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ドライガスシールのしくみと監視|シールガス・1次ベント・セパレーションガスの読み方と異常のサイン

ドライガスシールのしくみと監視のアイキャッチ

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遠心圧縮機の横にある小さな盤には、流量計と差圧計、フィルタ、調節弁が並んでいます。ドライガスシールに清浄なガスを送り、漏れたガスの量を測るための盤です。軸封そのものはケーシングの中にあって見えないので、運転員がシールの状態を知る手掛かりは、この盤の計器しかありません。

ドライガスシールは、回転中は端面が浮いていて摩耗しない、よくできたシールです。一方で、端面のすきまは数μmしかなく、汚れたガスや液、軸受の油が入るとすぐに傷みます。しかも故障の多くは、シール本体ではなく、ガスを送る系統や運転のしかたが原因です。

この記事では、化学プラントの現場オペレーターとエンジニア向けに、ドライガスシールが浮く原理、配列の選び方、シールガス・ベント・セパレーションガスの系統、起動と停止の順序、1次ベント流量の傾向の読み方、よくある故障を整理します。ロッドパッキン・ラビリンス・オイルフィルムシールを含めた軸封全体の比較は圧縮機の軸封で解説しています。

この記事の結論

  • ドライガスシールは、回転で動圧溝がガスを押し込み、端面を数μm浮かせる非接触シールです。止まっているときと低速では浮かず、端面は接触します。
  • 配列は「漏れたプロセスガスをどこへ出すか」と「窒素がどこへ入ってよいか」で選びます。水素やエチレンのように大気へも出せず窒素の混入も困るガスには、中間ラビリンス付きタンデムを使います。
  • シールガスは、ろ過して乾いた状態で、機内より少し高い圧力で切らさず送ります。起動・停止・加圧待機中は吐出ガスでは差圧が足りないので、外部のガスやブースタで補います。
  • 一般に、セパレーションガスは潤滑油を流す前に入れ、潤滑油を止めてから止めます。2次ベントは絞らず、塞ぎません。
  • 1次ベント流量は値より傾向で読みます。じわじわ上がれば劣化、急に跳ね上がれば損傷、ばらつけば液や油の混入を疑います。

1. ドライガスシールとは ― ガスの膜で浮く非接触のメカニカルシール

ドライガスシールは、ポンプのメカニカルシールと同じく、軸と一緒に回る回転環(メイティングリング)と、ばねで押し付けられた固定環(シールリング)の端面で封じる端面シールです。違うのは、端面の片方に浅い溝(動圧溝)が刻んであり、回転中は端面の間にガスの膜ができて接触しないことです。

摩耗はほとんど起きませんが、漏れはゼロではなく、わずかなガスが端面を通り抜けます。 この少量の漏れをベントで集めて測り、シールの状態を知ります。

遠心圧縮機でドライガスシールが主流になった理由は、主に2つあります。

  • 周速:接触形のメカニカルシールで使える周速はおおむね100 m/s程度までとされ、高速の遠心圧縮機ではシール部の周速が130 m/sを超えることがあります。接触しないドライガスシールはこの領域でも使えます
  • 油の系統が要らない:オイルフィルムシールのように、シール油のポンプ、ヘッドタンク、サワーオイルの脱ガス装置を持たなくて済みます。油がプロセスガスへ混ざる心配もありません

2000年代初めの時点で、新しく作られるプロセスガス用の遠心圧縮機の8割以上がドライガスシールを備えていたと報告されています。液を扱うポンプのメカニカルシールの構造は、メカニカルシールの構造とフラッシングを参照してください。

2. 動圧溝で浮く原理 ― 回転が溝にガスを押し込み、圧力の山が端面を押し開く

止まっているとき、固定環はばねと背面にかかるガスの圧力で回転環に押し付けられ、端面は閉じています。回転すると、次のことが起きます。

  1. 回転環の端面の溝が、外周側のガスを引きずり込み、溝に沿って内側へ押し込む
  2. 押し込まれたガスは溝の行き止まり(溝のない内周の帯。ダムと呼ぶ)でせき止められ、溝の根元で圧力が上がる
  3. 端面の間の圧力が固定環を押し開く力が、ばねと背面のガス圧で閉じる力を上回ると、固定環がわずかに後退してすきまができる
  4. すきまが狭まれば圧力の山が高くなって押し戻し、広がれば山が低くなって閉じる。こうしてすきまは数μm(メーカー資料で約3〜5 μm)に自然に保たれる
動圧溝がガスを押し込み、端面が浮く

