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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と収録問題数から。当サイトの判断)
最終確認:2026年9月22日
ガスコンロの火は、元栓を閉めると消えます。フライパンから上がった炎は、ふたをすると消えます。どちらも火を消す動作ですが、危険物乙4ではこれを消火(しょうか)の方法として別の名前で呼び分けます。
この記事でわかること
- 除去・窒息・冷却・抑制という4つの消火の方法
- 燃焼の三要素(ねんしょうのさんようそ)のどれを取るかで名前が決まる理由
- 試験で入れ替えられやすい組合せ
消火は、燃焼の三要素のどれかを取るか、燃え続ける反応を止めることです。
燃える物を取るのが除去、酸素を断つのが窒息、熱を奪うのが冷却、反応を止めるのが抑制です。
まず場面で:除去・窒息・冷却・抑制を4つの場面で見る
台所と庭先で、火を消す場面を4つ思い浮かべてください。ガスの元栓を閉める、フライパンにふたをする、たき火に水をかける、消火器の薬剤をかける、の4つです。

4つとも火は消えますが、消える理由はそれぞれ違います。元栓を閉めると、燃えるガスが来なくなります。ふたをすると、炎に空気が届かなくなります。
水をかけると、燃えている木の温度が下がります。消火器の薬剤の中には、燃える反応そのものを止めるものがあります。この4つの理由に付いた名前が、除去・窒息・冷却・抑制です。
三要素のどれを取るかで消火法の名前が決まる
燃焼(ねんしょう)とは、物が酸素と結びつく酸化(さんか)のうち、熱と光を出すもののことです。燃焼が続くには、3つがそろう必要があります。燃える物の可燃物(かねんぶつ)、酸素を出す酸素供給源(さんそきょうきゅうげん)、きっかけの熱の点火源(てんかげん)です。

3つのうち1つでも欠ければ、火は燃え続けられません。だから消火法の名前は、3つのうちどれを取るかで決まります。
除去消火(じょきょしょうか)とは、燃える物を取り除いて火を消す方法のことです。ガスの元栓を閉めるのも、ろうそくの炎を吹き消すのも除去です。吹いた息が、芯から出る燃える蒸気を飛ばしているからです。
窒息消火(ちっそくしょうか)とは、酸素を断ったり薄めたりして火を消す方法のことです。ふたをする、砂をかける、泡や二酸化炭素で覆う、がこれに当たります。窒息は「ふた」だけでなく、砂・泡・ガスで覆うことも含みます。
冷却消火(れいきゃくしょうか)とは、熱を奪って温度を下げ、火を消す方法のことです。代表は水をかけることです。水は蒸発熱(じょうはつねつ)が大きく、水蒸気になるときにたくさんの熱を奪います。
冷やされた木は、燃える気体をあまり出せなくなります。温度が引火点(いんかてん)や発火点(はっかてん)より下がると、火は燃え続けられません。
抑制消火(よくせいしょうか)とは、燃える反応が続くのを止めて火を消す方法のことです。ハロゲン化物や粉末の消火剤(しょうかざい)が、この働きを持ちます。反応をおそくする働きを負触媒作用(ふしょくばいさよう)と呼ぶので、負触媒消火とも言います。
除去・窒息・冷却の3つを、消火の三要素と呼びます。抑制を加えた4つが、消火の四要素です。抑制だけは三要素のどれかを取る方法ではなく、4つ目として数えます。
燃焼の三要素は、3本の脚で立つ椅子に似ています。脚を1本外せば椅子は倒れます。それが除去・窒息・冷却です。正確には、抑制は脚を外すのではなく、燃え続ける反応をおそくして止める方法です。
覚える言葉はこれだけ:消火の4つの方法と代表の動作
4つの方法は、取るものと代表の動作をセットで覚えます。動作から方法の名前を言えれば、試験の選択肢は見分けられます。
| 消火の方法 | 取るもの・止めるもの | 代表の動作 |
|---|---|---|
| 除去 | 燃える物 | 元栓を閉める、ろうそくを吹き消す |
| 窒息 | 酸素(空気) | ふた・砂・泡・二酸化炭素で覆う |
| 冷却 | 熱 | 水をかける |
| 抑制 | 燃え続ける反応 | ハロゲン化物や粉末の薬剤をかける |
