熱Ⅳの計測のうち、流量計の各方式と、圧力の基準・圧力計・真空計、レベルの測定の論点を、表と例題で並べました。流量計は差圧式・面積・電磁・超音波・容積式とタービン・渦・質量流量計の順です。
目次
- 差圧式流量計 ── 流量は差圧の平方根に比例し、小流量が苦手
- 面積流量計 ── 差圧一定で面積が変わる
- 電磁流量計 ── 導電性のある液体だけを測り、圧力損失がない
- 超音波流量計 ── 伝わる時間の差から流速を出す
- 容積式流量計とタービン流量計 ── 容積式は高粘度の液に向き、タービンは向かない
- 渦流量計 ── 渦の周波数は流速に比例する
- コリオリ式・熱式流量計(質量流量) ── どちらも質量流量を直接測る
- 圧力の基準と単位 ── 絶対圧はゲージ圧に大気圧を足したもの
- 圧力計・差圧伝送器・真空計 ── 液柱・重錘・弾性体のどれと釣り合わせるか
- レベルの測定 ── 差圧式は液の密度の影響を受ける
差圧式流量計 ── 流量は差圧の平方根に比例し、小流量が苦手

| 流量(最大流量に対する%) | 差圧(最大差圧に対する%) | 読み方 |
|---|---|---|
| 100 | 100 | 目盛の上端 |
| 50 | 25 | 流量が半分で差圧は 1/4 |
| 20 | 4 | 差圧の信号はもう細い |
| 10 | 1 | 信号がほとんど残らず、読み取りの誤差が割合として大きい |
なぜ:絞りで流れが速くなった分だけ圧力が下がり、その差圧は速さの2乗に効きます。速さは流量に比例するので、差圧は流量の2乗、流量は差圧の平方根です。流量が減ると差圧はそれより速く小さくなるので、目盛の下の方では差圧計に現れる信号が弱くなり、小流量が測りにくくなります。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 絞りの前後の差圧は、流量の平方根に比例する | × | 差圧は流量の2乗。平方根に比例するのは流量のほう |
| 最大流量の 10% を流すと、差圧は最大差圧のおよそ 1% になる | ○ | 0.1²=0.01 |
| ベンチュリ管は圧力損失が小さいが、高価で設置スペースをとる | ○ | 圧力損失が大きいのはオリフィス |
| 高圧蒸気やボイラ給水のような高温・高速の流体には、孔の縁が鋭いオリフィスが向く | × | 縁が丸く摩擦に強いノズル |
| 気体では、絞りの下流と上流の絶対圧の比が 0.75 を下回らない範囲で使う | ○ | 測定上の注意に挙がる条件(比 0.75 以上) |
例題
差圧伝送器の範囲 0〜40 kPa を、流量 0〜100 m³/h に対応させたオリフィス流量計があります。差圧の指示から流量を求め、逆に流量から差圧を求めます。
①式:流量の比=√(差圧の比)。
②差圧 10 kPa のとき:√(10/40)=0.5 なので、流量は 50 m³/h。
③流量 30 m³/h のとき:差圧の比=0.3²=0.09 なので、差圧は 40×0.09=3.6 kPa。
④確かめる:流量は 30% なのに、差圧はスパンの 9% しかない。差圧の信号をそのまま流量の%と読まない。流量に直すには平方根をとる(差圧伝送器の開平機能)。
- 絞り機構はオリフィス・ノズル・ベンチュリ管(JIS で規定)。オリフィスは安価で製作・検査が容易なので最も多い。ただし孔の縁が鈍ると流出係数が規格からずれるので、高速流体や微粒子を含む流体には向かない。
- 同じ差圧なら、密度が4倍の流体では体積流量は半分(流量は √(Δp/ρ) に比例)。気体は温度・圧力・組成が設計値からずれると大きな誤差になる。変動が常にあるときは、温度計・圧力計・密度計と演算器で自動補正するのが望ましい。
- オリフィスを抜けた流れの圧力はかなり回復するが元には戻らない(永久圧力損失)。渦や壁との摩擦でエネルギーが失われる分で、ポンプや送風機の動力で補う。
