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ガス・蒸気配管の圧力損失|圧縮性を無視できる範囲

ガス・蒸気配管の圧力損失|圧縮性を無視できる範囲

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

ガスや蒸気の圧力損失を、液体と同じ密度一定の式で最後まで計算していないでしょうか。

気体は、配管を進んで圧力が下がると密度が低下します。同じ質量流量を流し続けるには実体積流量と流速が増えるため、下流ほど単位長さ当たりの圧力損失も変わります。入口密度だけで全長を計算すると、計算値は出ても、その前提が崩れていることがあります。

この記事では、定常な単相ガス・単相蒸気を中心に、Darcy-Weisbach式の近似を使える範囲、密度を更新する計算手順、チョーク、蒸気固有の凝縮まで説明します。非圧縮性流体の摩擦係数はPIP-16、エルボ・ティー・弁の局部損失はPIP-17を正本とします。

まず結論:圧力損失比とMach数の両方で計算法を選ぶ

入口絶対圧力をp1_abs、出口絶対圧力をp2_absとし、圧力損失比rを次のように定義します。

r = (p1_abs – p2_abs) / p1_abs

一次資料では、この比を目安に計算法を切り替えています。

圧力損失比r初期設計での扱い
10%未満入口または出口の代表密度を使ったDarcy近似が可能
10%以上40%未満入口・出口の平均密度を使うか、区間分割して密度を更新する
40%以上圧縮性流れの理論式、適用範囲を確認した経験式、専用ソフトを使う

ここで使う圧力は、必ず絶対圧力です。入口が500 kPaG、圧力損失が50 kPaなら、単純に50/500=10%とはしません。大気圧を約101 kPaとすれば、入口絶対圧力は約601 kPaなので、比は約8.3%です。

もう一つ確認するのがMach数です。

M = v/a

vは流速、aはその状態の音速です。日本機械学会『流体力学』では、M<0.3が非圧縮流れの領域として示されています。ただし、圧力損失比とMach数は同じ判定ではありません。

  • 圧力損失比:配管の入口から出口までに密度がどれだけ変わるかを見る
  • Mach数:流速が音速へ近づくことによる圧縮性とチョークの接近を見る

したがって、「Mach数が0.3未満だから入口密度を全長へ使ってよい」とは限りません。圧力損失比とMach数を別々に確認します。

入口絶対圧力に対する圧力損失比を10%未満、10%以上40%未満、40%以上に分け、Mach数も別に確認して計算法を選ぶ図
入口絶対圧力に対する圧力損失比を10%未満、10%以上40%未満、40%以上に分け、Mach数も別に確認して計算法を選ぶ図(一次資料を参考に当サイト作成)

ガス・蒸気では圧力低下とともに密度と流速が変わる

定常流で漏れや分岐がなければ、質量流量は配管のどこでも同じです。

m_dot = ρAv

  • m_dot:質量流量[kg/s]
  • ρ:密度[kg/m³]
  • A:管内断面積[m²]
  • v:平均流速[m/s]

内径が一定ならAは変わりません。圧力低下によってρが小さくなると、同じm_dotを保つためにvが大きくなります。

液体では通常、配管内の圧力変化による密度変化は小さいため、1つの密度と流速でDarcy-Weisbach式を使えます。気体では、下流へ進むほど密度が下がり、実体積流量、流速、動圧が変化します。

等温の理想気体という単純な条件なら、密度は絶対圧力に比例します。圧力が入口の80%になれば密度もおよそ80%、実体積流量と流速はおよそ1/0.8=1.25倍です。圧力損失が大きいほど、入口状態だけで全長を代表させにくくなります。

一定内径のガス配管で下流ほど圧力と密度が低下し、同じ質量流量でも実体積流量と流速が増える関係
一定内径のガス配管で下流ほど圧力と密度が低下し、同じ質量流量でも実体積流量と流速が増える関係(一次資料を参考に当サイト作成)

