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電験三種 理論 電気計測|指示計器・分流器と倍率器・誤差・A-D変換

電験三種 理論 電気計測|指示計器・分流器と倍率器・誤差・A-D変換

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最終確認:2026年10月24日

電験三種の理論で、電気計測の6つの論点をまとめた辞書です。指示計器から測定の誤差、電力、オシロスコープ、A-D変換の標本化(ひょうほんか)までを順に確かめます。

理論の論点:直流回路①|直流回路②|静電気|磁気|電磁誘導|交流の基本

交流回路|三相交流|過渡現象|半導体|電子回路|電気計測

指示電気計器 ── 何に比例するトルクかで、使える電流と指す値が決まる

計器(記号の形)使える電流指す値
可動コイル形計器(かどうこいるがたけいき)(U字形の磁石)直流だけ平均値(へいきんち)
可動鉄片形計器(かどうてっぺんがたけいき)(コイルと鉄片)交流(商用周波数)実効値(じっこうち)
整流形計器(せいりゅうがたけいき)(ダイオード+U字形)交流だけ平均値に比例して振れ、正弦波の実効値で目盛る
熱電形計器(熱電対+U字形)交流・直流実効値(高い周波数まで)
電流力計形計器(十字形)交流・直流実効値(電力計にも使う)
誘導形計器(円の中に丸と縦線)交流だけ電力量計に使う

針を振らす力が電流の1乗に比例する計器は平均値を、2乗に比例する計器は実効値を指します。磁石を使う1乗の計器(可動コイル形)は、電流の向きが変わると力も逆になるので、直流専用です。整流形は、ダイオードで向きをそろえてから可動コイル形に流す、交流用の1乗の計器です。

問われる形○×ポイント
永久磁石可動コイル形計器は、電流の実効値に比例する力で振れる×力は電流の1乗に比例し、指すのは平均値
整流形計器は、交流にも直流にも使える×ダイオードで向きをそろえて測る、交流専用の計器
電流力計形計器は、交流にも直流にも使える○2つのコイルの電流が同時に逆になり、力の向きは変わらない
既知の量を測る量につり合わせて読む精密な方法は、差動法×つり合わせて読むのは零位法(れいいほう)。針の振れで読むのは偏位法(へんいほう)
  • 記号は動きの原理の絵です。記号と名前を入れ替えた選択肢が多いので、使える電流の列だけで○にしません。
  • 静電形計器は、2枚の電極の引き合う力で振れ、交流・直流の電圧を実効値で指します。
  • 電圧計の内部抵抗は大きいほど、電流計の内部抵抗は小さいほど、測る回路を乱しません。電子電圧計は内部抵抗がきわめて大きい計器です。
  • ホイートストンブリッジは零位法で抵抗を精密に測ります。接地抵抗計は接地極と大地の間を、絶縁抵抗計は配線や機器の絶縁を測ります。
  • 工場・現場では、クランプメータで回路を切らずに電流を測ります。往きと帰りの2本をはさむと磁界が打ち消し合うので、電線1本だけをはさみます。

解き方:方形波を整流形電圧計で測る

  • ① 最初の一手は、波形の平均値を出すことです。整流形は平均値に比例して振れるからです。
  • ② 目盛は正弦波の実効値で付けてあるので、平均値に約1.11を掛けた値を指します。

例の条件を短くまとめます(平成27年度 問14)。高さ8 Vの電圧が、周期20 msのうち10 msだけ続く方形波を、全波整流形の整流形電圧計で測ります。

Vav=8 V×10 ms20 ms=4 V

Vav:平均値〔V〕 H:方形波の高さ〔V〕 ton:高さが続く時間〔s〕 T:周期〔s〕

  • 平均値は4 Vです。これに正弦波の実効値と平均値の比を掛けます。
V指示=4 V×π22≈4 V×1.11=4.443 V

V指示:整流形電圧計の指示値〔V〕 Vav:測る波形の平均値〔V〕 波形率:正弦波の波形率(実効値 ÷ 平均値)