この仕組みから、運転で気をつけることが2つ出てきます。

一つは、浮くには回転数が要ることです。ターニングやごく低速の回転、長い惰性回転の間は、溝がガスを十分に押し込めないので端面が接触したまま回ります。メーカーは、低速での接触運転を続けると端面が摩耗し、削れた粉が溝を埋めて浮きにくくなり、発熱や端面の割れにつながると説明しています。

もう一つは、溝の向きと回転方向が組になっていることです。よく使われるスパイラル溝は一方向回転用で、逆に回るとガスを押し込めません。両方向に回せる形の溝もあります。トリップ後に吐出側のガスが逆流して圧縮機が逆回転すると、一方向回転のシールは傷みます。吐出側の逆止弁や遮断弁の働きも、シールを守る設備の一部です。

3. 配列の種類と選び方 ― シングル・タンデム・中間ラビリンス付きタンデム・ダブル

ドライガスシールは、シール1組で使うこともあれば、2組を並べて使うこともあります。並べ方(配列)の違いは、漏れたプロセスガスがどこへ出ていくかと、窒素がどこへ入るかの違いです。

ドライガスシールの4つの配列|ガスがどこへ出ていくか
配列構成漏れの行き先主な用途
シングルシール1組ベントから大気(安全な場所)へ空気や窒素など、漏れても害のないガス
タンデム2組を直列。機内側の1次シールが圧力を受け、大気側の2次シールは予備1次ベントからフレアへ。2次ベントからごく少量が大気側へ窒素が使えず、ごく少量なら大気側へ出てもよい場合
中間ラビリンス付きタンデム2組の間にラビリンスを置き、窒素(2次シールガス)を送るプロセスガスはすべて1次ベントからフレアへ。2次シールを通るのは窒素水素、エチレン、プロピレンなど、大気へ出せず窒素の混入も困るガス
ダブル2組の間に窒素などのバッファガスを機内より高い圧力で送る窒素が機内側と大気側の両方へ流れる。プロセスガスは外へ出ない外へは出せないが、機内へ少量の窒素が入ってよい場合、低圧の機械

選び方は、次の順に考えると整理できます。

  1. 漏れても害がない(空気・窒素)ならシングル
  2. 少量の漏れをフレアへ送れて、窒素がない、または使いたくないならタンデム
  3. 大気へも出せず、窒素の混入も困るなら中間ラビリンス付きタンデム。プロセスガス用では、タンデム系の配列が一般的です
  4. 機内へ窒素が入ってもよく、外へは一切出せない、または圧力が低いならダブル

どの配列でも、軸受側にはセパレーションシール(油切りの役をするシール)があり、窒素や空気を送って軸受の油を仕切ります。タンデムの2次シールは、1次シールが壊れたときにプロセスガスを大気へ出さないための予備です。2次シールで運転を続ける状態は「保険を使っている状態」と考え、早めに停止計画を立てます。

4. シールガス ― 清浄で乾いたガスを、いつでも少し高い圧力で

シールガスは、1次シールの機内側(内側ラビリンスとの間)へ送るガスです。役割は2つあります。

  • 汚れたプロセスガスを端面に近づけない:シールガスは機内側の基準圧(バランスライン)より少し高い圧力で送られ、大部分(例では8割以上)は内側ラビリンスを通って機内へ流れ込みます。この流れが、機内の汚れたガスを押し返します
  • 端面の膜になるガスを供給する:残りの少量が1次シールの端面を通り抜け、1次ベントへ出ていきます

シールガスの圧力の保ち方には、基準圧との差圧を一定にする方式と、オリフィスで流量を一定にする方式があります。どちらの方式でも、シールガスの差圧(供給圧力−基準圧)が下がることは、プロセスガスが端面へ近づくことを意味します。

