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熱交換器の実務テンプレート【データシート・提案評価チェックリスト・運転記録】

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困っている人
困っている人

メーカーに何を伝えればいいか毎回迷う

提案書のどこを見ればいい?

そんな悩みを解決します。

この記事の内容

・そのまま使えるプロセスデータシートのひな形

・メーカー提案の評価チェックリスト

・引き合い前に自分で確認する6項目

私の仕事は化学プラントの設計です。
実務で使っている項目を、コピーして使える形にまとめました。

熱交換器の引き合いで失敗する原因の多くは、計算の間違いではなく伝えるべき情報が抜けていたことです。

とくに汚れ方・保全計画・据付スペース・用役の余力の4つは、ユーザー側しか知りません。図面にも仕様書のひな形にも書かれていないことが多く、意識して伝えないと落ちます。

この記事では、その抜けを防ぐためのひな形とチェックリストを用意しました。コピーしてお使いください。

この記事の結論

・ユーザーしか知らない情報は汚れ方・保全計画・据付スペース・用役の余力の4つ。

・データシートには定格だけでなく最大・最小を書きます。定格だけだと減量運転で困ります。

・提案評価では定格点以外の性能(最小負荷・夏場・汚れ進行時)を必ず聞きます。

・引き合い前に6項目を自分で計算しておくと、提案の妥当性を判断できます。

① プロセスデータシートのひな形

引き合い時にメーカーへ渡す情報です。空欄のまま出さず、「不明」なら不明と書いてください。書かれていない項目は、メーカーが勝手に仮定します。

プロセスデータシート(熱交換器)

「定格/最大/最小」の3つを書くのがこのひな形の要点です。定格だけ伝えると、減量運転で流速が落ちて汚れる機器ができあがります。

② 引き合い前に自分で確認する6項目

メーカーに投げる前に、自分で押さえておくべきことです。電卓と概算表でできます。

確認すること外すとどうなるか
1熱収支から Q と、もう片方の流体の必要流量用役が足りず、機器ができても運転できない
2その用役(冷却水・蒸気)が供給できるか同上
3U の概算値から必要面積の当たり規模感がなく、提案の妥当性を判断できない
4温度クロスの照査(P と R から F)1台で成立しない条件を前提に検討してしまう
5許容圧力損失(系統の圧力収支から)伝熱は成立してもポンプが送れない
6据付スペース(とくに管束引抜き)現場に入らない、清掃できない機器が納入される

4番目を引き合い前にやっておくと効きます。「なぜ3台になるのか」という提案が来ても驚かず、社内にも説明できます。

1〜4は次のツールで計算できます。

③ メーカー提案の評価チェックリスト

提案書を受け取ったら、この順で確認します。

提案評価チェックリスト(熱交換器)

「運転範囲(定格点以外)」を必ず聞いてください。定格点だけで評価すると、実運転で能力が出ない・汚れるという問題が後から出ます。

④ 運転データの記録シート

納入後の管理用です。これを続けておくと、汚れの進み方が分かり、洗浄時期を根拠を持って決められます。

熱交換器 運転データ記録

洗浄直後の U は貴重なデータです。設計値の Uc より低ければ、洗浄で落としきれない恒久的な汚れがあるか、設計時の想定が甘かったことを意味します。次の設計に活かせます。

U 実測と汚れ抵抗の計算は、次のツールで自動化できます。

使い方の順序

段階使うもの
引き合い前② 6項目の確認 → 計算ツール
引き合い① プロセスデータシート
提案評価③ 評価チェックリスト
納入後④ 運転データ記録シート
熱交換器の実務テンプレート4点の使用順序 引き合い前の6項目確認と計算ツール、引き合い時のプロセスデータシート、提案評価時の評価チェック、納入後の運転記録の順に、4点のテンプレートを使う流れを示す。 番号順ではなく、 この順に使う 丸数字はテンプレートの番号。使う順とは一致しない 引き合い前 引き合い 提案評価 納入後 最初に 確認する 6項目確認 計算ツール 条件を 伝える プロセス データシート 提案を評価 評価 チェック リスト 運転を残す 運転データ 記録シート 引き合いでは、計算ミスより 情報の抜けが失敗を招く

まとめ

・引き合いの失敗は計算の間違いより、伝えるべき情報の抜けで起きます。

・ユーザーしか知らないのは 汚れ方・保全計画・据付スペース・用役の余力 の4つです。

・データシートには定格・最大・最小の3つを書きます。

・引き合い前に6項目を自分で確認しておくと、提案の妥当性を判断できます。とくに温度クロスの照査。

・提案評価では定格点以外(最小負荷・夏場・汚れ進行時)の性能を必ず聞きます。

・納入後は運転データを記録し、汚れの進み方を数字で追ってください。

参考文献

  • 吉田邦夫・吉田英生 監修『熱交換器ハンドブック』省エネルギーセンター、2005年、I編2「設計手順」、IV編「設備保全」 Amazonで見る
  • 尾花英朗『熱交換器設計ハンドブック(増訂版)』工学図書、1974年(1994年 2版6刷)、第4部「熱交換器の基本設計」 Amazonで見る