まず流量の基準をそろえる

ガス配管の計算では、流量の単位が同じに見えても基準状態が違うことがあります。

質量流量を計算の軸にする

連続の式で保存されるのは質量流量です。圧力損失計算では、入口条件、出口条件、標準状態の体積流量をいったんkg/hまたはkg/sへそろえると混乱が減ります。

運転状態の実体積流量は、

V_dot = m_dot / ρ

です。圧力が下がって密度が変われば、V_dotも配管位置によって変わります。

Nm³/hは実体積流量ではない

Nm³/hは、決められた標準状態へ換算した体積流量です。一次資料の一例では、1013 hPa、0℃、相対湿度0%を標準状態としています。一方、Sm³/hは20℃や15.6℃を使う場合があります。

規格、会社、契約、計器メーカーによって基準温度や乾湿基準が異なるため、記号だけで判断してはいけません。少なくとも次をデータシートへ明記します。

  • 基準絶対圧力
  • 基準温度
  • 乾きガスか湿りガスか
  • ガス組成と分子量
  • 圧縮係数Zを使うか

蒸気は、通常kg/hまたはt/hを軸にし、蒸気表から局所圧力・温度・過熱度・乾き度に対応する比体積を求めます。

圧力と温度は絶対値へ直す

状態方程式へ使う圧力は絶対圧力、温度はKです。

p_abs = p_gauge + p_atm

T_K = t_℃ + 273.15

圧力損失そのものは差圧なのでkPaGとkPaAで数値は同じですが、密度計算、圧力比、臨界圧力比には絶対圧力を使います。

kg毎時の質量流量を軸に、標準状態のNm3毎時と運転圧力温度での実体積流量を区別して変換する図
kg毎時の質量流量を軸に、標準状態のNm3毎時と運転圧力温度での実体積流量を区別して変換する図(一次資料を参考に当サイト作成)

圧力損失比10%・40%で計算法を切り替える

圧力損失比rは、計算を始める前には分かりません。まず代表密度を使って予備計算し、その結果から方法を選び直します。

rが10%未満

入口と出口の密度差が比較的小さいため、代表密度を使ったDarcy-Weisbach式で近似できます。

Δp = {fD(L/D) + ΣK} × ρv²/2

ただし、入口密度を使ったか、出口密度を使ったかを計算書へ明記します。出口密度の方が低く流速が高いため、同じ質量流量なら計算圧損は大きくなります。

rが10%以上40%未満

入口密度1点では変化を代表しにくくなります。入口・出口の平均比体積または平均密度を使って反復するか、配管を複数区間に分けて各区間の圧力・温度から密度を更新します。

この範囲でも、温度変化が大きい、高圧実在気体でZが変わる、弁やオリフィスで局所的に大きく加速する場合は、単純平均ではなく専用計算を選びます。

rが40%以上

密度一定のDarcy近似から離れ、等温・断熱などの圧縮性流れの理論式、適用範囲が明確な経験式、プロセスシミュレータや配管解析ソフトを使います。

Weymouth式やPanhandle式は長距離ガスパイプライン向けに使われる経験式です。式が有名だからという理由だけで、短いプラント配管、混合ガス、局部抵抗の多い系へ転用しません。

10%と40%は、計算方法を選ぶための実務上の目安です。会社標準、設計コード、契約仕様、採用ソフトの適用範囲があれば、それを優先します。

実務では区間ごとに密度を更新する

ガス・蒸気配管の圧力損失計算は、次の順で進めると整理しやすくなります。

  1. 最小・通常・最大流量と起動・停止ケースを決める
  2. 入口絶対圧力、入口温度、組成、質量流量をそろえる
  3. 実内径、直管長、粗さ、継手・弁・機器損失を区間ごとに整理する
  4. 入口または代表密度で予備圧損を求める
  5. 圧力損失比rと、入口・出口・最小断面のMach数を確認する
  6. 必要なら平均密度反復または区間分割計算へ進む
  7. 圧力、密度、流速、Re、摩擦係数を更新し、出口圧力が収束するまで繰り返す
  8. チョーク、温度変化、相変化、末端必要圧力を確認する

区間分割する場合、各区間iで局所密度ρiと局所流速viを使います。

vi = m_dot / (ρi A)

Δpi = {fD,i(Li/D) + Ki} × ρi vi²/2

p(i+1) = pi – Δpi

気体密度は、理想気体近似なら次の形で更新できます。

ρi = pi / (Zi Rs Ti)

