※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。
重要度:○ 押さえておきたい論点です(市販問題集の出題から。当サイトの判断)
最終確認:2026年9月23日
家庭用の塩素系の洗剤には、「まぜるな危険」と書かれています。1つずつなら安全に使える物でも、組み合わせると危険が生まれることがあるからです。危険物乙4では、第4類(だいよんるい)の液体を何と混ぜると危ないか、その組合せの型が問われます。
この記事でわかること
- 混ぜると燃え出したり爆発したりする組合せの型
- 「燃やす側」と「燃える側」に分かれる危険物(きけんぶつ)の類
- 第4類を、どの類と離して置くか
混合危険(こんごうきけん)は、酸素を相手に渡す「燃やす側」と、自分が燃える「燃える側」が出会うと起きます。
燃やす側は第1類・第6類で、第4類はこれらと混ぜたり近くに置いたりしません。
混ぜただけでは燃えなくても、熱や衝撃で燃え出す組合せも混合危険に入ります。
まず場面で:「まぜるな危険」の洗剤と、薬品倉庫の棚
塩素系の洗剤と酸性の洗剤が混ざると、体に有毒なガスが出ます。どちらも単独なら、ふだんの掃除に使える物です。危険は、2つが出会ったときに初めて生まれます。
危険物の世界にも、同じ考え方があります。混合危険とは、2種類以上の物質が混ざったり触れたりして、1つずつのときより高い危険が生まれることです。有毒なガスが出る組合せもありますが、試験の中心は、燃え出したり爆発したりする組合せです。
工場の薬品倉庫では、液体の薬品を類ごとに棚や区画を分けて置いています。見た目は同じような瓶や缶でも、混ざると危ない組合せがあるからです。どれとどれを離すかは、次の見出しの「型」で決まります。
混合危険は「燃やす側」と「燃える側」が出会うと起きる
燃焼の三要素(ねんしょうのさんようそ)は、可燃物(かねんぶつ)・酸素供給源(さんそきょうきゅうげん)・点火源(てんかげん)の3つです。ふだん、酸素は空気から来ます。ところが危険物の中には、自分の中に酸素を持ち、それを相手に渡すものがあります。
第1類と第6類の危険物は、それ自体は燃えませんが、ほかの物に酸素を渡して激しく燃やします。この性質を酸化性(さんかせい)といい、ここでは「燃やす側」と呼びます。反対に、第2類や第4類のように、自分が燃える物を「燃える側」と呼びます。
燃やす側と燃える側が混ざると、可燃物と酸素供給源が1か所にそろいます。残りは点火源だけなので、少しの熱や衝撃、摩擦で燃え出したり、爆発したりします。組合せによっては、混ぜただけで燃え出すこともあります。
混合危険の型は、燃やす側(酸化性)と燃える側が出会うことです。 試験の文では、燃やす側を酸化性物質、燃える側を還元性(かんげんせい)物質と書くことがあります。還元性物質とは、ここでは相手から酸素を受け取って燃えやすい物のことです。
燃やす側は、酸素のボンベを抱えた人のようなものです。自分は燃えませんが、燃える物のそばで栓を開ければ、火の勢いは一気に強くなります。正確には、第1類・第6類は分解したり反応したりして相手に酸素を与え、燃焼(ねんしょう)を激しくします。
混合危険には、物どうしを混ぜる場合のほか、空気や水に触れて危険になる場合も含めます。第3類の危険物には、空気に触れて燃え出す自然発火(しぜんはっか)性の物や、水に触れて燃えるガスを出す物があります。
覚える言葉はこれだけ:燃やす側は第1類・第6類、燃える側は第2類・第4類
覚えるのは、類の名前と、どちらの側に入るかの組です。第1類から第6類までの性質の名前は、表の3列目のとおりです。第4類の性質は引火性液体(いんかせいえきたい)で、燃える側に入ります。

| 側 | 類 | 性質の名前 |
|---|---|---|
| 燃やす側 | 第1類 | 酸化性固体 |
| 燃やす側 | 第6類 | 酸化性液体 |
| 燃える側 | 第2類 | 可燃性固体 |
| 燃える側 | 第4類 | 引火性液体 |
| 空気・水で危ない | 第3類 | 自然発火性物質および禁水性物質 |
| 1つで両方を持つ | 第5類 | 自己反応性物質 |
燃やす側の第1類・第6類と、燃える側の第2類・第4類が出会うと危険です。 名前に「酸化性」が付く類が燃やす側、と覚えれば、表を見なくても組合せが出せます。第5類は、1つの物の中に燃える部分と酸素の両方を持っているので、この型の外に置きます。