どこから取るか

ふだんは、圧縮機の吐出ガスを少し分けてシールガスにするのが一般的です。吐出ガスは吸込側より圧力が高く、温度も高いので、そのまま使いやすいからです。

ただし、起動・停止・加圧したままの待機(加圧待機)では、圧縮機の前後の差圧がほとんどなく、吐出ガスではシールガスを送れません。 このままではシールガスの流れが止まり、ろ過していないプロセスガスが端面へ回り込みます。軽負荷の待機運転を続けていた圧縮機で、シールガスの差圧が足りずにシールが汚れて壊れた例も報告されています。対策として、次のような別の供給源を用意します。

  • 窒素や別系統の高圧ガスなど、外部のガス
  • 並列の圧縮機からの融通
  • シールガスのブースタ(シールガスを昇圧する小さな圧縮機)

ろ過と加温

端面のすきまは数μmなので、シールガスは細かいフィルタでろ過します(ろ過の細かさはメーカーの指定に従います)。フィルタは2基を並べて切り替えられるようにし、差圧計で詰まりを見ます。

液も大敵です。シールガスはフィルタ、弁、オリフィス、端面を通るたびに圧力が下がり、そのたびに温度も下がります(ジュール・トムソン効果)。 炭化水素の重い成分や水分を含むガスでは、この冷えで液滴や水和物ができ、端面を傷めます。そこで、減圧の全過程を通して露点より十分高い温度を保つよう、ヒータでシールガスを温め、配管を保温・トレースします。 必要な温度の余裕はメーカーの推奨に従い、ガス組成が変わったときは見直します。

設計の段階では、シールガスの組成から相平衡の図(圧力と温度で気体・液体の領域を示す図)を描き、供給点から1次ベントまで減圧していく道筋が液や固体の領域に入らないことを確かめる方法がとられます。原料や運転条件が変わってガスが重くなったときは、以前は問題なかったシールガスでも液が出ることがあります。

5. ベントとセパレーションガス ― 漏れの出口と軸受油の仕切り

シールを出ていくガスの出口が1次ベントと2次ベント、軸受側から入れる仕切りのガスがセパレーションガスです。

ドライガスシールのガス系統と監視点
系統何が流れるか行き先守ること
1次ベント1次シールを通り抜けたガス(中間ラビリンス付きでは窒素も)フレアなど低圧の回収先オリフィスで流量・圧力を測る。低い圧力に保つ
2次ベント2次シールとセパレーションシールから出たガス大気圧に近い安全な場所絞らない、塞がない。低い所に油や液のドレンを設ける
セパレーションガス窒素(または空気)セパレーションシールの2枚の間へ入り、軸受側と2次ベント側へ分かれる軸受の油をシールへ入れない

1次ベントの行き先の圧力が上がると、1次シールの前後の差圧が崩れます。複数の圧縮機の1次ベントを1本のフレアヘッダへまとめる場合は、1台のシールが壊れて漏れが増えても背圧が上がりすぎないよう、ヘッダを設計します。1次ベントの圧力高には、警報や停止を組むのが一般的です。

2次シールにかかる差圧はもともと小さいので、2次ベントにわずかな背圧がかかっただけで、2次シールが逆向きに加圧されます。 逆向きの圧力は、シールを壊す原因になります。2次ベントには弁を付けず、配管の途中で液や油がたまらないよう低い所にドレンを設けます。

セパレーションシールには、ラビリンス形と、カーボンリングを並べた形(軸に接触するものと、わずかなすきまを持つもの)があります。ラビリンス形は丈夫ですが窒素の使用量が多く、カーボンリング形は使用量が少なくて済みます。メーカーの経験では、軸受箱に油があふれ気味になる条件では、軸に接触するカーボンリング形は油を止めきれなかった例が報告されています。軸受の排油口を詰まらせない、軸受箱の通気を妨げない、といった軸受側の管理も、油をシールへ入れない対策の一部です。