Rsは気体固有のガス定数、Ziは圧縮係数です。高圧、臨界点付近、重い炭化水素混合物ではZ=1と固定せず、状態方程式または物性パッケージで求めます。

区間を細かくしても、採用した等温・断熱モデル、物性、摩擦係数、K値が誤っていれば精度は上がりません。計算刻みより先に、入力条件とモデルの整合を確認します。

ガス蒸気配管の入口条件と質量流量から予備圧損を求め、圧力損失比とMach数を判定し、区間ごとに密度を更新する計算手順
ガス蒸気配管の入口条件と質量流量から予備圧損を求め、圧力損失比とMach数を判定し、区間ごとに密度を更新する計算手順(一次資料を参考に当サイト作成)

等温・断熱・実在気体のどれで扱うか

圧縮性流れの計算では、圧力だけでなく温度の扱いが結果を左右します。

等温流れ

周囲との熱交換が十分あり、流体温度が管路に沿ってほぼ一定とみなせるモデルです。長い埋設ガス配管などで使われます。理想気体なら密度は絶対圧力に比例するため、圧力低下に伴う実体積流量と流速の増加を明確に表せます。

断熱流れ

周囲との熱交換を無視するモデルです。短時間で流れる配管、保温された短い区間、ノズルなどで近似に使います。圧力低下と同時に温度も変わるため、等温計算と同じ密度にはなりません。

実在気体

高圧ガスや臨界点に近い流体では、理想気体のρ=p/(RsT)から外れます。圧縮係数Zまたは状態方程式を使い、圧力・温度・組成ごとに密度、比熱比、音速を更新します。

実際の配管は、完全な等温と完全な断熱の間にあります。流体の滞留時間、管の保温、外気や地盤との熱交換、上流機器の出口温度を見てモデルを選びます。モデルが判断できない場合は両端条件を比較し、安全側と運転成立側の両方を確認します。

等温理想気体で絶対圧力比が低下すると密度比が同じ割合で低下し、実体積流量比と流速比が逆比例で増えるグラフ
等温理想気体で絶対圧力比が低下すると密度比が同じ割合で低下し、実体積流量比と流速比が逆比例で増えるグラフ(一次資料を参考に当サイト作成)

チョーク流れは下流圧力だけでは増量できない

下流圧力を下げれば、いつまでもガス流量が増えるわけではありません。流路の最小断面や管路終端で流速が局所音速へ達すると、そこより下流の圧力変化が上流へ伝わりにくくなり、質量流量が上限へ達します。これがチョーク流れです。

M = 1

が臨界状態の基本です。チョーク後に下流圧力をさらに下げても、同じ上流状態と流路では質量流量は増えません。

日本機械学会『流体力学』には、比熱比1.4の理想空気がノズルを流れる例として、臨界圧力比0.528が示されています。しかし、これは全ガス、全配管、全バルブへ使える固定値ではありません。

臨界条件は、少なくとも次で変わります。

  • 気体の比熱比と実在気体物性
  • 上流の絶対圧力と絶対温度
  • ノズル、オリフィス、弁、配管などの流路形状
  • 摩擦と熱移動
  • 最小流路面積と流量係数

特に調節弁や安全弁では、一般配管のK値計算ではなく、規格とメーカー式による圧縮性流体サイジングを使います。配管本体が低Machでも、弁座やオリフィスの最小断面だけがチョークすることがあります。

図6は、一様径の直管ではなく、ノズル、弁座、オリフィスなど最小流路がある場合を例にした原理図です。未チョーク、臨界点、チョーク後の順に見ると、チョーク後もガスは止まらず、上限流量で流れ続けることが分かります。

同じ上流状態とノズル形状で、未チョーク、最小断面Mach1の臨界点、下流圧力をさらに下げても質量流量が増えないチョーク後を比較した図
同じ上流状態とノズル形状で、未チョーク、最小断面Mach1の臨界点、下流圧力をさらに下げても質量流量が増えないチョーク後を比較した図(一次資料を参考に当サイト作成)

蒸気は圧力損失だけでなく放熱・凝縮・乾き度を確認する

蒸気配管では、「気体の圧縮性」だけでは足りません。圧力低下と放熱によって蒸気状態が変わるからです。

過熱蒸気

過熱度に余裕があり、配管内で単相蒸気を維持できるなら、局所圧力・温度に対応する蒸気表または物性式で比体積を更新します。圧力低下だけでなく、放熱による温度低下も入れます。

