスメント形(えんはんすめんとがた)とデプレション形(でぷれしょんがた)に分かれます。nチャネルとpチャネルを組み合わせたCMOSのICは、消費電力がとても小さくなります。
  • 工場・現場では、MOS形FETを使った基板は静電気で壊れやすいので、静電気の対策をして扱います。

関連:バイポーラトランジスタ|pn接合ダイオード|小信号増幅回路

バイアスと動作点 ── 直流で動作点を決め、その上に信号を乗せる

バイアスと動作点:負荷線は電源電圧の点と電源電圧÷コレクタ抵抗の点を結ぶ直線で、ベース電流の曲線との交点が動作点になり、信号でその点が負荷線の上を上下する
バイアス回路ベースの電流の決め方温度に対する安定度
固定バイアス電源から抵抗1本でベースへ流す悪い(コレクタの電流の増加を抑える仕組みが無い)
自己バイアスコレクタの電圧を抵抗でベースへ戻すよい(コレクタの電流が増えると、ベースの電流が減る)
電流帰還バイアス抵抗2本の分圧でベース電圧を決め、エミッタに抵抗を入れるよい。ただし、エミッタの抵抗と分圧の抵抗で電力損失が大きい

増幅するには、まず直流(バイアス(ばいあす))で動作点(どうさてん)を決め、その上に交流の信号を乗せます。動作点は、負荷線(ふかせん)とベースの電流の曲線の交点です。

言葉の式 コレクタ・エミッタ間電圧 = 電源電圧 − 直流で流れる回路の抵抗の合計 × コレクタ電流

VCE=VCC−RIC

VCE:コレクタ・エミッタ間電圧〔V〕 VCC:電源電圧〔V〕 R:コレクタ側の直流抵抗の合計〔kΩ〕 IC:コレクタ電流〔mA〕

言葉の式 ベース電流 =(電源電圧 − VBE)÷ バイアス抵抗

IB=VCC−VBERB

IB:ベース電流〔A〕 VCC:電源電圧〔V〕 VBE:ベース・エミッタ間電圧〔V〕 RB:バイアス抵抗〔Ω〕

言葉の式 ベース電圧 = 電源電圧 × R2 ÷(R1 + R2)

VB=VCCR2R1+R2

VB:ベース電圧〔V〕 VCC:電源電圧〔V〕 R1:電源側の抵抗〔Ω〕 R2:グランド側の抵抗〔Ω〕

言葉の式 エミッタ電圧 = ベース電圧 − ベース・エミッタ間電圧

VE=VB−VBE

VE:エミッタ電圧〔V〕 VB:ベース電圧〔V〕 VBE:ベース・エミッタ間電圧〔V〕

問われる形○×ポイント
固定バイアスで、バイアス抵抗にかかる電圧をコレクタ・エミッタ間電圧とする×かかるのは、電源電圧からベース・エミッタ間電圧を引いた分
電流帰還バイアスで、エミッタ電圧を分圧で出したベース電圧のままとする×ベース・エミッタ間電圧(問題文の値、0.7 Vなど)を引く
温度が上がってコレクタの電流が増えやすく、安定度が悪いのは固定バイアス○増加を抑える帰還が無い
安定度がよく、電力損失が大きいのは自己バイアス×電力損失が大きいのは、電流帰還バイアス
  • 負荷線は、電流が0の点(電圧は電源電圧)と、電圧が0の点(電流は電源電圧を抵抗で割った値)を結ぶ直線です。
  • 計算では、ベースの電流は分圧の抵抗を流れる電流より十分小さいとして無視します。エミッタとコレクタの電流は、ほぼ等しいとみます。
  • 交流の信号の増幅度は、直流と分けて考えます。続きは小信号増幅回路にあります。

解き方:電流帰還バイアスのエミッタ抵抗を決める

  • ① 最初の一手は、分圧でベース電圧を出すことです。ベースの電流は無視します。
  • ② ベース電圧から、ベース・エミッタ間電圧の0.7 Vを引いて、エミッタ電圧を出します。
  • ③ エミッタ電圧をエミッタの電流で割ると、エミッタ抵抗です。

例の条件を短くまとめます(令和7年度上期 問18(a))。電源9 Vを3 kΩ(上側)と6 kΩ(下側)で分けてベースに加え、エミッタの電流を2 mAにします。ベース・エミッタ間電圧は0.7 Vです。

  • ベース電圧は、下側の6 kΩの分です。
VB=9 V×6 kΩ3 kΩ+6 kΩ=6 V
VE=6 V−0.7 V=5.3 V
  • REは5.3÷2=2.65 kΩで、選択肢では2.7 kΩが最も近くなります。
  • 確かめ:2.65 kΩに2 mAを流すと、次のとおりエミッタ電圧に戻ります。
VE=2.65 kΩ×2 mA=5.3 V

