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危険物乙4の第4類の貯蔵・取扱いの注意|換気・容器・接地の理由

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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)

最終確認:2026年9月23日

ガソリンの携行缶をしまうときは、ふたを固く閉め、満タンにせず、日の当たらない所に置きます。危険物乙4では、こうした第4類(だいよんるい)の貯蔵(ちょぞう)と取扱いの注意がよく問われます。決まりはたくさんありますが、理由は3つに束ねられます。

この記事でわかること

  • 換気を低い所で行い、屋外の高い所へ出す理由
  • 容器を密栓するのに、満タンにはしない理由
  • 接地(せっち)や流速(りゅうそく)の決まりが何を防いでいるか

第4類の貯蔵・取扱いの決まりは、蒸気をためない・火花を出さない・液をあふれさせない、の3つに束ねられます。

蒸気は空気より重いので、低い所から吸い出して屋外の高い所へ出します。

容器は密栓しますが、液がふくらむ分の空間は残します。

まず場面で:ガソリンの携行缶を物置にしまうとき

ガソリンを入れる携行缶は、金属でできた容器です。しまうときは、ふたを固く閉め、直射日光の当たらない風通しのよい場所に置きます。満タンまでは入れず、上に少し空間を残します。

開けるときにも手順があります。ふたを開ける前に、圧力を逃がすつまみを回して、中の圧力を抜いておきます。夏は液温が上がって蒸気の圧力が高くなり、いきなり開けると吹きこぼれることがあるからです。

1つ1つは、別々の注意に見えるかもしれません。けれど、どれも第4類の危険物(きけんぶつ)の性質から出てくる決まりです。次の節で、その理由を3つに分けて見ていきます。

貯蔵・取扱いの決まりは「蒸気・火花・あふれ」の3つに束ねられる

第4類の危険物は、どれも燃える液体です。取扱いの決まりは、燃える蒸気をためない、火花や熱を近づけない、液をあふれさせない、のどれかのためにあります。

貯蔵・取扱いの決まりは「蒸気・火花・あふれ」の3つに束ねられる(低い所の換気・接地・容器のすき間)

1つめは蒸気です。第4類の液体の表面からは、燃える気体が出ています。これを可燃性蒸気(かねんせいじょうき)といい、空気より重いので、床の近くやくぼみ、側溝などの低い所にたまります。

換気は低い所の蒸気を吸い出し、屋外の高い所へ出します。高い所で空気とよく混ざって薄まり、燃える濃さの幅である燃焼範囲(ねんしょうはんい)より薄くなるからです。

低い所にたまる蒸気は、床にこぼした水のようなものです。水が低い所へ流れて水たまりになるように、重い蒸気も低い所に集まります。正確には、蒸気は空気と混ざりながら広がりますが、空気より重いので、床の近くやくぼみに残りやすいということです。

容器を密栓(みっせん)するのも、蒸気を外に出さないためです。密栓とは、ふたや栓をすき間なく閉めることです。中身を使い切った空の容器にも蒸気が残っているので、ふたを閉めて保管します。

2つめは火花と熱です。炎や火花、高温の物を近づけないのは、蒸気への引火(いんか)を防ぐためです。電源のスイッチを入れたり切ったりするときの小さな火花でも、蒸気に火がつくことがあります。

そこで蒸気がたまるおそれのある場所では、電気設備を防爆(ぼうばく)構造にします。防爆構造とは、火花や高い熱が外に出ないように作った電気設備のつくりです。

第4類の多くは電気を通しにくく、流したりかき混ぜたりすると静電気(せいでんき)がたまります。たまった電気が一気に流れると、その火花が蒸気に火をつけます。そのため容器や配管を接地し、ゆっくり流します。

3つめはあふれです。液体は、温度が上がるとふくらみます。容器に空間がないと、ふくらんだ液が栓からあふれたり、容器が壊れたりします。

だから容器には、上のほうに空間を残して入れます。容器は密栓しますが、満タンにはしません。

覚える決まりは7つ、理由は「蒸気・火花・あふれ」の3つ

この記事で覚える数字はありません。覚えるのは、決まりの中身と、それが3つのどれを防ぐためかです。第4類の性質そのものは、第4類に共通する性質で説明しています。

決まり防ぐもの理由
低い所を換気し、屋外の高い所へ出す蒸気蒸気は空気より重く、低い所にたまる
容器は密栓する蒸気蒸気がもれ出ないようにする
空の容器もふたを閉める蒸気中に蒸気が残っている
炎・火花・高温の物を近づけない火花蒸気に火がつく
接地し、ゆっくり流す火花静電気の火花を出さない
電気設備を防爆構造にする火花スイッチの火花で火がつく
容器に空間を残すあふれ温度が上がると液がふくらむ