飽和蒸気

飽和蒸気は、圧力ごとに飽和温度が決まります。配管から熱を失うと一部が凝縮し、湿り蒸気になります。湿り蒸気の比エンタルピーは、

h = h’ + x(h” – h’)

で表されます。h’は飽和液、h”は乾き飽和蒸気の比エンタルピー、xは乾き度です。x=1が乾き飽和蒸気、0<x<1が湿り蒸気です。

湿り蒸気は気液二相流です。乾き度が下がると、単相蒸気のDarcy計算だけでは、圧力損失、流動様式、液滴衝突、ウォータハンマ、ドレン滞留を評価できません。

蒸気配管では、少なくとも次を一緒に確認します。

  • 入口蒸気圧力、温度、過熱度または乾き度
  • 保温を含む配管放熱量
  • 圧力低下後の飽和温度
  • 凝縮量とドレン発生位置
  • 配管勾配、ドレンポケット、蒸気トラップ配置
  • 起動時の暖管負荷と定常時負荷
  • 末端で必要な圧力、温度、乾き度
乾き飽和蒸気が配管を流れ、摩擦による圧力低下と外部への放熱によって一部凝縮し、下流で湿り蒸気とドレンになる図
乾き飽和蒸気が配管を流れ、摩擦による圧力低下と外部への放熱によって一部凝縮し、下流で湿り蒸気とドレンになる図(一次資料を参考に当サイト作成)

計算例:入口密度1点では10%を超える空気配管

圧力損失比による計算法の切替と、平均密度反復を確認します。

条件

項目
流体乾燥空気、理想気体近似
流れ定常、等温
入口絶対圧力p1_abs600 kPaA
温度T20℃(293.15 K)
質量流量m_dot1000 kg/h
管内径D50.0 mm
直管長L100 m
Darcy摩擦係数fD0.020
局部損失係数ΣK5.0
空気の気体定数Rs287.05 J/(kg・K)

このfDとΣKは、計算手順を示すために固定した仮定です。採用品の設計値ではありません。

1. 入口密度と入口流速を求める

ρ1 = p1/(RsT) = 7.130 kg/m³

A = πD²/4 = 0.0019635 m²

v1 = m_dot/(ρ1A) = 19.84 m/s

2. 入口密度だけで予備計算する

fD L/D + ΣK = 0.020×100/0.050 + 5 = 45

Δp_pre = 45×ρ1v1²/2 = 63.16 kPa

r_pre = 63.16/600 = 10.53%

10%を超えたため、入口密度1点の計算で終了せず、平均密度を更新します。

3. 平均圧力で密度を更新する

出口圧力を仮定し、入口と出口の平均絶対圧力から平均密度を求めて圧力損失を再計算します。

反復出口圧力kPaA平均密度kg/m³平均流速m/s
1536.847.13019.84
2533.346.75520.94
3533.136.73421.01
4533.126.73321.01

収束後は、

  • 出口絶対圧力:533.12 kPaA
  • 圧力損失:66.88 kPa
  • 圧力損失比:11.15%
  • 入口流速:19.84 m/s
  • 出口流速:22.33 m/s

です。入口密度だけの予備値63.16 kPaに対し、密度更新後は66.88 kPaとなりました。

比熱比1.4の理想空気としてMach数を確認すると、入口0.058、出口0.065です。Mach数は十分小さい一方、圧力損失比は10%を超えています。この例からも、Mach数だけで密度一定の可否を決められないことが分かります。

空気配管の圧力損失計算で入口密度だけの予備計算から平均密度を更新し、出口圧力533kPaへ収束する過程
空気配管の圧力損失計算で入口密度だけの予備計算から平均密度を更新し、出口圧力533kPaへ収束する過程(一次資料を参考に当サイト作成)

