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電験三種 理論 静電気|クーロンの法則・電界・電位・コンデンサ

電験三種 理論 静電気|クーロンの法則・電界・電位・コンデンサ

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最終確認:2026年10月24日

電験三種の理論で、静電気の7つの論点をまとめた辞書です。クーロンの法則、電界(でんかい)と電束(でんそく)、電位(でんい)、平行板コンデンサ、複合誘電体、コンデンサのつなぎ方、静電エネルギーの順に確かめます。

理論の論点:直流回路①|直流回路②|静電気|磁気|電磁誘導|交流の基本

交流回路|三相交流|過渡現象|半導体|電子回路|電気計測

クーロンの法則と静電誘導 ── 力は電荷の積に比例し距離の2乗に反比例

クーロンの法則と静電誘導:1×10⁻⁸ Cと2×10⁻⁸ Cの間で力が釣り合う点は、電荷の大きいBから√2倍遠いAから0.124 mの所。負の帯電体を近づけた導体は近い側に正、遠い側に負の電荷が現れる
変えるもの静電力(せいでんりょく)の変わり方注意
片方の電荷(でんか)を2倍2倍電荷は積で効く
距離を2倍4分の1距離は2乗で効く
周りを比誘電率2の液体にする2分の1誘電率(ゆうでんりつ)は1乗で効く。向きは同じ
電荷の符号同符号は反発、異符号は吸引向きは符号の組だけで決まる

2つの点電荷の間の力は、電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例します。同じ符号どうしは反発し、違う符号どうしは引き合います。

言葉の式 静電力 =(電荷1 × 電荷2)÷(4π × 誘電率 × 距離²)

F=Q1Q24πεr2

F:静電力〔N〕 Q1:電荷1〔C〕 Q2:電荷2〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕 r:2つの電荷の間の距離〔m〕

問われる形○×ポイント
静電力は電荷の積に反比例し、距離の2乗に比例する×比例と反比例が逆。電荷が大きいほど強く、離れるほど弱い
比誘電率2の液体で満たすと、力は4分の1になる×誘電率は1乗で効くので2分の1。4分の1は距離を2倍にしたとき
大きさの等しい2つの力を、なす角60°で合わせると2倍になる×力は矢印で合成する。約1.73倍(√3倍)
負の帯電体を導体に近づけると、近い側に正、遠い側に負の電荷が現れる○静電誘導(せいでんゆうどう)。近い側は反対符号、遠い側は同じ符号
  • 真空中では、式の 1÷(4π(パイ)×真空の誘電率(しんくうのゆうでんりつ))は約9×10⁹です。測った力から比例定数を逆算したとき、この値に近いかで、計算を確かめられます。
  • 3つ以上の電荷があるときは、1つの電荷ごとに、ほかの電荷から受ける力を矢印で足します。
  • 静電誘導と静電遮へい(せいでんしゃへい)は別の現象です。静電遮へいは、導体で囲んだ内側に外の電界が入らない性質です。
  • 導体に電荷を与えると、電荷は表面にだけ分布します。

解き方:接触させた導体球の釣り合いの位置

  • ① 最初の一手は、接触のたびに電荷を分け直すことです。大きさの等しい導体球は、触れると電荷の合計を半分ずつ持ちます。
  • ② 真ん中の球が両側から受ける力が、等しくなる点を探します。
  • ③ 力は距離の2乗に反比例するので、距離の比は電荷の比の平方根になります。

例の条件を短くまとめます(令和4年度下期 問17)。大きさの等しい導体球AとBに2×10⁻⁸ Cと3×10⁻⁸ Cを与え、0.3 m離して固定します。

電荷のない同じ大きさの球Cを、Aに触れさせてからBに触れさせ、AとBの間に置きます。

  • Aに触れると、AとCは次の電荷ずつになります。
Q′=2×10−8 C+0 C2=1×10−8 C

Q′:接触後に各球が持つ電荷〔C〕 Q1:接触前の電荷1〔C〕 Q2:接触前の電荷2〔C〕

  • Bに触れると、(3+1)÷2=2なので、BとCは2×10⁻⁸ Cずつです。
  • Cは、Aの1×10⁻⁸ CとBの2×10⁻⁸ Cの両方から押されます。電荷が2倍のBからは、√2倍(約1.414倍)遠い所で力が等しくなります。
  • 0.3 mを1:1.414に分けるので、Aからの距離は0.3÷2.414≒0.124 mです。
  • Bの電荷を3×10⁻⁸ Cのままとすると、約0.110 mになります。A・Bとも元の電荷のまま使うと約0.135 mで、どちらも誤りです。