第4類と第1類・第6類は、この混合危険があるので、原則として同じ場所にためたり、同じ車に積んだりしません。貯蔵と運搬の細かい決まりは、法令の単元で扱います。
ここは覚えなくていい
第1類や第6類に入る個々の物質の名前と、それらの組合せでできる物質の名前は、この記事では覚えなくてかまいません。乙4では「燃やす側と燃える側が出会うと危ない」という型と、類の名前で判断できれば足ります。
試験ではこう聞かれる:点火源を加えてはじめて燃える組合せも混合危険
1つめは、混合危険の範囲のすり替えです。「混ぜてから熱や衝撃を加えて、はじめて燃える場合は混合危険ではない」という形で出ます。混ぜただけで燃える場合も、熱や衝撃、摩擦を加えて燃える場合も、混合危険に入ります。
空気に触れて燃え出す物や、水に触れて発熱する物も、混合危険のおそれがある物に数えます。「物どうしを混ぜる場合だけが混合危険」と書いてあれば誤りです。
2つめは、燃やす側の理由のすり替えです。「第1類は燃えやすいので、第4類と混ぜると危険」は誤りです。第1類・第6類は自分は燃えず、相手に酸素を渡して激しく燃やします。
3つめは、組合せの見分けです。燃やす側の類と燃える側の類を1つずつ組にした選択肢が、危険な組合せです。第4類どうしや、第4類と第2類の組は、この型には当たりません。
工場・現場ではこうなる:酸化性の薬品と溶剤の置き場を分ける
化学プラントでは、過酸化水素や硝酸のような酸化性の薬品と、溶剤などの第4類を、倉庫の中でも区画を分けて置きます。こぼれたときに混ざらないよう、受け皿や排水の行き先も別々にします。こぼれた酸化性の薬品を、おがくずや布のような燃える物でふき取らないのも、同じ理由です。
確認問題
問1 単独では落ち着いている物でも、別の物と混ざると発火(はっか)することがある。
答え:○
根拠:2種類以上の物が混ざると、単独のときにはない発火や爆発などの危険が生じることがあります。
なぜか:混ざった物どうしが反応すると、熱や燃えやすいガスが出ることがあります。これが発火や爆発のきっかけになります。
狙われる形:「単独で危なくない物は、混ぜても危なくない」とした形で出ます。
問2 酸化性の液体と引火性液体(いんかせいえきたい)は、混ざっても反応しない。
答え:×
訂正:酸化性の液体と引火性液体が混ざると、発火や爆発のおそれがある。
根拠:酸化性の物(第1類・第6類)と燃える物(第2類・第4類)が混ざると、発火や爆発のおそれがあります。
なぜか:酸化性の物は、燃える物に酸素を与えるはたらきをします。混ざると燃焼に必要な酸素が内側からそろい、激しく反応します。
狙われる形:第6類と第4類の組合せを「混ぜても危険はない」とした形で出ます。
問3 混ぜた直後は何も起きなくても、あとから熱や衝撃で発火すれば混合危険にあたる。
答え:○
根拠:混ぜた物に点火源・加熱・衝撃・摩擦が加わって発火や爆発が起こる場合も、混合危険に含まれます。
なぜか:混ざった時点で、少しのきっかけで燃えやすい状態になっていることがあります。発火が後から起きても、原因は混ぜたことにあります。
狙われる形:「混ぜてすぐに発火しなければ混合危険ではない」とした形で出ます。
まとめ
酸素を渡す類と、その酸素で燃える類が出会ったとき、混合危険が生まれます。燃やす側は名前に「酸化性」が付く第1類・第6類で、第4類はこれらと離して扱います。混ぜただけで燃えない組合せや、空気・水に触れて危険になる物も、混合危険に含めます。
次に読む
- 前に戻る:自然発火と粉じん爆発:火の気がなくても燃える・粉でも爆発する
- 次へ進む:火の消し方の4つの方法:除去・窒息・冷却・抑制を場面で覚える
- もっと詳しく(甲種レベル):混合危険の組合せと覚え方
第1類〜第6類の全体像:燃える側と燃やす側に分ける
参考文献
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第2章 混合危険(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-1 すべての類(第1類から第6類)の危険物 Amazonで見る
内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム
PLANT NEWS ON NOTE
化学プラントニュース
化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。
noteで最新ニュースを読む ↗
化学プラント大全 