- 規格どおりに製作・設置すれば実流で校正しなくてよい。液体・気体・蒸気に使え、可動部がない。固形物や気泡を多く含む液と脈動流には向かず、絞りの前後にかなり長い直管部が要る。
関連:差圧から流量・流速を求める(ベルヌーイ・ピトー管)/差圧式流量計(開平とは何か)
面積流量計 ── 差圧一定で面積が変わる

| 比べる点 | 差圧式 | 面積流量計 |
|---|---|---|
| 一定にするもの | 絞りの面積 | 絞りの前後の差圧(フロートの重さで決まる) |
| 流量で変わるもの | 差圧 | フロートとテーパ管のすき間(流通面積) |
| 流量との関係 | 流量は差圧の平方根に比例 | 流量はフロートの位置に比例(流通面積が位置に比例するように作ってある) |
| 読み方 | 差圧伝送器で差圧を測る | 透明なテーパ管なら、フロートの位置を外から直読。4〜20 mA に変換して伝送する型もある |
| 精度 | ― | あまり高くない(通常はスパンの 1.5〜3% 程度) |
なぜ:フロートは差圧で押し上げられますが、上がるとすき間が広がって差圧が下がります。差圧×最大断面積が、浮力を引いたフロートの重さと等しい位置でしか止まれません。そのため差圧はフロートで決まる一定値 Δp=Wf/Af になります。差圧が一定なら流量は通り道の面積に比例します。その面積をフロートの高さに比例させてあるので、高さがそのまま流量の目盛になります。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 面積流量計は、差圧を変えないように流通面積を動かし、その面積から流量を知る | ○ | 差圧式は面積を固定して差圧を読む |
| フロートが止まるのは、差圧で押し上げる力と、浮力を引いたフロートの重量が釣り合う位置 | ○ | Δp=Wf/Af |
| 面積流量計では、流量はフロートの位置の2乗に比例する | × | 位置に比例(差圧式の2乗の関係とは別) |
| 面積流量計は精度が高く、ふつうスパンの 0.2% 程度が得られる | × | 1.5〜3% 程度。精度より安さと動力不要が持ち味 |
- 長所:現場指示計なら動力源が要らないので爆発性雰囲気でも使える。価格は一般に安い。気体・液体・蒸気を測れる。圧力損失は比較的小さく、直管長は通常要らない。
- 短所:固形物を含む流体にはあまり向かない。
- 取付けは垂直。ガラス・樹脂のテーパ管は、前後の弁の急な開閉や急な温度変化で割らないよう注意する。保守・点検のためバイパス管路を設けるとよい。
- 流量の式に流体の密度が入るので、密度が変わると誤差が出て補正が要る。粘度の影響も受けるが、その程度はフロートの形で違う。
電磁流量計 ── 導電性のある液体だけを測り、圧力損失がない

| 項目 | 内容 | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 原理 | ファラデーの電磁誘導(発電機と同じ)。管の外から垂直に磁界をかけ、流れる液体が磁界を横切ると液中に電圧が生じる | 発電機の回転子にあたるのが、管の中を流れる液体 |
| 電圧 | E=kBDv(平均流速と磁束密度の積に比例) | 変換器で磁束密度で割って平均流速を出し、管の断面積を掛けて流量にする |
| 測れる流体 | 導電性のある液体。導電率 20 μS/cm 以上なら通常問題なく、5 μS/cm 以下は測定困難 | 気体と、炭化水素系のように導電性がまったくない液体は測れない |
| 測定管 | 非磁性(通常はステンレス)で、内面をフッ素樹脂・ゴムなどで被覆(ライニング)。セラミックス製の管もある | 液中の電圧が管壁で短絡しないよう、内面を絶縁する |
| 圧力損失 | まったくない | 電極の面が管の内面にそろい、流れをさえぎるものがない |
| 影響しにくいもの | 液体の温度・圧力・密度・粘度 | 測るのは体積流量 |