関連:コンデンサの直列・並列|ベクトル|平方根と三平方の定理

電界と電束 ── 電界は誘電率で変わり、電束は電荷だけで決まる

電界と電束:同じ電荷を比誘電率2の誘電体の中に置くと、電気力線の本数は真空の半分になるが、電束の本数は電荷で決まり同じまま
量周りの誘電率を2倍にするとわけ
電界2分の1電荷を誘電率で割る
電気力線(でんきりきせん)の本数2分の1本数は電荷÷誘電率
電束変わらない電荷Q〔C〕からQ本と決めた量
電束密度(でんそくみつど)変わらない電束を面積で割った量

電界と電気力線は誘電率で変わりますが、電束と電束密度は電荷だけで決まります。電束密度は、誘電率と電界の積です。

言葉の式 電界の強さ = 電荷 ÷(4π × 誘電率 × 距離²)

E=Q4πεr2

E:電界の強さ〔V/m〕 Q:電荷〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕 r:電荷(球の中心)からの距離〔m〕

言葉の式 電気力線の本数 = 電荷 ÷ 誘電率

N=Qε

N:電気力線の本数〔本〕 Q:電荷〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕

言葉の式 電束密度 = 誘電率 × 電界の強さ

D=εE

D:電束密度〔C/m²〕 ε:誘電率(ε₀ε_r)〔F/m〕 E:電界の強さ〔V/m〕

問われる形○×ポイント
電荷から出る電束の数も電気力線の数も、周りの誘電率で変わる×変わるのは電気力線だけ。電束はQ本のまま
電気力線は負の電荷から出て、正の電荷へ入る×正の電荷から出て、負の電荷へ入る
導体の内部の電界は、表面の電界と同じ強さ×内部の電界は零。表面の電界は面に垂直
球の表面の電界は、電荷を「4π×誘電率×半径」で割った値×半径は2乗。半径の1乗で割るのは電位の式
  • 電気力線は、交わらず、枝分かれしません。導体の表面には垂直に出入りします。
  • 線の混み具合が電界の大きさ、線の接線の向きが電界の向きを表します。
  • 電束密度は1 平方メートルあたりの電束です。面積を掛けると、極板の電荷になります。
  • 球の表面の電界が空気の絶縁の限界に届くと、空気中で放電が起こります。ためられる電荷の上限は、この条件で決まります。

解き方:電気力線の本数から電荷を出す

  • ① 最初の一手は、電荷から出入りする電気力線の本数を、電荷÷誘電率で数えることです。
  • ② 線が出ていく電荷は正、線が入ってくる電荷は負です。
  • ③ 本数に誘電率を掛け戻すと、電荷の大きさになります。

例の条件を短くまとめます(令和4年度下期 問1)。真空中で、電荷16ε₀〔C〕の導体球Aから出た電気力線のうち、8本が導体球Bに入ります。

Bから出ていく線はなく、Aの残りの8本は遠くへ向かいます。

  • Aの電荷は真空の誘電率の16倍なので、出る線は16本です。図の線も、Bへの8本と遠くへの8本で合います。
  • Bには線が入るだけなので、Bは負の電荷です。
  • 大きさは8本に真空の誘電率を掛けた値で、Bの電荷は−8ε₀〔C〕です。
  • Aから出る16本と取り違えて、−16ε₀〔C〕としないようにします。

関連:電位と等電位面|複合誘電体

電位と等電位面 ── 電位は高さ、等電位面は電気力線と直交

電位と等電位面:点電荷のまわりの等電位面は電気力線と直角に交わる同心の球面で、近いほど間隔が詰まり、電位は距離に反比例する。平行板の間では等間隔で、電位は直線で下がる
比べる所点電荷のまわり平行板の間
電界距離の2乗に反比例どこでも同じ
電位距離に反比例距離に比例して直線で変わる
等電位面(とうでんいめん)電荷を囲む球面極板に平行な平面
電気力線電荷から放射状極板に垂直な直線

電位は電界の中の高さで、電荷を運ぶ仕事は、電荷×電位の差です。等電位面は、電気力線と直角に交わります。

言葉の式 電位 = 電荷 ÷(4π × 誘電率 × 距離)

V=Q4πεr

V:電位(無限遠を基準)〔V〕 Q:電荷〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕 r:電荷(球の中心)からの距離〔m〕