VE:エミッタ電圧(RE の電圧降下)〔V〕 RE:エミッタ抵抗〔Ω〕 IE:エミッタ電流〔A〕

  • 0.7 Vを引き忘れると6÷2=3 kΩになり、選択肢の2.7と取り違えやすくなります。

関連:バイポーラトランジスタ|分圧と分流|キルヒホッフの法則

サイリスタとスイッチング電源 ── オンの時間の割合で出力電圧が決まる

降圧チョッパ:スイッチがオンの間は電源からコイルを通って負荷へ、オフの間はコイルの電流がダイオードを回って流れ続け、コイルの電流は三角波で増減し、出力電圧はほぼ一定で電源電圧×オンの割合
部品スイッチがオンのときスイッチがオフのとき
スイッチ(トランジスタ・FET)電源から電流を通す電流を切る
コイル電流が増え、エネルギーをためる電流を保とうとして、ためたエネルギーを出す
還流ダイオード(かんりゅうだいおーど)逆電圧がかかり、流れないコイルの電流の通り道になる
平滑コンデンサ(へいかつこんでんさ)電荷をためるためた電荷を負荷へ出す

降圧チョッパ(こうあつちょっぱ)の出力電圧は、電源電圧に、1周期のうちスイッチがオンの時間の割合を掛けた値です。定常では、オンの間にコイルの電流が増える量と、オフの間に減る量が等しくなります。

言葉の式 出力電圧 = オンの時間 ÷(オンの時間 + オフの時間)× 電源電圧

Vo=TonTon+ToffE

Vo:出力電圧(平均値)〔V〕 Ton:スイッチがオンの時間〔s〕 Toff:スイッチがオフの時間〔s〕 E:電源電圧〔V〕

言葉の式 コイル電流の増える量 ΔI1 = 減る量 ΔI2

ΔI1=ΔI2

ΔI1:ON の間にコイル電流が増える量〔A〕 ΔI2:OFF の間にコイル電流が減る量〔A〕

言葉の式 誘導起電力の大きさ = 自己インダクタンス × 電流の変化 ÷ かかった時間

e=LΔIΔt

e:自己誘導起電力(コイルの端子電圧の大きさ)〔V〕 L:自己インダクタンス〔H〕 ΔI:電流の変化〔A〕 Δt:電流の変化にかかった時間〔s〕

問われる形○×ポイント
サイリスタは、4層構造の4端子の素子×層は4つだが、端子はアノード・カソード・ゲートの3つ
出力電圧は、電源電圧にオフの時間の割合を掛けた値×掛けるのはオンの割合。いつもオンなら、出力は電源電圧に等しい
コイルとコンデンサを小さくするには、スイッチの周期を長くする×周期を短く(周波数を高く)する
コンデンサの容量が大きいほど、出力のリプルは小さい○容量が大きいほど、電圧が変わりにくい
  • サイリスタ(さいりすた)は、ゲートに電流を流すと、アノードとカソードの間が導通します。止めるには、アノードとカソードの間の電流を0近くまで下げます。
  • 1周期はオンの時間とオフの時間の和で、オンの時間の割合を通流率(つうりゅうりつ)といい、デューティ比とも呼びます。
  • オンの間は、コイルに電源電圧と出力電圧の差がかかり、電流が増えます。オフの間はコイルに出力電圧がかかり、電流が減ります。
  • 電流の増え方(グラフの傾き)は、コイルの電圧を自己インダクタンス(じこいんだくたんす)で割った値です。増える量は、その傾きに時間を掛けた値です。

解き方:降圧チョッパの出力電圧の式を選ぶ

  • ① 最初の一手は、オンとオフのそれぞれで、コイルにかかる電圧を出すことです。
  • ② コイルの電流の変化量は、コイルの電圧と時間の積を、自己インダクタンスで割った値です。
  • ③ オンの間に増える量と、オフの間に減る量を等しくおき、出力電圧について整理します。
  • ④ いつもオン(オフの時間が0)のとき、出力電圧が電源電圧になるかで確かめます。

例の条件を短くまとめます(平成26年度 問18)。電源電圧Eの降圧チョッパで、オンの時間をTon、オフの時間をToffとし、出力電圧Voの式を選びます。

  • オンの間は、コイルにEとVoの差がかかります。増える量は、その差とTonの積に比例します。
  • オフの間は、コイルにVoがかかります。減る量は、VoとToffの積に比例します。
  • 2つを等しくおいて整理すると、Voは、Eに「Tonを周期(TonとToffの和)で割った割合」を掛けた値です。
  • 確かめ:オフの時間が0(いつもオン)なら、出力は電源電圧に等しくなります。
Vo=1 ms1 ms+0 ms×100 V=100 V
  • 分子と分母を逆にした式は、出力が電源電圧より大きくなります。降圧の回路には合いません。

関連:インダクタンス|RL回路の時定数|変化の割合=グラフの傾き

まとめ

5価を混ぜるとn形、3価を混ぜるとp形になり、pn接合は電流をほぼ順方向にだけ通します。

トランジスタはベースの電流で、FETはゲートの電圧で、出力側の電流を制御します。

増幅はバイアスで動作点を決めてから行い、降圧チョッパの出力電圧はオンの割合で決まります。

次に読む

参考文献

  • 高木 茂孝・堀 桂太郎『First Stage シリーズ 新訂電子回路概論』実教出版 第1章(電子回路素子)・第2章(増幅回路の基礎)・第7章3節(スイッチング制御電源回路) Amazonで見る
  • 『みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集』TAC出版 初版(2018年) CH07 電子理論の章 最新版をAmazonで見る
  • 第三種電気主任技術者試験 理論 問題(電気技術者試験センター) 平成24年度・平成26年度・令和7年度上期

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