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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)
法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日
家のガスコンロにつながるプロパンガスのボンベは、火がつけばよく燃える危ない物です。ところが、消防法でいう危険物(きけんぶつ)には入りません。危険物乙4の法令は、この「消防法の危険物とは何か」から始まります。
この記事でわかること
- 消防法の危険物は固体と液体だけで、気体は入らないこと
- 第1類〜第6類の名前と、固体・液体の見分け方
- 危険物の決まりが、法律・政令・規則の3段で書かれていること
消防法の危険物は、消防法の別表第一に載った固体と液体で、プロパンなどの気体は入りません。
危険物は第1類〜第6類に分かれ、類の番号は危なさの順ではありません。
まず場面で:プロパンガスのボンベとガソリンの携行缶
ガソリンの携行缶と、プロパンガスのボンベを並べて思い浮かべてください。どちらも燃料で、火を近づければ燃えます。それでも消防法の危険物に入るのはガソリンだけで、プロパンガスは入りません。

分かれ目は、ふだんの温度と気圧のもとで、気体かどうかです。消防法の危険物は、1気圧の常温(じょうおん)で固体か液体の物に限られます。常温とは、ふだんの気温くらいの温度のことです。
プロパンガスは、ボンベの中では圧力をかけて液体にしてあります。けれどもボンベから出れば気体に戻るので、消防法の危険物ではありません。水素や都市ガスも同じで、ガスの危険には高圧ガス保安法など、別の法律が決まりを定めています。
消防法の危険物は別表第一の第1類〜第6類で決まる
危険物とは、消防法の別表第一の品名欄に載っている物品で、同じ表の性質欄にある性状を持つもののことです。別表第一は、消防法の終わりに付いている表です。品名欄には、ガソリンなどが入る「第1石油類」のような、物の名前やグループの名前が並びます。
表に名前が載っているだけでは、危険物とは決まりません。類ごとに決められた試験で、その類の危なさを示した物が危険物になります。たとえば第4類(だいよんるい)の危険物は、引火(いんか)の危なさを調べる試験で引火性を示した液体です。
別表第一は、危険物の「名簿」のようなものです。名簿に載ったうえで、類ごとの試験で危なさを示した物だけが危険物になります。正確には、別表第一の品名欄に載った物品で、同じ表の性質欄にある性状を持つものが危険物です。その性状は、政令で決めた試験で確かめます。
危険物は、性質ごとに第1類から第6類に分かれています。類の名前には、第1類の酸化性固体(さんかせいこたい)や第4類の引火性液体(いんかせいえきたい)のように、その類の性質がそのまま入っています。第3類は自然発火(しぜんはっか)しやすい物と、水に触れると危ない禁水性(きんすいせい)の物をまとめた類です。
| 類 | 性質の名前 | 固体か液体か |
|---|---|---|
| 第1類 | 酸化性固体 | 固体 |
| 第2類 | 可燃性固体 | 固体 |
| 第3類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | 固体と液体の両方 |
| 第4類 | 引火性液体 | 液体 |
| 第5類 | 自己反応性物質 | 固体と液体の両方 |
| 第6類 | 酸化性液体 | 液体 |
名前に「固体」「液体」とある類はその状態だけで、名前に無い第3類と第5類には固体と液体の両方があります。 第1類と第6類の酸化性は、自分は燃えずに、ほかの物を燃やす性質です。そのほかの類は、自分が燃えたり発火(はっか)したりするおそれのある物の集まりです。
ここは覚えなくていい
第4類以外の類の品名を1つずつ覚える必要はありません。類ごとの性質のくわしい中身は、性質・消火(しょうか)の科目で必要な分だけ扱います。燃えやすい綿やわらなども、危険物とは別の決まりで扱うので、ここでは覚えなくて大丈夫です。
類ごとの性質は、燃やす側と燃える側に分けて見ると整理しやすくなります。
法律・政令・規則の3段で危険物の決まりが書かれている
危険物の決まりは、1つの法律にすべて書いてあるわけではありません。国会が作る法律、内閣が作る政令、大臣が作る規則の3段に分かれています。上の段が大きな決まりを定め、下の段がその細かい中身を定めます。
- 法律:消防法
- 政令:危険物の規制に関する政令
- 規則:危険物の規制に関する規則(総務省の省令)