言葉の式 仕事 = 電荷 × 電位差

W=QV

W:仕事(エネルギー)〔J〕 Q:運ぶ電荷〔C〕 V:電位差〔V〕

言葉の式 電界の強さ = 電圧 ÷ 距離

E=Vd

E:電界の強さ〔V/m〕 V:電圧(電位差)〔V〕 d:電界の向きの距離(極板の間隔)〔m〕

問われる形○×ポイント
平行板の間の電位は、極板からの距離に反比例して変わる×電界が一定なので直線で変わる。反比例は点電荷のまわり
点電荷から遠ざける仕事の式は、分母が距離の2乗×仕事と電位は距離の1乗。2乗は力と電界
電界に垂直な向きに動かしても、電位は変わらない○等電位面の上を動くだけ
平行板の間に入れた導体も、厚さの分だけ電圧を受け持つ×導体の中は電界が零で、電圧を受け持たない
  • 電位は、基準(0 V)から測った電気の高さです。電気力線は、電位の高い所から低い所へ向かいます。
  • 電荷が2つ以上あるときの電位は、それぞれの電荷がつくる電位を、符号を付けて足します。
  • 誘電体と空気が重なると、電位のグラフは境で折れます。傾きの急な所ほど、電界が強い所です。
  • 導体の中はどこも同じ電位ですが、ほかの導体と同じ電位とは限りません。

解き方:平等電界で電荷を運ぶ仕事から電位を出す

  • ① 最初の一手は、仕事を電荷で割って、始点と終点の電位の差を出すことです。
  • ② 平等電界では、電位の差は電界の向きに沿った距離だけで決まります。電界に垂直な動きは数えません。
  • ③ 電界を出してから、知りたい2点の間の電界の向きの距離を掛けます。

例の条件を短くまとめます(令和2年度 問1)。平等電界の中で2 Cの点電荷を、点Aから電界と逆向きに1.0 mの点Bへ動かします。

さらにBから電界の向きに0.3 m、垂直に0.4 mの点Cへ動かすと、外力の仕事は14 Jでした。Aに対するBの電位を求めます。

  • AからCへは、電界と逆向きに1.0−0.3=0.7 m進んだことになります。縦の0.4 mは電位に関係しません。
  • AとCの電位の差は14÷2=7 Vです。式に戻すと、仕事は次のとおりです。
W=2 C×7 V=14 J
  • 7 Vを0.7 mで割って、電界を出します。
E=7 V0.7 m=10 V/m
  • AからBへは電界と逆向きに1.0 mなので、Bの電位はAより10×1.0=10 V高くなります。
  • 7 VはAからCまでの電位の差です。Bまでの値と取り違えないようにします。

関連:電界と電束|静電エネルギー|変化の割合=グラフの傾き|力・仕事・電力

平行板コンデンサ ── 広く近く誘電率が大きいほど容量が大きい

量電源につないだまま間隔を広げる(電圧一定)切り離してから広げる(電荷一定)
静電容量(せいでんようりょう)減る減る
電荷減る(電源へ戻る)変わらない
電圧変わらない上がる
電界弱くなる変わらない
静電エネルギー(せいでんえねるぎー)減る増える

平行板の静電容量は、誘電率×面積÷間隔です。電源につないだままなら電圧が、切り離したあとなら電荷が一定で、変わる量が違います。

言葉の式 静電容量 = 誘電率 × 極板の面積 ÷ 極板の間隔

C=εSd

C:静電容量〔F〕 ε:誘電率(ε₀ε_r)〔F/m〕 S:極板の面積〔m²〕 d:極板の間隔〔m〕

言葉の式 電荷 = 静電容量 × 電圧

Q=CV

Q:電荷〔C〕 C:静電容量〔F〕 V:電圧〔V〕

問われる形○×ポイント
電荷一定で間隔を広げると、電界が強くなる×電界は変わらない。上がるのは電圧
電圧一定で間隔を広げると、電界が弱くなる○同じ電圧を長い距離で分ける
電源につないだまま誘電率の大きい誘電体(ゆうでんたい)に変えると、電界が弱くなる×電圧一定なので、電界は電圧÷間隔のまま。増えるのは電荷
平行板の静電容量は、誘電率×間隔÷面積×面積が分子、間隔が分母
  • 静電容量は、1 Vあたりにためられる電荷です。形(面積・間隔)と誘電率だけで決まり、電圧や電荷にはよりません。
  • 極板に平行に導体を入れると、間隔をその厚さの分だけ縮めたのと同じになり、容量が増えます。
  • 孤立した導体球の容量は、誘電率と半径に比例します。半径の2乗には比例しません。
  • どちらが一定かは、問題文の「電源につないだまま」「切り離して」で決めます。

