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電験三種 理論 電子回路|増幅・オペアンプ・発振と変調・電子の運動

電験三種 理論 電子回路|増幅・オペアンプ・発振と変調・電子の運動

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最終確認:2026年10月24日

電験三種の理論で、電子回路と電子の運動の6つの論点をまとめた辞書です。増幅回路、オペアンプ、発振と変調、電界と磁界の中の電子、熱・光・磁界を電気に変える効果の順に確かめます。

理論の論点:直流回路①|直流回路②|静電気|磁気|電磁誘導|交流の基本

交流回路|三相交流|過渡現象|半導体|電子回路|電気計測

小信号増幅回路 ── 交流の変化だけを見る等価回路で考える

小信号増幅回路:直流電源を接地に、容量の大きいコンデンサを導線に置き換えると、交流の信号だけを見る等価回路になる
接地方式増幅度と位相(いそう)入力・出力の特徴と使い道
エミッタ接地(えみったせっち)電圧増幅度が大きい。出力は入力と逆位相最も広く使われる基本の回路
コレクタ接地(これくたせっち)電圧増幅度は約1。出力は入力と同相(どうそう)入力インピーダンスが大きく、出力インピーダンスが小さい。緩衝増幅器(バッファ)
ベース接地(べーすせっち)電流増幅度は約1。出力は入力と同相高い周波数の増幅に向く

交流の信号だけを見るときは、直流電源とコンデンサを導線とみなした等価回路で考えます。電圧増幅度は出力が入力の何倍かを表し、dBでは常用対数(じょうようたいすう)の20倍です。出力の一部を逆の位相で入力へ戻す負帰還(ふきかん)は、増幅度を下げる代わりに安定させます。

言葉の式 電圧増幅度 = 出力電圧 ÷ 入力電圧

Av=vovi

Av:電圧増幅度〔倍〕 vo:出力電圧〔V〕 vi:入力電圧〔V〕

言葉の式 電圧利得[dB] = 20 × log10(電圧増幅度)(常用対数の20倍)

G=20log10Av

G:電圧利得〔dB〕 Av:電圧増幅度〔倍〕 log10:常用対数

言葉の式 負帰還後の電圧増幅度 = 帰還がないときの電圧増幅度 ÷(1 + 電圧増幅度 × 帰還率)

Af=Av1+Avβ

Af:負帰還後の電圧増幅度〔倍〕 Av:負帰還のないときの電圧増幅度〔倍〕 β:帰還率

問われる形○×ポイント
負帰還をかけると、帯域幅は狭くなる×広くなる。下がるのは増幅度(利得)だけ
負帰還をかけると、ひずみと雑音が減り、増幅度は安定する○帰還が十分強いと、増幅度は帰還回路の部品だけでほぼ決まる
帯域幅は、中域から増幅度が6 dB下がる所までの周波数の範囲×3 dB(中域の約0.707倍)下がる所まで
コレクタ接地は電圧増幅度が大きく、入力インピーダンスが小さい×電圧増幅度は約1で、入力インピーダンスは大きい
  • 増幅回路は、動作点を決める直流の回路と、信号を運ぶ交流の回路に分けて考えます。
  • 交流の等価回路では、電位が動かない直流電源は接地と同じとみなします。容量の大きいコンデンサは導線とみなします。
  • 増幅器を縦につなぐと、全体の電圧増幅度は各段の積で、dBでは和になります(10倍が20 dB)。
  • エミッタ接地では、入力が上がるとコレクタ抵抗の電圧降下(でんあつこうか)が増え、出力の電位は下がります。これが逆位相のわけです。

解き方:縦につないだ増幅器の電圧利得

  • ① 最初の一手は、全体の電圧増幅度を出すことです。出力電圧を入力電圧で割り、単位をそろえます。
  • ② 縦につないだときの増幅度は各段の積なので、全体を分かっている段の増幅度で割ります。
  • ③ 増幅度を、常用対数の20倍でdBに直します。