たとえば、危険物の定義と第1類〜第6類は、消防法の別表第一にあります。品名ごとの指定数量(していすうりょう)の数字は、政令の別表第三にあります。アルコール類から外す薄い水溶液のような細かい決まりは、規則に書かれています。
試験の問題文で「法令」とあれば、消防法・政令・規則の3つをまとめて指しています。 単に「法」「政令」「規則」と書かれていれば、それぞれ上の3つのことです。危険物の分類は消防法で決まっているので、都道府県ごとに変わることはありません。
試験ではこう聞かれる:気体・類の番号・状態のすり替え
1つめは、気体を危険物とする形です。「液化石油ガスは危険物に当たる」のような文は誤りです。プロパンや水素のほか、冷やして液体にした液体酸素も、常温では気体なので危険物ではありません。
2つめは、類の番号を危なさの順と読ませる形です。「番号が小さいほど危険」「特に危険な物は特類に入る」は、どちらも誤りです。甲種(こうしゅ)・乙種(おつしゅ)・丙種(へいしゅ)は危険物の分け方ではなく、危険物取扱者(きけんぶつとりあつかいしゃ)の資格の種類です。
3つめは、状態や燃えるかどうかのすり替えです。「第3類と第5類はすべて固体」は誤りで、固体と液体の両方があります。「危険物はすべて燃える物」も誤りで、第1類と第6類は自分では燃えません。
工場・現場ではこうなる:ガスと液体で手続きの法律が分かれる
化学プラントには、水素やLPG(液化石油ガス)のようなガスと、溶剤や燃料の液体が同じ敷地にあります。液体や固体の危険物は消防法の指定数量で数え、ガスは高圧ガス保安法などの決まりで管理します。新しい原料を使い始めるときは、まずふだんの状態でガスか液体かを確かめ、どの法律の手続きが要るかを振り分けます。
確認問題
問1 家庭で使うプロパンガスは、消防法の危険物(きけんぶつ)には当たらない。
答え:○
根拠:消防法の危険物は固体か液体の物で、気体は含まれません。
なぜか:プロパンは燃えやすいガスですが、ふつうの温度と圧力では気体です。消防法の危険物の表は固体と液体だけを対象にしているので、プロパンは入りません。
狙われる形:「よく燃えるガスは第4類の危険物」と思わせる形で出ます。
問2 第1類と第6類の危険物は、それ自体は燃えない物である。
答え:○
根拠:危険物は燃える物とは限らず、ほかの物の燃焼(ねんしょう)を激しくする物も含まれます。
なぜか:第1類は酸化性固体、第6類は酸化性液体です。自分は燃えませんが、そばの燃える物に酸素を与えて激しく燃やします。
狙われる形:「危険物はどれも燃える物」と思わせる形で出ます。
問3 第4類の危険物の性質は、可燃性固体である。
答え:×
訂正:第4類の性質は引火性液体である。可燃性固体は第2類の性質。
根拠:消防法は、危険物を性質の違いで第1類から第6類に分けています。
なぜか:第4類には、ガソリンや灯油のように火を近づけると燃える液体が入ります。燃えやすい固体(硫黄や赤りんなど)は第2類です。
狙われる形:類の番号と性質名の組合せを1つだけずらした形で出ます。
まとめ
消防法の危険物は、別表第一に載り、類ごとの試験で危なさを示した固体と液体で、気体は入りません。第1類〜第6類の番号は危なさの順ではなく、名前に固体・液体の無い第3類と第5類には両方があります。危険物の決まりは、消防法・政令・規則の3段に分かれていて、試験の「法令」は3つをまとめた呼び方です。
次に読む
- 前に戻る:危険物乙4の法令15問で9問取る地図
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- もっと詳しく(甲種レベル):全類の定義・分類と指定数量
参考文献
- 『消防法』第2条第7項・別表第一e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する政令』第1条の3〜第1条の8・別表第三e-Gov法令検索
- 『危険物の規制に関する規則』第1条の3e-Gov法令検索
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-1 消防法の法体系・1-2 消防法で規定する危険物(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、5-1 消防法上の危険物 Amazonで見る
- 『実践・安全工学シリーズ1 物質安全の基礎』安全工学会 監修、化学工業日報社、初版、第10章 安全法規 Amazonで見る
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