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「化学工学科を卒業していれば、甲種を受験できるのだろうか」
「学科名に化学が入っていない材料工学科や薬学科は対象になるのだろうか」
「卒業証明書には何が書かれていればよいのだろうか」
そんな疑問を解決します。
先に結論を言うと、大学等卒ルートは、対象となる学校で化学に関する学科・課程を卒業し、学科名が明記された卒業証書、卒業証明書または学位記で証明する受験資格です。
学科名は、消防試験研究センターのチェック表Aに従い、「名称に化学の字句を含む」または「公式の学科例と同一」のどちらかで確認します。似ているだけの名称は自己判断せず、受験予定地の支部等へ確認します。
受験資格全体を確認したい人は、危険物取扱者甲種の受験資格を先に読んでください。
結論:チェック表Aの2条件で学科名を確認する
大学等卒ルートは、次の順で判定します。

- 学科・課程名に「化学」の字句が含まれるか確認する
- 含まれない場合は、公式の「化学に関する学科又は課程」の例と同一か確認する
- 公式例に似ているだけなら、受験予定地の支部等へ問い合わせる
- どちらにも該当しない場合は、化学に関する授業科目15単位以上のルートを確認する
願書の甲種受験資格欄へ記入する略称は「大学等卒」です。
「理系だから」「化学に近い勉強をしたから」ではなく、学科・課程の正式名称と公式例で判定してください。
学科名に「化学」が含まれる場合
公式チェック表Aは、名称に「化学」の字句が含まれる学科・課程を最初の判定条件にしています。応用化学科、環境化学科、化学工学科などが分かりやすい例です。
ただし、名称に偶然「化学」という文字列が含まれても、明らかに化学に関する分野と認められない学科は除外されます。公式は「人類文化学科」を除外例として示しています。
大学のウェブサイト上の現在名ではなく、自分が卒業した時点の卒業証明書等に記載される正式な学科・課程名を確認してください。改組や名称変更があった場合は、証明書にどの名称が記載されるか学校へ確認します。
判定に使うのは通称や研究室名ではなく、証明書に記載される学科・課程の正式名称です。
「化学」がなくても公式例と同一なら対象
学科名に「化学」がなくても、消防試験研究センターが公開する学科・課程例と同一なら対象になります。
公式例には、次のような名称があります。
- 安全工学科
- 応用生命工学科
- 環境物質工学科
- 材料工学科
- 食品工学科
- 物質工学科
- プロセス工学科
- 薬学科
- マテリアル工学科
これは例の一部です。対象名称は公式ページで確認してください。また、学部名が工学部・理学部・薬学部であることだけでは判定できません。学科または課程の名称を照合します。
学科名に「化学」がなくても対象はありますが、公式例と同一であることが判断基準です。
似た学科名は自己判断せず支部へ確認する
最も注意したいのが、公式例と一部だけ似ている学科名です。
たとえば、公式例に「材料工学科」があっても、別の修飾語が付いた学科や、名称が統合・変更された学科を自動的に同一とは扱えません。学科名が近くても、教育内容や証明書上の名称が異なる場合があります。
問い合わせるときは、次の情報を用意します。
- 学校名
- 卒業年月
- 学部名
- 学科または課程の正式名称
- 卒業証明書等に記載される名称
- 必要に応じて当時の学校案内や学則、履修内容が分かる資料
公式例に「類似する」と思う段階では受験資格を確定せず、受験予定地の消防試験研究センター支部等へ確認してください。
対象になる学校・課程
消防試験研究センターの受験資格案内は、大学等卒ルートの対象として次を挙げています。
- 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校
- 高等学校の専攻科、中等教育学校の専攻科
- 防衛大学校
- 職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校
- 外国に所在する大学等
高等学校と中等教育学校は通常課程ではなく専攻科が対象で、修業年限2年以上に限られます。
大学院で化学に関する事項を専攻し、修士または博士の学位を授与された人には別の「学位」ルートがあります。大学院へ在籍しただけ、研究室で化学を扱っただけではなく、学位と専攻名称による判定です。
学校名だけでなく、学校区分、学科・課程、卒業・修了の状態を組み合わせて確認します。
専修学校は追加証明が必要
専修学校は、学科名入りの卒業証明書類に加えて、次のどちらかを証明します。

- 「専門士」または「高度専門士」の称号が付与されていること
- 修業年限2年以上で、課程修了に必要な総授業時数が1,700時間以上の専門課程であること
称号や課程要件が卒業証明書等にすでに記載されている場合は、同じ内容を示す別書類が不要となる場合があります。記載がなければ、学校へ証明書の発行を依頼します。
一般的な「専門学校を卒業した」という事実だけで条件を満たすとは限りません。学科名と専門課程の要件を分けて確認します。
専修学校卒の人は「化学に関する学科名」と「専門士・高度専門士または2年・1,700時間」の両方を証明してください。
