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電験三種 法規 電技の総則|用語・電路の絶縁・絶縁抵抗・絶縁耐力試験

電験三種 法規 電技の総則|用語・電路の絶縁・絶縁抵抗・絶縁耐力試験のアイキャッチ

法令の基準日:2026年4月1日

最終確認:2026年10月16日

電験三種の法規で問われる電気設備の技術基準の総則を、6つの論点に分けた辞書です。省令と具体例の関係、用語、電路の絶縁、保護、絶縁抵抗、絶縁耐力試験の順に確かめます。

法規の論点:電気事業法①|電気事業法②|関係法規|電技の総則・絶縁|接地工事

保護と発変電所|電線路|分散型電源|電気使用場所|施設管理の計算|受電設備と自家発

電技と解釈 ── 解釈は省令を満たす一例

決まりの段何を決めるか条文の例
電気事業法事業用電気工作物を技術基準に適合させて維持する義務電気事業法 第39条第1項・第2項
省令守るべき性能(感電・火災を起こさない など)電気設備に関する技術基準を定める省令 第4条第1項
解釈性能を満たす技術的内容の具体例電気設備の技術基準の解釈 第13条第一号・第二号 など

解釈は、省令の性能を満たす方法の一例です。解釈以外の方法でも、十分な技術的根拠があれば省令に適合します。

問われる形○×ポイント
船舶安全法が適用される船の客室の配線は、技術基準の対象×船・航空機・自動車に設置する工作物は、電気工作物から除かれる
乾電池で動く低い電圧の機器も、技術基準の対象×30 V未満(30V以上の設備と電気的に接続されていないもの)の設備は、電気工作物から除かれる
電気浴器は、省令に専用の条がある○危険のおそれがない場合に限って施設できる
IEC規格で施設した低圧設備を事業者の設備につなぐとき、整合させるのは絶縁性能×整合させるのは、接地工事の施設
  • 問題文の「電気設備技術基準(でんきせつびぎじゅつきじゅん)」は省令(電技)を、「電気設備の技術基準の解釈(でんきせつびのぎじゅつきじゅんのかいしゃく)」は解釈を指します。
  • 需要場所の低圧の設備は、解釈の各条に代えて、IEC 60364 などの規格で施設できます(解釈 第218条第1項)。
  • その設備を一般送配電事業者などの設備と直接つなぐときは、接地工事の施設を事業者の設備と合わせます。
  • 船・鉄道車両・航空機・自動車に設置する工作物は、電気工作物から除かれます(電気事業法施行令 第1条第一号〜第三号)。ただし、船・車両・自動車から外の設備へ電気を送るための工作物は除かれません。それぞれの安全の法律で規制される、と考えると覚えやすいです。

関連:用語の定義

用語の定義 ── 電路は電気が通じている所、電線路は結ぶ線と支持物

電路と電線路:電路は電気が通じている所で建物の中の配線や電動機の巻線も含み、電線路は変電所などと電気使用場所を結ぶ電線と電柱・がいしを含む
用語意味見分けどころ
電路通常の使用状態で電気が通じている所盤の中や機器の巻線も含む
電線路発電所・変電所などと電気使用場所を結ぶ電線と、支持・保蔵する工作物電柱やがいし、管路も含む
電気使用場所電気を使う設備を施設した、1の建物か1の単位をなす場所建物の単位
需要場所電気使用場所を含む1の構内(発電所・蓄電所・変電所・開閉所以外)構内の単位

電路は電気が通じている所、電線路は場所と場所を結ぶ電線とそれを支える物です。

問われる形○×ポイント
光ファイバケーブル線路は、ケーブルと、それを収納する工作物×「支持し、又は保蔵する」工作物。電線路の定義と同じ言い方
需要場所を含む1の構内が、電気使用場所×逆。電気使用場所を含む構内が需要場所
接触防護措置は、屋内で床上2.6 m以上×屋内は床上2.3 m以上、屋外は地表上2.5 m以上
引込線は、需要場所の建造物の側面などに施設する電線を含む×建造物ではなく造営物(ぞうえいぶつ)。建造物のほうが狭い
措置屋内屋外
接触防護措置(せっしょくぼうごそち)2.3 m以上(床上)2.5 m以上(地表上)
簡易接触防護措置(かんいせっしょくぼうごそち)1.8 m以上(床上)2 m以上(地表上)
  • 接触防護措置は、人が手を伸ばしても触れない範囲に置く措置です。簡易接触防護措置は、容易に触れない範囲でよい分だけ低くなります。
  • どちらも、高さの代わりに、さくやへいを設けるか、設備を金属管に収める等の防護措置でもかまいません。
  • 工作物は人が加工したすべての物です。造営物はそのうち土地に定着し、屋根と柱か壁がある物です。建造物はさらにそのうち、人が住む・勤める・よく出入りする物です。

