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危険物取扱者の保安講習|受講対象・期限・免状更新との違い

危険物取扱者の保安講習の受講対象と期限を解説する記事のアイキャッチ

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困っている人
困っている人

「危険物取扱者免状を持っていれば、全員が保安講習を受けるのだろうか」

「1年以内と3年以内のどちらが自分に当てはまるのだろう」

「10年ごとの写真書換えとは別なのだろうか」

そんな疑問を解決します。

この記事の内容

保安講習の受講義務がある人・ない人

受講期限を決める3ルート

最初の4月1日から3年以内の数え方

講習区分・内容・申込先の確認方法

写真書換えとの違い

先に結論を言うと、保安講習は、危険物取扱者免状を持つ全員が一律に受ける講習ではありません。消防法では、製造所、貯蔵所または取扱所で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者を対象としています。

受講期限は、次の三つで変わります。

  • 継続して従事している人:前回の受講日後の最初の4月1日から3年以内
  • 新たに従事する人:従事開始日から1年以内
  • 新たに従事する人で、過去2年以内に免状交付または講習を受けた人:免状交付日または受講日後の最初の4月1日から3年以内

また、保安講習と免状の写真書換えは別の手続きです。保安講習を受けても写真書換えは完了せず、写真を書き換えても保安講習を受けたことにはなりません。

保安講習は免状保有者全員が対象ではない

消防法第13条の23は、製造所、貯蔵所または取扱所で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者に、保安講習の受講を求めています。

ここで重要なのは、「免状を持っているか」だけで決まらないことです。

たとえば、甲種免状を取得したものの危険物の取扱作業に従事していない人には、法令上の受講義務はありません。乙種・丙種も考え方は同じで、甲種だけに課される講習ではありません。

一方、化学工場、危険物倉庫、給油取扱所などの製造所等で、免状を用いて危険物の取扱作業に従事する人は、原則として受講対象です。

受講義務の有無は、資格名や職種名だけで判断せず、勤務先の施設区分と実際の業務を確認してください。

受講義務があるかを3段階で判定する

【図解 SYS-08-01保安講習の受講対象を3問で判定】

自分が受講対象か迷ったら、次の順に確認します。

危険物取扱者免状、製造所等、危険物の取扱作業への従事という3条件から保安講習の受講義務を判定する図
免状を持つだけではなく、製造所等で危険物の取扱作業に従事するかまで確認して受講義務を判定します。(一次資料を参考に当サイト作成)

1. 危険物取扱者免状を持っているか

保安講習は、危険物取扱者を対象とする講習です。無資格者が立会いの下で危険物を取り扱う場合、その無資格者本人が危険物取扱者保安講習の受講対象になるわけではありません。

2. 製造所、貯蔵所または取扱所で働いているか

消防法上の「製造所等」であることを確認します。

指定数量未満の危険物だけを貯蔵・取り扱う施設は、通常、この製造所等には当たりません。また、危険物を車両で運搬する業務だけであれば、その車両は製造所等ではないため、運搬だけを理由に受講義務が生じるわけではありません。

ただし、同じ人が事業所内の製造所等でも取扱作業に従事していれば、そちらの業務に基づいて対象となります。

3. 危険物の取扱作業に従事しているか

免状を持って同じ事業所に勤務していても、危険物の取扱作業に従事していなければ、法令上の受講義務はありません。

役職名だけでは判断しにくい場合は、危険物保安監督者、上司、安全環境部門または講習実施機関へ確認してください。

なお、受講義務がない危険物取扱者でも、希望により受講できる場合があります。申込条件は実施機関の案内で確認します。

受講期限は3ルートで決まる

【図解 SYS-08-02受講期限を決める3ルート】

保安講習は、全員が「従事開始から3年以内」ではありません。自分がどのルートに該当するかを先に決めます。

継続従事、新規従事、過去2年以内に免状交付または受講した新規従事の3ルートで保安講習の期限を示す図
継続従事、新規従事、新規従事の特例で、受講期限の起点と期間が異なります。(一次資料を参考に当サイト作成)

継続して危険物の取扱作業に従事している人

すでに保安講習を受け、継続して取扱作業に従事している人は、前回の講習を受けた日後に来る最初の4月1日から3年以内に次の講習を受けます。

「前回受講日からちょうど3年後」ではありません。起点は、前回受講日そのものではなく、その日後の最初の4月1日です。

新たに危険物の取扱作業へ従事する人

初めて取扱作業へ配置された人などは、原則として従事することとなった日から1年以内に受講します。

資格を取得した日から1年以内ではなく、取扱作業へ従事することとなった日が起点です。

新規従事で、過去2年以内に免状交付または受講した人

新たに取扱作業へ従事する人でも、その従事開始日前2年以内に免状の交付を受けた、または保安講習を受けた場合は例外があります。

この場合は、免状交付日または前回受講日後の最初の4月1日から3年以内に受講すれば足ります。

「過去2年以内」は、免状交付日または受講日と従事開始日の間隔を判定する条件です。受講期限が2年以内になるという意味ではありません。

「最初の4月1日から3年以内」の数え方

この表現は、次の順で考えると整理できます。

  1. 基準になる日を決める

継続従事なら前回受講日、例外に該当する新規従事なら免状交付日または前回受講日です。

  1. その日後に来る最初の4月1日を探す

基準日が2026年8月31日なら、最初の4月1日は2027年4月1日です。

  1. その4月1日から3年以内を期限として管理する

年度単位で管理しやすくするための起算方法です。実際の受講可能日や締切日は、都道府県が公表する講習日程と受付期間で確認します。

会社では、法定期限ぎりぎりではなく、対象年度の早い時期に受講枠を確保してください。定員や受付期間があり、希望日へ必ず申し込めるとは限りません。

講習区分と学ぶ内容

総務省消防庁の実施細目では、従事する危険物施設の態様に応じて、主に次の区分が示されています。

  • 給油取扱所
  • 石油コンビナート等の特定事業所にある危険物施設
  • その他の危険物施設

都道府県は、地域の施設状況に応じて異なる区分や追加区分を設ける場合があります。化学プラント勤務者でも、事業所の区分を自己判断せず、勤務先または実施機関へ確認してください。

