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面積式・容積式・タービン・熱式流量計|ロータメータは垂直、PD メータは高粘度向き、MFC

面積式・容積式・タービン・熱式流量計のアイキャッチ

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現場の小さな流量計の多くは、この4方式のどれかです。ガラス管の中で浮き(フロート)が上下しているのは面積式、油のラインで積算カウンタを回しているのは容積式、羽根車の回転をパルスにしているのはタービン式、窒素や原料ガスの細い配管に付いている電子式の箱は熱式であることが多いです。

4方式には共通点があります。面積式・容積式・タービン式は、流れの力で部品を動かして測るので、可動部の汚れや磨耗がそのまま誤差になります。熱式は可動部がない代わりに、きれいな気体しか測れません。

この記事では、4方式それぞれについて、原理、向く流体、現場の注意の3点に絞って説明します。

この記事の結論

  • 面積式(ロータメータ)は垂直に付ける。フロートの高さが流量。電源なしで読めるが、精度はフルスケールの 2〜5% 程度で、流体の密度が変わると指示が狂う
  • 容積式(PD メータ)は升で量る流量計。精度は指示値の 0.5〜0.2%、粘度が高いほど正確。異物に弱いので上流のストレーナとバイパス配管がセット
  • タービン式は羽根車の回転を数える。低粘度の清浄な液を高精度に測れるが、軸受の磨耗で寿命がある。流れの偏りや旋回に弱い
  • 熱式は気体の質量流量を直接測る。調節弁と一体にしたのがマスフローコントローラ(MFC)。きれいな乾いた気体専用で、ガスの種類が変わると指示が変わる
  • 高圧の気体ラインのガラス管式は、逆流でフロートが打ち付けられ破裂することがある

1. 4方式を見分ける

まず、4方式の違いを1枚の表にまとめます。

現場の小さな流量計4方式
現場の小さな流量計4方式
方式何を見て測るか向く流体出てくる値主な使い道
面積式テーパ管の中のフロートの高さ液・気体・蒸気(きれいなもの)瞬時の体積流量パージ用の小流量の監視、現場指示
容積式計量室を通った回数液(高粘度に強い)、一部は気体積算の体積流量石油製品の取引、潤滑油・重油の計量
タービン式羽根車の回転数低粘度の清浄な液積算・瞬時の体積流量(パルス)石油製品の取引、冷却水の監視
熱式熱が流れに運ばれる度合いきれいな乾いた気体質量流量ガスの微少流量、MFC

化学プラントの主な流量計(差圧式・電磁式・渦式・コリオリ式)に比べると、どれも口径が小さく、用途が限られています。そのぶん「その用途なら一番安い」「その流体ならこれしかない」という場面で使われます。

2. 面積式|フロートの高さを読む、垂直に付ける

原理

下から上に向かって広がる透明なテーパ管(先が広がった管)の中にフロート(浮き子)を入れ、流体を下から上に流します。フロートは流れに押し上げられますが、上がるほどテーパ管とのすき間が広がって押し上げる力が弱まり、フロートの重さと釣り合った高さで止まります。このフロートの高さが流量を表します。フロート自体が指針になるので、ほかに表示の仕組みは要りません。

「面積式」の名は、流量によってフロートまわりのすき間の面積が変わることから来ています。原理的には、絞りの面積が変わるオリフィスと同じです。

テーパ管はガラスやアクリル樹脂が普通です。高温・高圧・腐食性の流体では金属のテーパ管を使い、フロートに内蔵した磁石で外の指針を回して位置を知らせます。この形には、4-20 mA の信号を送れる伝送器付きもあります。

向く流体と長所

連載記事と教科書が挙げる長所は次のとおりです。

  • 構造が簡単で安い。保守もほとんど要らない
  • 直管部が要らない。流速分布の影響を受けない
  • 現場指示に電源が要らない。事故や災害で停電しても流量が分かる
  • 液体・気体・蒸気・低濃度のスラリーまで測れる。粘度は口径にもよるが 10 mPa·s 程度まで
  • 微少流量まで測れる。細いガラス管とボール形のフロートを使うパージメータは、計器や機器に流す水・空気・窒素の監視に大量に使われている
  • 測れる範囲は最大目盛の 10〜100% 程度

