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危険物乙4のイオン化傾向と金属の腐食|地下の配管はなぜさびるのか

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重要度:○ 押さえておきたい論点です(市販問題集の頻出印から。公式公開問題では見当たりません。当サイトの判断)

最終確認:2026年9月24日

ガソリンスタンドや工場の地面の下には、油を送る鉄の配管が埋まっています。この配管は、目に見えないところでさびて穴があくことがあります。危険物乙4では、どんな場所でさびやすいかを、イオン化傾向(イオンかけいこう)という金属の性質で問われます。

この記事でわかること

  • イオン化傾向の意味と、2種類の金属をつなぐとどちらが先にさびるか
  • イオン化列で、鉄より左の金属と右の金属の違い
  • 地下の配管がさびやすくなる条件と、さびを防ぐ方法

種類の違う金属がふれ合うと、イオン化傾向の大きいほうの金属が先にとけてさびます。

鉄の配管に亜鉛やマグネシウムをつなぐと鉄は守られ、銅がふれると鉄が先にさびます。

まず場面で:地面の下の鉄の配管は、見えないところでさびる

地下の配管は、土の中の水分にいつもふれています。塗料の覆いがはがれた所から、鉄は少しずつとけ出していきます。穴があくと、気づかないうちに油が漏れ続けます。

地面の下の鉄の配管は、見えないところでさびる(銅とふれる所・湿った土・迷走電流が出ていく所)

さびを進める原因は、1つではありません。配管にふれている銅の棒、湿った土や海の砂、地中を流れる電流などが重なると、さびが早く進みます。この記事では、これらがなぜさびを進めるのかを、金属の性質から説明します。

腐食(ふしょく)とは、金属がまわりの水や空気と反応して、とけたり、さびたりして傷むことです。鉄がさびるのは、鉄が酸素と結びつく酸化(さんか)の一つです。酸化の考え方は、酸化と還元(かんげん)の見分け方で扱っています。

イオン化傾向とは、金属が陽イオンになってとけ出しやすい度合い

イオン化傾向とは、金属が水の中で電子(でんし)を手放し、陽イオン(ようイオン)になろうとする度合いのことです。陽イオンとは、プラスの電気を帯びた粒のことです。金属は陽イオンになると、水の中へとけ出していきます。

イオン化傾向の大きい金属ほど、陽イオンになってとけ出しやすく、さびやすい金属です。反対に、白金や金はイオン化傾向がとても小さく、強い酸にもとけにくい金属です。

種類の違う2つの金属がふれ合い、そこに水があると、電池のような働きが生まれます。このとき、イオン化傾向の大きいほうの金属が先にとけ、小さいほうの金属はさびから守られます。 鉄と銅なら、鉄のほうがイオン化傾向が大きいので、鉄が先にさびます。

イオン化傾向の大きい金属は、鉄の身代わりのようなものです。鉄より先にとけることで、鉄がさびるのを引き受けます。正確には、つないだ2つの金属のうち、イオン化傾向の大きいほうが陽イオンになってとけ出し、小さいほうはとけにくくなります。

この身代わりの考え方を使ったのが、トタン屋根です。トタンは、鉄の板を亜鉛(あえん)でめっきした板です。表面に傷がついても、鉄より亜鉛が先にとけるので、中の鉄はさびにくくなります。

地中を流れる電流でも、同じように金属がとけ出します。電流が配管から土へ出ていく所では、鉄が陽イオンになってとけ出します。このような、線路などから地中へ漏れて流れる電流を、迷走電流(めいそうでんりゅう)といいます。

覚える並びはこれだけ:イオン化列で鉄より左か右か

金属をイオン化傾向の大きい順に並べた列を、イオン化列(イオンかれつ)といいます。試験で見るのは、ある金属が鉄より左(大きい)か、右(小さい)かの1点です。

イオン化列で鉄より左か右か(左の金属は先にとけて鉄を守る)
鉄とつなぐ金属鉄と比べたイオン化傾向つないだときの鉄
マグネシウム大きい守られる(相手が先にとける)
アルミニウム大きい守られる(相手が先にとける)
亜鉛大きい守られる(相手が先にとける)
ニッケル・スズ・鉛小さい先にさびる
銅小さい先にさびる

鉄より左のマグネシウム・アルミニウム・亜鉛は身代わりになり、鉄より右の銅は鉄のさびを進めます。 地中の鉄の配管を守るとき、鉄より左の金属をつなぐのはこのためです。

イオン化列の左の端には、カリウムやナトリウムのように、水とも反応する金属が並びます。右の端は、白金や金です。水素は金属ではありませんが、陽イオンになるので、鉛と銅の間に入れて並べます。

