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危険物取扱者甲種の無機化学攻略|周期表・炎色反応・気体の性質

危険物取扱者甲種の周期表、炎色反応、代表気体を解説する記事のアイキャッチ

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困っている人
困っている人

「周期表のどこを覚えればよいか分からない」

「炎色反応の色が混ざる」

「水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の性質を取り違える」

そんな疑問を解決します。

この記事の内容

周期表で優先する1・2・17・18族

金属と非金属、アルカリ金属とアルカリ土類金属の違い

炎色反応7元素の覚え方

水素・酸素・一酸化炭素・二酸化炭素の比較

試験で間違えやすい12項目

先に結論を言うと、無機化学は元素名をばらばらに暗記するより、次の三つへ分類すると得点しやすくなります。

  • 周期表では位置と価電子から、陽イオン・陰イオンへのなりやすさを考える
  • 炎色反応では元素と色を一対一で結ぶ
  • 気体では燃焼性、支燃性、毒性、空気との重さ、水への溶けやすさを横に比較する

イオン化傾向、酸化数、電池を復習する人は、先に危険物取扱者甲種の酸・塩基と酸化還元・電池攻略|計算と極性を整理を確認してください。

無機化学は「位置・色・性質」で整理する

無機化学の暗記事項は、周期表の位置、炎色反応の色、代表気体の性質の三群へ分けます。

最初に見るもの主な出題の形最後の確認
周期表族と金属・非金属の位置イオン、反応性、元素群の名称同族元素か
炎色反応元素名と炎の色正しい組合せ、誤った組合せ似た赤系を区別したか
気体燃焼性・支燃性・毒性・比重・水溶性性質比較、正誤問題「燃える」と「燃焼を助ける」を分けたか

全元素を順番に覚える必要はありません。まず1族、2族、17族、18族と、Li、Na、K、Ca、Sr、Ba、Cuの炎色反応を固めます。気体はH₂、O₂、CO、CO₂の四つを比較表で覚えます。

周期表は1・2・17・18族を先に押さえる

周期表では、同じ族の典型元素は化学的性質が似ています。甲種では、次の四つの元素群を位置と性質で結びつけてください。

周期表で1族、2族、17族、18族の位置とイオンになりやすさを比較した図
周期表の4つの族とイオンになりやすさ(一次資料を参考に当サイト作成)
元素群代表例イオン・反応性の要点
1族アルカリ金属Li、Na、KHを除く。1価の陽イオンになりやすく、反応性が高い
2族アルカリ土類金属Ca、Sr、Ba、Ra2価の陽イオンになりやすい。アルカリ金属より反応性は小さい
17族ハロゲンF、Cl、Br、I1価の陰イオンになりやすい。二原子分子で反応性に富む
18族希ガスHe、Ne、Ar電子配置が安定し、他の元素と反応しにくい

周期表の左側では金属元素が多く、右上側では非金属元素が多くなります。1族の水素Hは非金属であり、アルカリ金属には含めません。

また、アルカリ土類金属を「2族元素すべて」と覚えないでください。本記事で参照した甲種テキストでは、BeとMgを除いたCa、Sr、Ba、Raをアルカリ土類金属として扱っています。

ハロゲンは上ほど反応性が大きい

ハロゲンはF₂、Cl₂、Br₂、I₂のような二原子分子です。価電子が7個で、電子を1個受け取って1価の陰イオンになりやすい性質があります。

反応性は上から下へ小さくなり、F₂>Cl₂>Br₂>I₂です。一方、融点・沸点は下へ行くほど高くなる傾向があります。「原子番号が大きいほど反応性も大きい」と思い込まないでください。

希ガスは安定な電子配置をもつ

18族のHe、Ne、Arなどは、最外殻の電子配置が安定しています。そのため化学的に反応しにくく、不活性ガスとも呼ばれます。

希ガスのイオン化エネルギーは大きく、簡単には電子を放出しません。アルカリ金属の「電子を放出しやすい」と対にすると覚えやすくなります。

金属と非金属を電子の動きで分ける

金属元素は電子を放出して陽イオンになりやすく、非金属元素は電子を受け取って陰イオンになりやすい傾向があります。

区分位置の目安電子の動き代表的な性質
金属元素周期表の左側・中央に多い電子を放出しやすい金属光沢、展性、延性、電気伝導性、熱伝導性
非金属元素周期表の右上側に多い電子を受け取りやすい金属としての性質を示さず、典型元素は族ごとに性質が似る

