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エネルギー管理士の制御対策|PID・カスケード・フィードフォワード

エネルギー管理士の制御対策|PID・カスケード・フィードフォワードの学習ガイド

エネルギー管理士の制御問題では、「何を目標に、何を測って、何を動かすか」を先に読むと、PIDやカスケードの名称を使い分けやすくなります。制御方式の名前だけでなく、信号がどの役割を持つかを説明してみましょう。

この記事は熱分野・課目Ⅳの基礎復習です。実設備のPID定数を変更する操作手順や、個別設備の安全設定値を示すものではありません。

最初に、目標値・測定値・操作量を区別する

加熱する装置で出口温度を一定にしたい場面を考えます。保ちたい温度が目標値、温度計で測った値が測定値、熱を加えるために変える量が操作量に対応します。

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用語学習用の例
目標値(設定値)保ちたい出口温度
測定値実際に温度計が検出した出口温度
偏差目標値と測定値の差。符号の定義は設問で確認
操作量調節計から出す弁等への操作信号
外乱入口流量や供給圧力など、制御対象へ影響する変化

流量そのものと弁開度の信号は同じ量ではありません。図や文章の各信号が、測定値・目標値・操作量のどれかを見分けることが大切です。

P・I・Dを、何に反応するかで覚える

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動作反応するもの基本的な役割
P:比例現在の偏差偏差に応じて操作量を変える
I:積分偏差の時間的な積み重なり偏差が残る間、操作を修正し続ける
D:微分偏差や測定値の変化の速さ変化に応じて応答を補う

比例動作だけでは、条件によって定常偏差(オフセット)が残ります。積分動作はその偏差を解消するために使います。ただし、操作量が上限・下限に達している場合や制御が安定していない場合まで、「Iがあれば必ず偏差ゼロになる」とは考えません。

微分動作は、偏差の大きさそのものではなく変化の速さに関係します。Iは積み重なり、Dは変化の速さと区別しましょう。実際の調節計では、不完全微分などの処理を含むため、理想式と実機の設定をそのまま同一視しないことも必要です。

比例帯と比例ゲインは、逆の向きに変わる

入力・出力をそれぞれの範囲に対する百分率で表した一般的な定義では、比例帯[%]=100/比例ゲインです。

同じ条件なら、比例帯を狭くするほど、同じ偏差に対する比例動作は強くなります。たとえば比例帯100%なら比例ゲイン1、比例帯50%なら比例ゲイン2です。

比例帯を大きくすることと、比例ゲインを大きくすることを同じ意味で覚えないでください。強くすれば常によいわけでもなく、応答や安定性との関係があります。

フィードバックは結果を見て修正する

フィードバック制御は、測定値を目標値と比べ、その結果を操作へ戻します。出口温度が変われば、その偏差に応じて加熱側の操作を修正する、と考えます。

入口条件の変化などを直接測っていなくても、結果として生じた偏差に対応できます。一方、制御対象の応答が遅い場合には、結果が測定値に現れるまでの遅れも意識する必要があります。

フィードフォワードは、測れる外乱を先に使う

フィードフォワードでは、入口流量の増加などの外乱を測り、出口温度の変化が現れる前に操作の補正へ使います。

学習用の加熱例なら、入口流量が増えることを検出して、必要な加熱量の変化を見込んで補正する考え方です。ただし、測っていない外乱や見込みの誤差は残るため、フィードバックと組み合わせる構成があります。

フィードフォワードとD動作は、どちらも先行的に働く説明があっても同じものではありません。 前者は測定した外乱等を使う構成、後者は偏差等の変化率を使う制御動作として区別します。

カスケードは、一方の出力を他方の設定値へ渡す

カスケード制御は、二つの制御ループを組み合わせ、外側の調節計の出力を内側の調節計の設定値に使います。

温度と加熱流体の流量を組み合わせる学習例なら、外側の温度調節計が必要な流量の目標を出し、内側の流量調節計がその流量を保つように弁を操作します。流量側に入る外乱を、温度への影響が大きくなる前に修正できることが利点です。

基本的には、内側のループが外側より速く応答できる関係で使います。「調節計が二つある」だけでカスケードと判定せず、出力が相手の設定値につながっているかを確認してください。

比率制御は、二つの流量などを所定の比率に保つことを狙います。カスケードと比率制御は着目点が違い、構成の中で組み合わされることもあります。

確認問題

独自の確認問題です。温度調節計の出力が流量調節計の設定値となり、流量調節計が弁を操作しています。この二つのループの組合せを何と呼ぶでしょうか。

答えと理由を開く

カスケード制御です。一方の調節計の出力を、もう一方の設定値に使う点が判断の根拠です。単に二つの値を測っているだけでは、この構成とは限りません。

温度計の原理は熱電対、流量信号の原理は流量計・圧力計、必須・選択の学習配分は課目Ⅳの攻略に進んで確認できます。

参考資料

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む