  • 指示は約4.44 Vです。平均値の4 Vや、この波形の本当の実効値(約5.66 V)とは違う値になります。

関連:実効値と平均値|電力の測定|正弦波のグラフ

分流器と倍率器 ── 電流計には並列、電圧計には直列に抵抗を足す

分流器と倍率器:電流計には内部抵抗の(m−1)分の1の分流器を並列に、電圧計には内部抵抗の(m−1)倍の倍率器を直列につなぐ。1 V・1000 Ωの電圧計で15 Vまで測るには14 kΩ
比べる所分流器(ぶんりゅうき)倍率器(ばいりつき)
つなぐ相手電流計に並列電圧計に直列
受け持つもの大きな電流の大半を逃がす電圧の大半を受け持つ
範囲をm倍にする抵抗内部抵抗の(m−1)分の1内部抵抗の(m−1)倍
抵抗の大きさ内部抵抗より小さい内部抵抗より大きい

電流計の範囲を広げるには並列に小さい抵抗を、電圧計の範囲を広げるには直列に大きい抵抗をつなぎます。計器そのものに流れる最大の電流は、どちらでも変わりません。

言葉の式 倍率器の抵抗 = (測る電圧 ÷ 電圧計にかかる電圧 − 1)× 電圧計の内部抵抗

Rm=(VmVv−1)rv

Rm:倍率器の抵抗〔Ω〕 Vm:測りたい電圧(電圧計の測定範囲をこえた電圧)〔V〕 Vv:電圧計にかかる電圧(最大目盛)〔V〕 rv:電圧計の内部抵抗〔Ω〕

問われる形○×ポイント
内部抵抗の違う電流計を並列にしたとき、測れる最大電流は最大目盛の和×先に最大目盛に達する電流計で決まる。内部抵抗の小さいほうに多く流れる
内部抵抗の違う電圧計を直列にしたとき、測れる最大電圧は最大目盛の和×直列は電流が共通。流せる電流の小さいほうに合わせる
1 Vの電圧計(内部抵抗1000 Ω)を15 Vにするには、14 kΩの倍率器を直列につなぐ○足す抵抗は内部抵抗の14倍。15 kΩは全体の抵抗
電圧計の電流の逃げ道にする抵抗は、その電圧計と直列につなぐ×電流を逃がすなら並列。直列では通り道が増えない
  • 電流計の電流のm倍を測るとき、電流計に流れる電流の(m−1)倍が分流器に流れます。電圧が共通で電流が(m−1)倍なので、分流器の抵抗は内部抵抗の(m−1)分の1です。

言葉の式 分流器の抵抗 = 電流計の内部抵抗 ÷(倍率 − 1)

Rs=ram−1

Rs:分流器の抵抗〔Ω〕 ra:電流計の内部抵抗〔Ω〕 m:分流器の倍率(測る電流 ÷ 電流計に流れる電流)

  • 並列の計器では、電圧が共通なので、電流は内部抵抗の逆の比で分かれます。直列の計器では、電流が共通なので、電圧は内部抵抗の比で分かれます。
  • 計器の針は、計器に流れる電流で決まります。電圧計も、中身は最大目盛の電流が決まった電流計です。

解き方:倍率器の抵抗を出す

  • ① 最初の一手は、最大目盛のときに計器に流れる電流を出すことです。最大目盛の電圧を内部抵抗で割ります。
  • ② 測りたい電圧から計器の分を引いた残りを、倍率器に受け持たせます。
  • ③ 倍率器の電圧を①の電流で割るか、倍率器の式に入れます。

例の条件を短くまとめます(平成24年度 問17)。最大目盛1 V、内部抵抗1000 Ωの電圧計で、最大15 Vまで測れるようにします。

  • 最大目盛の電流は、1÷1000=0.001 A(1 mA)です。
  • 倍率器が受け持つのは15−1=14 Vで、14÷0.001=14000 Ωです。
  • 倍率器の式でも、同じ値になります。
Rm=(15 V1 V−1)×1000 Ω=14000 Ω
  • 15 kΩは電圧計と倍率器を合わせた全体の抵抗で、足す抵抗ではありません。

