法令の基準日:2026年4月1日
最終確認:2026年10月16日
電験三種の法規で問われる関係法規を、3つの論点に分けた辞書です。電気用品安全法、電気工事士法、電気工事業法の順に、誰が何をするかを確かめます。
法規の論点:電気事業法①|電気事業法②|関係法規|電技の総則・絶縁|接地工事
保護と発変電所|電線路|分散型電源|電気使用場所|施設管理の計算|受電設備と自家発
電気用品安全法 ── 特定電気用品は販売前に第三者が検査

| 段 | すべての電気用品 | 特定電気用品で増えること |
|---|---|---|
| 届出 | 製造・輸入の事業者が、事業開始の日から30 日以内に届け出る | なし |
| 基準と検査 | 技術基準に合わせ、自分で検査して記録を残す | 販売の時までに、登録検査機関の適合性検査 |
| 表示 | 義務を果たした物にPSEマーク(特定以外は丸形) | PSEマークはひし形 |
| 販売と工事 | 表示の無い物は売れず、工事にも使えない | 同じ |
特に危険が多い特定電気用品だけ、販売の前に第三者の検査を受けます。表示の無い電気用品は、売ることも工事に使うこともできません。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 定格電圧30 V以上600 V以下のコードは、特定電気用品 | × | 電線は定格電圧100 V以上600 V以下。コードは太さと心数を問わない |
| 基準に合わせる義務は、電気用品の販売の事業者が負う | × | 製造・輸入の事業者(届出事業者) |
| 工事に使う電線の表示には、JISマークも含まれる | × | 電気用品安全法の表示はPSEマーク |
| 構造や使い方から特に危険が多い電気用品が、特定電気用品 | ○ | 品目は政令(施行令の別表第一)で決まる |
- 電気用品(でんきようひん)は、一般用電気工作物(いっぱんようでんきこうさくぶつ)や小規模事業用電気工作物の部分になる、又はつないで使う機械・器具・材料です。品目は政令で決まり、携帯発電機や蓄電池の一部も入ります。
- 特定電気用品(とくていでんきようひん)は、構造や使用方法などから、特に危険又は障害の発生するおそれが多い物です(電気用品安全法 第2条第1項・第2項)。
- 表示の無い電気用品を工事に使えないのは、電気事業者、自家用の設置者、電気工事士(でんきこうじし)などです(電気用品安全法 第28条第1項)。
- 特定電気用品の電線のうち、絶縁電線・ケーブル・キャブタイヤケーブルには太さや心数の範囲があります。コードには、その範囲がありません。
電気工事士法 ── 工事する設備の区分で資格が決まる
| 資格 | 作業できる範囲 | できない例 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物等(一般用と小規模事業用) | 自家用の工事(低圧の部分も) |
| 第一種電気工事士 | 一般用電気工作物等と、この法律の自家用電気工作物 | 特殊電気工事 |
| 認定電気工事従事者 | 自家用の簡易電気工事(600 V以下で使う設備。電線路を除く) | 高圧の部分の工事 |
| 特種電気工事資格者 | 自家用の特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事) | 認定を受けた種類以外の工事 |
資格は、まず工事する設備の区分で決まり、電圧だけでは決まりません。特殊電気工事は、第一種の免状だけではできません。
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 第一種なら、自家用の非常用予備発電装置の工事もできる | × | 特殊電気工事は特種電気工事資格者だけ |
| 一般用のネオン用分電盤の工事は、第二種でできる | ○ | 特殊電気工事は自家用のものだけ |
| 自家用の受電設備でも、低圧部分なら第二種でできる | × | 第一種か、認定電気工事従事者 |
| 認定電気工事従事者の範囲は、自家用の400 V以下の工事 | × | 簡易電気工事は600 V以下(電線路を除く) |
- 電気工事士法の目的は、電気工事の欠陥による災害の発生の防止です。
- この法律の自家用電気工作物は、電気事業法の自家用から、発電所・変電所・500 kW以上の需要設備などを除いたものです。除かれた設備の工事は、電気主任技術者(でんきしゅにんぎじゅつしゃ)の監督のもとで行います。