セパレーションガスに空気を使う場合は、2次ベントで可燃性のプロセスガスと空気が混ざります。爆発性の混合気を作らないよう、ベントの行き先と組み合わせを確かめます。

6. 起動と停止の順序 ― セパレーションガスは潤滑油の前に入れ、後に止める

ドライガスシールの機械では、ガスと油を入れる順番がシールの寿命を左右します。ここに書くのは一般的な考え方で、実際の手順は機械ごとにメーカーの取扱説明書と運転要領に従います。

起動のとき

  1. セパレーションガスを入れ、規定の圧力になったことを確かめる。 セパレーションガスの圧力が確立しないと潤滑油ポンプを起動できないインターロックを組むことが推奨されています
  2. 潤滑油ポンプを起動し、油圧・油温を整える(潤滑油系統の立上げは圧縮機の潤滑と冷却)
  3. 外部のガスやブースタでシールガスを確立し、シールガスの差圧が出てから機内を加圧する
  4. 1次ベントの流量・圧力、フィルタ差圧が平常の範囲にあることを確かめてから起動する
  5. 低速で長く回さない。 浮上に要る回転数を速やかに超え、定常の回転数へ上げる

据付後の初回起動やフラッシング、メカニカルランの進め方は圧縮機の据付と試運転で解説しています。

停止と待機のとき

  • 加圧したまま止めておく間も、シールガスを切らさない(外部のガスやブースタへ切り替える)。止まっている間に汚れたガスや液が端面へ回り込むのを防ぐため
  • 機内を減圧するときは、メーカーが決めた速さを超えない。高圧のガスを急に抜くと、Oリングの中にしみ込んだガスが膨らんでOリングが傷むことがあります
  • 潤滑油は、ターニングが終わって油を止めてよい状態になってから止め、セパレーションガスはその後に止める。 油ポンプが動いている間は、セパレーションガスが要ります
  • トリップ後の逆回転に注意する。吐出側の逆止弁や遮断弁が漏れると、ガスが逆流して圧縮機が逆に回ることがあります

「セパレーションガスは先に入れて後に止める」「シールガスは加圧中は切らさない」の2つは、手順書のどこにあっても守るべき点です。

7. 監視 ― 1次ベント流量は「値」より「傾向」で読む

シールの状態をいちばんよく表すのは、1次ベントの流量と圧力です。1次ベントの流量や圧力が上がってくる、シールガスの差圧が下がってくる、はどちらもシールの劣化を示します。

ただし、1次ベントの流量は、シール前後の圧力、回転数、ガスの温度でも変わります。比べるときは、同じような運転条件(吸込圧力・回転数)の日どうしで比べます。 警報の設定は、メーカーが保証する漏れ量の何倍か(例えば10倍)という形で決める例があります。

1次ベント流量の傾向と判断
傾向の形疑うことすること
平常の帯の中で横ばい問題なし記録を続ける
じわじわ上がる端面の摩耗・汚れ、膜の状態の変化シールガスの差圧・フィルタ差圧・温度を確認し、交換の計画を立てる
急に跳ね上がる端面の割れ・欠け、Oリングの損傷。タンデムなら2次シールが圧力を受け始めた2次ベント側の変化も確かめ、運転要領に従って停止を判断する
上下にばらつく、脈動する液の混入、軸受油の侵入ドレン、フィルタ、セパレーションガスの圧力、ベント配管の低い所を確認する
低すぎる、ゼロに張り付く計器・導圧管・オリフィスの詰まり、低速での接触運転計器と配管を確かめる。低いから安心とは考えない

あわせて見る計器は次のとおりです。

  • シールガスの差圧(供給圧力−基準圧):下がればプロセスガスが端面へ近づく
  • フィルタ差圧:上がれば詰まり。警報の前に切り替えて交換する
  • シールガスの温度(ヒータ出口):下がれば液が出るおそれ
  • セパレーションガスの圧力・流量:下がれば軸受油がシールへ入るおそれ
  • 2次ベントの圧力(計器がある場合):上がれば2次シールが逆向きに加圧される