関連:分圧と分流|測定の誤差|比・割合

測定の誤差 ── 計器の内部抵抗が回路を変える

電圧降下法のつなぎ方:電圧計を負荷のすぐそばに置くと電圧計の電流が電流計に入り、電流計の外側に置くと電流計の電圧降下が電圧計に入る
量求め方割る値
絶対誤差(誤差(ごさ))測定値−真の値(単位が付く)割らない
誤差率(ごさりつ)(測定値−真の値)÷真の値真の値
補正率(ほせいりつ)(真の値−測定値)÷測定値測定値
電圧降下法のつなぎ方指示に入る余分誤差が小さいとき
電圧計を負荷のすぐそば電圧計に流れる電流を電流計が一緒に測る電圧計の内部抵抗が負荷よりずっと大きい
電圧計を電流計の外側電流計の電圧降下(でんあつこうか)を電圧計が一緒に測る電流計の内部抵抗が負荷よりずっと小さい

計器をつなぐと、その内部抵抗の分だけ回路が変わり、測定値が真の値からずれます。誤差率は真の値で割り、補正率は測定値で割ります。

言葉の式 誤差 = 測定値 − 真の値

ε=M−T

ε:誤差(絶対誤差)〔測定量と同じ〕 M:測定値〔測定量と同じ〕 T:真の値〔測定量と同じ〕

言葉の式 誤差率[%] = (測定値 − 真の値)÷ 真の値 × 100

ε=M−TT×100[%]

ε:誤差率(百分率誤差)〔%〕 M:測定値〔測定量と同じ〕 T:真の値〔測定量と同じ〕

言葉の式 補正率[%] =(真の値 − 測定値)÷ 測定値 × 100

α=T−MM×100

α:補正率〔%〕 T:真の値〔測定量と同じ〕 M:測定値〔測定量と同じ〕

問われる形○×ポイント
電圧計を回路につないでも、つなぐ前の電圧がそのまま読める×電圧計にも電流が流れ、測る所の電圧が下がる
誤差率は、ずれを測定値で割って出す×誤差率の分母は真の値。測定値で割るのは補正率
ブリッジで、割る側の抵抗が−1%狂ったら、未知抵抗の誤差率にはその−1%を足す×割る側の誤差率は引く。−1%を引くので+1%になる
0.51 Vと2.2 Vの和は、2.71 Vと書く×足し引きは小数点以下の桁の少ないほうに合わせ、2.7 V
  • ブリッジの平衡で未知抵抗を出すとき、掛ける側の抵抗の誤差率は足し、割る側の誤差率は引きます(誤差率が小さいとき)。

言葉の式 R_x = R₁R₃ ÷ R₂ のとき、R_x の誤差率 = ε₁ + ε₃ − ε₂(誤差率が小さいとき)

εx≈ε1+ε3−ε2

εx:R_x の誤差率〔(比:0.01 = 1 %)〕 ε1:R₁ の誤差率〔(比)〕 ε2:R₂ の誤差率〔(比)〕 ε3:R₃ の誤差率〔(比)〕

  • 電位差計(でんいさけい)やブリッジは、検流計が0を指す(電流が流れない)所で読むので、計器の内部抵抗の影響を受けません。
  • 有効数字(ゆうこうすうじ)は、足し引きでは小数点以下の桁の少ないほうに、掛け割りでは有効数字の桁数の少ないほうにそろえます。

解き方:電圧降下法の誤差と誤差率

  • ① 最初の一手は、電圧計と電流計の指示から抵抗の測定値を出すことです。電圧を電流で割ります。
  • ② 測定値から真の値を引いて、絶対誤差を出します。
  • ③ 絶対誤差を真の値で割り、100を掛けて%にします。

例の条件を短くまとめます(平成28年度 問16)。抵抗の真の値は31.21 Ωです。電圧降下法で測ると、電圧計は50.00 V、電流計は1.600 Aを指しました。

