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物質の構造と状態の論点|原子・結合・同素体・三態・希薄溶液・コロイドを図と表で確認【危険物甲種】

危険物甲種 物理学・化学 PC-09 物質の構造と状態・溶液の性質

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原子の構造と化学結合、純物質と混合物・同素体、三態、希薄溶液、コロイドの5つの論点を並べた記事です。どの論点も「どの粒子が、いくつあるか」で見分けると、用語の入替えを見抜けます。

溶解度と析出量、融解熱の計算は危険物取扱者甲種の気体・濃度・熱計算攻略|使う式を条件から選ぶにまとめています。

原子の構造と化学結合 ── 陽子数は原子番号、塩化ナトリウムは陽イオンと陰イオンのイオン結合

イオンで変わるのは電子の数だけ:質量数37・原子番号17の塩素は陽子17・中性子20で、Cl⁻では電子が17個から18個に増える。NaClはイオン結合
粒子ある場所と電荷数の決まり方
陽子原子核・正原子番号と同じ
中性子原子核・電荷なし質量数−原子番号
電子原子核の周り・負原子では陽子と同数。陰イオンは受け取った分だけ多く、陽イオンは失った分だけ少ない

陽子の数が原子番号で、陽子と中性子の数の和が質量数です。イオンになるときに変わるのは電子の数だけで、原子核の陽子・中性子は変わりません。

問われる形○×ポイント
原子番号17・質量数37の塩化物イオン(Cl⁻)の中身は陽子17・中性子20・電子18○中性子37−17=20、電子17+1=18
1価の陰イオンになると、電子が1個減る×負の電荷を1つ得る=電子を1個受け取る
質量数を電子の数として数える×電子の数は原子番号(原子のとき)
塩化ナトリウムの結晶は、原子どうしが電子対を共有して結び付く×Na⁺とCl⁻の静電気的な引力によるイオン結合

原子の中心には正の電荷をもつ原子核があり、その周りを負の電荷をもつ電子が取り巻いています。原子は陽子の数と電子の数が等しいので、全体では電気的に中性です。原子番号と質量数を書くときは、元素記号の左下に原子番号、左上に質量数を書きます。

化学結合は3種類

結合何が結び付けるか例
イオン結合陽イオンと陰イオンの静電気的な引力。一般に金属元素と非金属元素塩化ナトリウムNaCl
金属結合金属の中を動き回る自由電子ナトリウムNa、銅Cu
共有結合2つの原子が最外殻電子を出し合い、電子対を共有する。非金属元素どうし水素H₂、塩素Cl₂、水H₂O、ダイヤモンド
  • ナトリウムから塩素へ電子が移り、逆符号のNa⁺とCl⁻ができて引き合う。電子対の共有ではない
  • 「自由電子による結合」は金属結合で、イオン結合・共有結合ではない

純物質・混合物と同素体 ── ガソリンは混合物、酸素とオゾンは同素体

単体・化合物・混合物は「1つの化学式で書けるか」で見分ける(粒の絵で入れ子にした分類マップ)

1つの化学式で書ける物が純物質(単体・化合物)、書けない物が混合物です。ガソリンは複数の炭化水素などの混合物で、沸点は一点に決まらず幅をもちます。酸素O₂とオゾンO₃は、同じ元素からなる性質の違う単体どうしで、同素体です。

問われる形○×ポイント
ガソリンは一定の化学式で表される純物質×複数の炭化水素などの混合物
ガソリンを蒸留すると、沸点が1つの純物質だけが得られる×蒸留は沸点の差で組成を変える操作。得られるのは沸点に幅のある留分
酸素とオゾンは、中性子の数だけが違う同位体×同じ元素の単体どうしで同素体。同位体は原子どうしの関係
分類中身例
単体1種類の元素だけ酸素、水素、炭素、硫黄、鉄、オゾン
化合物2種類以上の元素が結合水、エタノール、ベンゼン、塩化ナトリウム、二酸化炭素
混合物2種類以上の物質が混ざっただけ空気、水溶液、ガソリン、灯油、軽油
  • 混合物は、蒸留やろ過などの物理的な方法で2種類以上の物質に分けられる。成分は混ざる前の性質を保つ
  • 混合物の融点や沸点は、成分の割合によって変わる

同素体・同位体・異性体を見分ける

同素体は単体、異性体は化合物:酸素O₂とオゾンO₃は同じ元素だけで原子のつながる数が違う同素体、エタノールとジメチルエーテルは分子式がどちらもC₂H₆Oでつながり方が違う異性体
用語何どうしか例
同素体同じ元素からなる、性質の違う単体どうし酸素とオゾン、ダイヤモンドと黒鉛、赤りんと黄りん、斜方硫黄と単斜硫黄
同位体陽子の数(原子番号)が同じで、中性子の数(質量数)が違う原子どうし水素と重水素
異性体分子式が同じで、構造が違う化合物どうしエタノールとジメチルエーテル、n-ブタンとイソブタン

O₂とO₃の違いは分子をつくる原子の数と結び付き方で、原子核の中性子数の違いではありません。同素体をもつ元素は、硫黄S・炭素C・酸素O・りんPの頭文字で「SCOP(スコップ)」と覚えます。

三態と状態変化 ── 固体から直接気体になる変化が昇華

6つの矢印と熱を吸う向き(固体・液体・気体を結ぶ状態変化の名前)

状態変化の名前は、変化の前と後の状態の組合せで決まります。固体が液体を経ずに直接気体になる変化が昇華で、ドライアイス(固体の二酸化炭素)やナフタレンが例です。気体から直接固体になる変化は凝華(昇華とも呼ぶ)です。

