動画解説はこちら|YouTube

危険物乙4の酸と塩基とpH|7より小さいと酸性、乙4で問われる範囲まで

危険物乙4の酸と塩基とpH|7より小さいと酸性、乙4で問われる範囲までのアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

重要度:○ 押さえておきたい論点です(市販問題集の頻出印から。公式公開問題では見当たりません。当サイトの判断)

最終確認:2026年9月24日

食酢をなめると、すっぱく感じます。このすっぱさは、酸(さん)と呼ばれる物に共通する性質の1つです。危険物乙4では、酸と塩基(えんき)の見分け方、pH(ピーエイチ)の数字の向き、中和(ちゅうわ)が問われます。

この記事でわかること

  • 酸と塩基の意味と、リトマス紙の色の変わり方
  • pHの数字と、酸性・中性・塩基性の向き
  • 中和で何ができるか

pHは7が中性で、7より小さいと酸性、7より大きいと塩基性です。

酸は青色リトマス紙を赤に、塩基は赤色リトマス紙を青に変えます。

酸と塩基を混ぜると、たがいの性質を打ち消し合って塩(えん)と水ができる中和が起こります。

まず場面で:食酢はすっぱく、青いリトマス紙を赤くする

食酢は、酢酸(さくさん)という酸を水にうすめた液です。理科の実験で、青色のリトマス紙に食酢をつけると、赤色に変わります。すっぱい味と、青を赤に変える働きは、酸に共通する性質です。

その反対の性質を持つ仲間が、塩基です。塩基はアルカリとも呼ばれ、水に溶けた液の性質を塩基性(アルカリ性)といいます。名前の似た酸化(さんか)は、物が酸素と結びつく別の話なので、混ぜないようにします。

酸性か塩基性かの強さは、pHという数字で表します。工場でよく使う水酸化ナトリウムの水溶液は塩基性、塩酸は酸性です。危険物乙4で問われるのは、この数字の向きと、リトマス紙の色、中和の3つです。

酸と塩基は、水素イオンを出すか受け取るかで分かれる

酸とは、水に溶けると水素イオンを出す物、またはほかの物に水素イオンを与える物のことです。水素イオンとは、プラスの電気を帯びた水素の粒のことです。塩酸や硫酸(りゅうさん)、酢酸が酸の例です。

塩基とは、水に溶けると水酸化物イオンを出す物、またはほかの物から水素イオンを受け取る物のことです。水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが、塩基の例です。酸は水素イオンを出す側、塩基は水素イオンを受け取る側と、向きを対にして覚えます。

リトマス紙は、酸性か塩基性かを色で見分ける紙です。酸は青色リトマス紙を赤に、塩基は赤色リトマス紙を青に変えます。 「青から赤」と変化の向きで覚えるより、変わったあとの色が赤なら酸性、青なら塩基性と覚えると迷いません。

酸と塩基は、綱引きの両側のチームのようなものです。同じ力で引き合えば綱はまん中で止まり、どちらの勝ちでもなくなります。正確には、中和とは、酸と塩基が反応して、たがいの性質を打ち消し合い、塩と水ができる反応のことです。

たとえば、塩酸と水酸化ナトリウムの水溶液を混ぜると、塩化ナトリウム(食塩)と水ができます。塩とは、中和で水といっしょにできる物のことです。中和では元とは別の物質ができるので、物理変化と化学変化でいう化学変化にあたります。

覚える数字はpHの7だけ:7より小さいと酸性、大きいと塩基性

pHとは、水溶液が酸性か塩基性か、その度合いを表す数字のことで、ペーハーとも読みます。数字はふつう0から14の範囲で表し、7が境目です。

pHの物差し(7が中性、7より小さいと酸性、大きいと塩基性)
pHの数字性質強さ
7より小さい酸性0に近いほど強い酸性
7中性酸性でも塩基性でもない
7より大きい塩基性(アルカリ性)14に近いほど強い塩基性

pHの数字は、小さいほど強い酸性、大きいほど強い塩基性です。 塩酸はpHが7より小さく、水酸化ナトリウムの水溶液は7より大きくなります。純粋な水や、食塩水は中性です。

pHの数字が小さいほど、液の中の水素イオンの濃さは高くなります。数字が小さくなる向きと、水素イオンが増える向きが逆に見えるので、ここはひっかけになりやすい所です。