解き方:電源から外して間隔を変える

  • ① 最初の一手は、電圧一定か電荷一定かを決めることです。電源から外したなら、電荷が一定です。
  • ② 容量は間隔に反比例するので、間隔が半分なら容量は2倍です。
  • ③ 電圧は、変わらない電荷を新しい容量で割って出します。

例の条件を短くまとめます(平成23年度 問2)。8 μF(マイクロファラド)の平行板コンデンサを1000 Vで充電し、電源から外してから極板の間隔を半分にします。

  • 電荷は8×1000=8000 μC、つまり8 mCです。
  • 間隔を半分にすると、容量は8×2=16 μFです。
  • 電荷はそのままなので、電圧は8000÷16=500 Vに下がります。式に戻すと、電荷は元の値に合います。
Q=16 μF×500 V=0.008 C
  • 電源につないだまま縮めると、電圧は1000 Vのままで、電荷が2倍の16 mCになります。

関連:静電エネルギー|複合誘電体|10の何乗と接頭語

複合誘電体 ── 層に重ねれば直列、横に並べれば並列

複合誘電体:極板と平行に重ねた誘電体は直列のコンデンサで電束密度が共通、誘電率の小さい空気の層の電界が強い。横に並べると並列のコンデンサで電界が共通、電束は誘電率の大きい側で多い
並べ方極板と平行に重ねる極板に垂直な境で横に並べる
見なし方直列のコンデンサ並列のコンデンサ
各層で同じ量電束密度(電荷)電界(電圧)
誘電率で違う量電界:誘電率の小さい層ほど強い電束密度:誘電率の大きい側ほど多い
全体の容量層の容量を直列でまとめる層の容量を足す

極板と平行に重ねた誘電体は直列、横に並べた誘電体は並列と見なします。重ねた場合は、誘電率の小さい空気の層に強い電界がかかり、絶縁破壊(ぜつえんはかい)はそこから起こります。

言葉の式 誘電率 × 電界 が、境界の両側で等しい(電束密度が連続)

ε1E1=ε2E2

ε1:1層目の誘電率〔F/m〕 E1:1層目の電界〔V/m〕 ε2:2層目の誘電率〔F/m〕 E2:2層目の電界〔V/m〕

言葉の式 全体の電圧 = 各層の電界 × その層の厚さ の和

V=E1d1+E2d2+E3d3

V:全体の電圧(極板間の電位差)〔V〕 E1:1層目の電界〔V/m〕 d1:1層目の厚さ〔m〕 E2:2層目の電界〔V/m〕 d2:2層目の厚さ〔m〕 E3:3層目の電界〔V/m〕 d3:3層目の厚さ〔m〕

問われる形○×ポイント
空気と固体を重ねても、等電位面の間隔は全体で同じ×電界の強い空気の層で詰まり、固体の層で広い
空気のすき間に固体の誘電体を入れると、すき間の電界は弱くなる×強くなる。弱まるのは誘電体の中だけ
横に並べた2つの誘電体では、誘電率の大きい側ほど電気力線が多い×電界が同じなので、同じ面積なら同じ本数。多いのは電束
絶縁破壊する電圧の順は、絶縁破壊する電界の順と同じ×電圧は電界×厚さ。厚いほど高い電圧に耐える
  • 導体を入れるのは、誘電率がとても大きい誘電体の極端な場合と考えます。導体の中は電界が零です。
  • 同じ比誘電率の層を重ねただけなら、1枚の厚い層と同じです。電界はどこも同じになります。
  • 工場・現場では、固体の絶縁物とすき間の空気が重なる所は、空気側の電界が強くなります。放電はそこから起こりやすくなります。

解き方:重ねた2層の電荷を出す

  • ① 最初の一手は、重ね方を見て、直列か並列かを決めることです。極板と平行に重ねた層は直列です。
  • ② 層ごとの容量を、平行板の式で出します。
  • ③ 直列の合成容量を出し、電圧を掛けて電荷にします。

