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最終確認:2026年10月24日
電験三種の理論で、静電気の7つの論点をまとめた辞書です。クーロンの法則、電界(でんかい)と電束(でんそく)、電位(でんい)、平行板コンデンサ、複合誘電体、コンデンサのつなぎ方、静電エネルギーの順に確かめます。
理論の論点:直流回路①|直流回路②|静電気|磁気|電磁誘導|交流の基本
クーロンの法則と静電誘導 ── 力は電荷の積に比例し距離の2乗に反比例

| 変えるもの | 静電力(せいでんりょく)の変わり方 | 注意 |
|---|---|---|
| 片方の電荷(でんか)を2倍 | 2倍 | 電荷は積で効く |
| 距離を2倍 | 4分の1 | 距離は2乗で効く |
| 周りを比誘電率2の液体にする | 2分の1 | 誘電率(ゆうでんりつ)は1乗で効く。向きは同じ |
| 電荷の符号 | 同符号は反発、異符号は吸引 | 向きは符号の組だけで決まる |
2つの点電荷の間の力は、電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例します。同じ符号どうしは反発し、違う符号どうしは引き合います。
言葉の式 静電力 =(電荷1 × 電荷2)÷(4π × 誘電率 × 距離²)
F:静電力〔N〕 Q1:電荷1〔C〕 Q2:電荷2〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕 r:2つの電荷の間の距離〔m〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 静電力は電荷の積に反比例し、距離の2乗に比例する | × | 比例と反比例が逆。電荷が大きいほど強く、離れるほど弱い |
| 比誘電率2の液体で満たすと、力は4分の1になる | × | 誘電率は1乗で効くので2分の1。4分の1は距離を2倍にしたとき |
| 大きさの等しい2つの力を、なす角60°で合わせると2倍になる | × | 力は矢印で合成する。約1.73倍(√3倍) |
| 負の帯電体を導体に近づけると、近い側に正、遠い側に負の電荷が現れる | ○ | 静電誘導(せいでんゆうどう)。近い側は反対符号、遠い側は同じ符号 |
- 真空中では、式の 1÷(4π(パイ)×真空の誘電率(しんくうのゆうでんりつ))は約9×10⁹です。測った力から比例定数を逆算したとき、この値に近いかで、計算を確かめられます。
- 3つ以上の電荷があるときは、1つの電荷ごとに、ほかの電荷から受ける力を矢印で足します。
- 静電誘導と静電遮へい(せいでんしゃへい)は別の現象です。静電遮へいは、導体で囲んだ内側に外の電界が入らない性質です。
- 導体に電荷を与えると、電荷は表面にだけ分布します。
解き方:接触させた導体球の釣り合いの位置
- ① 最初の一手は、接触のたびに電荷を分け直すことです。大きさの等しい導体球は、触れると電荷の合計を半分ずつ持ちます。
- ② 真ん中の球が両側から受ける力が、等しくなる点を探します。
- ③ 力は距離の2乗に反比例するので、距離の比は電荷の比の平方根になります。
例の条件を短くまとめます(令和4年度下期 問17)。大きさの等しい導体球AとBに2×10⁻⁸ Cと3×10⁻⁸ Cを与え、0.3 m離して固定します。
電荷のない同じ大きさの球Cを、Aに触れさせてからBに触れさせ、AとBの間に置きます。
- Aに触れると、AとCは次の電荷ずつになります。
Q′:接触後に各球が持つ電荷〔C〕 Q1:接触前の電荷1〔C〕 Q2:接触前の電荷2〔C〕
- Bに触れると、(3+1)÷2=2なので、BとCは2×10⁻⁸ Cずつです。
- Cは、Aの1×10⁻⁸ CとBの2×10⁻⁸ Cの両方から押されます。電荷が2倍のBからは、√2倍(約1.414倍)遠い所で力が等しくなります。
- 0.3 mを1:1.414に分けるので、Aからの距離は0.3÷2.414≒0.124 mです。