講習内容の中心は、危険物関係法令、火災・漏えい事例と防止策、危険物の性状、安全管理などです。消防庁の実施細目では、法令関係1時間以上、火災予防関係2時間以上が示されており、合計は少なくとも3時間です。

実際の時間割、効果測定、教材、休憩時間は実施機関により異なります。

申込み前に都道府県の案内を確認する

講習の日時、会場、申請方法、手数料、必要書類は、都道府県または指定された実施機関が公表します。

申込み前に、次を確認してください。

  • 勤務先の施設に合う講習区分
  • 受講対象者の条件
  • 開催日と受付期間
  • 申請方法と必要書類
  • 手数料と納付方法
  • 免状、受講票など当日の持参物
  • 対面講習かオンライン講習か
  • 修了証または免状への受講記録の扱い

消防庁の実施細目では、個人申請と事業所単位の一括申請が想定されています。勤務先がまとめて申し込む運用なら、個人で二重に申請しないよう担当部署へ確認します。

オンライン講習を実施する地域もありますが、全国一律ではありません。たとえば東京消防庁は2026年度のオンライン講習を案内しています。オンライン受講の可否、視聴期間、対象区分、修了証の扱いは、申し込む実施機関の最新案内で確認してください。

保安講習と写真書換えは別手続き

混同しやすい二つを比較します。

項目保安講習写真書換え
目的取扱作業の保安知識を更新する免状の写真を新しくする
対象製造所等で取扱作業に従事する危険物取扱者など写真書換え期限が来る免状所持者
主な時期1年以内または最初の4月1日から3年以内免状記載の期限、原則10年ごと
手続き先都道府県等の講習実施機関消防試験研究センター支部等
一方で代用できるかできないできない

保安講習は資格の更新試験ではなく、写真書換えも保安講習の代わりではありません。免状そのものの有効期限、写真書換え、新規交付、再交付は、危険物取扱者甲種の免状交付申請と書換えで詳しく整理しています。

受講しなかった場合

受講義務がある人が期限内に保安講習を受けないことは、消防法令に対する違反となります。

ただし、「期限を1日過ぎたら自動的に免状が失効する」という仕組みではありません。違反の状況によっては、都道府県知事から免状の返納を命じられる対象となる可能性があります。

未受講に気付いたら、自己判断で放置せず、勤務先の危険物保安担当者と講習実施機関へ速やかに連絡してください。法定期限、次回の講習日、業務配置の扱いを確認します。

よくある質問

甲種免状を持っているだけで受講義務がありますか

ありません。製造所、貯蔵所または取扱所で危険物の取扱作業に従事しているかが判断の中心です。

乙種や丙種も保安講習の対象ですか

対象になり得ます。保安講習は甲種だけの制度ではなく、危険物取扱者が製造所等で取扱作業に従事する場合の制度です。

危険物を運搬するドライバーは必ず対象ですか

車両による運搬だけなら、その車両は製造所等に当たらないため、運搬だけを理由に受講義務が生じるわけではありません。ただし、製造所等での取扱作業にも従事する場合は別に判断します。

受講場所は免状を交付した都道府県に限られますか

免状の交付地だけに限る制度ではありません。ただし、講習ごとに居住地・勤務地などの申込条件や定員があるため、受講を希望する実施機関の案内を確認してください。

オンラインで受講できますか

オンライン講習を設ける地域がありますが、全国一律ではありません。勤務先の都道府県または受講を希望する実施機関の最新案内で確認してください。

保安講習を受けると免状の写真も更新されますか

更新されません。保安講習と写真書換えは別手続きです。

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免状の新規交付、写真書換え、氏名変更、再交付は、危険物取扱者甲種の免状交付申請と書換えで確認してください。

化学プラントで甲種が役立つ場面や危険物保安監督者へのつながりは、化学プラント技術者が危険物取扱者甲種を取るメリットで解説しています。

学習記事を最初から確認する場合は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップへ戻ってください。

まとめ

危険物取扱者の保安講習についてまとめます。

  • 免状保有者全員が一律に受ける講習ではない
  • 製造所等で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者が原則対象
  • 継続従事者は、前回受講日後の最初の4月1日から3年以内
  • 新規従事者は、原則として従事開始日から1年以内
  • 新規従事者でも、過去2年以内に免状交付または受講済みなら3年ルートになる
  • 講習区分、申請方法、手数料、オンライン対応は実施機関ごとに確認する
  • 保安講習と免状の写真書換えは別手続き

最初に「製造所等で取扱作業に従事しているか」を確認し、次に3つの期限ルートへ当てはめてください。対象なら、勤務先の担当部署と都道府県の最新案内を確認し、期限より早めに受講日を確保しましょう。

参考文献