関連:電路の絶縁

電路の絶縁 ── 原則は絶縁、接地は保安上の例外

電路の絶縁:柱上変圧器から住宅までの電線は大地から絶縁し、変圧器の低圧側に施すB種接地の接地点だけが例外として大地につながる
大地から絶縁しなくてよい部分例考え方
接地工事を施す場合の接地点B種接地工事の接地点、計器用変成器(けいきようへんせいき)の2次側の接地点保安のためにわざと接地する
絶縁できないことがやむを得ない部分単線式電気鉄道の帰線、試験用変圧器電路の一部を大地につないで使う
大地から絶縁することが技術上困難なもの電気炉、電気ボイラー、電解槽、電気浴器構造上、絶縁できない

電路は大地から絶縁するのが原則です。例外は、混触(こんしょく)に備えて接地する所と、構造上どうしても絶縁できない部分だけです。

問われる形○×ポイント
例外の接地は、短絡(たんらく)による高電圧の侵入に備えるもの×原因は混触。目的は保安上の措置
例外は、遮断その他の保安上必要な措置を講じる場合×大地につなぐ「接地」その他の措置
電気炉の炉体も、電極に至る導線も、絶縁しなくてよい×例外は炉体だけ。導線は絶縁する
中性点の接地点以外の接地側電路も、絶縁しなくてよい×例外は接地点だけ
  • 絶縁(ぜつえん)の原則と例外は電技 第5条第1項、例外の部分は解釈 第13条第一号・第二号にあります。
  • 混触とは、変圧器の中で高圧と低圧の巻線が触れることです。低圧の電路に高い電圧が入り込むので、低圧側の1点を接地して電位の上がりを抑えます。
  • 異常時の電位上昇には、接地その他の措置を講じます(電技 第10条第1項)。接地は、電流が安全かつ確実に大地に通じるように施します(電技 第11条第1項)。
  • 絶縁が破れて地絡(ちらく)が起きたときや、過電流が流れたときは、遮断器(しゃだんき)で電路を切ります(次の論点)。
  • 機器は、通常の使用状態で出る熱に耐えるものにします(電技 第8条第1項)。ほかの設備に電気的・磁気的な障害を与えないことも求めます(電技 第16条第1項)。

関連:接地工事の種類|B種接地抵抗

過電流・地絡の保護 ── 遮断器で過熱焼損・感電・火災を防ぐ

守る相手防ぐもの省令の決まり
過電流電線と機器の過熱焼損、火災電路の必要な箇所に過電流遮断器(電技 第14条第1項)
地絡電線と機器の損傷、感電、火災地絡遮断装置(ちらくしゃだんそうち)の施設など(電技 第15条第1項)
サイバー攻撃人や物への危害、送配電の供給支障運転を管理する電子計算機のサイバーセキュリティ(電技 第15条の2第1項)

過電流は「過熱焼損と火災」、地絡は「損傷・感電・火災」を防ぐために電路を切ります。

問われる形○×ポイント
過電流遮断器は、幹線の必要な箇所に限って施設する×「電路」の必要な箇所
過電流遮断器で、感電事故の発生も防ぐ×過電流は過熱焼損と火災。感電は地絡の側
サイバーセキュリティの対象は、電気事業の用に供するものに限る×事業用電気工作物(小規模事業用を除く)全体。自家用も入る
守る対象は、運転を管理する電子計算機○「制御装置」ではなく電子計算機
  • 過電流は、短絡(たんらく)や過負荷で、電線に流せる以上の電流が流れることです。地絡は、電路が大地とつながる事故です。
  • 過電流遮断器(かでんりゅうしゃだんき)は過電流で、地絡遮断装置は地絡で、電路を自動的に切ります。省令の条文では「地絡遮断器」と書いています。
  • 地絡の保護は、乾燥した場所に機器を置くなど、地絡による危険のおそれがない場合は要りません。
  • サイバーセキュリティの対象は改正で広がり、現行は自家用電気工作物も入ります。古い過去問は改正前の文で出ています。