なぜ:導体が磁界を横切ると、速さと磁束密度に比例した電圧が生じます。電磁流量計は流れる液体そのものを導体にするので、電気を通さない液体や気体では電圧が生まれず、測れません。管の中には絞りも羽根もなく、電極の面も内面にそろっているので、流れを乱さず圧力損失がありません。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 液中に生じる電圧は平均流速に比例し、磁束密度には反比例する | × | 流速と磁束密度の積に比例。磁束密度で割るのは変換器の処理 |
| 導電性のまったくない炭化水素系の液体や気体は、電磁流量計では測れない | ○ | 液体が導体の役をする |
| 電磁流量計は差圧式と同じくらいの圧力損失を伴う | × | 圧力損失はまったくない。可動部がなく保守がほぼ不要なのは正しい |
| 測定管の内面を絶縁するのは、液中の電圧が導体の管壁へ逃げるのを防ぐため | ○ | ライニングかセラミックス管 |
| 液の密度や粘度が変わっても、体積流量の指示をほとんど補正せずに使える | ○ | E=kBDv に密度も粘度も入らない |
- 精度は流速・口径などで違うが、おおむねスパンの ±0.5〜1.0%。指示値の 0.5% とする製品もある。
- 長所:1台で測れる範囲が非常に広い。固形物を多く含む液・高粘度液にも使える(気泡が入っていると、気泡を含んだ体積流量になる)。電極と管内面の材質を選べば強腐食性液にも使える。正逆流を測れる。
- 短所:高温の液は難しい(ライニングの耐熱性による)。
- 検出器の中はつねに満水にする。上流に曲がり・分岐・拡大縮小管があれば口径の5倍以上、弁があれば10倍以上の直管部をとる。
- 差圧式は流体のエネルギーを使って差圧を作るが、電磁式は使わない。差圧式から電磁式・超音波式・渦式へ切り替えられる主な理由の1つが、このエネルギー損失の差。
超音波流量計 ── 伝わる時間の差から流速を出す
| 比べる点 | 伝播速度差式(伝播時間差式) | ドップラー式 |
|---|---|---|
| 使うもの | 流れに沿う向きと逆らう向きの超音波の速さの違い | 気泡や固形物で反射した超音波の周波数のずれ |
| 式・関係 | V₁=C+v cosθ、V₂=C−v cosθ から v=(V₁−V₂)/(2cosθ)。V₁・V₂ は伝播時間から求める | 送信波と受信波の周波数の差が流速に比例する |
| 気泡・固形物 | 多く含むと測れない | ないと測れない |
| 位置づけ | 主に使われている方式 | 本質は流速計で、流速分布の影響を大きく受ける |
なぜ:超音波は流体の中を音速 C で進みますが、流れに乗る向きでは流速の分だけ速く、逆らう向きでは遅くなります。2つの向きの速さの差は 2v cosθ で、音速 C が消えて流速だけが残るので、2つの伝播時間から流速が分かります。管の断面積を掛ければ流量です。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 伝播速度差式では、流れに沿う超音波のほうが逆らう超音波より速く、その差は流速が大きいほど大きい | ○ | 差は 2v cosθ |
| 気泡や固形物を多く含む液ほど測りやすいのは、伝播速度差式である | × | それはドップラー式。伝播速度差式は多いと測れない |
| クランプオン形で気体を測れないのは、管壁越しに気体へ斜めに超音波を送り込めないから | ○ | 気体は接液形で測る |
| 超音波流量計は、差圧式と同じように圧力損失を伴う | × | 管の中に流れをさえぎるものがなく、圧力損失はまったくない |
- クランプオン形:超音波振動子とくさびを管の外側に密着させる。管を加工せずに外から測れ、ポータブル形もある。超音波を通しにくい管・内面に凹凸のある管・気体には使えない。そのときは、管壁に孔をあけて送受信器を流体に触れさせる接液形を使う。
- 精度は流速により異なるが、指示値の 1.0〜2.0% 程度。