例の条件を短くまとめます(令和5年度下期 問13)。電圧増幅度10の増幅器1と増幅器2を縦につなぎ、0.4 mVを入れると出力は0.4 Vでした。

  • 全体の電圧増幅度は、次のとおり1000倍です。
Av=0.4 V0.4 mV=1000 倍
  • 増幅器2の電圧増幅度は1000÷10=100倍です。各段の積で確かめると、次のとおりです。
Av=10×100=1000 倍

Av:全体の電圧増幅度〔倍〕 A1:1段目の電圧増幅度〔倍〕 A2:2段目の電圧増幅度〔倍〕

  • 増幅度100倍の常用対数は2なので、電圧利得は次のとおり40 dBです。
G=20log10100=40 dB
  • 全体の60 dBを答えにするのは誤りです。増幅器1の分の20 dBを引いても、40 dBになります。

関連:バイアスと動作点|オペアンプ|対数とデシベル

オペアンプ ── 入力の2端子は同じ電圧、入力電流は流れない

オペアンプ:反転増幅回路も非反転増幅回路も2つの入力端子の電圧が等しく、入力端子に電流が流れ込まないので帰還抵抗に同じ電流が流れる。非反転で0.6 V・10 kΩ・100 kΩなら出力6.6 V
回路入力をつなぐ端子電圧増幅度
反転増幅回路(はんてんぞうふくかいろ)−端子(+端子は接地)−(帰還抵抗÷入力側の抵抗)。符号が逆になる
非反転増幅回路(ひはんてんぞうふくかいろ)+端子1+帰還抵抗÷入力側の抵抗。必ず1以上
ボルテージホロワ+端子(出力を−端子へじかにつなぐ)1。緩衝回路に使う

負帰還をかけた理想の演算増幅器(えんざんぞうふくき)では、2つの入力端子の電圧が等しく(仮想短絡(かそうたんらく))、入力端子に電流は流れ込みません。この2つを使って帰還抵抗の電流を追えば、出力の電圧が出ます。

言葉の式 −端子の電圧 = +端子の電圧(入力端子間の電圧 ≒ 0)、入力端子には電流が流れ込まない

v−=v+

v−:反転入力(−端子)の電圧〔V〕 v+:非反転入力(+端子)の電圧〔V〕

言葉の式 電圧増幅度 = −(帰還抵抗 ÷ 入力側の抵抗)

Av=−RfR

Av:電圧増幅度〔倍〕 Rf:帰還抵抗〔kΩ〕 R:入力側の抵抗〔kΩ〕

言葉の式 電圧増幅度 = 1 + 帰還抵抗 ÷ 入力側の抵抗

Av=1+RfR

Av:電圧増幅度〔倍〕 Rf:帰還抵抗〔kΩ〕 R:入力側の抵抗(−端子と接地の間)〔kΩ〕

問われる形○×ポイント
演算増幅器は入力インピーダンスが小さく、出力インピーダンスが大きい×入力は非常に大きく、出力は非常に小さい
2つの入力端子に同じ電圧が加わると、それを大きく増幅する×大きく増幅するのは2つの端子の電圧の差
反転増幅を2段つなぐと、出力の符号は入力と同じになる○負の符号が2回かかり、元に戻る
非反転増幅で増幅度を3にするには、帰還抵抗を入力側の抵抗の3倍にする×1を足すので、2倍にする
  • 演算増幅器は、トランジスタなどを1つにまとめたアナログICです。入力端子は反転(−)と非反転(+)の2つ、出力端子は1つです。
  • 入力インピーダンスが非常に大きいので、入力端子の電流は0とみなせます。出力インピーダンスが非常に小さいので、負荷が変わっても出力電圧は変わりにくい性質です。
  • 帰還をかけずに使うと、わずかな電圧の差で出力が電源電圧いっぱいに振れます。2つの電圧の大小を判定する比較器に使えます。
  • 増幅には電源が要ります。出せる電圧の範囲も、電源電圧で決まります。