一方、精度は高くありません。流量計の手引きはフルスケールの 2〜5% 程度とし、主に流量の監視用としています。口径も 50 mm 以下が一般的です。

現場の注意

  1. 垂直に付ける:フロートの重さを使うので、原理的に垂直以外の姿勢はとれない。ばねで押し戻す水平取付用もあるが用途は限られる
  2. 密度が変わると指示が変わる:流体の密度が大きくなるとフロートは見かけ上軽くなり、体積流量が同じでも指示が変わる。気体は温度と圧力で密度が大きく変わるので、目盛を付けたときの条件で使う。水素のように密度の低い気体は、加圧して測る
  3. フロートのトラブル:汚れ、磨耗、腐食、付着。付着性の流体では、低流量でフロートが最下位置に固着することもある
  4. 打ち付けに注意:空の配管に液が勢いよく流れ込むと、フロートが上部のストッパに激しく当たって内部を傷める。高圧気体の配管で上流側の圧力が突然抜けると、気体が逆流してフロートが下部のストッパに打ち付けられ、最悪の場合は破裂事故になる。高圧ガスのラインにガラス管のパージメータを使うときは特に注意する
  5. 脈動:脈動流ではフロートが振動して誤差になり、特定の周波数では共振で壊れることもある。上流側の圧力が低いと、脈動がなくてもフロートがハンチングする
  6. 金属管の磁石:フロートの磁石が配管の鉄さびを吸い寄せる。磁性の異物が多いなら上流に磁気フィルタを置く
  7. ガラスの熱衝撃:急な温度変化でガラス管が割れる。心配なら金属製の外筒の形を選ぶ

計装誌のトラブル事例に、実験プラントの金属管面積式が 0% と 100% の間を十数秒周期で振れ続け、「データにならない」と苦情が出た話があります。原因は上流の単動ダイヤフラムポンプで、ゆっくり動くうえに毎回の行程の終わりに休止があり、流れそのものがオンオフになっていました。流量計は正しく、流れが間欠だったのです。

3. 容積式|升で量る、高粘度ほど正確

原理

容積式流量計は、ケースの中の回転子とケースの間にできる決まった容積の部屋(計量室)に流体を満たし、流体の圧力で回転子を回しながら下流へ送り出します。計量カップで1杯ずつ測り取る作業を、連続して行っているのと同じです。英語の頭文字から PD メータとも呼ばれます。

容積式はストレーナとバイパス
容積式はストレーナとバイパス

回転子には、楕円形の歯車を2つかみ合わせたオーバルギヤ式、まゆ形の回転子を2つ組み合わせたルーツ式などがあります。家庭のガスメータは、隔膜で仕切った計量室を使う膜式の容積式です。

流量計の手引きは、オーバルギヤ式の流量を次の式で表しています。

Q = 4 × N × V

Q は流量、N はギヤの回転数、V はギヤとケース内壁の間の計量室の容積です。ギヤが 1/4 回転するたびに V だけ送り出すので、1回転で4杯分になります。たとえば計量室が 0.1 L の流量計が毎分 250 回転していれば、4 × 250 × 0.1 = 100 L/min です。回転数を数えれば積算流量、回転の速さを見れば瞬時流量が分かります。

向く流体と長所

  • 精度が高い:指示値の 0.5〜0.2%。取引用に使われる
  • 粘度が高いほど正確:多くの流量計は粘度が高いと測れる範囲が狭くなるが、容積式は回転子とケースのすき間からの漏れが減り、逆に精度を保証できる範囲が広がる。重油、潤滑油、アスファルトの計量に使われる
  • 直管部が要らない
  • 積算表示だけなら外部電源が要らない。ガソリンスタンドや灯油の販売車のように、引火性のガスがあるかもしれない場所で使いやすい

主な測定対象は液体です。オーバルギヤ式とルーツ式は気体にも使えます。

現場の注意

  1. 異物に弱い:固形物が回転子とケースの間に挟まると回転が止まる。繊維状の異物も軸に絡む。上流にストレーナが必須
  2. バイパス配管を付ける:ストレーナの掃除や流量計の点検で流れを止められないなら、バイパス配管が要る。いったん異物でトラブルになると、流量計を外してメーカーで点検・校正する間、長く使えない
  3. 回転子が止まれば流れも止まる:教科書は、可動部の回転不良で流れが止まってもよい用途に限る、としている
  4. 低粘度は苦手:すき間からの漏れが増えて精度が落ちる。ガソリンではマイナスに出る傾向がある。液化ガスのような低粘度の液は難しい。純水は潤滑性が低く、歯車の欠損やかじりが起きた例がある
  5. 圧力損失:粘度が高いほど増える。ストレーナと合わせた圧損は大きい
  6. 下流に脈動を出す:容積式は一定量ずつ送り出すので、下流の流れは脈動する。大口径では振動や騒音も大きい。下流に脈動を嫌う計器や渦流量計を置かない
  7. 定期点検と実流校正:軸受や回転子の磨耗を点検する。本体に加えて、ストレーナ、バイパス配管、定期点検の費用を合わせた総費用は高い