- 長所:大口径ほど他の流量計より相対的に安い。実際の流体を流さなくても、計算で目盛付けできる。正逆流を測れる。
- 上流の曲がり・分岐・弁・ポンプで流速が偏ったり旋回したりすると誤差になる。所定の直管部をとり、とれないときは複数組の送受信器で流速分布の影響を補正する。
容積式流量計とタービン流量計 ── 容積式は高粘度の液に向き、タービンは向かない

| 比べる点 | 容積式(オーバルギアなど) | タービン式 |
|---|---|---|
| 測り方 | 回転子と容器の壁の間の「ます」で区切って送り出し、回転数を数える | 斜めに羽根を植えたロータが流速に比例した速さで回り、その回転をピックアップコイルで検出する |
| 回転子を回すもの | 流体の圧力(押されて回る) | 軸方向から羽根に当たる流れ |
| 強み | 積算流量が高精度(高精度形は指示値の ±0.2%)。高粘度液にとくに適する。外部エネルギーなしで指示が出る | 出力が流量に比例し精度が高い(一般用 ±0.5%、取引用 ±0.2%)。高圧流体向き、小形で大流量 |
| 弱み | ごみ・固形物がすき間に詰まる。高粘度では圧力損失が大きく、ごく低粘度ではすき間から漏れて精度が落ちる。大流量は検出部が大きく高価 | 高粘度液・固形物を含む流体に向かない。ロータが高速で回るので部品の定期交換が要る |
| 直管部 | 前後とも不要 | 整流器を含め上流に口径の20倍以上、下流に5倍以上 |
なぜ:容積式は、決まった容積を区切って送り出した回数を数えるので、積算がそのまま通過した体積になります。粘い液はすき間から漏れにくいので数え漏れが少なく、高粘度に向きます。その代わり回転子は流体の圧力で押して回すので、粘いほど回すのに要る圧力差(圧力損失)が大きくなります。タービンは流れの勢いで高速に回る羽根車なので、粘い液や固形物には向きません。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 容積式は流速や差圧から換算せず、通過した容積を「ます」で直接数えるので積算に強い | ○ | 回転子は流体の圧力で回る |
| 容積式流量計では、粘度の高い液ほど圧力損失が小さい | × | 大きくなる |
| 粘度のごく低い液では、すき間を素通りする分が増えて容積式の精度が落ちる | ○ | 数えられない漏れ |
| タービン流量計は、高粘度の液や固形物を含む流体にとくに適している | × | 適さない。高粘度に適するのは容積式 |
| 容積式もタービン式も、前後に整流の直管部がないと精度が出ない | × | 容積式は不要。要るのはタービン式 |
- オーバルギア式は、直角にかみ合う2枚の楕円形のギアが流体の圧力で交互に回る。90°ごとにギアと壁の間の流体が下流へ出て、1回転でます4杯分。回転速度は体積流量に相当するので、体積流量計としても使える。
- 容積式の種類:液体用はオーバルギア・ルーツ・円形ギア・スパイラル回転子・ロータリーピストンなど。気体用はオーバルギア・ルーツ・膜式(家庭用ガスメータ)・湿式ドラム(実験用・検定用)。
- 容積式の注意:上流にストレーナとバイパス管を必ず付け、可動部を定期的に分解点検する。常温で著しく粘い液(C重油など)は保温する。
- タービン式は分解能も高く、石油類の取引証明用に多い。上流にストレーナを必ず置き、保守のため原則としてバイパスを設ける。家庭用水道メータは、軸に直角に流れを当てる羽根車式(接線流羽根車式)。
渦流量計 ── 渦の周波数は流速に比例する

| 項目 | 内容 | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 原理 | 流れに置いた柱状の物体(渦発生体)の下流に、2列の渦(カルマン渦)が交互にできる | 渦の周波数 f と流速 v が比例する |
| 基本式 | f=St·v/d(d は渦発生体の幅) | ストローハル数 St は渦発生体の形と寸法で決まり、レイノルズ数のかなり広い範囲で一定 |