金属が電気や熱を伝えやすいのは、自由電子が金属中を動けるためです。金属結合、自由電子、電気伝導性を一組で覚えてください。

ただし、周期表には境界的な性質を示す元素もあります。試験では、問題文で指定された元素と性質を照合し、単純に「左なら必ず金属」と決めつけないことが大切です。

アルカリ金属とアルカリ土類金属を比較する

アルカリ金属は柔らかい軽金属で、1価の陽イオンになりやすく、単体は水や空気中の酸素と反応しやすい物質です。保存方法を問われたら、空気や水との接触を避け、灯油などの石油中に保存する点を確認します。

アルカリ土類金属は2価の陽イオンになりやすく、アルカリ金属より反応性は小さいものの、単体は反応性を示します。

比較項目アルカリ金属アルカリ土類金属
該当する族1族のH以外2族のうちCa、Sr、Ba、Ra
できやすいイオン1価の陽イオン2価の陽イオン
反応性大きいアルカリ金属より小さい
水溶液水酸化物は強い塩基性を示す水酸化物を生じる
代表例Li、Na、KCa、Sr、Ba

NaとKは水と激しく反応します。元素群の一般論と、危険物の類別・貯蔵・消火を混同しないでください。実際の取扱いでは物質ごとのSDSと事業所手順を優先します。

ハロゲンと希ガスは反応性が対照的

17族のハロゲンと18族の希ガスは、周期表で隣り合いますが、反応性は対照的です。

比較項目ハロゲン希ガス
17族18族
最外殻電子7個安定な電子配置
イオン化の傾向電子を1個受け取りやすいイオンになりにくい
単体F₂、Cl₂、Br₂、I₂He、Ne、Arなど
反応性強い。上ほど大きい小さく、化学的に安定

本記事で扱うF₂、Cl₂、Br₂、I₂はいずれも非金属の単体で、有色・有毒、反応性に富むという共通点があります。希ガスも非金属ですが、他元素と反応しにくい点が違います。

炎色反応は7元素を色で束ねる

炎色反応は、試料を炎へ入れたときに現れる元素特有の色です。甲種では、次の7元素を一つの表で覚えてください。

リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅の炎色反応を比較した図
試験で押さえる7元素の炎色反応(一次資料を参考に当サイト作成)
元素元素記号炎の色
リチウムLi赤色・深赤色
ナトリウムNa黄色
カリウムK赤紫色
カルシウムCa橙赤色
ストロンチウムSr紅色・深赤色
バリウムBa黄緑色
Cu青緑色

「リアカー無きK村、動力借るとするもくれない馬力」という語呂は、Li赤、Na黄、K赤紫、Cu青緑、Ca橙赤、Sr紅、Ba黄緑を順に対応させます。

赤系はLi、K、Ca、Srの四つがあります。選択肢を見たら、単なる「赤」ではなく、赤・赤紫・橙赤・紅へ細分してください。

また、Naの黄色とBaの黄緑、Cuの青緑を混同しやすいので、「Naは黄だけ」「Baは黄+緑」「Cuは青+緑」と色の構成で区別します。

気体は燃焼性・毒性・空気との重さで比較する

代表的な気体は、性質を横に比較すると誤りを見つけやすくなります。

水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の燃焼性、危険性、空気との重さ、水溶性を比較した図
代表気体4種の燃焼性・危険性・重さ・水溶性(一次資料を参考に当サイト作成)
気体燃焼に対する性質毒性・危険性空気との重さ水への溶けやすさ
水素H₂可燃性。淡青色の炎で燃える空気・酸素との混合で爆発危険空気より非常に軽い溶けにくい
酸素O₂不燃性だが支燃性がある高濃度では燃焼を激しくする空気よりわずかに重い溶けにくい
一酸化炭素CO可燃性。淡青色の炎で燃える強い毒性。ヘモグロビンと結合する空気よりわずかに軽いほとんど溶けない
二酸化炭素CO₂不燃性。燃焼を助けない高濃度では有害空気より重い水に溶けて弱い酸性を示す

ここで最重要なのは、「燃える」「燃焼を助ける」「燃えない」を別の性質として読むことです。H₂とCOは燃え、O₂は自ら燃えませんが燃焼を助け、CO₂は自ら燃えず燃焼も助けません。

水素と酸素は「燃える・助ける」を区別する

水素H₂は無色・無臭で、最も軽い可燃性気体です。水に溶けにくく、空気中で点火すると淡青色の炎で燃えます。酸素または空気との混合気体へ点火すると、爆発的に反応して水を生じるため注意が必要です。

高温の水素には還元作用があり、金属酸化物から酸素を奪って金属を遊離させることがあります。一方、常温では多くの物質に対して反応性は大きくありませんが、フッ素とは直接反応します。