元を断つのが除去、覆うのが窒息、冷やすのが冷却、薬剤で反応を止めるのが抑制です。
ここは覚えなくていい
空気中の酸素が何%まで減れば火が消えるか、という細かい数字は、いまは覚えなくてかまいません。窒息は「酸素をゼロにしなくても火は消える」とだけ押さえます。反応の進み方の理屈も、乙4では要りません。
試験ではこう聞かれる:「砂をかけるのは除去」のすり替え
いちばん多いのは、動作と名前の組合せのすり替えです。「砂で覆う」を除去、「元栓を閉める」を窒息と書いてきます。砂やふたは酸素を断つので窒息、元栓は燃える物を断つので除去です。
次に、燃焼の三要素と消火の三要素の取り違えです。燃焼の三要素は可燃物・酸素供給源・点火源で、消火の三要素は除去・窒息・冷却です。名前が似ているので、どちらを聞かれているかを先に確かめます。
薬剤の働きのすり替えもあります。ハロゲン化物の消火剤の働きを「冷やす」と書く形です。ハロゲン化物の主な働きは、抑制と窒息です。
もう1つは、ふだんの言葉と試験の言葉のずれです。ろうそくを吹き消すのは「風で冷やす」ように見えますが、試験では除去として扱います。息で燃える蒸気を吹き飛ばしている、と考えるからです。
覚え方:元栓・ふた・水・薬(もと・ふた・みず・くすり)で、除去・窒息・冷却・抑制。
工場・現場ではこうなる:漏れた油の火はまず弁を閉める
化学プラントで配管の継手から漏れた油が燃えたら、まず上流の弁を閉めて油を断ちます(除去)。屋外タンクの火は泡消火設備で液面を覆い(窒息)、隣のタンクには散水して冷やします(冷却)。タンクの中を窒素で満たしておく窒素封入も、酸素を減らしておく窒息と同じ考え方の予防策です。
確認問題
問1 ガスこんろの栓を閉じて炎を消すのは、酸素の供給を断つ消し方である。
答え:×
訂正:ガスこんろの栓を閉じて炎を消すのは、燃える物(ガス)を断つ除去消火である。
根拠:燃える物を断つのが除去消火、酸素を断つのが窒息消火です。
なぜか:栓を閉じると、燃料のガスが炎へ届かなくなります。断っているのは酸素ではなく燃える物なので、除去消火です。
狙われる形:除去消火を「酸素を断つ消火」と言いかえた形で出ます。
問2 空気中の酸素の濃さがある程度まで下がれば、酸素が残っていても燃焼は止まる。
答え:○
根拠:窒息消火は、酸素をゼロにしなくても、薄めるだけで火が消える消し方です。
なぜか:燃える物が酸素と結びつく速さは、酸素が薄くなると落ちます。燃え続けるのに足りなくなった所で、火は消えます。
狙われる形:「酸素が少しでも残っていれば燃え続ける」とした形で出ます。
問3 負触媒(ふしょくばい)のはたらきで燃焼の反応を止める消し方を、窒息消火という。
答え:×
訂正:負触媒のはたらきで燃焼の反応を止める消し方は、抑制消火である。
根拠:窒息消火は酸素を断つ消し方で、負触媒のはたらきで反応を止めるのは抑制消火です。
なぜか:負触媒は、反応の進み方をおそくする物です。燃焼の反応のつながりを断つので、抑制消火と呼びます。
狙われる形:抑制消火と窒息消火の名前を入れかえた形で出ます。
まとめ
火を消すには、燃える物・酸素・熱のどれかを取るか、燃える反応を止めます。元を断てば除去、覆えば窒息、冷やせば冷却、薬剤で反応を止めれば抑制です。抑制だけは三要素の外にある4つ目の方法です。
次に読む
- 前に戻る:燃焼の三要素:どれが欠けても燃えない
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- もっと詳しく(甲種レベル):消火方法一覧:第1〜6類と頻出例外
第4類の消火:なぜ水はだめで泡なのか
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、3-1 燃焼の三要素と消火法 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、2-8 消火と消火剤(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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