解き方:非反転増幅回路の出力電圧

  • ① 最初の一手は、−端子の電圧を+端子と同じと置くことです。
  • ② −端子と接地の間の抵抗に流れる電流を出します。入力端子には流れ込まないので、同じ電流が帰還抵抗を流れます。
  • ③ 出力は、−端子の電圧に帰還抵抗の電圧降下を足した値です。

例の条件を短くまとめます(令和6年度下期 問18)。+端子に直流0.6 Vを入れ、−端子と接地の間に10 kΩ、−端子と出力の間に100 kΩをつないだ回路です。

  • 直流なので、帰還抵抗に並ぶコンデンサには電流が流れません。
  • −端子は0.6 Vです。10 kΩには0.6÷10=0.06 mAが流れます。
  • 同じ電流が100 kΩを流れ、0.06×100=6 Vの電圧降下になります。出力は0.6+6=6.6 Vです。
  • 式で確かめると、増幅度は次のとおりで、11×0.6=6.6 Vに合います。
Av=1+100 kΩ10 kΩ=11 倍
  • 100÷10=10倍として6 Vにするのは、1を足し忘れた誤りです。

関連:小信号増幅回路|発振と変調|キルヒホッフの法則

発振と変調 ── 同じ位相で戻し、増幅度×帰還率が1以上で発振

振幅変調:振幅変調波の包絡線は信号波の形になり、包絡線の最大の幅8 Vと最小の幅4 Vから変調率は(8−4)÷(8+4)≒33%
操作何をするか使い道・覚え方
正帰還(せいきかん)出力の一部を、入力と同じ位相で戻す発振回路
負帰還出力の一部を、入力と逆の位相で戻す増幅を安定させる
変調(へんちょう)信号波を、周波数の高い搬送波(はんそうは)に乗せる振幅変調(AM)・周波数変調(FM)・位相変調(PM)
復調(ふくちょう)変調された波から、信号波を取り出す検波ともいう。搬送波は除く

出力の一部を同じ位相で戻し、増幅度×帰還率(きかんりつ)が1以上になると発振が続きます。変調は信号波を搬送波に乗せること、復調は信号波を取り出すことです。

言葉の式 発振の振幅条件:電圧増幅度 × 帰還率 ≧ 1(発振が続く定常状態では = 1)、位相条件:帰還電圧が入力電圧と同相

Avβ=1

Av:増幅回路の電圧増幅度〔倍〕 β:帰還率 Avβ:一巡の利得(ループゲイン)〔倍〕

言葉の式 変調度 =(変調波の最大振幅 − 最小振幅)÷(最大振幅 + 最小振幅)、変調率は百分率(× 100 %)

m=a−ba+b

m:変調度 a:変調波の最大振幅〔V〕 b:変調波の最小振幅〔V〕

問われる形○×ポイント
発振を続ける条件は、増幅度×帰還率が1より小さいこと×1以上。1周して戻る信号が元より小さいと止まる
受信側では、搬送波の成分だけを取り出して情報を得る×取り出すのは信号波。搬送波は運び役
AM・FM・PMは、三角波の搬送波を使う変調方式×搬送波は正弦波。振幅・周波数・位相のどれを変えるかの違い
変調率は、包絡線の最大と最小の幅の差を、その和で割って出す○平均で割ると、2倍の値になる
  • AMは振幅を、FMは周波数を、PMは位相を、信号波に合わせて変えます。信号波の山と谷の形は、AM波の包絡線(振幅の輪郭)に出ます。
  • 1周して戻る信号が元より大きいと、出力はしだいに大きくなります。増幅回路が飽和して振幅が一定になった所で、戻る信号と元の信号が同じ大きさ(積がちょうど1)になります。
  • マイクとスピーカが近いとピーッと鳴るハウリングも、発振の一種です。
  • 発振の周波数は、帰還回路の部品で決まります。コルピッツ形は、コイルと、直列につないだ2つのコンデンサの合成容量とで決まる共振周波数です。
  • 角周波数を周波数と取り違えないよう、最後に2π(パイ)で割ります。