| 出力 | 基本は周波数(パルス) | 積算流量を精度よく得られる。演算器で体積流量の信号にもできる |
| 適用流体 | 液体・気体・蒸気を同じ検出器で(渦の検出方法によっては測れないものもある) | 液体と気体で、レイノルズ数とストローハル数の関係が同じ |
| 苦手 | レイノルズ数が著しく小さい(流量小・粘度大など)と、渦が出ないか不安定になる | 固形物や気泡を多く含む液、高粘度の液にも向かない |
なぜ:渦は物体の角から左右交互にはがれ、はがれる間隔は物体の幅でほぼ決まります。流れが速いほど単位時間に流れ去る渦の数が増えるので、周波数は流速に比例します。周波数は流速の1乗、差圧式の差圧は流量の2乗なので、流量の変化がそのまま信号の変化になります。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| ストローハル数が一定とみなせる範囲では、渦の周波数は流速に比例する | ○ | f=St·v/d |
| 流速を変えずに渦発生体の幅を2倍にすると、渦の周波数も2倍になる | × | 幅に反比例して 1/2 |
| 流量が小さく粘度の大きい流体ほど、渦が安定して出るので測りやすい | × | レイノルズ数が小さいと渦が出ないか不安定 |
| 流量を2倍にすると、渦流量計の周波数は約2倍、差圧式の差圧は約4倍になる | ○ | 1乗と2乗の違い |
| 出力が渦の数に応じたパルスなので、数えて積み上げれば積算流量になる | ○ | 渦1個あたりに流れる体積がほぼ一定 |
例題
幅 20 mm の渦発生体(ストローハル数 0.18 とする)で、流速 2.0 m/s のときの渦の周波数を求めます。流速と幅を変えたときとも比べます。
①式:f=St·v/d。
②数字を入れる:0.18×2.0÷0.020=18 Hz。
③流速を 4.0 m/s(2倍)にすると 36 Hz(2倍)。同じ流量の変化で、差圧式なら差圧は4倍になる。
④確かめる:流速 2.0 m/s のまま幅を 40 mm にすると 0.18×2.0÷0.040=9 Hz。周波数は流速に比例し、渦発生体の幅に反比例する。単位は m/s÷m=1/s(Hz)。
- 渦は角から出やすいので、渦発生体は角のある柱(台形・底を上流に向けた三角形・四角形・T字形など)を使う。
- 渦の検出には、圧電素子(力として)・加熱サーミスタ(冷却効果)・超音波(音速の変化)などを使う。
- 長所:構造が簡単で比較的安価。差圧式の導圧管や3岐弁が要らない。可動部がない。精度は指示値の 1% 程度。圧力損失は差圧式よりかなり小さい。
- 流速分布の影響を受けるので、上流に所定の直管部が要る。
コリオリ式・熱式流量計(質量流量) ── どちらも質量流量を直接測る

| 比べる点 | コリオリ式 | 熱式 |
|---|---|---|
| 原理 | 流体が流れる U字管などを上下に振動させると、質量流量に比例するコリオリの力で管がねじれる | 加熱した物体から流体が奪って運ぶ熱量は、(定圧比熱)×(温度上昇)×(質量流量)に比例する |
| 検出するもの | 基本振動に対するねじれ角(コイルとマグネット) | 細管に巻いた上流側・下流側の抵抗体の温度差(ブリッジ回路) |
| 主な流体 | 一般の液体のほか、固形物を含む液・高粘度液・脈動流・高圧気体も | 主に気体(液体用もある)。微少流量を測れる |
| 精度 | 非常に高い(指示値の ±0.15% の製品もある) | スパンの ±1% が一般的 |
| 弱み | 一般に高価。外部振動の影響を受けやすい。気泡が多い液は誤差が出やすい | 気体の種類が変わると大きな誤差。換算係数で読み替えられるが精度はやや落ちる |