問われる形○×ポイント
ドライアイスが液体にならずに減っていく変化の名前は昇華○液体を経ない固体→気体
固体から直接気体になる変化を、融解や蒸発と呼ぶ×融解は固体→液体、蒸発は液体→気体
固体の二酸化炭素は、いったん融けてから蒸発する×融解と蒸発の2段階ではなく、直接気体になる
  • 固体→液体は融解、液体→固体は凝固、液体→気体は蒸発(気化)、気体→液体は凝縮(液化)
  • 固体→液体→気体の向き(融解・蒸発・昇華)は熱を吸収し、逆向き(凝固・凝縮・凝華)は熱を放出する
  • 固体が液体になる温度が融点、液体が気体になる温度が沸点。水でも、圧力の低い状態では昇華が起こる

関連:熱量 ── 融解・蒸発の区間は温度一定で mL

希薄溶液の性質 ── 凝固点降下は溶質粒子の数で決まり、浸透圧は π=cRT

凝固点降下は溶質の粒子の数で決まる:同じ0.10 mol/kgでも、電離するNaClは粒子が0.20 mol/kgで下がる幅は約2倍。浸透圧はπ=cRT
性質何が起こるか何で決まるか
蒸気圧降下不揮発性の物質を溶かすと、蒸気圧が純溶媒より下がる溶質の分子・イオンの質量モル濃度に比例
沸点上昇溶液の沸点が溶媒の沸点より高くなる同上(溶質の種類には関係しない)
凝固点降下溶液の凝固点が溶媒の凝固点より低くなる同上(溶質の種類には関係しない)
浸透圧半透膜をはさむと溶媒が溶液側へ移る。その流れを止める圧力π=cRT。モル濃度と絶対温度に比例

希薄溶液の凝固点降下・沸点上昇は、溶質の種類に関係なく、溶液中の粒子(分子・イオン)の質量モル濃度に比例します。塩化ナトリウムはNa⁺とCl⁻に電離して粒子が2倍になるので、同じ質量モル濃度なら非電解質の約2倍下がります。

問われる形○×ポイント
同じ質量モル濃度なら、塩化ナトリウムとグルコースの凝固点降下は同じ×NaClは完全電離で粒子が2倍。約2倍になる
0.10 mol/Lのグルコース水溶液を300 Kにしたときの浸透圧は約2.46 atm○0.10×0.082×300=2.46 atm
グルコース(非電解質)の浸透圧にも、電離の係数2を掛ける×グルコースは電離しない。そのままcRT

浸透圧の計算

π=cRT(cはモル濃度、Rは気体定数0.082 L・atm/(mol・K)、Tは絶対温度)

0.10 mol/Lのグルコース水溶液を300 Kとすると、π=0.10×0.082×300=2.46 atmです。電解質の溶液では、cに溶けているイオン全部の濃度を使います。

  • 半透膜は、水などの小さい分子は通し、デンプンやタンパク質などの大きな分子は通さない
  • 溶媒は、半透膜を通って濃度の低い側から高い側へ移る。これを浸透という
  • 融雪剤・凍結防止剤の塩化カルシウムは、凝固点降下を利用している

コロイド ── 透析ではイオンが膜を通りコロイド粒子は残る、凝析と塩析は別

透析ではイオンが膜を通りコロイド粒子は残る:小さな粒は半透膜の袋から水へ出る。疎水コロイドは少量の電解質で凝析、親水コロイドは多量で塩析
現象・操作何が起こるか
チンダル現象横から強い光を当てると、粒子が光を散乱して光の通路が明るく見える
ブラウン運動水分子が不規則に衝突し、コロイド粒子が不規則に動く
透析半透膜でイオン・小さな分子を除く。コロイド粒子は袋の中に残る
電気泳動直流電圧をかけると、帯電した粒子が反対符号の電極へ移る
凝析疎水コロイドに少量の電解質を加えると、反発力を失って沈殿する
塩析親水コロイドに多量の電解質を加えると沈殿する

コロイドは、直径およそ1 nm〜数百nmの粒子が分散した状態です。透析では小さなイオンや分子が半透膜を通り、大きいコロイド粒子は残ります。沈殿させる条件は、疎水コロイドが少量の電解質(凝析)、親水コロイドが多量の電解質(塩析)で、区別します。

問われる形○×ポイント
透析では、コロイド粒子が半透膜を通り、イオンは膜の内側に残る×逆。イオン・低分子が通り、コロイド粒子が残る
疎水コロイドも親水コロイドも、少量の電解質で同じように沈殿する×少量で沈殿するのは疎水コロイド(凝析)。親水コロイドは多量が要る(塩析)
電気泳動では、帯電した粒子が同じ符号の電極へ移る×反対符号の電極へ移る
  • 疎水コロイド(水酸化鉄(Ⅲ)など)は、粒子の電荷による反発で分散している。少量の電解質で電荷が打ち消されると集まる
  • 親水コロイド(タンパク質・デンプンなど)は、粒子を包む水にも守られているので、多量の電解質が要る
  • 疎水コロイドに親水コロイドを加えると凝析しにくくなる。この親水コロイドを保護コロイドという(墨汁のにかわなど)

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まとめ

原子は陽子の数で決まり、イオンで変わるのは電子の数だけです。同素体は単体どうし、同位体は原子どうし、異性体は化合物どうしで、ガソリンは混合物です。希薄溶液の性質は溶質粒子の数で決まり、コロイドは透析・凝析・塩析の条件を区別します。

参考文献

  • 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、原子と分子、物質の種類、溶液の性質、コロイド溶液 Amazonで見る
  • 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』化学の基礎、物質の三態、溶液、コロイド、同素体と異性体 Amazonで見る
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