関連:過電流遮断器と地絡遮断装置|電界と磁界の上限

絶縁抵抗と漏えい電流 ── 電圧が高い区分ほど絶縁抵抗の下限が大きい

絶縁抵抗と漏れ電流:同じ絶縁抵抗なら電圧が高いほど漏れ電流が大きく、絶縁抵抗の下限は0.1・0.2・0.4 MΩと電圧の高い区分ほど大きい
電路の使用電圧の区分条件絶縁抵抗
300 V以下対地電圧が150 V以下(単相3線式(たんそうさんせんしき)100/200 Vなど)0.1 MΩ以上
300 V以下その他(三相3線式(さんそうさんせんしき)200 Vなど)0.2 MΩ以上
300 Vを超える―0.4 MΩ以上
絶縁抵抗を測れないとき漏えい電流で判定1 mA以下(使用電圧を加えた状態)

同じ絶縁抵抗なら、電圧が高いほど漏れる電流は大きくなります。電圧の高い区分ほど下限が大きい、と覚えると表がつながります。

問われる形○×ポイント
低圧電線路の漏えい電流は、対地電圧に対する値で決める×使用電圧に対する漏えい電流
低圧電線路の漏えい電流の上限は、最大供給電流の1000分の1×2000分の1
絶縁抵抗の区分の境は、使用電圧400 V×境は300 V。その中を対地電圧150 Vで分ける
絶縁抵抗は、開閉器か過電流遮断器で区切れる電路ごとに確かめる○回路ごとに測るので、悪い回路を見つけやすい
  • 低圧の電線路は漏えい電流で縛ります(電技 第22条第1項)。電気使用場所の低圧の電路は絶縁抵抗で縛ります(電技 第58条第1項)。
  • 測れないときの漏えい電流の基準は解釈 第14条第1項にあります。
  • 工場・現場では、年次点検の停電で盤の回路ごとに絶縁抵抗計(ぜつえんていこうけい)で測り、前回の値と比べます。止められない回路は、使用中の漏えい電流で確かめます。

解き方:漏えい電流の上限と絶縁抵抗の下限を出す

  • ① 最初の一手は、変圧器の容量を電圧で割って最大供給電流を出すことです。単相3線式は、外側の2線の間の電圧で割ります。

言葉の式 最大供給電流 = 変圧器の容量 ÷ 二次側の電圧

Im=SV

Im:最大供給電流(変圧器の二次側の定格電流)〔A〕 S:変圧器の定格容量〔V·A〕 V:二次側の定格電圧(単相3線式は外側の2線の間の電圧)〔V〕

  • ② 最大供給電流を2000で割ると、電線1本当たりの漏えい電流の上限です。何本かを一括して測るときは、本数を掛けます。

言葉の式 一括して測る漏えい電流の上限 = 線の数 × 最大供給電流 ÷ 2000

Ig=nIm2000

Ig:電線を一括して大地との間に電圧を加えたときの漏えい電流の上限〔A〕 n:一括した電線の数〔本〕 Im:最大供給電流〔A〕

  • ③ 1本当たりの絶縁抵抗の下限は、その線に加える電圧を、1本当たりの上限で割ります。

言葉の式 絶縁抵抗 = 加えた電圧 ÷ 漏えい電流

R=VIg

R:絶縁抵抗〔Ω〕 V:加えた電圧(使用電圧)〔V〕 Ig:漏えい電流〔A〕

  • ④ 漏えい電流はA、絶縁抵抗はΩの桁です。数百Ωになっているかを確かめます。

例は、令和4年度上期 法規 問11 の条件です。定格容量50 kV·A、二次電圧210/105 Vの単相変圧器に、単相3線式の架空電線路をつなぎます。3線を一括して、大地との間に105 Vを加えます。

Im=50000 V·A210 V=238.1 A
Ig=3 本×238.1 A2000=0.3571 A
  • 1本当たりの上限は、238.1÷2000≒0.119 Aです。3本分なので、許される漏えい電流は約0.357 Aです。
R=105 V0.119 A=882.4 Ω
  • 選択肢では883 Ωが最も近い値です。105 Vではなく210 Vで割ったり、3本分の電流で割ったりしないようにします。

関連:絶縁耐力試験

絶縁耐力試験 ── 7000 V以下の電路は1.5倍を10分加える

絶縁耐力試験の電圧:公称6600 Vの電路は最大使用電圧6900 Vの1.5倍の10350 Vを10分加え、ケーブルを直流で試すならその2倍の20700 V
試すもの試験電圧加える所
電路(最大使用電圧7,000 V以下・交流)最大使用電圧の1.5 倍の交流電圧(最低値の定めなし)電路と大地の間に10分間
ケーブルを使う交流の電路を直流で試す2倍の直流電圧電路と大地の間に10分間
変圧器の巻線(最大使用電圧7,000 V以下)最大使用電圧の1.5 倍(500V未満なら500V)巻線と他の巻線・鉄心・外箱の間
変圧器の巻線(7,000 Vを超え60,000 V以下。多重接地の電路につなぐ一部を除く)最大使用電圧の1.25 倍(10,500V未満なら10,500V)巻線と他の巻線・鉄心・外箱の間