  • 計器の内部抵抗の影響は無視します。
  • 測定値は50.00÷1.600=31.25 Ωです。
ε=31.25 Ω−31.21 Ω=0.04 Ω
  • 絶対誤差は0.04 Ωです。これを真の値で割ります。
ε=31.25 Ω−31.21 Ω31.21 Ω×100[%]=0.1282 %
  • 誤差率は約0.128%です。分母を測定値にしたり、100を掛け忘れたりしないようにします。

関連:ブリッジの平衡|分流器と倍率器|キルヒホッフの法則

電力の測定 ── 電流力計形は電流と電圧の積で振れる

電流力計形の電力計:固定コイルを負荷と直列にして負荷の電流を流し、可動コイルを抵抗と直列にして負荷と並列にすると、振れが電流と電圧の積に比例する
電圧計と電流計のつなぎ方(直流)指示の積に余分に入る電力誤差が小さいとき
電圧計を負荷のすぐそば(電流計の内側)電圧計で消える電力電圧計の内部抵抗が負荷よりずっと大きい
電圧計を電流計の外側電流計で消える電力電流計の内部抵抗が負荷よりずっと小さい

電流力計形の電力計は、固定コイルに負荷の電流、可動コイルに電圧に比例する電流を流し、その積に比例して振れます。指すのは、電圧と電流と力率(りきりつ)の積の有効電力(ゆうこうでんりょく)です。

言葉の式 電力計の指示 = 電圧コイルの電圧 × 電流コイルの電流 × cos(その電圧と電流の位相差。負荷の力率角とは限らない)

W=VIcosφ

W:電力計の指示〔W〕 V:電圧コイルにかかる電圧〔V〕 I:電流コイルに流れる電流〔A〕 φ:電圧コイルの電圧と電流コイルの電流の位相差(負荷の力率角とは限らない)〔°〕

問われる形○×ポイント
固定コイルと可動コイルの間の力で動く電力計は、誘導形計器×電流力計形計器。誘導形は円板のうず電流で回る電力量計
電流力計形の電力計の振れは、負荷の電力に比例する○電流と、電圧に比例する電流の積で振れる
電圧計を電流計の外側につないだとき、電流計で消える電力は電圧計の指示の2乗÷電流計の内部抵抗×電圧計の指示は電流計と負荷の両方の電圧。電流の2乗×内部抵抗で出す
二電力計法(にでんりょくけいほう)では、負荷の力率によって片方の電力計が逆に振れる○力率が0.5より低いと、片方の指示が負になる
  • 電流力計形は、2つのコイルの電流が同時に向きを変えるので、交流でも直流でも同じ向きに振れます。
  • 直流の電力は、電圧計と電流計の指示の積でも出せます。ただし、表のとおり、計器で消える電力が誤差として入ります。
  • 電力(いまの電力)と電力量(電力に時間を掛けた量)は別の量です。電力量を積み上げて測るのは誘導形の電力量計です。

解き方:電流計の損失が入った電力の誤差率

  • ① 最初の一手は、電圧計が何の両端の電圧を測っているかを見ることです。電流計の外側なら、電流計と負荷の両方の電圧です。
  • ② 直列なので電流は共通です。電力は電流の2乗に抵抗を掛けた値なので、抵抗どうしで比べられます。
  • ③ 測定値と真の値の差を、真の値で割ります。

例の条件を短くまとめます(令和5年度下期 問16)。負荷の抵抗は320 Ω、電流計の内部抵抗は4 Ωです。電圧計は電流計と負荷の両方の電圧を指し、その指示と電流計の指示の積を負荷の電力とします。

  • 電圧計の指示は、電流に320+4=324 Ωを掛けた値です。
  • 測定値は電流の2乗に324 Ωを、真の値は電流の2乗に320 Ωを掛けた値です。電流の2乗は分母と分子で消えます。
ε=324 Ω−320 Ω320 Ω×100[%]=1.25 %