- 特種電気工事資格者(とくしゅでんきこうじしかくしゃ)が作業できるのは、認定を受けた特殊電気工事だけです。ほかの自家用の工事には、第一種の免状が要ります(簡易電気工事は認定電気工事従事者もできます)。
- 認定電気工事従事者(にんていでんきこうじじゅうじしゃ)は、自家用の低圧の部分を受け持てる資格です。資格の無い者は、高圧の機器に接地線を取り付けるだけの作業もできません。
電気工事業法 ── 許可でなく登録、自家用だけなら通知
| 業者 | 手続き | 窓口 |
|---|---|---|
| 一般用電気工作物等の工事も扱う | 登録(有効期間5 年) | 営業所が2以上の都道府県なら経済産業大臣、1つなら都道府県知事 |
| 自家用の工事だけ | 事業を始める日の10 日前までに通知 | 同じ |
| 建設業者 | 登録や通知をした業者とみなす(開始の届出か通知は要る) | 同じ |
電気工事業は許可でなく登録で、自家用の工事だけなら通知で足ります。
電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)は、営業所ごとに次の4つを求めます。
| 義務 | 置く所 | 中身 |
|---|---|---|
| 主任電気工事士 | 一般用の工事をする営業所 | 第一種か、実務経験のある第二種の電気工事士 |
| 器具 | 営業所ごと | 絶縁抵抗計・接地抵抗計など |
| 標識 | 営業所と施工場所 | 氏名又は名称・登録番号など |
| 帳簿 | 営業所ごと | 記載の日から5 年間保存する |
| 問われる形 | ○× | ポイント |
|---|---|---|
| 電気工事業は、大臣か知事の許可を受けて営む | × | 登録。自家用の工事だけなら通知 |
| 登録や通知の窓口は、産業保安監督部長 | × | 経済産業大臣か都道府県知事 |
| 通知電気工事業者の「自家用電気工作物」は、電気事業法の定義 | × | 電気工事士法の定義。大きな需要設備などを除く |
| 登録電気工事業者の登録には、有効期間がある | ○ | 5 年。通知には有効期間の定めが無い |
- 主任電気工事士(しゅにんでんきこうじし)は、第一種か、第二種の免状を受けた後に3 年以上の実務経験がある者です。欠けたら2 週間以内に選びます。
- 器具は、一般用の工事だけなら絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計です。自家用の工事もするなら、検電器や継電器試験装置、絶縁耐力試験装置も備えます。
- 施工場所の標識は、工事が1日で終わるなら掲げなくてよいとされます。
- 請け負った工事を、電気工事業者でない者に請け負わせてはいけません。表示の無い電気用品を、工事に使ってもいけません。
- 工場・現場では、受電設備の工事を外注するとき、請負先が登録電気工事業者(とうろくでんきこうじぎょうしゃ)か通知電気工事業者(つうちでんきこうじぎょうしゃ)かを確かめます。
まとめ
特定電気用品だけは、販売の前に登録検査機関の適合性検査を受けます。
電気工事の資格は設備の区分で決まり、特殊電気工事は特種電気工事資格者だけができます。
電気工事業は登録で始め、自家用の工事だけなら通知で足ります。
次に読む
- 前:電気事業法②の論点
- 次:電技の総則・絶縁の論点
- 関連:電気事業法①の論点
参考文献
- 電気用品安全法 第2条・第3条・第8条・第9条・第10条・第27条・第28条
- 電気用品安全法施行令 第1条・別表第一
- 電気用品安全法施行規則 第17条・別表第六・別表第七
- 電気工事士法 第1条・第2条・第3条
- 電気工事士法施行規則 第2条・第2条の2・第2条の3
- 電気工事業の業務の適正化に関する法律 第2条・第3条・第17条の2・第19条・第22条・第23条・第24条・第25条・第26条・第34条
- 電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則 第11条・第12条・第13条
内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム
PLANT NEWS ON NOTE
化学プラントニュース
化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。
noteで最新ニュースを読む ↗
化学プラント大全 