- Bの電荷を3×10⁻⁸ Cのままとすると、約0.110 mになります。A・Bとも元の電荷のまま使うと約0.135 mで、どちらも誤りです。
関連:コンデンサの直列・並列|ベクトル|平方根と三平方の定理
電界と電束 ── 電界は誘電率で変わり、電束は電荷だけで決まる

| 量 | 周りの誘電率を2倍にすると | わけ |
|---|---|---|
| 電界 | 2分の1 | 電荷を誘電率で割る |
| 電気力線(でんきりきせん)の本数 | 2分の1 | 本数は電荷÷誘電率 |
| 電束 | 変わらない | 電荷Q〔C〕からQ本と決めた量 |
| 電束密度(でんそくみつど) | 変わらない | 電束を面積で割った量 |
電界と電気力線は誘電率で変わりますが、電束と電束密度は電荷だけで決まります。電束密度は、誘電率と電界の積です。
言葉の式 電界の強さ = 電荷 ÷(4π × 誘電率 × 距離²)
E:電界の強さ〔V/m〕 Q:電荷〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕 r:電荷(球の中心)からの距離〔m〕
言葉の式 電気力線の本数 = 電荷 ÷ 誘電率
N:電気力線の本数〔本〕 Q:電荷〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕
言葉の式 電束密度 = 誘電率 × 電界の強さ
D:電束密度〔C/m²〕 ε:誘電率(ε₀ε_r)〔F/m〕 E:電界の強さ〔V/m〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 電荷から出る電束の数も電気力線の数も、周りの誘電率で変わる | × | 変わるのは電気力線だけ。電束はQ本のまま |
| 電気力線は負の電荷から出て、正の電荷へ入る | × | 正の電荷から出て、負の電荷へ入る |
| 導体の内部の電界は、表面の電界と同じ強さ | × | 内部の電界は零。表面の電界は面に垂直 |
| 球の表面の電界は、電荷を「4π×誘電率×半径」で割った値 | × | 半径は2乗。半径の1乗で割るのは電位の式 |
- 電気力線は、交わらず、枝分かれしません。導体の表面には垂直に出入りします。
- 線の混み具合が電界の大きさ、線の接線の向きが電界の向きを表します。
- 電束密度は1 平方メートルあたりの電束です。面積を掛けると、極板の電荷になります。
- 球の表面の電界が空気の絶縁の限界に届くと、空気中で放電が起こります。ためられる電荷の上限は、この条件で決まります。
解き方:電気力線の本数から電荷を出す
- ① 最初の一手は、電荷から出入りする電気力線の本数を、電荷÷誘電率で数えることです。
- ② 線が出ていく電荷は正、線が入ってくる電荷は負です。
- ③ 本数に誘電率を掛け戻すと、電荷の大きさになります。
例の条件を短くまとめます(令和4年度下期 問1)。真空中で、電荷16ε₀〔C〕の導体球Aから出た電気力線のうち、8本が導体球Bに入ります。
Bから出ていく線はなく、Aの残りの8本は遠くへ向かいます。
- Aの電荷は真空の誘電率の16倍なので、出る線は16本です。図の線も、Bへの8本と遠くへの8本で合います。
- Bには線が入るだけなので、Bは負の電荷です。
- 大きさは8本に真空の誘電率を掛けた値で、Bの電荷は−8ε₀〔C〕です。
- Aから出る16本と取り違えて、−16ε₀〔C〕としないようにします。
電位と等電位面 ── 電位は高さ、等電位面は電気力線と直交

| 比べる所 | 点電荷のまわり | 平行板の間 |
|---|---|---|
| 電界 | 距離の2乗に反比例 | どこでも同じ |
| 電位 | 距離に反比例 | 距離に比例して直線で変わる |
| 等電位面(とうでんいめん) | 電荷を囲む球面 | 極板に平行な平面 |
| 電気力線 | 電荷から放射状 | 極板に垂直な直線 |
電位は電界の中の高さで、電荷を運ぶ仕事は、電荷×電位の差です。等電位面は、電気力線と直角に交わります。
言葉の式 電位 = 電荷 ÷(4π × 誘電率 × 距離)