解き方:振幅変調の変調率

  • ① 最初の一手は、包絡線の最大の幅と最小の幅を図から読むことです。どちらも山から谷までの幅で読みます。
  • ② 幅の差を和で割り、100を掛けて%にします。

例の条件を短くまとめます(令和6年度上期 問18)。振幅変調波の包絡線の幅は、最も広い所が8 V、最も狭い所が4 Vでした。

m=8 V−4 V8 V+4 V=0.3333
  • 0.333に100を掛けて、変調率は約33%です。
  • 分母を平均の6 Vにすると約67%になり、誤りです。

関連:負帰還|共振|正弦波のグラフ

電界中の電子の運動 ── 通った電圧×電荷の分だけ運動エネルギーが増える

電界中の電子の運動:間隔6 mmで2000 Vの平行板では電界は約3.3×10⁵ V/m、電子は電界と逆向きに加速して2000 eV(3.2×10⁻¹⁶ J)を得る。偏向板の間に直角に入ると放物線を描き、出ると直進する
量中身決まること
電子が受ける力電荷×電界。向きは電界と逆一様な電界なら一定の力
加速度(かそくど)力÷質量一定なので等加速度運動
得るエネルギー電荷×通り抜けた電圧単位はJ、または電子ボルト(でんしぼると)(eV)
電界に直角に入ったとき入った向きの速さは変わらず、電界に沿う向きにだけ加速軌跡は放物線

電子は電界から一定の力を受けて加速し、通り抜けた電圧×電荷の分だけ運動エネルギーが増えます。このエネルギーの式に½は付きません。

言葉の式 力 = 電荷 × 電界の強さ(電子なら F = eE)

F=qE

F:電荷が電界から受ける力〔N〕 q:電荷(電子なら電気素量 e)〔C〕 E:電界の強さ〔V/m〕

言葉の式 エネルギー = 電気素量 × 電圧

W=eV

W:電子が得るエネルギー(運動エネルギー)〔J〕 e:電気素量〔C〕 V:加速電圧〔V〕

言葉の式 速さ = √(2 × 電気素量 × 電圧 ÷ 電子の質量)

v=2eVm

v:電子の速さ〔m/s〕 e:電気素量〔C〕 V:加速電圧〔V〕 m:電子の質量〔kg〕

問われる形○×ポイント
電圧で加速した電子のエネルギーは、½×電荷×電圧×½は付かない。½が付くのは質量と速さで書く式
初速度0の電子の速さは、時間の2乗に比例する×速さは時間に比例する。2乗になるのは走った距離と運動エネルギー
加熱した電極から飛び出す電子は、光電子×熱電子。光を当てて飛び出すのが光電子
運動エネルギーが4分の1になると、速さは半分になる○速さはエネルギーの平方根に比例する
  • 電子ボルトは、1 Vの電圧で加速された電子1個が得るエネルギーです。電圧の値が、そのままeVでのエネルギーになります。
  • 電子は負の電荷なので、電界と逆向きに力を受け、陰極から陽極へ引かれます。
  • 金属から電子が飛び出す電子放出には、熱電子放出・二次電子放出・電界放出・光電子放出があります。

解き方:平行板の電界と電子のエネルギー

  • ① 最初の一手は、極板の間隔をメートルに直すことです。6 mmは6×10⁻³ mです。
  • ② 電界の強さは、電圧を間隔で割って出します。
  • ③ 電子が得るエネルギーは、電気素量(でんきそりょう)に電圧を掛けて出します。

例の条件を短くまとめます(令和7年度上期 問12)。間隔6 mmの平行板に2000 Vを加え、陰極をヒータで熱して初速度0の電子を出します。電気素量は1.6×10⁻¹⁹ Cです。

