※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。
「専門学校を卒業していれば、危険物取扱者甲種を受験できるのだろうか」
「専門士の称号があれば、それだけで受験資格になる?」
「卒業証明書以外に、1700時間の証明も必要なのだろうか」
そんな疑問を解決します。
先に結論を言うと、専門学校卒でも、対象となる専修学校専門課程で所定の条件を満たしていれば、甲種を直接受験できる可能性があります。
ただし、「専門学校を卒業した」という事実だけでは判定できません。学校・課程の条件を確認し、次に「化学系学科・課程を卒業した」または「化学に関する科目を15単位以上修得した」のどちらを使うか決めます。さらに、専門士・高度専門士の証明など、専修学校固有の確認書類が必要です。
受験資格全体を先に確認したい人は、危険物取扱者甲種の受験資格を読んでください。
結論:専門学校卒でも条件を満たせば甲種を受験できる
消防試験研究センターが甲種の受験資格で対象としているのは、専修学校のうち一定の条件を満たす専門課程です。
判定は、次の三段階で行います。
- 学校が「専修学校の専門課程」に該当するか
- 課程の修業年限が2年以上で、総授業時数が1700時間以上か
- 化学系学科・課程卒業、または化学科目15単位以上のどちらかを満たすか
この三段階を満たしたうえで、使う受験資格に合った証明書を提出します。
学校名に「専門学校」と付いているかではなく、課程区分・修業年限・総授業時数・化学要件で判定します。
最初に「専修学校の専門課程」か確認する
日常会話では幅広い教育機関を「専門学校」と呼びますが、甲種の受験資格で使われる正式な区分は「専修学校の専門課程」です。
同じ学校に複数の課程がある場合、すべてが対象になるとは限りません。学校のWebサイト、学生便覧、卒業証明書の案内などで、自分が在籍・卒業した課程の正式名称と区分を確認してください。
分からない場合は学校の事務窓口へ、次の内容を問い合わせます。
- 専修学校の専門課程に該当するか
- 課程の修業年限は何年か
- 卒業に必要な総授業時数は何時間か
- 専門士または高度専門士の称号が付与されるか
- 証明書へ学科名、課程名、称号、修業年限、総授業時数を記載できるか
受験申請を始める前に、学校ではなく「自分が修了した課程」の制度上の区分を確認してください。
直接受験できる二つのルート
専修学校専門課程から甲種へ直接進む代表的な方法は二つあります。

化学系学科・課程を卒業するルート
化学に関する学科または課程を修めて卒業した人が使うルートです。
学科名・課程名が消防試験研究センターの例に該当するか確認します。名称に「化学」がなくても対象になる例はありますが、よく似た名前だからと自己判断しないでください。
詳しい判定は、危険物甲種の化学系学科とは?で整理しています。
化学科目を15単位以上修得するルート
化学に関する授業科目を15単位以上修得した人が使うルートです。卒業学科そのものが化学系に該当しなくても、対象科目と単位数を証明できれば利用できる可能性があります。
科目名は公式の授業科目例と照合し、成績証明書や単位修得証明書で修得済みであることを確認します。
対象科目の考え方は、危険物甲種の化学15単位とは?を読んでください。
化学系学科卒業と化学15単位は別々のルートです。両方を同時に満たす必要はありません。
専門学校に共通する「2年以上・1700時間以上」の条件
専修学校から学歴・単位ルートを使う場合、対象となる専門課程は次の条件を満たす必要があります。
- 修業年限が2年以上
- 課程の修了に必要な総授業時数が1700時間以上
ここで見るのは、本人が実際に通学した日数や、個々の科目の合計時間ではありません。原則として、学校が定める課程の修業年限と、課程修了に必要な総授業時数を証明します。
3年制や4年制であっても、化学系学科卒業または化学15単位の条件が自動的に満たされるわけではありません。反対に、化学科目を15単位修得していても、対象となる専門課程の条件を満たさなければ、この受験資格としては使えません。
「2年以上・1700時間以上」は専修学校専門課程の土台となる条件であり、それだけで甲種の受験資格が完成するわけではありません。
追加書類は二つのうちどちらか一つ
専修学校の場合、受験資格ごとの基本書類に加えて、通常は次のどちらか一つを用意します。

- 専門士または高度専門士の称号を付与されたことを証する書類
- 課程の修業年限が2年以上で、修了に必要な総授業時数が1700時間以上であることを証する書類
二つを両方そろえる必要はありません。また、卒業証明書や成績証明書など、もともと提出する書類に専門士・高度専門士の称号、または2年・1700時間の条件が記載されていれば、別の追加書類は不要です。
学校によって証明書の名称や記載内容は異なります。発行を依頼するときは、「危険物取扱者甲種の受験資格証明に使用する」と伝えると確認しやすくなります。
追加確認は「専門士・高度専門士の証明」か「2年以上・1700時間以上の証明」の二択です。
化学系学科卒業ルートの必要書類
化学に関する学科・課程を卒業したルートでは、学科名または課程名が確認できる次のような書類を使います。
- 卒業証明書
- 卒業証書の写し
- 学科名や課程名を確認できる学校発行の証明書
これに、専修学校固有の追加確認として、専門士・高度専門士の証明または2年・1700時間の証明を組み合わせます。
卒業証明書に「○○専門課程」「○○学科」「専門士」「修業年限2年」「総授業時数1700時間以上」など必要な内容がまとまっていれば、書類を分けずに確認できる場合があります。
卒業証明書は、卒業した事実だけでなく、対象となる学科・課程名が読み取れるか確認してください。
化学15単位ルートの必要書類
15単位ルートでは、化学に関する授業科目の名称と修得単位数を確認できる書類を使います。
- 成績証明書
- 単位修得証明書
- 学校が作成した、科目名と修得単位数を確認できる証明書