V:電位(無限遠を基準)〔V〕 Q:電荷〔C〕 ε:誘電率(真空中は ε₀)〔F/m〕 r:電荷(球の中心)からの距離〔m〕
言葉の式 仕事 = 電荷 × 電位差
W:仕事(エネルギー)〔J〕 Q:運ぶ電荷〔C〕 V:電位差〔V〕
言葉の式 電界の強さ = 電圧 ÷ 距離
E:電界の強さ〔V/m〕 V:電圧(電位差)〔V〕 d:電界の向きの距離(極板の間隔)〔m〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 平行板の間の電位は、極板からの距離に反比例して変わる | × | 電界が一定なので直線で変わる。反比例は点電荷のまわり |
| 点電荷から遠ざける仕事の式は、分母が距離の2乗 | × | 仕事と電位は距離の1乗。2乗は力と電界 |
| 電界に垂直な向きに動かしても、電位は変わらない | ○ | 等電位面の上を動くだけ |
| 平行板の間に入れた導体も、厚さの分だけ電圧を受け持つ | × | 導体の中は電界が零で、電圧を受け持たない |
- 電位は、基準(0 V)から測った電気の高さです。電気力線は、電位の高い所から低い所へ向かいます。
- 電荷が2つ以上あるときの電位は、それぞれの電荷がつくる電位を、符号を付けて足します。
- 誘電体と空気が重なると、電位のグラフは境で折れます。傾きの急な所ほど、電界が強い所です。
- 導体の中はどこも同じ電位ですが、ほかの導体と同じ電位とは限りません。
解き方:平等電界で電荷を運ぶ仕事から電位を出す
- ① 最初の一手は、仕事を電荷で割って、始点と終点の電位の差を出すことです。
- ② 平等電界では、電位の差は電界の向きに沿った距離だけで決まります。電界に垂直な動きは数えません。
- ③ 電界を出してから、知りたい2点の間の電界の向きの距離を掛けます。
例の条件を短くまとめます(令和2年度 問1)。平等電界の中で2 Cの点電荷を、点Aから電界と逆向きに1.0 mの点Bへ動かします。
さらにBから電界の向きに0.3 m、垂直に0.4 mの点Cへ動かすと、外力の仕事は14 Jでした。Aに対するBの電位を求めます。
- AからCへは、電界と逆向きに1.0−0.3=0.7 m進んだことになります。縦の0.4 mは電位に関係しません。
- AとCの電位の差は14÷2=7 Vです。式に戻すと、仕事は次のとおりです。
- 7 Vを0.7 mで割って、電界を出します。
- AからBへは電界と逆向きに1.0 mなので、Bの電位はAより10×1.0=10 V高くなります。
- 7 VはAからCまでの電位の差です。Bまでの値と取り違えないようにします。
関連:電界と電束|静電エネルギー|変化の割合=グラフの傾き|力・仕事・電力
平行板コンデンサ ── 広く近く誘電率が大きいほど容量が大きい
| 量 | 電源につないだまま間隔を広げる(電圧一定) | 切り離してから広げる(電荷一定) |
|---|---|---|
| 静電容量(せいでんようりょう) | 減る | 減る |
| 電荷 | 減る(電源へ戻る) | 変わらない |
| 電圧 | 変わらない | 上がる |
| 電界 | 弱くなる | 変わらない |
| 静電エネルギー(せいでんえねるぎー) | 減る | 増える |
平行板の静電容量は、誘電率×面積÷間隔です。電源につないだままなら電圧が、切り離したあとなら電荷が一定で、変わる量が違います。
言葉の式 静電容量 = 誘電率 × 極板の面積 ÷ 極板の間隔
C:静電容量〔F〕 ε:誘電率(ε₀ε_r)〔F/m〕 S:極板の面積〔m²〕 d:極板の間隔〔m〕
言葉の式 電荷 = 静電容量 × 電圧
Q:電荷〔C〕 C:静電容量〔F〕 V:電圧〔V〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 電荷一定で間隔を広げると、電界が強くなる | × | 電界は変わらない。上がるのは電圧 |
| 電圧一定で間隔を広げると、電界が弱くなる | ○ | 同じ電圧を長い距離で分ける |