例の条件を短くまとめます(令和6年度下期 問1)。面積0.1平方メートルの極板の間に、比誘電率2で厚さ2 mmの層と、比誘電率4で厚さ4 mmの層を重ねます。

極板の間には12 Vをかけます。

  • 層1の誘電率は、2×8.85×10⁻¹²=1.77×10⁻¹¹ F/mです。厚さは0.002 mにそろえます。
  • 層1の容量は、平行板の式で1.77×10⁻¹¹×0.1÷0.002=8.85×10⁻¹⁰ Fです。
  • 層2は誘電率も厚さも2倍なので、容量は層1と同じ8.85×10⁻¹⁰ Fです。
  • 同じ容量の2つの直列は半分で、4.425×10⁻¹⁰ Fです。
Q=4.425×10−10 F×12 V=5.31×10−9 C

Q:電荷〔C〕 C:静電容量〔F〕 V:電圧〔V〕

  • 2層を並列と見なして容量を足すと、約21 nCになり誤りです。

関連:平行板コンデンサ|コンデンサの直列・並列|電位と等電位面

コンデンサの直列・並列 ── 直列は電荷が、並列は電圧が共通

コンデンサの直列と並列:2 μFと4 μFの並列に3 μFを直列にして300 Vをかけると、3 μFは600 μC・200 V、並列の2つは100 Vで200 μCと400 μCになり、合計が直列の電荷600 μCに等しい
比べる所直列(ちょくれつ)並列(へいれつ)
どのコンデンサでも同じ量電荷電圧
分かれる量電圧(容量に反比例)電荷(容量に比例)
合成の静電容量逆数の和の逆数(2個なら積÷和)和
抵抗と比べると抵抗の並列と同じ形抵抗の直列と同じ形

直列のコンデンサには同じ電荷がたまり、並列のコンデンサには同じ電圧がかかります。充電したコンデンサをつなぎ替えても、電荷の合計は変わりません。

言葉の式 合成静電容量 = 各静電容量の和(4個以上も同じように足す)

C0=C1+C2+C3

C0:合成静電容量〔F〕 C1:1個目の静電容量〔F〕 C2:2個目の静電容量〔F〕 C3:3個目の静電容量〔F〕

言葉の式 合成静電容量 =(C₁ × C₂)÷(C₁ + C₂)

C0=C1C2C1+C2

C0:合成静電容量〔F〕 C1:1個目の静電容量〔F〕 C2:2個目の静電容量〔F〕

言葉の式 C₁にかかる電圧 = C₂ ÷(C₁ + C₂)× 全体の電圧 (V₁ : V₂ = 1/C₁ : 1/C₂)

V1=C2C1+C2×V

V1:C₁にかかる電圧〔V〕 V:全体の電圧〔V〕 C1:1個目の静電容量〔F〕 C2:2個目の静電容量〔F〕

問われる形○×ポイント
コンデンサの並列の合成容量は、逆数の和の逆数×並列は和。抵抗とは足し方が逆
直列のコンデンサでは、容量の大きいほうに大きい電圧がかかる×容量の小さいほうに大きい電圧がかかる
充電した2個を逆の極性で並列にしても、電荷は足し算になる×符号を付けて足すので、引き算になる
等しい3個の△結線をY結線に直すと、容量は3倍になる○抵抗の変換(3分の1)とは逆
  • 直列の中で、耐圧が同じコンデンサなら、耐えられる電圧に最初に届くのは容量の小さいコンデンサです。電荷が共通なので、容量が小さいほど電圧が大きくなるためです。
  • つなぎ替えたあとの電圧は、電荷の合計÷容量の合計で出します。元の電圧の平均ではありません。
  • ほかから切り離された点につながる極板では、電荷の合計が初めの値(多くは0)のままです。

解き方:直並列の1個にたまる電荷

  • ① 最初の一手は、並列部分を1つの容量にまとめることです。
  • ② 直列の電圧は容量の逆の比で分け、並列部分の電圧を出します。
  • ③ 並列部分の電圧に、知りたいコンデンサの容量を掛けます。

例の条件を短くまとめます(平成24年度 問15)。2 μFと4 μFの並列に3 μFを直列につなぎ、全体に300 Vをかけます。4 μFにたまる電荷を求めます。

  • 並列部分は2+4=6 μFです。
  • 6 μFと3 μFの直列なので、並列部分の電圧は次のとおりです。
V1=3 μF6 μF+3 μF×300 V=100 V
  • 3 μF側は200 Vで、容量の小さいほうに大きい電圧がかかっています。
  • 4 μFの電荷は、100 Vを掛けて出します。
Q=4 μF×100 V=4×10−4 C