覚え方:マ・ア・ア(マグネシウム・アルミニウム・亜鉛)は鉄の身代わり、銅は身代わりにならない。

ここは覚えなくていい

イオン化列の17個を全部そろえて並べられなくても、かまいません。水や酸とどの金属が反応するかの細かい区切りも、この記事では覚えなくてかまいません。鉄・銅・亜鉛・マグネシウム・アルミニウムの位置と、白金・金が右の端にあることで足ります。

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試験ではこう聞かれる:さびにくいのは「塗料で完全に覆った配管」

いちばん多い型は、鋼(はがね)の配管を埋めたとき、最も腐食しにくい状況を選ぶ問題です。答えになるのは、配管を塗料で完全に覆って埋めた場合です。ほかの選択肢は、次のさびやすくなる条件から作られています。

さびやすくなる条件例
水分が多い湿った土
塩分が多い海の砂、海水
酸性が強い酸性の土
種類の違う金属がふれる銅の棒、ステンレスの管
迷走電流が流れる直流の電気鉄道のそば
性質の違う所をまたぐ乾いた土と湿った土の境目
中性化したコンクリート古いコンクリートの中

まぎらわしいのが、コンクリートです。正常なコンクリートは強いアルカリ性で、中の鉄はさびにくくなります。けれども、土の中とコンクリートの中にまたがって埋めた配管は、さびやすくなります。

2つめの型は、鉄の配管を守るためにつなぐ金属を選ぶ問題です。マグネシウム・アルミニウム・亜鉛は正しく、銅・ニッケル・スズ・鉛は誤りです。ステンレスの管とつなぐと腐食しにくくなる、という文も誤りで、鋼の管のほうが激しくさびます。

3つめの型は、イオン化傾向の大小を問う問題です。カリウムは大きく、白金と金は小さい金属です。塩酸にとけない金属を選ぶ問題なら、イオン化傾向の小さい白金や金が答えになります。

工場・現場ではこうなる:埋設配管は被覆と身代わりの金属で守る

化学プラントでは、地面に埋める鋼の配管を樹脂の被覆(ひふく)で覆い、傷があれば直してから埋め戻します。さらに、鉄よりイオン化傾向の大きい金属をつなぎ、身代わりにとかす電気防食(でんきぼうしょく)も使われます。身代わりの金属は減っていくので、定期的に点検して取り替えます。

事故の場面から見た埋設配管のさびは、事故事例と対策で扱っています。

確認問題

問1 鉄と亜鉛(あえん)をくらべると、鉄のほうがイオン化傾向が大きい。

答え:×

訂正:イオン化傾向は、亜鉛のほうが鉄より大きい。

根拠:イオン化傾向は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、銅の順に小さくなります。

なぜか:亜鉛は鉄より陽イオンになりやすい金属です。鉄板に亜鉛をめっきしたトタンは、この性質を使って鉄のさびを防いでいます。

狙われる形:2つの金属のイオン化傾向の大小を逆にした形で出ます。

問2 地中の鉄管に亜鉛(あえん)をつないでおくと、亜鉛が先に溶け出して、鉄管のさびがおさえられる。

答え:○

根拠:鉄よりイオン化傾向の大きい金属を鉄につなぐと、その金属が先に溶け出し、鉄の腐食をおさえられます。

なぜか:亜鉛は鉄より陽イオンになりやすいので、2つがつながっていると亜鉛のほうが先に溶けていきます。そのあいだ、鉄は溶けずにすみます。

狙われる形:鉄より陽イオンになりにくい金属をつなげば守れる、と入れかえた形で出ます。

問3 迷走電流(めいそうでんりゅう)が流れている土では、埋めた鉄管は腐食しにくい。

答え:×

訂正:迷走電流が流れる土では、埋めた鉄管の腐食が進みやすい。

根拠:埋めた金属から土へ電流が流れ出る所では、金属が陽イオンになって溶け出し、腐食が進みます。

なぜか:電気鉄道のレールなどから漏れた電流が鉄管を通り、土へ抜けていきます。電流が抜ける所で鉄が溶け出し、穴があくこともあります。

狙われる形:迷走電流を腐食を防ぐものと取り違えた形で出ます。

まとめ

2種類の金属がふれ合うと、イオン化傾向の大きいほうが陽イオンになって先にとけ、小さいほうは守られます。鉄より左のマグネシウム・アルミニウム・亜鉛は鉄の身代わりになり、鉄より右の銅がふれると鉄が先にさびます。地下の配管は、湿った土・海の砂・迷走電流・性質の違う所をまたぐ埋め方でさびやすく、塗料での被覆と電気防食で守ります。

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有機化合物の基礎:アルコール→アルデヒド→カルボン酸の1本の線

参考文献

  • 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、2-7 金属・イオン化傾向と腐食 Amazonで見る
  • 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、2-27 イオン化傾向・2-28 金属の腐食(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る

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