| 電源につないだまま誘電率の大きい誘電体(ゆうでんたい)に変えると、電界が弱くなる | × | 電圧一定なので、電界は電圧÷間隔のまま。増えるのは電荷 |
| 平行板の静電容量は、誘電率×間隔÷面積 | × | 面積が分子、間隔が分母 |
- 静電容量は、1 Vあたりにためられる電荷です。形(面積・間隔)と誘電率だけで決まり、電圧や電荷にはよりません。
- 極板に平行に導体を入れると、間隔をその厚さの分だけ縮めたのと同じになり、容量が増えます。
- 孤立した導体球の容量は、誘電率と半径に比例します。半径の2乗には比例しません。
- どちらが一定かは、問題文の「電源につないだまま」「切り離して」で決めます。
解き方:電源から外して間隔を変える
- ① 最初の一手は、電圧一定か電荷一定かを決めることです。電源から外したなら、電荷が一定です。
- ② 容量は間隔に反比例するので、間隔が半分なら容量は2倍です。
- ③ 電圧は、変わらない電荷を新しい容量で割って出します。
例の条件を短くまとめます(平成23年度 問2)。8 μF(マイクロファラド)の平行板コンデンサを1000 Vで充電し、電源から外してから極板の間隔を半分にします。
- 電荷は8×1000=8000 μC、つまり8 mCです。
- 間隔を半分にすると、容量は8×2=16 μFです。
- 電荷はそのままなので、電圧は8000÷16=500 Vに下がります。式に戻すと、電荷は元の値に合います。
- 電源につないだまま縮めると、電圧は1000 Vのままで、電荷が2倍の16 mCになります。
複合誘電体 ── 層に重ねれば直列、横に並べれば並列

| 並べ方 | 極板と平行に重ねる | 極板に垂直な境で横に並べる |
|---|---|---|
| 見なし方 | 直列のコンデンサ | 並列のコンデンサ |
| 各層で同じ量 | 電束密度(電荷) | 電界(電圧) |
| 誘電率で違う量 | 電界:誘電率の小さい層ほど強い | 電束密度:誘電率の大きい側ほど多い |
| 全体の容量 | 層の容量を直列でまとめる | 層の容量を足す |
極板と平行に重ねた誘電体は直列、横に並べた誘電体は並列と見なします。重ねた場合は、誘電率の小さい空気の層に強い電界がかかり、絶縁破壊(ぜつえんはかい)はそこから起こります。
言葉の式 誘電率 × 電界 が、境界の両側で等しい(電束密度が連続)
ε1:1層目の誘電率〔F/m〕 E1:1層目の電界〔V/m〕 ε2:2層目の誘電率〔F/m〕 E2:2層目の電界〔V/m〕
言葉の式 全体の電圧 = 各層の電界 × その層の厚さ の和
V:全体の電圧(極板間の電位差)〔V〕 E1:1層目の電界〔V/m〕 d1:1層目の厚さ〔m〕 E2:2層目の電界〔V/m〕 d2:2層目の厚さ〔m〕 E3:3層目の電界〔V/m〕 d3:3層目の厚さ〔m〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 空気と固体を重ねても、等電位面の間隔は全体で同じ | × | 電界の強い空気の層で詰まり、固体の層で広い |
| 空気のすき間に固体の誘電体を入れると、すき間の電界は弱くなる | × | 強くなる。弱まるのは誘電体の中だけ |
| 横に並べた2つの誘電体では、誘電率の大きい側ほど電気力線が多い | × | 電界が同じなので、同じ面積なら同じ本数。多いのは電束 |
| 絶縁破壊する電圧の順は、絶縁破壊する電界の順と同じ | × | 電圧は電界×厚さ。厚いほど高い電圧に耐える |
- 導体を入れるのは、誘電率がとても大きい誘電体の極端な場合と考えます。導体の中は電界が零です。
- 同じ比誘電率の層を重ねただけなら、1枚の厚い層と同じです。電界はどこも同じになります。
- 工場・現場では、固体の絶縁物とすき間の空気が重なる所は、空気側の電界が強くなります。放電はそこから起こりやすくなります。
解き方:重ねた2層の電荷を出す
- ① 最初の一手は、重ね方を見て、直列か並列かを決めることです。極板と平行に重ねた層は直列です。
- ② 層ごとの容量を、平行板の式で出します。
- ③ 直列の合成容量を出し、電圧を掛けて電荷にします。