ε:誤差率(百分率誤差)〔%〕 M:測定値〔測定量と同じ〕 T:真の値〔測定量と同じ〕

  • 誤差率は1.25%です。余分の4 Ω分は、電流計の内部抵抗で消える電力です。

関連:交流電力と力率|三相電力と二電力計法|指示電気計器

オシロスコープ ── 縦は電圧、横は時間で目盛を読む

オシロスコープの読み方:1周期が横10目盛・1目盛2 msなら周期20 msで50 Hz、山の高さ5目盛・1目盛5 Vなら最大値25 V。リサジュー図形は1:1・0°で直線、90°で円、1:2・0°で8の字
読む量読み方例(縦5 V、横2 ms/1目盛)
周期(しゅうき)1周期の横の目盛数×1目盛の時間10目盛で20 ms
周波数(しゅうはすう)周期の逆数(秒に直してから)50 Hz
最大値山の高さの目盛数×1目盛の電圧5目盛で25 V
実効値(正弦波)最大値÷√2約17.7 V

画面から直接読めるのは、周期と最大値です。周波数は周期の逆数で、正弦波の実効値は最大値を√2で割って出します。

言葉の式 周期 = 掃引時間[ms/div]× 1周期の目盛数[div]

T=(掃引時間)×(1周期の目盛数)

T:周期〔ms〕 掃引時間:横軸1目盛あたりの時間〔ms/div〕 1周期の目盛数:波形1周期ぶんの横方向の目盛数〔div〕

問われる形○×ポイント
山1つ分(0から次の0まで)の時間を、周期として読む×山1つ分は半周期。山と谷を合わせて1周期
画面の山の高さから読んだ25 Vを、そのまま実効値とする×25 Vは最大値。実効値は25÷√2で約17.7 V
ディジタルオシロスコープで電圧の波形を表示するには、FFT演算して周波数ごとに並べた結果を出す×波形は、A-D変換した信号の大きさを時間の順に並べて表示する。周波数ごとに並べるのはFFTアナライザ
ディジタルオシロスコープは、一度きりのパルスも測れる○拾った値を記憶してから表示する
  • 縦の入力に測る電圧を、横にのこぎり波を入れると、左から右へ時間とともに波形が描かれます。
  • 縦と横の両方に正弦波を入れると、リサジュー図形(りさじゅーずけい)ができます。周波数の比と位相差(いそうさ)が、形から分かります。
  • 1対1で位相差が0°なら斜めの直線、大きさが同じで90°なら円です。周波数の比が1対2(縦:横)で位相差が0°なら、8の字の形です。

解き方:画面から周期・周波数・実効値を読む

  • ① 最初の一手は、1周期の横の目盛数を数えることです。山と谷を合わせて、元の形に戻るまでです。
  • ② 目盛数に1目盛の時間を掛けて周期を出し、秒に直して周波数を出します。
  • ③ 山の高さの目盛数に1目盛の電圧を掛けて最大値を出し、√2で割ります。

例の条件を短くまとめます(平成25年度 問16)。画面の1目盛は縦5 V、横2 msです。正弦波の1周期が横10目盛、山の高さが縦5目盛でした。

  • 周期は2×10=20 msです。秒に直すと0.02 sです。
f=10.02 s=50 Hz

f:周波数〔Hz〕 T:周期〔s〕

  • 最大値は5×5=25 Vです。
V=25 V2=17.68 V

V:実効値〔V〕 Vm:最大値〔V〕

  • 周波数は50 Hz(ヘルツ)、実効値は約17.7 Vです。半周期の5目盛を周期にすると、100 Hzと誤ります。

関連:正弦波交流|実効値と平均値|正弦波のグラフ

ディジタル計器とA-D変換 ── 標本化・量子化・符号化の順にディジタルにする

A-D変換:なめらかな電圧を一定の時間ごとに拾い(標本化)、決まった段階に丸め(量子化)、段の番号を0と1の並びにする(符号化)。丸めたずれが量子化誤差
段階すること区切る向き
標本化一定の時間ごとに値を拾う時間(グラフの横軸)
量子化(りょうしか)拾った値を決まった段階に丸める値(グラフの縦軸)
符号化(ふごうか)段階の番号を2進数(にしんすう)の0と1にする―