4. タービン式|羽根車の回転を数える

原理

風車や水車が流れの速さに比例して回るのと同じように、流れで羽根車を回し、その回転数から流量を求めます。羽根車の回転数が体積流量に、回転の速さが瞬時流量に比例します。

風車に似た軸流式が工業用のタービン流量計で、主に高精度の計測に使います。水車に似た接線流式は羽根車式と呼ばれ、家庭の水道メータがその例です。

回転の取り出しは、磁気式が一般的です。管の外側に磁石と検出コイルを置き、磁性体の羽根がコイルの前を通るたびにパルスが出ます。1 L あたり何パルス出るかをメータ定数と呼び、流量計ごとに校正で決めます。パルスをそのまま積算計に入れるか、4-20 mA に変えて瞬時流量として使います。

向く流体と長所

  • 精度が高い:設置条件を守り保守を怠らなければ、指示値の 0.5〜0.2%。羽根車式はフルスケールの 2〜5% 程度
  • 低粘度の液に向く:容積式とは逆に、粘度が低いほど測れる範囲が広がる。LPG やガソリンの取引で特長を発揮する
  • 小型軽量で圧損が比較的小さい。口径は 10〜100 mm 程度が多い
  • 取付姿勢が自由:水平、垂直、斜め、どの姿勢でも付けられる

主な測定対象は液体で、潤滑性のある油類が最適です。気体用は、羽根車を支える軸受の潤滑が難しいため特殊な製品だけです。蒸気とスラリーは測れません。

現場の注意

  1. 軸受の磨耗:最大の弱点。車のタイヤと同じで、すり減っていつか寿命が来る。高精度で使うなら軸受の定期点検が必須
  2. 高粘度に不適:羽根のまわりに液がへばりつき、特性が悪くなる
  3. 直管部が要る:羽根車に当たる流速分布が偏ると誤差になり、流れが旋回していると羽根に当たる角度が変わって誤差になる。二平面にまたがるエルボは強い旋回流を作り、タービン式に大きな誤差を生む。小口径の羽根車式は直管部が要らない
  4. 故障すると信号が消える:冷却水の監視では、故障時に信号が消えるので安全、とむしろプラスに評価されている

冷却水の分岐管に渦流量計とタービン式を直列に入れたら、渦流量計の瞬時値だけが大きく振れた、という事例があります。分岐管の流量は常に揺らいでいて、渦流量計はそれを正直に示し、タービン式は羽根車の慣性で揺らぎを平均化していました。タービン式の指示が落ち着いているのは、流れが落ち着いているからとは限りません。

5. 熱式|熱の運ばれ方で気体の質量流量を測る

原理

熱式流量計は、流体が熱を運び去る度合いから流量を求めます。

流れると下流側が温まる
流れると下流側が温まる

代表的な形では、金属の細管にヒータを巻き、その上流側と下流側に温度センサを置きます。流れがないときはヒータの熱が両側に均等に伝わり、2つのセンサの出力は釣り合っています。流れると、上流側のセンサは冷えて、下流側のセンサは温まります。この崩れ方が流体の質量流量に比例します。流体が運ぶ熱は、流体の比熱、温度上昇、質量流量で決まるからです。

細管の内径は 0.5 mm 程度しかないので、流量計の内部で流れを主流と分流に分け、分流だけを細管に通して全体の流量を推定するのが一般的です。

小型の熱式流量計を調節弁と調節計と一体にし、それだけで流量を一定に制御する製品がマスフローコントローラ(MFC)です。多種類の純粋な原料ガスを使う半導体の製造プロセスで広く使われています。

向く流体と長所

  • 気体の質量流量を直接測れる:気体は温度と圧力で体積が大きく変わるので、ふつうは体積流量計、温度と圧力の伝送器、補正の演算器を組み合わせて標準状態の流量(NL/min や Nm³/h)に直す。熱式はそれ1台で済む
  • 可動部がない:うまく動き出せば保守の手間が少ない
  • 微少流量まで測れる:気体で 3 NmL/min、液体用の製品では 0.7 mL/min という微少な流量まで
  • 流量ゼロ付近まで信号が出る:渦流量計のように、ある流量でパッと信号が消えることはない