なぜ:気体は温度や圧力で膨らんだり縮んだりするので、同じ質量でも体積流量は変わります。コリオリの力は管を流れる質量と速さで決まり、運ばれる熱量の式にも体積は入りません。だから膨らみ方に左右されずに質量流量そのものが分かります。ただし熱式の熱量の式には比熱が入るので、気体の種類が変われば読みがずれます。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| コリオリ式は、振動させた管を流体が通るときのねじれ角から質量流量を直接得る | ○ | 体積に密度を掛ける手順がない |
| コリオリ式は、検出器の上流に所定の直管部を設けないと精度が出ない | × | 直管部は不要 |
| 熱式が温度・圧力の補正なしで気体の質量流量を得られるのは、運ばれる熱量が質量流量と結び付いているから | ○ | 比熱×温度上昇×質量流量 |
| 熱式は、測る気体の種類が変わっても同じ精度で読める | × | 大きな誤差が出る |
| 温度一定で気体の絶対圧を2倍にし、質量流量を同じに保つと、体積流量は半分になる | ○ | 理想気体なら体積は絶対圧に反比例 |
- 熱式の構造例:気体の大部分はバイパスを、一部は細管を通る(両者の流量比は一定)。細管に巻いた2つの抵抗体(ヒータ兼温度センサ)に同じ電流を流すと、流れがあるとき上流側は温度が下がり、下流側は上がる。この温度差が流量に比例するのは、流量が少ないとき。半導体産業でよく使われる。
- コリオリ式の管は U字形のほか S形・B形・らせん形・Ω形・直管形などがある。直管形は流体が滞留せず、固形物や気泡が抜けやすい。外部振動を防ぐため検出器のサポートをメーカーの指示どおりにとり、気泡の多い液は事前に脱気する。
- 測る量で分けると、体積流量は差圧・面積・電磁・超音波、積算体積流量は容積・渦・タービン、質量流量はコリオリ・熱式。
関連:理想気体の状態式/コリオリ流量計(質量流量を直接測る)
圧力の基準と単位 ── 絶対圧はゲージ圧に大気圧を足したもの

| 圧力 | 基準(ゼロ) | 押さえどころ |
|---|---|---|
| ゲージ圧 | その場所の大気圧 | 通常の圧力計の読み。正圧と負圧がある |
| 絶対圧 | 完全真空 | ゲージ圧+大気圧。大気圧は常に変わるので、大気圧を別に測って足すか、絶対圧力計を使う |
| 真空圧 | 完全真空(絶対圧で表す) | 絶対圧のうち、大気圧以下の圧力 |
| 差圧 | 2つの圧力の差 | どちらの基準で表しても同じ値。差圧式流量計・液面計・密度計に広く使う |
なぜ:通常の圧力計は大気の中に置かれ、大気圧との差で動くので、読みはゲージ圧になります。絶対圧はその読みに大気圧の分を足したものです。大気圧は天候や場所で変わるので、同じ容器でも大気圧が変われば、ゲージ圧の読みは動きます。気体の密度は絶対圧で決まるので、気体の状態の計算には絶対圧を使います。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| ゲージ圧 50 kPa の気体は、大気圧 101 kPa の場所では絶対圧でおよそ 151 kPa | ○ | 大気圧を足す |
| 完全真空を基準にした圧力がゲージ圧、大気圧を基準にした圧力が絶対圧 | × | 逆。完全真空が基準なのが絶対圧 |
| 1 bar は 1 kPa に等しい | × | 1 bar=100 kPa |
| 2点の圧力の差は、ゲージ圧で表しても絶対圧で表しても同じ値になる | ○ | 両方に同じ大気圧が入り、差で消える |
例題
ボイラの圧力計の読みが 0.85 MPa、大気圧が 0.101 MPa です。絶対圧を求め、大気圧が変わったときの読みと比べます。
①式:絶対圧=ゲージ圧+大気圧。
②0.85+0.101=0.951 MPa(951 kPa、9.51 bar)。
③大気圧が 0.098 MPa に下がったとする。絶対圧 0.951 MPa は同じなので、圧力計は 0.951−0.098=0.853 MPa を指す。
④確かめる:容器の中身は変わらないのに、ゲージ圧は 0.003 MPa 上がる。動いたのは基準(大気圧)のほう。単位は MPa のままそろえて足し引きする。