試験電圧は、最大使用電圧に倍率を掛けて出します。使用電圧に直接掛けない所が、ひっかけの急所です。

問われる形○×ポイント
6600 Vの電路の試験電圧は、6600 Vの1.5倍の9900 V×先に最大使用電圧6900 Vにして、10350 V
ケーブルを直流で試すときは、10350 Vを1分間×2倍の20700 Vを、連続10分間
変圧器の試験電圧の区分の境は、最大使用電圧6900 V×境は7,000 V。6900 Vは7,000 V以下の区分に入る
省令は、異常電圧で絶縁破壊の危険がない絶縁性能を求める○低圧は漏えい電流と絶縁抵抗で別に決める
  • 絶縁耐力試験(ぜつえんたいりょくしけん)は、ふだんより高い電圧を一定時間加え、事故時の異常電圧にも絶縁が耐えるかを確かめます(電技 第5条第2項・第3項)。
  • 電路の試験は解釈 第15条第一号〜第三号、変圧器は解釈 第16条第1項です。最大使用電圧7,000 V以下の区分では、試験電圧の最低値が変圧器の表にだけあります。7,000 Vを超える区分は、電路の表にも最低値があります。
  • ケーブルは静電容量が大きく、交流で試すと大きな充電電流が流れます。直流なら小さな装置で済むので、2倍の直流電圧で代えられます。

解き方:試験電圧から試験装置の容量を出す

  • ① 最初の一手は、使用電圧を最大使用電圧に直すことです。最大使用電圧が与えられていれば、②から始めます。

言葉の式 最大使用電圧 = 公称電圧 × 1.15 ÷ 1.1

Em=Vn×1.151.1

Em:最大使用電圧〔V〕 Vn:公称電圧〔V〕

  • ② 電路か機器かと電圧の区分で倍率を選び、試験電圧を出します。

言葉の式 試験電圧 = 最大使用電圧 × 倍率

Vt=kEm

Vt:試験電圧〔V〕 k:倍率(電路の種類と電圧で決まる。高圧は 1.5 など) Em:最大使用電圧〔V〕

  • ③ 交流の試験で流れる充電電流を出します。静電容量は3線一括の値を使い、マイクロファラドの値に10⁻⁶を掛けてファラドに直します。

言葉の式 充電電流 = 2 × π × 周波数 × 静電容量 × 試験電圧

IC=ωCVt=2πfCVt

IC:充電電流〔A〕 ω:角周波数(2πf)〔rad/s〕 f:周波数〔Hz〕 C:試験電圧を加える部分と大地の間の静電容量(3線一括なら3線分)〔F〕 Vt:試験電圧〔V〕

  • ④ 試験装置の容量は、試験電圧と充電電流の積です。単相の試験なので、三相の式は使いません。

言葉の式 試験装置の容量 = 試験電圧 × 試験装置から流す電流

Pt=VtI

Pt:試験用変圧器(試験装置)の容量〔V·A〕 Vt:試験電圧〔V〕 I:試験装置から流す電流(補償リアクトルが無ければ充電電流)〔A〕

例は、令和6年度下期 法規 問13 の条件です。高圧電路の最大使用電圧は6,900 V、3線一括の大地との静電容量は0.2 μF(ファラド。マイクロは100万分の1)、周波数は50 Hz(ヘルツ)です。

Vt=1.5×6900 V=10350 V
IC=2π×50 Hz×0.2 μF×10350 V=0.6503 A
  • 充電電流は約0.65 Aです。
Pt=10350 V×0.65 A=6728 V·A
  • 約6.7 kV·Aなので、選択肢では7 kV·Aです。最大使用電圧のまま計算すると0.43 Aになり、これがひっかけの選択肢です。
  • 長いケーブルでは、補償リアクトルを並列に入れて充電電流を打ち消し、試験装置の容量を下げます。

関連:太陽電池モジュールの試験電圧

まとめ

解釈は省令の性能を満たす一例で、電路は大地から絶縁するのが原則です。

低圧は漏えい電流と絶縁抵抗、高圧は絶縁耐力試験で絶縁性能を確かめます。

計算は、最大供給電流や最大使用電圧を最初に出すのが一手目です。

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参考文献

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