直射日光を避けて冷暗所(れいあんしょ)に置くのは、蒸気とあふれの両方を防ぐためです。冷暗所とは、日が当たらず温度の上がりにくい場所のことです。液温が低いほど蒸気が出にくく、液もふくらみにくくなります。

表の3列目の理由が言えれば、言い回しを変えた問題にも答えられます。

ここは覚えなくていい

換気でどこまで薄めるかの細かい目安や、防爆構造の種類の名前は、覚えなくてかまいません。金属どうしを線でつなぐ方法と接地の違いは、静電気の記事で扱います。ここでは「接地は静電気をためないため」とだけ押さえます。

試験ではこう聞かれる:「高い所を換気する」「ガス抜き口を設ける」は誤り

1つめは、換気の向きの逆転です。「室内の高い所を換気し、屋外の低い所へ出す」という形で出ます。吸い出すのは低い所、出すのは屋外の高い所です。

2つめは、容器の扱いの逆転です。「蒸気で中の圧力が上がるので、容器にガス抜き口を設ける」は誤りで、容器は密栓します。「空間ができないよう液で満たして密栓する」も誤りです。

密栓することと、空間を残すことは、両方そろって正しい答えです。

3つめは、静電気の対策の逆転です。「絶縁性の高い靴や合成繊維の服を着る」「流速を上げて短い時間で済ませる」は誤りです。電気を通しやすい靴や綿の服を選び、ゆっくり流します。

4つめは、言い過ぎの形です。「必ずその危険物の引火点(いんかてん)以下の温度に保つ」は誤りです。ガソリンの引火点は−40℃以下(マイナス40度以下)なので、それではガソリンを扱えなくなります。

ほかに、「酸化性(さんかせい)の物品とは同じ部屋に貯蔵しない」は正しい文として出ます。燃える側と燃やす側を近づけないためです。

工場・現場ではこうなる:溶剤の倉庫とドラム缶の小分け

化学プラントの危険物倉庫では、換気の吸い込み口を床に近い位置に設け、排気は屋根より高い所から出します。ドラム缶から溶剤を小分けするときは、ドラム缶と受ける容器を接地線でつなぎ、ゆっくり注ぎます。空になったドラム缶も、中に蒸気が残っているので栓をして、火気から離して置きます。

確認問題

問1 低い所にたまった重い蒸気は、屋外の高い所へ出すのがよい。

答え:○

根拠:可燃性蒸気は屋外の高い所へ出して、空気で薄めて燃焼範囲の外にします。

なぜか:高い所から出た蒸気は、下りてくるまでに空気と混ざり、燃えられる濃さより薄くなります。低い所へ出すと、濃いまま地面を伝って流れます。

狙われる形:排出先を「屋外の低い所」とした形で出ます。

問2 容器にすき間があると蒸気がたまるので、液体は口いっぱいまで入れて空間を残さない。

答え:×

訂正:容器は満杯にせず、液体がふくらむ分の空間を上部に残す。

根拠:温まった液体はふくらむので、容器には上部に空間を残します。

なぜか:夏の暑さなどで液温が上がると、液体はふくらみます。すき間が無いと、その逃げ場がなくなります。

狙われる形:「空間を作らないように満たして密栓する」とした形で出ます。

問3 静電気をためないため、第4類を扱う人は、帯電(たいでん)防止用の作業服や靴を使う。

答え:○

根拠:第4類を扱う作業者は、帯電防止用の服や靴を着け、絶縁性の高い物は避けます。

なぜか:帯電防止用の服や靴は、体の電気を少しずつ逃がします。電気がたまらなければ、火花も飛びません。

狙われる形:「絶縁性の高い靴をはく」と、逆の対策を正しいとした形で出ます。

まとめ

第4類の決まりは、燃える蒸気をためない、火花を出さない、液をあふれさせない、の3つのためにあります。重い蒸気は低い所から吸い出して屋外の高い所へ出し、容器は密栓して空間を残します。静電気の火花を防ぐために、接地してゆっくり流します。

次に読む

静電気はなぜ危ないか:たまる条件と逃がし方

事故事例と対策:注入・流出・静電気・配管のさび

参考文献

  • 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-2 第4類に共通の特性 Amazonで見る
  • 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、3-4 第4類危険物の貯蔵・取扱い(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る

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