- 圧力は単位面積あたりに加わる力。計量法の単位はパスカル(1 Pa=1 N/m²)で、1999年10月1日に切り替わった。
- 換算:1 bar=100 kPa、1 atm=101.325 kPa、1 mmHg=133.322 Pa。mmHg は血圧の計量用など、用途を限って使う。
- 旧単位の kgf/cm² は、10 m の水柱が生む圧力に等しく、大気圧にも近い。1 kgf/cm²=0.981×10⁵ Pa。
関連:静圧・ヘッドと液柱計/圧力計と圧力伝送器(なぜ MPaG と書くか)
圧力計・差圧伝送器・真空計 ── 液柱・重錘・弾性体のどれと釣り合わせるか

| 方式 | 圧力と釣り合わせるもの | 特徴・使われ方 |
|---|---|---|
| 液柱式(U字管) | 液柱の重さ:p₁−p₂=ρgh | 圧力の定義どおりの測り方で、注意深く測れば高精度。今は液位を目視する指示計としてだけ売られている |
| 重錘式 | おもりの重力:p=Mg/A | 圧力計としての製品はない。高精度の圧力を発生させ、他の圧力計を検査・校正する標準器・基準器 |
| ブルドン管 | 巻いた管の弾性(圧力でほどける) | 現場形圧力指示計の大部分。測定範囲は 0〜0.1 MPa から 0〜200 MPa が一般的 |
| ベローズ | 蛇腹の円筒の弾性(圧力で縮む) | 感度が大きく、0〜2 kPa ないし 0〜50 kPa などの低い圧力に |
| ダイアフラム | 周辺を固定した膜のたわみ | 変位が小さいので電気量に変えて増幅する。表面が平らで流体が付着・滞留しにくく、ヒステリシスがほとんどない |
なぜ:圧力は面に加わる力なので、測るには別の力と釣り合わせます。液柱やおもりの重さと釣り合わせれば圧力の定義そのものから値が決まるので精度が高く、標準に向きます。弾性体は変形が圧力に比例する範囲で使い、小形で扱いやすいので、変位を指針や電気信号に変えて現場や遠方で読みます。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 同じ圧力差を U字管で測るとき、封入する液の密度が大きいほど液位差は小さい | ○ | h=(p₁−p₂)/(ρg) |
| 重錘式圧力計は、現場の圧力を連続して監視する指示計として広く使われている | × | 他の圧力計を校正する標準器 |
| ブルドン管に圧力を加えると、巻いた管はさらにきつく巻き込まれる向きに動く | × | ほどける向き。先端の変位は弾性限界内で圧力に比例 |
| 0〜2 kPa のような低い圧力には、感度の大きいベローズ式が使われる | ○ | ブルドン管では測りにくい範囲 |
| 空気式の差圧伝送器は、差圧に応じて 4〜20 mA の電流を出す | × | 空気圧 20〜100 kPa を出す |
差圧伝送器
- 差圧式流量計・液位・液体の密度の測定に使う。流量用には開平機能や、気体流量の温度・圧力補正機能を付けることもある。差圧の一方を真空にして封じると、絶対圧を測れる。
- 方式は力平衡式・静電容量式・半導体歪ゲージ式・振動式。空気式の製品は力平衡式だけで、差圧の力とフィードバックベローズの力を釣り合わせる。
- 静電容量式は、測定ダイアフラムと固定電極の間の静電容量の差動的な変化で差圧を出す。半導体歪ゲージ式はシリコンのダイアフラムの歪み、振動式は中央部と周辺部の振動子の周波数の差で出す。振動式は静圧や片側からの過大圧に強い。
真空計
- 絶対圧を測る圧力計はみな真空圧も測れるが、1 kPa(約1/100気圧)以下には専用の真空計を使う。
- 絶対真空計は、気体の種類によらず物理量の測定だけで圧力が決まる。U字管(高真空には不可)・ダイアフラム(片側を真空に封じる)・マクラウド(気体を圧縮して読む校正用)がある。
- その他の真空計(気体の種類・組成の影響を受ける):熱伝導(ピラニゲージなど。加熱線が気体分子に奪われる熱が圧力で変わる)、粘性(スピニングロータ)、電離(イオン電流を測る。超高真空まで)。
