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選任の論点|統括者・企画推進者・管理者と管理員・人数・期限と届出【エネ管・課目Ⅰ】

選任の論点

課目Ⅰの省エネ法から、特定事業者が置く4つの役(統括者・企画推進者・管理者・管理員)と、人数・期限の論点を並べます。

同じ分野(工場等の措置)の記事:特定事業者・指定工場と原油換算/届出・定期報告・中長期計画と特例

エネルギー管理統括者 ── 事業者に1人、経営の立場の者で資格は不要

エネルギー管理統括者:統括者と企画推進者は特定事業者の全体に1人ずつ置き、管理者・管理員は指定工場等ごとに置く。第一種でも事務所の用途や5業種以外は管理員

なぜ:中長期計画に書く設備更新や体制づくりには、予算と人を動かす権限が要る。そこで資格ではなく、事業の実施を統括管理する立場(役員クラス)の人を充て、計画と実行の責任を同じ人に持たせる。

問われる形正誤ポイント
統括者は、エネルギー管理士免状を持つ者から選ばなければならない×資格の要件はない。事業の実施を統括管理する者を充てる
統括者は、指定工場等がいくつあっても事業者ごとに1人○工場等の数で増えるのは管理者・管理員
統括者に役員クラスを充てるのは、投資や体制を経営の段で決められるようにするため○計画と実行の責任をそろえる
管理者に選ばれている人を、手続なしで統括者に兼ねさせてよい×原則は別の人。支障がなく承認を受けたときだけ兼任できる
管理者・管理員は、統括者の意見を尊重しなければならない×向きが逆。統括者が管理者・管理員の意見を尊重する
  • 統括者の業務は、中長期計画の作成事務と、全工場等の設備の維持・使い方の改善・監視などの統括管理(法第8条第1項)。
  • 兼任の承認は経済産業大臣(主たる事務所が1つの経済産業局の管内だけなら経済産業局長)。4つの役すべて同じ形(則第8条・第13条・第17条・第23条)。
  • 工場等の従業員は、管理者・管理員が職務上必要として出す指示に従う(法第48条第3項)。
  • 選任は「遅滞なく」。期限は選任・解任の期限と届出へ。

エネルギー管理企画推進者 ── 免状か講習修了の者を事業者に1人

役置く単位選べる人
統括者事業者に1人事業の実施を統括管理する者(資格不要)
企画推進者事業者に1人免状を持つ者、または講習修了者
管理者第一種の製造業等の工場等ごと免状を持つ者だけ
管理員第一種のそれ以外・第二種の工場等ごと免状を持つ者、または講習修了者

なぜ:統括者は経営の立場で、計画づくりや報告の実務に日々関わるのは難しい。そこで知識の裏付け(免状か講習修了)のある人に実務を補佐させ、権限(統括者)と知識(企画推進者)を組にする。

問われる形正誤ポイント
企画推進者は、免状を持つ者か、所定の講習の修了者から選ぶ○法第9条第1項の1号(講習)・2号(免状)
企画推進者は、非化石転換の中長期計画の作成事務も補佐する×法第9条第1項の括弧書で補佐の範囲から除かれる
講習修了者から選んだ企画推進者には、5年ごとに資質向上の講習を受けさせる×3年ごと(受講した年度の翌年度の初めから数える)
指定工場等の多い事業者は、企画推進者を増やして選ぶ×事業者に1人。増えるのは管理者・管理員
企画推進者を置くのは、統括者を実務面から補佐させるため○権限と知識を組み合わせる
  • 定期の資質向上講習は、講習修了者から選んだときだけ(法第9条第2項)。免状を持つ者から選べば要らない。管理員も同じ(則第32条)。
  • 講習から2年を超えて選んだ人などは、選んだ年度の翌年度の初めから1年以内に受けさせる(則第14条第1項ただし書)。
  • 講習を修了しても免状は交付されない。管理者には選べない。

関連:エネルギー管理士の受験資格と免状

エネルギー管理者とエネルギー管理員 ── 第一種の5業種は管理者、他は管理員

第一種は、業種・用途まで読む:第一種指定工場等は、5業種で専ら事務所の用途でなければ管理者、5業種以外か事務所の用途なら管理員を置き、第二種は管理員を置く

なぜ:管理者を求めるのは、燃焼・加熱・廃熱回収など熱と電気を大規模に変換する生産の現場。同じ第一種でも病院・ホテル・本社ビルは空調・照明が中心なので、管理員で足りるとしている。

