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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)
最終確認:2026年9月24日
塗料の溶剤に使うキシレンと、食酢のもとになる酢酸(さくさん)は、どちらも第4類(だいよんるい)の第2石油類です。同じ品名なのに、キシレンは水に浮き、酢酸は水に溶けます。危険物乙4では、灯油・軽油以外のこうした物品を性質で見分ける問題が出ます。
この記事でわかること
- キシレン・クロロベンゼン・1-ブタノールと、酢酸・アクリル酸の見分け方
- 「水に溶けるか」と「水より重いか」の2つの問いで物品を置く方法
- 腐食性(ふしょくせい)の酢酸と、重合(じゅうごう)しやすいアクリル酸の札
酢酸・プロピオン酸・アクリル酸は水に溶ける組、キシレン・クロロベンゼン・1-ブタノールは溶けない組です。
水より重いのはクロロベンゼン・酢酸・アクリル酸の3つで、キシレンと1-ブタノールは水に浮きます。
酢酸には腐食性、アクリル酸には重合しやすさの札を付けて覚えます。
まず場面で:塗料のキシレンと食酢の酢酸は、同じ第2石油類
キシレンは、塗料などの溶剤に使われる、においのある無色の液体です。酢酸は、うすめた水溶液が食酢になる、酢のにおいの液体です。見た目はどちらも無色なので、見ただけでは区別できません。
2つとも、1気圧で引火点(いんかてん)が21℃以上 {NUM-L-0017}、70℃未満 {NUM-L-0018}の第2石油類です。21℃以上は21℃を含み、70℃未満は70℃を含みません。品名の区切り方は第4類の7品名で扱います。
第2石油類の代表は灯油と軽油ですが、この2つは灯油と軽油の性質の記事で扱います。この記事では、それ以外の物品を見分ける方法に絞ります。
第2石油類は「水に溶けるか」と「水より重いか」で見分ける
灯油・軽油以外の物品は、2つの問いで4つの区画に置けます。1つめは水に溶けるか、2つめは水より重いかです。水より重いかどうかは、水を1とした重さの比べ方である比重(ひじゅう)で表します。

1つめの問いでは、名前に「酸」が付くかを見ます。酢酸・プロピオン酸・アクリル酸は水によく溶け、法令では水溶性(すいようせい)として扱われます。キシレン・クロロベンゼン・1-ブタノールは、灯油・軽油と同じ非水溶性の組です。
1-ブタノールは、n-ブチルアルコールとも呼ばれる液体です。水にはわずかしか溶けず、法令の区分では非水溶性です。名前はアルコールでも、炭素の数がアルコール類の範囲より多いので、第2石油類に入ります。
2つめの問いでは、比重が1より大きい、つまり水より重い物品を探します。水より重いのはクロロベンゼン・酢酸・アクリル酸の3つで、キシレンと1-ブタノールは水より軽い物品です。 クロロベンゼンは水に溶けないので、こぼれて水に入ると底に沈みます。
2つの問いは、荷物を仕分ける2本の分かれ道のようなものです。1本めで「溶ける・溶けない」、2本めで「重い・軽い」に分けると、物品は4つの棚のどこかに入ります。正確には、水に溶けるかは法令の区分でもあり、指定数量(していすうりょう)と消火(しょうか)のしかたに関わります。重いかどうかは、こぼれた液が水の上に広がるか、下へ行くかに関わります。
水に溶ける組の火災では、ふつうの泡消火剤(あわしょうかざい)の泡が溶けて消えてしまいます。そこで、泡が溶けにくい水溶性液体用泡消火剤(すいようせいえきたいようあわしょうかざい)を使います。理由は第4類の消火で扱います。
第2石油類で覚えるのは、物品ごとの札と指定数量
灯油・軽油以外の物品は、細かい数値より、物品ごとの目印を1つずつ覚えます。この記事では、その目印を札と呼びます。キシレンには、原子のつながる位置だけが違う異性体(いせいたい)が3種類あります。
| 物品 | 水と重さ | 札 |
|---|---|---|
| キシレン | 溶けない・軽い | 異性体がある |
| クロロベンゼン | 溶けない・重い | 水の底に沈む |
| 1-ブタノール | わずかに溶ける・軽い | アルコール類ではない |
| 酢酸 | 溶ける・重い | 腐食性がある |
| アクリル酸 | 溶ける・重い | 重合しやすい |
腐食性とは、金属などをさびさせたり、いためたりする性質のことです。酢酸は金属やコンクリートを腐食し、水にうすめた水溶液にも腐食性があります。 純度の高い酢酸は、気温が下がると氷のように固まることがあり、氷酢酸(ひょうさくさん)と呼ばれます。