よくある間違い

ゲージ圧で圧力損失比を計算する

密度、圧力比、臨界圧力比は絶対圧力が基準です。圧力計のkPaGをそのまま分母へ入れません。

Nm³/hを配管内の実体積流量として流速を出す

Nm³/hは標準状態換算値です。質量流量へ直し、配管の局所圧力・温度・Zから実体積流量と流速を求めます。

入口密度を全長へ固定する

下流ほど密度が下がり、流速と単位長さ当たりの損失が増えます。予備計算後に圧力損失比を確認し、必要なら平均密度または区間分割へ移ります。

M<0.3だけで「圧縮性を無視できる」と判断する

Mach数は速度起因の圧縮性の指標です。入口から出口までの圧力低下に伴う密度変化は、圧力損失比で別に確認します。

臨界圧力比0.5や0.528を万能値にする

0.528は比熱比1.4の理想空気を使ったノズル例です。気体物性、流路形状、摩擦、熱移動で臨界条件は変わります。

飽和蒸気を全長で乾き度1とする

配管放熱によって一部が凝縮すれば湿り蒸気です。圧損計算と熱収支を分けず、蒸気表、乾き度、ドレン排出を確認します。

調節弁を一般K値だけで計算する

調節弁は流量係数、圧力回復、膨張係数、チョーク、騒音などを含む専用サイジングが必要です。配管のΣKへ固定値として入れるだけでは不十分です。

設計レビューで確認すること

  • 流量は質量流量、標準体積流量、実体積流量のどれか明記されているか
  • Nm³/hまたはSm³/hの基準圧力、基準温度、乾湿基準は明記されているか
  • 圧力比と密度計算に絶対圧力を使ったか
  • 温度はKへ換算したか
  • ガス組成、分子量、圧縮係数Z、比熱比、音速の出典は明記されているか
  • 入口・出口・最小断面で圧力、密度、流速、Mach数を確認したか
  • 予備計算後の圧力損失比に応じて計算法を選び直したか
  • 等温・断熱・実際の熱移動条件のどれを仮定したか
  • 直管、局部、機器、調節弁の損失を適切な方法で分けたか
  • 最大流量だけでなく、最小流量、起動、停止、将来増産を確認したか
  • チョーク後の流量を下流圧力低下だけで増やそうとしていないか
  • 蒸気は過熱度、飽和温度、乾き度、凝縮量、ドレン排出を確認したか
  • 末端設備に必要な圧力、温度、相状態を満たすか

まとめ

  • ガス・蒸気は圧力低下に伴って密度が下がり、実体積流量と流速が増える
  • 圧力損失比は `r=(p1_abs-p2_abs)/p1_abs` とし、絶対圧力で計算する
  • 10%未満は代表密度のDarcy近似、10~40%は平均密度または区間分割、40%以上は圧縮性専用計算が目安
  • Mach数と圧力損失比は別の指標なので、両方を確認する
  • Nm³/hは基準状態換算値であり、配管内の実体積流量ではない
  • 等温、断熱、実在気体のモデルを運転条件に合わせる
  • M=1へ達するとチョークし、下流圧力を下げても質量流量は増えなくなる
  • 蒸気は圧力損失だけでなく、放熱、飽和温度、乾き度、凝縮、ドレン排出まで確認する

液体用の式を使うこと自体が誤りなのではありません。どの範囲まで近似として使えるかを判定せず、入口密度1点のまま最後まで計算することが問題です。予備計算、圧力損失比、密度更新、Mach数、相状態の順で確認し、必要な段階で圧縮性専用計算へ切り替えてください。

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参考文献

  • 西野悠司『絵とき「配管技術」基礎のきそ』PDF p.93-95(紙面p.87-89、圧縮性流体の密度・流速変化、圧力損失比10%・40%、チョーク) Amazonで見る
  • 西野悠司『プラント配管の原理としくみ』PDF p.63-64(紙面p.57-58、圧縮性流体の圧力損失計算方法) Amazonで見る
  • 西野悠司『配管設計実用ノート』PDF p.40-41、p.194(紙面p.37-38、p.191、ガス配管の等温・断熱計算、蒸気状態と乾き度) Amazonで見る
  • 日本機械学会『流体力学』PDF p.190、p.198、p.202(紙面p.178、p.186、p.190、Mach数、圧縮性流れの領域、臨界状態とチョーク) Amazonで見る
  • 『メーカーの技術者が書いた やさしく計装がわかる 工業計測と制御の基礎』PDF p.84、p.91(紙面p.70、p.77、気体の状態式、Nm³/hの基準状態、乾湿基準) Amazonで見る
  • 『よくわかる 計算問題の解き方(第5次改訂版)』PDF p.218、p.327(紙面p.202、p.311、蒸気配管の放熱と湿り蒸気、乾き度) Amazonで見る