E=2.0×103 V6×10−3 m=3.333×105 V/m

E:電界の強さ〔V/m〕 V:電圧(電位差)〔V〕 d:電界の向きの距離(極板の間隔)〔m〕

  • 電界の強さは約3.3×10⁵ V/mです。
W=1.6×10−19 C×2000 V=3.2×10−16 J
  • ヒータで熱して出る電子は、熱電子です。
  • 6をそのまま入れた3.3×10² V/mや、½を付けた1.6×10⁻¹⁶ Jは誤りです。

関連:電界と電束|磁界中の電子の運動|等加速度運動と円運動

磁界中の電子の運動 ── 速度に直角な力で円を描き、速さは変わらない

磁界中の電子の運動:磁界の中の電子は速度に直角なローレンツ力をいつも円の中心向きに受け、速さを変えずに円を描く。半径は速いほど大きく、磁束密度が大きいほど小さい
電子の入れ方運動わけ
磁界に直角等速円運動力がいつも速度に直角で、向きだけが変わる
磁界と平行等速直線運動力が0になる
磁界に斜めらせん運動平行な成分は直進し、直角な成分は円を描く
電界と磁界を直交させる決まった速さだけ直進電界の力と磁界の力がつり合う

磁界の中を動く電子は、速度と磁界の両方に直角なローレンツ力(ろーれんつりょく)を受けます。力が速度に直角なので、速さは変わらず、向きだけが変わって円を描きます。

言葉の式 力 = 電荷 × 速度 × 磁束密度 × sin(速度と磁界のなす角)

F=qvBsinθ

F:ローレンツ力〔N〕 q:電荷(電子なら |e|)〔C〕 v:速度〔m/s〕 B:磁束密度〔T〕 θ:速度と磁界のなす角〔rad〕

言葉の式 半径 = 質量 × 速さ ÷(電気素量 × 磁束密度)

r=mveB

r:円運動の半径〔m〕 m:電子の質量〔kg〕 v:電子の速さ〔m/s〕 e:電気素量〔C〕 B:磁束密度〔T〕

言葉の式 周期 = 2π × 質量 ÷(電気素量 × 磁束密度)

T=2πmeB

T:円運動の周期〔s〕 m:電子の質量〔kg〕 e:電気素量〔C〕 B:磁束密度〔T〕

問われる形○×ポイント
電子が磁界から受ける力は、磁束密度(じそくみつど)に反比例する×比例する。反比例するのは円の半径
円運動の周期は、質量÷(電荷×磁束密度)×円周÷速さで、2πが付く。周期は速さによらない
力の向きは、左手の法則の中指を、電子が進む向きと逆にして決める○負の電荷なので、電流の向きは動く向きと逆
ローレンツ力を受けた電子は、放物線を描く×円運動。放物線は向きの変わらない力(電界)のとき
  • 向きは、電荷の符号、電流の向き、フレミングの左手の法則(ふれみんぐのひだりてのほうそく)の順に決めます。
  • 半径は、磁界の力と、円運動を続ける向心力のつり合いから出ます。速いほど大きく、磁束密度が大きいほど小さくなります。
  • 速い電子ほど大きな円を描くので、1周の時間(周期)は速さによりません。
  • 直交する電界と磁界で直進する速さは、電界÷磁束密度です。磁界の強さで与えられたら、真空の透磁率を掛けて磁束密度に直します。

解き方:斜めに入った粒子の速さ

  • ① 最初の一手は、速度と磁界のなす角を確かめることです。図の角が磁界との角か、磁界に直角な軸との角かを見ます。
  • ② ローレンツ力の式に、そのなす角のsinを入れて速さを出します。

例の条件を短くまとめます(令和4年度下期 問12)。z軸の向きに磁束密度1.0×10⁻³ Tの磁界があります。電荷の大きさ4.0×10⁻⁶ Cの粒子を、y軸から60°の向きに打ち出しました。

受けたローレンツ力は1.0×10⁻⁸ Nです。

  • 磁界(z軸)となす角は、90−60=30°です。sin 30°は0.5です。
  • 速さvは、1.0×10⁻⁸÷(4.0×10⁻⁶×1.0×10⁻³×0.5)=5.0 m/sです。
  • 式で確かめると、力は次のとおりで、与えられた力に合います。
F=4.0×10−6 C×5.0 m/s×1.0×10−3 T×sin30 °=1×10−8 N
  • 60°をなす角として使うと約2.9 m/sになり、誤りです。