酸素O₂は無色・無臭で、自らは燃えない不燃性気体です。ただし可燃物の燃焼を助ける支燃性があります。「酸素は可燃性」という選択肢は誤りです。

液体酸素は淡青色です。気体酸素の無色と液体酸素の淡青色を取り違えないでください。

一酸化炭素と二酸化炭素を対比する

COとCO₂は、どちらも無色・無臭ですが、燃焼性、毒性、空気との重さ、水溶性が異なります。

一酸化炭素COは、炭素や炭素化合物の不完全燃焼で生じます。可燃性があり、淡青色の炎で燃えてCO₂になります。高温では還元性を示し、金属製錬にも利用されます。血液中のヘモグロビンと強く結合するため、極めて有毒です。

二酸化炭素CO₂は、炭素や炭素化合物の完全燃焼で生じる不燃性気体です。空気より重く、水に溶けると弱い酸性を示します。石灰水へ通すと炭酸カルシウムの白色沈殿を生じ、石灰水が白濁します。

CO₂は常圧で液体にならず、固体はドライアイスと呼ばれ、昇華します。消火剤として使われますが、密閉空間では酸素欠乏の危険があるため、実務では換気と安全手順を優先してください。

試験で間違えやすい12項目

  1. 水素Hは1族にあるが、アルカリ金属ではない
  2. Mgは2族だが、本記事で参照した甲種テキストのアルカリ土類金属には含めない
  3. アルカリ金属は1価、アルカリ土類金属は2価の陽イオンになりやすい
  4. ハロゲンは電子を1個受け取り、1価の陰イオンになりやすい
  5. ハロゲンの反応性はF₂>Cl₂>Br₂>I₂である
  6. 希ガスはイオン化エネルギーが大きく、反応しにくい
  7. Naの炎色反応は黄色、Kは赤紫色である
  8. Baは黄緑色、Cuは青緑色である
  9. O₂は可燃性ではなく支燃性をもつ
  10. H₂とCOは可燃性、CO₂は不燃性である
  11. COは空気よりわずかに軽く、CO₂は空気より重い
  12. COは強い毒性、CO₂は高濃度で有害であり、同じ「無色・無臭」だけで判断しない

4段階の暗記手順

1. 周期表の四隅を先に覚える

左から1族・2族、右から17族・18族を確認し、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、希ガスを配置します。

2. 電子の受け渡しを添える

1族は1価の陽イオン、2族は2価の陽イオン、17族は1価の陰イオン、18族は反応しにくい、と性質を添えます。

3. 炎色反応を色カードで反復する

元素名を見て色を答える練習と、色を見て元素名を答える練習を往復します。片方向だけでは選択肢の形が変わると崩れます。

4. 気体四つを横に比較する

H₂、O₂、CO、CO₂について、燃えるか、燃焼を助けるか、毒性、空気との重さ、水溶性を毎回同じ順序で確認します。

30秒セルフテスト

  1. 17族の元素群を何というか
  2. 18族の元素が反応しにくい理由は何か
  3. NaとKの炎色反応はそれぞれ何色か
  4. BaとCuの炎色反応はどう区別するか
  5. 可燃性ではないが支燃性をもつ気体は何か
  6. 空気よりわずかに軽く、強い毒性と可燃性をもつ気体は何か
  7. 石灰水を白濁させる気体は何か

答えは、1.ハロゲン、2.安定な電子配置をもつため、3.Naは黄色・Kは赤紫色、4.Baは黄緑色・Cuは青緑色、5.O₂、6.CO、7.CO₂です。

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まとめ

危険物取扱者甲種の無機化学を、周期表、炎色反応、代表気体の三群で整理しました。

  • 周期表は1族、2族、17族、18族を位置とイオンの価数で覚える
  • 金属は電子を放出して陽イオン、非金属は電子を受け取って陰イオンになりやすい
  • アルカリ金属とアルカリ土類金属は、1価・2価と反応性で比較する
  • ハロゲンは反応性が高く、希ガスは安定で反応しにくい
  • 炎色反応はLi、Na、K、Ca、Sr、Ba、Cuを色と一対一で結ぶ
  • H₂とCOは可燃性、O₂は支燃性、CO₂は不燃性である
  • COとCO₂は毒性、空気との重さ、水溶性まで比較する

迷ったら、元素は周期表の位置、炎色反応は色、気体は燃焼性・毒性・重さへ戻ってください。ばらばらの暗記を比較表へ変えると、正誤問題の一語違いを見抜きやすくなります。

参考文献

  • 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、金属、周期表、炎色反応、希ガス、空気、水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素(PDF p.217-219、p.227-234) Amazonで見る
  • 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』金属の特性、炎色反応、元素の周期表、気体の種類(PDF p.257-261、p.287-290、p.309-312) Amazonで見る