現場の注意

  1. きれいな気体専用:蒸気、液体、スラリーは測れない(液体の微少流量用の製品は別にある)
  2. 汚れに弱い:ほこりで細管が詰まれば測れなくなる。流量計の入口の金網は整流器で、ほこりを防ぐフィルタではない。細管を使わない形でも、ヒータやセンサの表面が汚れると誤差が増える。湿ったガスやオイルミストのあるラインは避ける
  3. ガスの種類で特性が変わる:熱を運ぶ能力はガスごとに違う。窒素用に買った流量計を、そのまま水素に使うことはできない。多くは空気か窒素で校正し、実験で求めた換算係数を使って他のガスに合わせている。水素のように熱をよく運ぶガスでは流速を制限する必要もある
  4. 挿入形は直管部が要る:大口径の配管に棒状のセンサを差し込む形は、原理的に流速を測ることになるので、上下流にある程度の直管部が要る
  5. 温度範囲は製品ごと:高温から低温まで使える製品があるが、1台で全部をカバーするわけではない。カタログで使用温度範囲を確かめる

6. 現場で見る場所

4方式の流量計の指示がおかしいとき、方式ごとに次を見ます。

  1. 面積式:取付が垂直か。フロートが汚れや付着で引っかかっていないか。流体の温度や圧力が、目盛を付けたときの条件から変わっていないか。上流に脈動源(往復動ポンプ)がないか
  2. 容積式:上流のストレーナの差圧や詰まり。バイパス弁が漏れていないか(漏れた分は流量計を通らず、指示は少なく出る)。流体の粘度が仕様より下がっていないか
  3. タービン式:軸受の点検時期。上流に二平面にまたがるエルボや弁がないか。メータ定数の設定が流量計の銘板と合っているか
  4. 熱式:流しているガスの種類が銘板や設定と合っているか。上流のフィルタ、ガスの湿り気やオイルミスト
  5. 共通:新しい流量計を既設の流量計やレベル計と比べて「合わない」とき、既設側が狂っていることも珍しくない

7. 先輩に聞かれたら答えられる3問

  1. 面積式流量計を水平配管に付けてはいけないのはなぜですか。
  2. 容積式流量計が、低粘度の液より高粘度の液のほうが正確なのはなぜですか。
  3. 窒素用の熱式流量計に水素を流すと、正しい値が出ないのはなぜですか。

答えは順に、フロートの重さと流れの力の釣り合いで測るので、原理的に垂直でないと使えないから/粘度が高いほど回転子とケースのすき間からの漏れが減るから/ガスによって熱を運ぶ能力が違い、流量と出力の関係が変わるから、です。

まとめ

面積式はテーパ管の中のフロートの高さで流量を読み、垂直に付けて使います。安く電源も要りませんが、精度はフルスケールの数%で、密度が変わると指示が狂います。容積式は升で量るように計量室の回数を数え、高粘度の液を高精度に積算できますが、上流のストレーナとバイパス配管が欠かせません。

タービン式は羽根車の回転を数え、低粘度の清浄な液に向きますが、軸受の磨耗と旋回流に注意が要ります。熱式はきれいな気体の質量流量を直接測り、MFC として流量制御にも使われますが、汚れとガスの種類の違いに弱い方式です。どれも「その用途、その流体なら最適」という流量計です。自分の担当の流量計がどの方式で、何が苦手かを知っておいてください。

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参考文献

  • 佐鳥聡夫「流量のお話 第7回 容積式流量計」MS TODAY, 2002年1月号
  • 佐鳥聡夫「流量のお話 第8回 面積式流量計」MS TODAY, 2002年2月号
  • 佐鳥聡夫「流量のお話 第9回 熱式流量計」MS TODAY, 2002年3月号
  • 佐鳥聡夫「流量のお話 第10回 タービン流量計他」MS TODAY, 2002年4月号
  • 佐鳥聡夫「流量のお話 第12回 流量計のトラブル」MS TODAY, 2002年6月号
  • 黒森健一『流量計ガイド ~選択と使い方の勘どころ~』, 8「容積流量計」、9「面積流量計」、10「その他の流量計」
  • 川村貞夫・石川洋次郎『メーカーの技術者が書いた やさしく計装がわかる 工業計測と制御の基礎』工業技術社, 2.3.4「面積式流量計」、2.3.5「容積式流量計」、【解説】電磁流量計の進歩  Amazonで見る
  • 佐鳥聡夫「現場計器の”不思議な”トラブルシューティング 第4回」計装, Vol.41 No.6 (1998)
化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む