ここは覚えなくていい

塩を正塩・酸性塩・塩基性塩に分ける分類や、塩が水に溶けて酸性や塩基性を示す加水分解(かすいぶんかい)のしくみは、覚えなくてかまいません。水素イオンの濃さからpHを求める計算も、この記事では扱いません。

試験ではこう聞かれる:「酸は赤色リトマス紙を青にする」は誤り

1つめは、リトマス紙の色の入れ替えです。「酸は赤色リトマス紙を青に、塩基は青色リトマス紙を赤に変える」は誤りです。変わったあとの色が赤なら酸性、青なら塩基性です。

2つめは、pHの向きの入れ替えです。「pHが1に近い液は強い塩基性」は誤りで、0に近いほど強い酸性です。7を少しだけ超える値は、中性に近い塩基性になります。

3つめは、酸と塩基の定義の入れ替えです。「水に溶けて水素イオンを出す物を塩基という」「水酸化物イオンを出す物を酸という」は、どちらも誤りです。

4つめは、酸の性質を問う形です。酸にはすっぱい味があり、亜鉛などの金属と反応すると水素が出ます。一方、「酸はすべて酸素を含む」は誤りで、塩酸のように酸素を含まない酸もあります。

覚え方:リトマスは「赤で酸、青で塩基」、あとの色だけ見る。

工場・現場ではこうなる:酸やアルカリの排水は中和してから流す

化学プラントでは、塩酸や硫酸、水酸化ナトリウムの水溶液を、原料や洗浄の薬品として使います。酸性やアルカリ性の排水は、そのまま流さず、中和してから放流します。薬品を移し替えるときは、保護めがねや手袋を着け、液が肌や目にかからないようにします。

確認問題

問1 青色のリトマス紙が赤く変われば、その水溶液は酸性だとわかる。

答え:○

根拠:酸性の水溶液は青色のリトマス紙を赤色に、塩基性の水溶液は赤色のリトマス紙を青色に変えます。

なぜか:リトマス紙は、液の性質によって色が変わる色素をしみこませた紙です。変わった後の色が赤なら酸性、青なら塩基性です。

狙われる形:酸性と塩基性で、リトマス紙の色の変わり方を入れかえた形で出ます。

問2 pHの数値が小さい水溶液ほど、塩基性(えんきせい)が強い。

答え:×

訂正:pHの数値が小さいほど酸性が強く、塩基性が強いのはpHの数値が大きい水溶液である。

根拠:pHは7を境に、小さい側が酸性、大きい側が塩基性です。

なぜか:pHは、水溶液の中の水素イオンが多いほど小さい数になります。水素イオンが多いほど、酸性が強い液です。

狙われる形:pHの大小と、酸性・塩基性の向きを逆にした形で出ます。

問3 酸と塩基(えんき)を混ぜて中和(ちゅうわ)させると、酸と塩基の性質がたがいに強め合う。

答え:×

訂正:中和では、酸と塩基がたがいの性質を打ち消し合い、塩と水ができる。

根拠:中和は、酸と塩基が反応して、塩(えん)と水ができる反応です。

なぜか:酸の水素イオンと塩基の水酸化物イオンが結びつくと、水になります。そのため、酸らしさと塩基らしさが打ち消されます。

狙われる形:中和の結果を「性質が強まる」「酸素ができる」などとすりかえた形で出ます。

まとめ

pHは0から14までの数字で、7が中性、7より小さいと酸性、大きいと塩基性です。酸は青色リトマス紙を赤に、塩基は赤色リトマス紙を青に変え、あとの色で見分けます。酸と塩基が反応して塩と水ができるのが中和で、別の物質ができる化学変化です。

次に読む

参考文献

  • 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、2-5 酸と塩基・中和・水素イオン指数(pH) Amazonで見る
  • 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、2-23 酸と塩基(アルカリ)(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る

内容の誤りに気づいた方へ:誤りの報告フォーム

化学プラントニュース―週報と事故速報をわかりやすく紹介するnoteマガジン PLANT NEWS ON NOTE 化学プラントニュース 化学・石油プラントの重要ニュースを、毎週の週報と事故速報でお届けします。現場で押さえたい動きを、わかりやすく整理します。 noteで最新ニュースを読む