重合とは、小さな分子が次々につながって大きな分子になる反応のことです。アクリル酸は重合しやすく、そのとき熱を出して発火(はっか)や爆発につながるおそれがあります。アクリル酸は、重合を止める重合防止剤を加えて保存します。
指定数量は、水に溶けるかどうかの組ごとに決まっています。
| 組 | 主な物品 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 非水溶性 | 灯油、軽油、キシレン、クロロベンゼン、1-ブタノール | 1,000L |
| 水溶性 | 酢酸、プロピオン酸、アクリル酸 | 2,000L |
ここは覚えなくていい
物品ごとの引火点・沸点・燃焼範囲(ねんしょうはんい)の値は、覚えなくてかまいません。第2石油類の物品なら引火点は21℃以上、と品名から考えれば足ります。プロピオン酸は、水に溶ける組に入ることだけ押さえておけば十分です。
試験ではこう聞かれる:「キシレンは水によく溶ける」は誤り
1つめは、水に溶けるかの入れ替えです。「キシレンは水によく溶ける」「酢酸は水に溶けない」は、どちらも誤りです。「1-ブタノールは水によく溶ける」も誤りで、わずかしか溶けません。
2つめは、重さの入れ替えです。「キシレンは比重が1より大きい」は誤りで、キシレンは水に浮きます。「第2石油類はどれも水より軽い」は誤りで、クロロベンゼン・酢酸・アクリル酸は水より重い物品です。
3つめは、札の入れ替えです。「酢酸は無臭」「酢酸の水溶液には腐食性がない」は、どちらも誤りです。「アクリル酸は重合防止剤を加えて保存する」は正しい文です。
4つめは、品名の取り違えです。「1-ブタノールはアルコール類」は誤りで、第2石油類です。酢酸の引火点を21℃より低いとする文も、第2石油類の定義から誤りと分かります。
覚え方:酸が付いたら水に溶ける、重いのはクロロと酢酸・アクリル酸。
工場・現場ではこうなる:溶剤のキシレンと薬品の酢酸で扱い方を分ける
化学工場では、キシレンを塗料や洗浄の溶剤に、酢酸やアクリル酸を原料の薬品に使います。キシレンは静電気(せいでんき)がたまりやすいので、移し替えるときは容器や配管を接地(せっち)します。酢酸とアクリル酸は腐食に強い材質の設備で扱い、アクリル酸は固まらない温度で保管します。
確認問題
問1 キシレンは1種類の物質だけを指し、異性体(いせいたい)と呼ばれる仲間はない。
答え:×
訂正:キシレンには、オルト・メタ・パラの3種類の異性体がある。
根拠:キシレンという名前には、つながり方が違う3種類の異性体が含まれます。
なぜか:キシレンは、ベンゼンの環に付く2つのメチル基の位置で3通りに分かれます。3つとも第2石油類として扱います。
狙われる形:異性体がない、または数が違うとする形で出ます。
問2 第2石油類のクロロベンゼンは、水に入れると底に沈む。
答え:○
根拠:第4類には水より軽い物品が多いが、比重が1より大きい物品もある。
なぜか:クロロベンゼンの比重は約1.1で、水より重い液体です。水に溶けないので、水の下に層になってたまります。
狙われる形:クロロベンゼンを、ほかの多くの第4類と同じく「水に浮く」とした形で出ます。
問3 アクリル酸は変化しにくい液体なので、何も加えずに長く保存できる。
答え:×
訂正:アクリル酸は重合しやすいので、重合防止剤を加えて貯蔵する。
根拠:重合しやすい物品は、重合を止める薬剤を加えて貯蔵します。
なぜか:アクリル酸は分子どうしがつながる重合を起こしやすく、そのとき熱を出します。熱がたまると発火や爆発のおそれがあります。
狙われる形:アクリル酸を安定な液体とし、重合防止剤を不要とする形で出ます。
まとめ
灯油・軽油以外の第2石油類は、名前に「酸」が付く酢酸・プロピオン酸・アクリル酸が水に溶けます。キシレン・クロロベンゼン・1-ブタノールは、法令で非水溶性の組です。水より重いのはクロロベンゼン・酢酸・アクリル酸で、酢酸は腐食性、アクリル酸は重合しやすさを目印にします。
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参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、4-6 第2石油類・4-10 第4類の危険物の特徴まとめ Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、1-3 第4類危険物・1-4 危険物の指定数量・3-3 第4類危険物の消火・3-9 第2石油類の性状(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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