問われる形正誤ポイント
製造業の会社の本社ビル(事務所の用途)が第一種なら、管理者を置く×事務所の用途は管理員
第一種に当たる病院やホテルでは、管理者ではなく管理員を置く○5業種以外の業種
管理者は、免状を持つ者のほか講習修了者からも選べる×管理者は免状を持つ者だけ
管理者・管理員を工場等ごとに置くのは、設備の管理は現場でしか日々行えないから○運転の改善・監視は現場の仕事
第一種の病院でも、使用量が10万kL以上なら管理者が要る×管理者か管理員かは使用量でなく業種と用途で決まる
  • 5業種は、製造業(物品の加工修理業を含む)・鉱業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業(令第5条第1項)。
  • 5業種でも、事務所の用途に供する工場等は管理員(法第11条第1項第1号、令第5条第2項)。
  • 第二種は、業種や用途にかかわらず管理員(法第14条第1項)。
  • 判定の順は、第一種か → 5業種か → 事務所の用途か。管理者を置くと決まってから、使用量で人数を決める。

関連:第一種・第二種エネルギー管理指定工場等

エネルギー管理者の人数 ── 前年度の使用量の区分で1〜4人

エネルギー管理者の人数:前年度の使用量で決まり、製造業・鉱業などは2万・5万・10万kL以上で2・3・4人、コークス製造業・電気・ガス・熱供給業は10万kL以上で2人
業種前年度の原油換算使用量人数
コークス製造業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業10万kL未満1人
同上10万kL以上2人
それ以外(製造業・鉱業)2万kL未満1人
同上2万kL以上5万kL未満2人
同上5万kL以上10万kL未満3人
同上10万kL以上4人

なぜ:使用量は、ボイラ・炉・圧縮機などの設備の量と運転時間を映す。設備が多いほど点検・記録・改善の手間が増えるので、使用量の区分で人数を段階的に増やす。

問われる形正誤ポイント
製造業の第一種で、前年度が7万kLなら管理者は3人○5万kL以上10万kL未満は3人
ガス供給業の第一種で、前年度が9万kLなら管理者は3人×1人。この4業種は10万kL未満なら1人
化学工場で前年度がちょうど5万kLなら、管理者は2人でよい×境目は「以上」の側。5万kLちょうどは3人
人数は、選任する年度の使用見込み量の区分で決める×前年度の実績で決める
使用量が大きいほど人数を増やすのは、1人では管理が行き届かないから○設備の数と改善の余地が増える
  • 表は2本ある。使用量より先に、業種でどちらの表かを決める。
  • 境目の値は必ず上の区分に入る(未満と以上で切れ目なくつながる)。
  • コークス製造業は製造業の一つだが、人数は電気・ガス・熱供給業と同じ表(令第4条第1号)で数える。
  • 人数の区分は管理者だけのもの。管理員は工場等ごとに1人(教科書の表1.6)。

選任・解任の期限と届出 ── 選任は6か月以内、届出は最初の7月末日

選任・解任の期限と届出:選任すべき事由が生じてから、統括者は遅滞なく、企画推進者・管理者・管理員は6か月以内に選任し、届出は選任・解任の後の最初の7月末日まで
役選任の期限(事由が生じた日から)選任・解任の届出の期限
統括者遅滞なく選任・解任があった日後の最初の7月末日まで
企画推進者6か月以内同上
管理者・管理員6か月以内同上

なぜ:選任は管理の体制そのものなので、空白を作らないよう早く求める。届出は国が誰が就いているかを把握するための事務なので、毎年の定期報告・中長期計画と同じ7月末日にまとめて出させる。

問われる形正誤ポイント
企画推進者・管理者・管理員は、事由が生じた日から1年以内に選べばよい×6か月以内
4つの役を選んだときの届出は、選んだ日から30日以内に出す×最初の7月末日まで。解任も届け出る
選任・解任の届出は経済産業大臣へ、定期報告と中長期計画は主務大臣へ出す○何を確かめる書類かで宛先が違う
選任と届出で期限を分けるのは、体制は早く整え、書類は年1回にまとめるため○体制は急ぎ、事務はまとめる
統括者は、ほかの3つの役より選任までの猶予が長い×逆。統括者は「遅滞なく」
  • 資格の要らない統括者は人を探す時間がほとんど要らないので、猶予がない。資格の要る3つの役は、有資格者の確保に時間がかかりうるので6か月。
  • 主務大臣は、経済産業大臣と、その工場等の事業を所管する大臣(法第171条第1項)。
  • 災害などやむを得ない事由で届出が期限に間に合わないときは、経済産業大臣が事由を勘案して定める期限による。企画推進者・管理員の選任の期限も同じ(管理者の選任にはこの定めがない)。

関連:使用状況の届出・定期報告・中長期計画の違い

出典:省エネ法 第8・9・11・12・14・48・171条、同法施行令 第4・5条。同法施行規則 第8・12〜15・17・22・23・32・33条(2026年4月1日時点)。エネルギー管理士試験講座 共通Ⅰ(省エネルギーセンター)1編2章。

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