例の条件を短くまとめます(令和6年度下期 問1)。面積0.1平方メートルの極板の間に、比誘電率2で厚さ2 mmの層と、比誘電率4で厚さ4 mmの層を重ねます。
極板の間には12 Vをかけます。
- 層1の誘電率は、2×8.85×10⁻¹²=1.77×10⁻¹¹ F/mです。厚さは0.002 mにそろえます。
- 層1の容量は、平行板の式で1.77×10⁻¹¹×0.1÷0.002=8.85×10⁻¹⁰ Fです。
- 層2は誘電率も厚さも2倍なので、容量は層1と同じ8.85×10⁻¹⁰ Fです。
- 同じ容量の2つの直列は半分で、4.425×10⁻¹⁰ Fです。
Q:電荷〔C〕 C:静電容量〔F〕 V:電圧〔V〕
- 2層を並列と見なして容量を足すと、約21 nCになり誤りです。
関連:平行板コンデンサ|コンデンサの直列・並列|電位と等電位面
コンデンサの直列・並列 ── 直列は電荷が、並列は電圧が共通

| 比べる所 | 直列(ちょくれつ) | 並列(へいれつ) |
|---|---|---|
| どのコンデンサでも同じ量 | 電荷 | 電圧 |
| 分かれる量 | 電圧(容量に反比例) | 電荷(容量に比例) |
| 合成の静電容量 | 逆数の和の逆数(2個なら積÷和) | 和 |
| 抵抗と比べると | 抵抗の並列と同じ形 | 抵抗の直列と同じ形 |
直列のコンデンサには同じ電荷がたまり、並列のコンデンサには同じ電圧がかかります。充電したコンデンサをつなぎ替えても、電荷の合計は変わりません。
言葉の式 合成静電容量 = 各静電容量の和(4個以上も同じように足す)
C0:合成静電容量〔F〕 C1:1個目の静電容量〔F〕 C2:2個目の静電容量〔F〕 C3:3個目の静電容量〔F〕
言葉の式 合成静電容量 =(C₁ × C₂)÷(C₁ + C₂)
C0:合成静電容量〔F〕 C1:1個目の静電容量〔F〕 C2:2個目の静電容量〔F〕
言葉の式 C₁にかかる電圧 = C₂ ÷(C₁ + C₂)× 全体の電圧 (V₁ : V₂ = 1/C₁ : 1/C₂)
V1:C₁にかかる電圧〔V〕 V:全体の電圧〔V〕 C1:1個目の静電容量〔F〕 C2:2個目の静電容量〔F〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| コンデンサの並列の合成容量は、逆数の和の逆数 | × | 並列は和。抵抗とは足し方が逆 |
| 直列のコンデンサでは、容量の大きいほうに大きい電圧がかかる | × | 容量の小さいほうに大きい電圧がかかる |
| 充電した2個を逆の極性で並列にしても、電荷は足し算になる | × | 符号を付けて足すので、引き算になる |
| 等しい3個の△結線をY結線に直すと、容量は3倍になる | ○ | 抵抗の変換(3分の1)とは逆 |
- 直列の中で、耐圧が同じコンデンサなら、耐えられる電圧に最初に届くのは容量の小さいコンデンサです。電荷が共通なので、容量が小さいほど電圧が大きくなるためです。
- つなぎ替えたあとの電圧は、電荷の合計÷容量の合計で出します。元の電圧の平均ではありません。
- ほかから切り離された点につながる極板では、電荷の合計が初めの値(多くは0)のままです。
解き方:直並列の1個にたまる電荷
- ① 最初の一手は、並列部分を1つの容量にまとめることです。
- ② 直列の電圧は容量の逆の比で分け、並列部分の電圧を出します。
- ③ 並列部分の電圧に、知りたいコンデンサの容量を掛けます。
例の条件を短くまとめます(平成24年度 問15)。2 μFと4 μFの並列に3 μFを直列につなぎ、全体に300 Vをかけます。4 μFにたまる電荷を求めます。
- 並列部分は2+4=6 μFです。
- 6 μFと3 μFの直列なので、並列部分の電圧は次のとおりです。
- 3 μF側は200 Vで、容量の小さいほうに大きい電圧がかかっています。
- 4 μFの電荷は、100 Vを掛けて出します。
Q:電荷〔C〕 C:静電容量〔F〕 V:電圧〔V〕