Q:電荷〔C〕 C:静電容量〔F〕 V:電圧〔V〕

  • 確かめ:2 μFは200 μC、4 μFは400 μCです。合計600 μCは、3 μFの電荷3×200=600 μCと同じです。

関連:合成抵抗|静電エネルギー|分数・比・割合

静電エネルギー ── たまるのは電荷×電圧の半分

静電エネルギー:電荷と電圧のグラフの三角形の面積がたまるエネルギーで、0.3 C・75 Vなら11.25 J。空の2 mFにつなぐと電荷0.3 Cは保たれ、エネルギーは7.5 Jに減って3.75 Jが熱になる
式の形使いやすい場面注意
電荷×電圧の半分電荷と電圧が分かるとき半分を落とさない
容量×電圧²の半分電圧一定のとき電圧が2倍なら4倍
電荷²÷(2×容量)電荷一定のとき容量が2倍なら半分

コンデンサにたまるエネルギーは、電荷×電圧の半分です。充電したコンデンサを空のコンデンサにつなぐと、電荷は保たれますがエネルギーは減ります。減った分は抵抗の熱になります。

言葉の式 静電エネルギー = ½ × 電荷 × 電圧 = ½ × 静電容量 × 電圧² = 電荷² ÷(2 × 静電容量)

W=12QV=12CV2=Q22C

W:静電エネルギー〔J〕 C:静電容量〔F〕 V:極板間の電圧〔V〕 Q:蓄えられた電荷〔C〕

問われる形○×ポイント
電荷が保たれるので、つないだあともエネルギーは変わらない×電荷は保たれるが、エネルギーは減る
同じ電圧なら、直列のコンデンサを増やすほど全体のエネルギーは増える×直列は容量が減るので、エネルギーも減る
電荷一定で間隔を広げるとエネルギーが増えるので、極板は反発し合う×引き合う極板を引き離す仕事が、増えた分になる
抵抗で熱になるエネルギーは、抵抗の大きさで変わる×変わらない。抵抗が大きいと時間がかかるだけ
  • 充電の途中は電圧が0から上がるので、平均の電圧は半分です。電荷と電圧のグラフの三角形の面積が、エネルギーになります。
  • 電源から外して間隔を縮めると、容量が増えてエネルギーは減ります。つないだまま縮めると、エネルギーは増えます。
  • 抵抗を通って電荷がすべて放電すると、初めのエネルギーはすべて熱になります。

解き方:つないだときに熱になるエネルギー

  • ① 最初の一手は、つなぐ前とつないだあとのエネルギーを、別々に出すことです。
  • ② つないだあとの電圧は、電荷の合計÷容量の合計です。
  • ③ 抵抗で熱になったのは、前と後の差です。

例の条件を短くまとめます(令和4年度上期 問10)。0.3 Cをためた4 mF(ミリファラド)のコンデンサを、抵抗を通して空の2 mFのコンデンサにつなぎます。

十分に時間がたつまでに、抵抗で熱になったエネルギーを求めます。

  • 初めの電圧は0.3÷0.004=75 Vです。初めのエネルギーは次のとおりです。
W=12×4 mF×(75 V)2=11.25 J
  • つないだあとは、0.3 Cを4+2=6 mFで分けるので、電圧は50 Vです。
W=12×6 mF×(50 V)2=7.5 J
  • 熱になったのは11.25−7.5=3.75 Jです。残った7.5 Jを答えにしないようにします。

関連:平行板コンデンサ|コンデンサの直列・並列|グラフの面積

まとめ

静電力は電荷の積に比例して距離の2乗に反比例し、電界は誘電率で変わりますが電束は電荷だけで決まります。

電位は電界の中の高さで、平行板の容量は誘電率×面積÷間隔、重ねた誘電体は直列、横に並べれば並列です。

直列は電荷、並列は電圧が共通で、たまるエネルギーは電荷×電圧の半分です。

次に読む

参考文献

  • 日高 邦彦・堀 桂太郎・井上 弘司『First Stage シリーズ 新訂電気回路入門』実教出版 第3章(静電気) Amazonで見る
  • 『みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集』TAC出版 初版(2018年) CH02 静電気の章 最新版をAmazonで見る
  • 第三種電気主任技術者試験 理論 問題(電気技術者試験センター) 平成23年度・平成24年度・令和2年度・令和4年度上期・令和4年度下期・令和6年度下期

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