履修登録しただけの科目や、受講中でまだ修得が確定していない科目は、修得済みの単位として扱わないでください。証明書に単位数ではなく授業時間だけが記載される場合は、自己換算せず、学校と受験予定地の支部等へ確認します。
この基本書類へ、専門士・高度専門士の証明または2年・1700時間の証明を加えます。
15単位ルートでは、対象科目名・修得済みであること・単位数の三点が証明書から分かる状態にします。
学科名・科目名が一覧と少し違う場合
公式の「化学に関する学科又は課程」や「化学の授業科目例」には、対象となる名称例が掲載されています。
しかし、学校独自の名称や改組前の名称は、例と完全には一致しない場合があります。語句の一部が似ているだけで対象と判断すると、申請時に追加確認が必要になることがあります。
卒業証明書や成績証明書を取り寄せる前に、次の情報をそろえて受験予定地の消防試験研究センター支部等へ相談してください。
- 学校の正式名称
- 専修学校専門課程の正式名称
- 学科名またはコース名
- 卒業年月
- 判断してほしい授業科目名と単位数
一覧と同一でない名称は、出願前に支部等へ確認し、その回答に合わせて証明書を用意します。
条件を満たさない場合の代替ルート
専門学校の学歴・単位ルートが使えなくても、甲種を諦める必要はありません。
代表的な代替ルートは二つです。
指定4種類の乙種免状をそろえる
第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類の各群から一つずつ、合計4種類以上の乙種免状を取得します。
組み合わせと取得順は、危険物甲種の乙種4種類とは?を確認してください。
乙種免状交付後に実務経験を2年積む
乙種免状の交付後、製造所等で危険物取扱いの実務経験が2年以上あり、事業主等の証明を得られる場合に使えます。
対象実務と期間の数え方は、危険物甲種の実務経験2年とは?で確認してください。
学歴・単位ルートが難しい場合は、乙種4種類と実務経験2年を比較し、自分が確実に証明できる方を選びます。
申込前チェックリスト
- 自分の課程が専修学校の専門課程に該当する
- 修業年限が2年以上である
- 課程修了に必要な総授業時数が1700時間以上である
- 化学系学科・課程卒業か、化学15単位のどちらを使うか決めた
- 卒業ルートでは学科・課程名が分かる証明書を用意した
- 15単位ルートでは科目名と修得単位数が分かる証明書を用意した
- 専門士・高度専門士の証明か、2年・1700時間の証明を用意した
- 基本書類に追加条件が記載済みか確認した
- 学科名・科目名が公式例と異なる場合は支部等へ確認した
- 受験予定地の最新試験案内を確認した
申込前は、使う受験資格と、それを証明する書類を一対一で対応させて確認してください。
よくある質問
専門士の称号があれば、それだけで甲種を受験できますか
いいえ。専門士・高度専門士の証明は、専修学校専門課程の条件を確認するための書類です。別に、化学系学科・課程卒業または化学科目15単位以上のいずれかを満たす必要があります。
2年制の専門学校なら受験できますか
2年制というだけでは足りません。総授業時数1700時間以上であることと、化学系学科卒業または化学15単位の条件を確認します。
専門士と1700時間の証明は両方必要ですか
通常はどちらか一つです。基本書類に必要事項が記載されている場合は、追加書類を別に用意しなくてよい場合があります。
卒業証明書と成績証明書は両方必要ですか
使う受験資格によります。化学系学科卒業ルートは学科・課程名が分かる卒業証明書等、15単位ルートは科目名と修得単位数が分かる成績証明書等が基本です。個別の記載内容は支部等へ確認してください。
専門学校を中退していても15単位ルートを使えますか
卒業ルートは使えませんが、在学中に対象となる化学科目を15単位以上修得し、学校区分・課程条件と修得単位を証明できる場合は、15単位ルートに該当する可能性があります。必ず申請前に支部等へ確認してください。
科目名が公式の例と一致しません
自己判断で合算せず、学校の正式な科目名、授業内容、単位数が分かる資料を用意して、受験予定地の支部等へ確認してください。
次に読む記事
化学系学科卒業を使う人は、危険物甲種の化学系学科とは?で対象学科と証明書を確認します。
15単位を使う人は、危険物甲種の化学15単位とは?で科目の数え方を確認してください。
受験資格を確認できたら、危険物取扱者甲種の試験日・申込方法へ進みます。
学習記事の順序は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップにまとめています。
まとめ
専門学校卒の甲種受験資格をまとめます。
- 制度上は専修学校の専門課程に該当するか確認する
- 対象課程は修業年限2年以上かつ総授業時数1700時間以上
- 化学系学科・課程卒業と化学15単位は別々の受験資格ルート
- 卒業ルートは学科・課程名が分かる証明書を使う
- 15単位ルートは科目名と修得単位数が分かる証明書を使う
- 追加確認は専門士・高度専門士の証明か、2年・1700時間の証明のどちらか一つ
- 基本書類に必要事項が記載済みなら、別の追加書類が不要な場合がある
- 学科名・科目名が公式例と異なる場合は支部等へ確認する
- 条件を満たさない場合は、乙種4種類または実務経験2年を検討する
最初に学校へ課程区分と証明書の記載内容を確認し、卒業ルートと15単位ルートのどちらで申請するか決めてください。
参考文献
- 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、受験案内 Amazonで見る
- 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』受験の手引き Amazonで見る
- 一般財団法人消防試験研究センター「受験資格」
- 一般財団法人消防試験研究センター「甲種危険物取扱者試験の受験資格チェック表をご活用ください」
- 一般財団法人消防試験研究センター「化学に関する学科又は課程」
- 一般財団法人消防試験研究センター「化学の授業科目例」
化学プラント大全 
