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【詳細記事】先端モニタリング技術とリスクベース検査(RBI)

化学プラントの保全は、従来の「壊れたら直す(事後保全)」や「一定期間で交換する(時間基準保全:TBM)」から、設備の状態をリアルタイムで監視し、最適なタイミングで処置を行う「状態基準保全(CBM)」へと移行しています。

この記事では、腐食の進行を可視化する最新のモニタリング技術と、限られたリソースを賢く配分するための「リスクベース検査(RBI)」について解説します。


腐食モニタリング技術の進化

従来のテストピースによる開放点検に頼る手法から、稼働中にリアルタイムでデータを取得するセンシング技術が進化しています。これにより、腐食の「予兆」を捉えることが可能になりました。

モニタリング手法原理・特徴適用対象・メリット
電気抵抗法 (ER)腐食による金属素子の断面積減少(抵抗増加)を測定します。全面腐食の傾向管理に適しており、気相・液相問わず適用可能です。
分極抵抗法 (LPR)微小電圧を印加し、分極抵抗から腐食速度を算出します。導電性液中でのリアルタイム測定が可能で、水処理系の管理に最適です。
電気化学ノイズ法 (ENM)腐食に伴う自然電位・電流の「ゆらぎ」を解析します。局部腐食(孔食・SCC)の発生を捉える手法として研究・適用が進んでいます。
超音波厚さ測定 (UT)超音波の反射時間から肉厚を測定します。IoT化により配管・タンクの減肉を遠隔で定点モニタリングすることが可能です。
Acoustic Emission (AE)腐食や割れによる変形・破壊音(弾性波)を検出します。タンク底板の腐食評価や、き裂進展の監視に使われます。稼働中に広い範囲を一度に調べられます。

RBI(Risk-Based Inspection)による保全最適化

RBIは、機器ごとに「破損の起こりやすさ(POF)」と「破損時の影響の大きさ(COF)」を評価し、高リスクの機器には精密な検査を集中させ、低リスクの機器は検査間隔を延ばす手法です(API 580/581)。上のモニタリングで得た腐食速度は、POFの評価に使います。導入の手順、データが少ない設備の扱い、FFSとの関係は次の記事で詳しく扱っています。


まとめ

最新のモニタリングとRBIの導入は、プラント保全を「科学」へと進化させます。

  1. 「見えない腐食」の可視化: 電気化学ノイズ法やAE法などの活用により、従来困難だった局部腐食の稼働中モニタリングが進んでいます。
  2. リスクに基づくリソース配分: 全設備を一律に管理するのではなく、RBIによって強弱をつけた検査計画を立てることが、現代のプラントマネジメントの標準です。
  3. デジタル技術との融合: 蓄積されたセンシングデータとRBIの結果を統合し、AIによる余寿命予測やDX(デジタルトランスフォーメーション)へと繋げていくことが今後の展望です。

超音波・AE・渦電流など各検査手法で何が見つけられるかは非破壊検査の使い分け|RT・UT・MT・PT・ET・AEは何を見つけられるか、腐食対策の全体像は【まとめ記事】化学プラントの腐食対策|材料選定・防食・検査の全体像で扱っています。

プロセス安全の全体地図

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参考文献・リンク

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