関連:電磁力|電界中の電子の運動|等加速度運動と円運動

ホール効果・熱電効果・光電効果 ── 熱・光・磁界を電気に変える

効果何を何に変えるか使う素子・センサ
ホール効果(ほーるこうか)磁界の中の電流(電子や正孔(せいこう)の流れ) → 両方に直角な向きの電圧ホール素子(磁気センサ)
ゼーベック効果(ぜーべっくこうか)2種類の金属の接点の温度差 → 起電力(きでんりょく)熱電対(温度センサ)
ペルチェ効果(ぺるちぇこうか)接点に流す電流 → 熱の吸収と発生電子冷却
光電効果(こうでんこうか)光 → 電子の放出や起電力ホトダイオード・光電管・太陽電池
圧電現象力 → 電圧超音波センサ
ピエゾ抵抗効果力 → 抵抗の変化半導体の圧力センサ

温度差から起電力が出るのがゼーベック効果で、電流で接点に熱が出入りするのがペルチェ効果です。向きが逆の現象です。ホール電圧は、電流と磁束密度に比例し、半導体の厚さに反比例します。

言葉の式 ホール電圧 = ホール定数 × 磁束密度 × 電流 ÷ 半導体の厚さ

VH=RH×BId

VH:ホール電圧〔V〕 RH:ホール定数(比例定数)〔m³/C〕 B:磁束密度〔T〕 I:電流〔A〕 d:半導体の厚さ〔m〕

問われる形○×ポイント
2種類の金属の接点の温度差で起電力が出る現象は、ペルチェ効果×ゼーベック効果。ペルチェ効果は電流で熱が出入りする現象
熱電対の温度の低いほうの接点は、低接点という×冷接点(基準接点)。高いほうが温接点
光が弱いと、光電効果で電子はまったく飛び出さない×出るかは光の種類(波長)で決まる。弱いと数が減るだけ
n形とp形では、ホール効果で生じる電界の向きが反対○寄る側面は同じで、寄る粒の電荷の符号が逆
  • 温度差で生じる起電力を、熱起電力といいます。磁束の変化で生じる誘導起電力とは別のものです。
  • ホール効果では、p形なら正孔、n形なら電子が片側の側面に寄ります。片側が正なら、反対側は負になります。
  • 光子のエネルギーは、波長が短い光ほど大きくなります。電子を金属の外へ出すには一定以上のエネルギーが要り、紫外光なら足りても、赤外光や可視光では足りない金属が多くあります。
  • 工場・現場では、炉や配管の温度を熱電対で測ります。冷接点の温度は、計器の中で補正しています。

関連:半導体の基礎|磁界中の電子の運動|電磁誘導

まとめ

増幅回路は交流の等価回路で考え、負帰還は増幅度を下げる代わりに安定させます。

理想の演算増幅器は入力の2端子が同じ電圧で、発振は同じ位相で戻して増幅度×帰還率が1以上のときです。

電子は電界で加速されてeVのエネルギーを得て、磁界では速さを変えずに円を描きます。

次に読む

参考文献

  • 高木 茂孝・堀 桂太郎『First Stage シリーズ 新訂電子回路概論』実教出版 第2章(増幅回路の基礎)・第3章(負帰還増幅回路、演算増幅器)・第4章(発振回路)・第5章(変調回路・復調回路) Amazonで見る
  • 『みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集』TAC出版 初版(2018年) 電子の運動の章(電子放出・電界中と磁界中の電子の運動)、熱電対形計器の節 最新版をAmazonで見る
  • 第三種電気主任技術者試験 理論 問題(電気技術者試験センター) 令和4年度下期・令和5年度下期・令和6年度上期・令和6年度下期・令和7年度上期

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