- ブルドン管圧力計の JIS では、負のゲージ圧を測るものを真空計、正負両方を測るものを連成計と呼ぶ。
関連:伝送信号(4〜20 mA と空気圧)/真空計の種類と選び方
レベルの測定 ── 差圧式は液の密度の影響を受ける

| 方式 | 何から液面を知るか | 押さえどころ |
|---|---|---|
| 圧力式(差圧式) | 底の圧力 P=ρgh | 密度が変わると誤差。内圧があれば気相側との差圧で打ち消す |
| 気泡式/ダイアフラムシール付き | 気泡式はエアーパージで液の圧力を空気圧に変える。ダイアフラムシールは薄い膜と封入液で伝える | 伝送器に液を入れないので、粘い液・固形物を含む液・強腐食性の液に |
| フロート式 | 液面に浮かべたフロートの位置 | 巻取り式は測定範囲が大きく高精度 |
| ディスプレーサ式 | 液中につるしたフロートの浮力の変化 | トルクチューブ型は感度が良く、真空タンクや高圧タンクにも使える |
| 超音波式 | 発射した超音波が測定面で反射して戻るまでの時間 | 非接触。高温・高圧は使用困難で、真空中は測れない |
| マイクロ波式 | 電波が測定面で反射して戻るまでの時間 | 高温・高圧・真空でも測れる。ガラス・セラミックス・テフロンの窓越しにも測れる |
なぜ:静止した液の圧力は深さに比例して増え、底では P=ρgh です。液位と密度だけで決まり、タンクの形によりません。だから圧力から液位が読めます。ただし目盛は決めた密度で付けてあるので、密度が変わると同じ液位でも圧力が変わり、指示がずれます。密閉タンクでは液面の上の圧力も底に加わるので、気相の圧力との差をとってその分を消します。
| 問われる形 | 正誤 | ポイント |
|---|---|---|
| 開放タンクの底のゲージ圧 P と液の密度 ρ から、液位は h=P/(ρg) で求まる | ○ | P=ρgh |
| 液温が上がって密度が小さくなると、圧力式液面計の指示は真の液位より高く出る | × | 圧力が減るので低く出る |
| 密閉タンクで気相側との差圧をとるのは、内圧の分を打ち消すため | ○ | 液の重さによる圧力だけが残る |
| 気泡式液面計は、薄い膜と封入液で液の圧力を差圧伝送器に伝える | × | エアーパージで空気圧に変える。膜と封入液はダイアフラムシール付き |
| 超音波レベル計は対象に触れずに測れるので、真空のタンクにも使える | × | 真空では音が伝わらない。真空でも測れるのはマイクロ波式 |
例題
開放タンクの油(密度 850 kg/m³ として目盛を付けた)の底の圧力が、ゲージ圧で 25.0 kPa です。液位を求め、液温が上がって密度が 800 kg/m³ になったときの指示と比べます。
①式:h=P/(ρg)。
②数字を入れる:25,000÷(850×9.81)=25,000÷8,338≒3.00 m。
③液位は 3.00 m のまま、密度が 800 kg/m³ になったとする。底の圧力は 800×9.81×3.00≒23,500 Pa(23.5 kPa)。目盛は 850 のままなので、指示は 23,500÷8,338≒2.82 m。
④確かめる:2.82÷3.00=800÷850。指示は密度の比だけ低く出るので、温度で密度が変わる液は補正する。
- 伝送器を取出し口より h₁ だけ低く置くと、液位 0 でも ρgh₁ がかかる。液位と圧力のグラフはその分持ち上がり、その上がスパンになる。
- 井戸・地下タンク・水路は、圧力測定部を水中に入れる投込み式で測る。放射線式は容器の外から測れるが、法的規制があり、ほかが使いにくい所に限られる。
出典:エネルギー管理士試験講座 熱分野Ⅳ(省エネルギーセンター)1編3章 3.1・3.3・3.4 ほか
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