A-D変換は、時間で区切り、値を段階に丸め、0と1の符号にする順に進みます。段階の数に限りがあるので、量子化では一般に誤差が出ます。

言葉の式 測定電圧 =(基準電圧を加えた時間 T₂ ÷ 測定電圧を加えた時間 T₁)× 基準電圧 =(N₂ ÷ N₁)× 基準電圧

Vx=T2T1Vr=N2N1Vr

Vx:測定する未知の電圧〔V〕 Vr:基準電圧〔V〕 T1:測定電圧を加えた時間〔s〕 T2:基準電圧を加えて出力が 0 V に戻るまでの時間〔s〕 N1:測定電圧を加えた間に数えたクロックのパルス数 N2:基準電圧を加えて 0 V に戻るまでに数えたパルス数

問われる形○×ポイント
量子化では、元の値との誤差は生じない×段階の間の値は丸めるので、一般に誤差が生じる
標本化の間隔の上限は、再現したい信号の最高周波数で決まる○速く変わる信号ほど、短い間隔で拾う
ディジタル直流電圧計は、指示計器より入力抵抗が低い×入力抵抗が高く、測る回路から取り込む電流が小さい
積分器を使うA-D変換器で、測る電圧は基準電圧に、測る側の時間を基準側の時間で割った比を掛けた値×逆の比。基準側の時間(T2)を測る側の時間(T1)で割る
  • ビット数が多いほど、量子化の誤差は小さくなります。nビットで区別できる段階の数は、次の式です。

言葉の式 段階の数 = 2 の n 乗(n はビット数)

N=2n

N:表せる段階(値)の数 n:ビット数(2進数の桁数)

  • ディジタル計器は数字で表示するので、読み取りの個人差が出にくく、結果をコンピュータに取り込めます。オートレンジは、およその値が分からないときにも便利です。
  • 交流は、入力変換回路で直流に直してからA-D変換する方式があります。ディジタル周波数計は、決まった時間に入ったパルスの数を数えます。
  • ディジタルの信号は0か1かを見分ければよいので、伝わる途中の雑音に強くなります。積分器を使うA-D変換器は雑音に強く精度が高い反面、変換に時間がかかります。

解き方:積分器を使うA-D変換器のパルス数から電圧を出す

  • ① 最初の一手は、パルスの数の比を時間の比と読むことです。クロックパルスの間隔は一定だからです。
  • ② 積分器は、入力のグラフの面積をためる回路です。測る電圧を加えた時間(T1)に、出力は面積に比例して上がります。
  • ③ 基準電圧を逆向きに加え、出力が元に戻るまでの時間(T2)を数えます。上りと下りの面積が等しいので、測る電圧は基準電圧に時間の比を掛けた値です。

例の条件を短くまとめます(令和元年度 問18)。基準電圧は2.0 Vです。数えたパルスは、測る側が1.0×10³個、基準側が2.0×10³個でした。

  • 時間の比は2.0×10³÷1.0×10³=2.0です。
  • 測る電圧は、基準電圧にこの比を掛けた値です。
Vx=2.0×1031.0×103×2.0 V=4 V
  • 比を逆にすると0.5×2.0=1.0 Vになり、誤りです。測る電圧が大きいほど、0に戻るまでの時間が長くなります。

関連:グラフの面積|オシロスコープ|10の何乗と接頭語

まとめ

指示計器は、力が電流の1乗なら平均値、2乗なら実効値を指し、分流器は並列、倍率器は直列につなぎます。

計器の内部抵抗は回路を変え、誤差率は真の値、補正率は測定値で割ります。

オシロスコープは縦の電圧と横の時間で読み、A-D変換は標本化・量子化・符号化の順に進みます。

次に読む

参考文献

  • 日高 邦彦・堀 桂太郎・井上 弘司『First Stage シリーズ 新訂電気回路入門』実教出版 第6章(電気計測) Amazonで見る
  • 『みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集』TAC出版 初版(2018年) CH08 電気測定の章 最新版をAmazonで見る
  • 第三種電気主任技術者試験 理論 問題(電気技術者試験センター) 平成23年度・平成24年度・平成25年度・平成27年度・平成28年度・平成29年度・令和元年度・令和2年度・令和3年度・令和4年度上期・令和4年度下期・令和5年度下期・令和6年度上期

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