8. よくある故障 ― 液・汚れ、逆圧、低速回転、潤滑油の侵入

ドライガスシールの故障の多くは、シール本体の欠陥ではなく、周りの系統と運転が原因です。 天然ガス圧縮機の故障データを引いたメーカー資料では、シールガスの汚れ(粒子・液)が43%、プロセスガスによる汚れ(停止中にシールガスが止まったときなど)が34%、軸受の潤滑油の侵入が21%を占めています。

きっかけ何が起きるか前兆対策
シールガスに液・粒子が入る端面の摩擦が増えて発熱し、摩耗や熱割れ、Oリングの劣化へ1次ベントの圧力・流量のばらつき、フィルタ差圧の上昇ろ過、ヒータと保温、ドレン抜き、ガス組成の確認
加圧待機・起動時にシールガスが止まるろ過していないプロセスガスや、冷えてできた液が端面へ入る待機後の起動で1次ベント流量が高い、起動時の抵抗が大きいブースタや外部のガスで待機中もシールガスを流す
潤滑油がシールへ入る端面に油と汚れが付き、起動時に端面が張り付く。駆動部の破損や端面の割れへ2次ベントや排出口に油、1次ベント圧力の変動セパレーションガスを先に入れて後に止める、軸受側のドレンと通気を確保する
ベントに背圧がかかる2次シール(または1次シール)が逆向きに加圧されて傷む2次ベント・1次ベントの圧力上昇2次ベントを絞らない、1次ベントの行き先の背圧を管理する
低速での長い回転端面が接触したまま回り、摩耗粉が溝を埋める1次ベントの流量・圧力が低い、発熱浮上に要る回転数を速やかに超える。ターニング中の扱いはメーカーに従う
急な減圧、逆回転Oリングの損傷、一方向回転の溝での損傷減圧・トリップの後に1次ベント流量が上がる減圧速度を守る、吐出側の逆止弁・遮断弁を保全する

振動やサージも、端面を揺さぶってシールを傷める原因になります。振動の見分け方は遠心圧縮機の振動と異常、サージに入れない制御は圧縮機のサージングとアンチサージ制御で解説しています。

9. 日常点検と保全の早見

見るもの平常異常のサイン
1次ベント流量・圧力同じ運転条件で前回と同じ上昇傾向、急な跳ね上がり、ばらつき、ゼロ張り付き
シールガスの差圧・流量規定の範囲差圧の低下、流量の大きな変化
フィルタ差圧規定の範囲上昇(切替え・交換)
シールガスの温度規定の温度低下(液が出るおそれ)
セパレーションガスの圧力・流量規定の範囲低下(油が入るおそれ)
系統の低い所のドレン液が出ない液や油が出る
2次ベント詰まり・液だまりがない圧力上昇、油の付着

保全では、フィルタを差圧に応じて交換し、系統の低い所のドレンを決まった間隔で抜き、1次ベント流量などの記録を傾向として残します。判定の基準は「平常と変わらないこと」です。 シール本体の分解・修理は精密な作業なので、一般にメーカーの専門工場で行います。

まとめ

  • ドライガスシールは、動圧溝がガスを押し込み、端面を数μm浮かせる非接触シールです。 止まっているときと低速では端面が接触します。溝の向きと回転方向は組になっています。
  • 配列は、漏れたプロセスガスの行き先と窒素が入ってよい所で選びます。 水素やエチレンなど、大気へも出せず窒素の混入も困るガスには中間ラビリンス付きタンデムを使います。
  • シールガスは、ろ過・加温して乾いた状態で、機内より少し高い圧力で切らさず送ります。 起動・停止・加圧待機中は外部のガスやブースタで補います。
  • 2次ベントは絞らず塞がず、セパレーションガスは潤滑油の前に入れて後に止めます。 実際の手順はメーカーの取扱説明書に従います。
  • 1次ベント流量は傾向で読みます。 じわじわ上がれば劣化、跳ね上がれば損傷、ばらつけば液や油の混入、低すぎれば計器や低速での接触を疑います。
  • 故障の多くは、液・汚れ、停止中の汚染、潤滑油の侵入といった、シールの周りの系統と運転が原因です。

ほかの軸封との比較は圧縮機の軸封、圧縮機全体の地図は圧縮機完全ガイドにまとめています。

参考文献

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む