- 確かめ:2 μFは200 μC、4 μFは400 μCです。合計600 μCは、3 μFの電荷3×200=600 μCと同じです。
静電エネルギー ── たまるのは電荷×電圧の半分

| 式の形 | 使いやすい場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 電荷×電圧の半分 | 電荷と電圧が分かるとき | 半分を落とさない |
| 容量×電圧²の半分 | 電圧一定のとき | 電圧が2倍なら4倍 |
| 電荷²÷(2×容量) | 電荷一定のとき | 容量が2倍なら半分 |
コンデンサにたまるエネルギーは、電荷×電圧の半分です。充電したコンデンサを空のコンデンサにつなぐと、電荷は保たれますがエネルギーは減ります。減った分は抵抗の熱になります。
言葉の式 静電エネルギー = ½ × 電荷 × 電圧 = ½ × 静電容量 × 電圧² = 電荷² ÷(2 × 静電容量)
W:静電エネルギー〔J〕 C:静電容量〔F〕 V:極板間の電圧〔V〕 Q:蓄えられた電荷〔C〕
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 電荷が保たれるので、つないだあともエネルギーは変わらない | × | 電荷は保たれるが、エネルギーは減る |
| 同じ電圧なら、直列のコンデンサを増やすほど全体のエネルギーは増える | × | 直列は容量が減るので、エネルギーも減る |
| 電荷一定で間隔を広げるとエネルギーが増えるので、極板は反発し合う | × | 引き合う極板を引き離す仕事が、増えた分になる |
| 抵抗で熱になるエネルギーは、抵抗の大きさで変わる | × | 変わらない。抵抗が大きいと時間がかかるだけ |
- 充電の途中は電圧が0から上がるので、平均の電圧は半分です。電荷と電圧のグラフの三角形の面積が、エネルギーになります。
- 電源から外して間隔を縮めると、容量が増えてエネルギーは減ります。つないだまま縮めると、エネルギーは増えます。
- 抵抗を通って電荷がすべて放電すると、初めのエネルギーはすべて熱になります。
解き方:つないだときに熱になるエネルギー
- ① 最初の一手は、つなぐ前とつないだあとのエネルギーを、別々に出すことです。
- ② つないだあとの電圧は、電荷の合計÷容量の合計です。
- ③ 抵抗で熱になったのは、前と後の差です。
例の条件を短くまとめます(令和4年度上期 問10)。0.3 Cをためた4 mF(ミリファラド)のコンデンサを、抵抗を通して空の2 mFのコンデンサにつなぎます。
十分に時間がたつまでに、抵抗で熱になったエネルギーを求めます。
- 初めの電圧は0.3÷0.004=75 Vです。初めのエネルギーは次のとおりです。
- つないだあとは、0.3 Cを4+2=6 mFで分けるので、電圧は50 Vです。
- 熱になったのは11.25−7.5=3.75 Jです。残った7.5 Jを答えにしないようにします。
関連:平行板コンデンサ|コンデンサの直列・並列|グラフの面積
まとめ
静電力は電荷の積に比例して距離の2乗に反比例し、電界は誘電率で変わりますが電束は電荷だけで決まります。
電位は電界の中の高さで、平行板の容量は誘電率×面積÷間隔、重ねた誘電体は直列、横に並べれば並列です。
直列は電荷、並列は電圧が共通で、たまるエネルギーは電荷×電圧の半分です。
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参考文献
- 日高 邦彦・堀 桂太郎・井上 弘司『First Stage シリーズ 新訂電気回路入門』実教出版 第3章(静電気) Amazonで見る
- 『みんなが欲しかった!電験三種 理論の教科書&問題集』TAC出版 初版(2018年) CH02 静電気の章 最新版をAmazonで見る
- 第三種電気主任技術者試験 理論 問題(電気技術者試験センター) 平成23年度・平成24年度・令和2年度・令和4年度上期・令和4年度下期・令和6年度下期
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