卒業証明書・卒業証書・学位記の確認点
証明書類は、卒業証書、卒業証明書、学位記のいずれかで、学科等の名称が明記されているものを用意します。
確認点は次の通りです。
- 氏名が現在の申請情報と対応する
- 学校名が記載されている
- 卒業・修了を証明している
- 学科または課程の正式名称が記載されている
- 専修学校は追加要件を証明できる
- 外国語の証明書には日本語訳を添付する
卒業証明書に学部名しかなく学科名を確認できない場合は、そのまま申し込まず、学校へ学科名を記載した証明書を発行できるか相談します。
過去に甲種試験へ受験申請したことがある人は、当時の受験票または試験結果通知書を受験資格証明に代えられる場合があります。資格判定情報を含むか、申請時の案内を確認してください。
書類の種類よりも、「化学に関する学科・課程の名称を読めるか」が重要です。
該当しない場合は化学15単位ルートを確認する
チェック表Aの二つの条件に該当しない場合でも、甲種を受験できないと決まったわけではありません。
大学等で化学に関する授業科目を15単位以上修得していれば、別の「15単位」ルートを使える可能性があります。このルートは学科名ではなく、対象授業科目と修得単位を確認します。
たとえば、機械系・電気系など学科名が公式例にない場合でも、化学、材料、熱力学、安全工学など対象となる科目を15単位以上修得している可能性があります。対象科目の数え方と証明書は、危険物甲種の化学15単位とは?で確認してください。
学科名で大学等卒ルートを使えない場合は、成績証明書を用意して15単位ルートを再判定します。
申込前チェックリスト
- 対象となる学校・課程を卒業している
- 卒業時の学科・課程の正式名称を確認した
- 名称に「化学」を含むか確認した
- 含まない場合は公式例と同一か確認した
- 類似名は受験予定地の支部等へ確認した
- 卒業証明書、卒業証書または学位記に学科名がある
- 専修学校は追加要件の証明を用意した
- 外国語の証明書には日本語訳を用意した
- 願書資格欄の略称「大学等卒」を確認した
- 該当しない場合は15単位ルートを確認した
申込前にチェック表Aと証明書を並べ、学科名が同じ表記で確認できる状態にしてください。
よくある質問
化学工学科は対象ですか
名称に「化学」を含む学科として判断できます。ただし、実際に提出する証明書へ学科名が明記されていることを確認してください。
材料工学科は対象ですか
「材料工学科」は公式の学科例に掲載されています。名称が完全に同一か確認し、異なる修飾語がある場合は支部等へ確認してください。
機械工学科や電気工学科は対象ですか
学科名だけで大学等卒ルートに該当するとは限りません。ただし、化学に関する科目を15単位以上修得していれば別ルートを使える可能性があります。
大学院卒なら全員対象ですか
いいえ。修士・博士の学位ルートは、化学に関する事項を専攻し、その学位を授与されていることが条件です。
卒業証明書に学部名しかありません
学科・課程名が確認できる証明書類が必要です。学校へ学科名入りの証明書を発行できるか相談してください。
外国の大学を卒業しました
外国に所在する大学等も対象に含まれます。外国語の証明書には日本語訳を添付し、個別の書類条件は受験予定地の支部等へ確認してください。
次に読む記事
大学等卒以外を含む4ルートは、危険物取扱者甲種の受験資格で比較できます。
学科名で該当しない人は、危険物甲種の化学15単位とは?へ進んでください。
証明書を準備した後の流れは、危険物取扱者甲種の試験日・申込方法で確認できます。
学習記事の順序は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップにまとめています。
まとめ
大学等卒ルートの判断方法をまとめます。
- 学科・課程名に「化学」を含むか確認する
- 含まない場合は公式の学科例と同一か確認する
- 公式例に似ているだけなら支部等へ問い合わせる
- 対象学校と卒業・修了状態を確認する
- 高等学校・中等教育学校の専攻科は修業年限2年以上
- 卒業証書、卒業証明書、学位記のいずれかに学科名が必要
- 専修学校は専門士・高度専門士または2年・1,700時間の追加証明が必要
- 外国語の証明書には日本語訳を添付する
- 願書資格欄の略称は「大学等卒」
- 該当しない場合は化学15単位ルートを確認する
最初に卒業証明書等へ記載される正式な学科名を確認し、チェック表Aの二条件へ当てはめてください。類似名で迷う場合は、申し込む前に受験予定地の支部等へ確認します。
参考文献
- 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、受験案内 Amazonで見る
- 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』受験の手引き Amazonで見る
- 一般財団法人消防試験研究センター「受験資格」
- 一般財団法人消防試験研究センター「化学に関する学科又は課程」
- 一般財団法人消防試験研究センター「受験資格チェック表A(大学等卒業)」
- 一般財団法人消防試験研究センター「甲種危険物取扱者試験の受験資格チェック表をご活用ください」
化学プラント大全 