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危険物乙4の定期点検と保安検査の違い|だれが・いつ・記録は何年残すか

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重要度:◎ よく問われます(市販問題集2冊の頻出印と公式公開問題から。当サイトの判断)

法令の基準日:2026年9月22日/最終確認:2026年9月23日

危険物(きけんぶつ)の施設では、決まった時期に、担当者が点検表を持ってタンクや配管を見て回ります。大きなタンクを持つ工場には、行政の側から検査に来ることもあります。危険物乙4では、この「定期点検」と「保安検査」がどう違うかが問われます。

この記事でわかること

  • 定期点検(ていきてんけん)と保安検査(ほあんけんさ)で、行う人がどう違うか
  • 定期点検の対象、点検できる人、回数と記録を残す年数
  • 点検の前提になる、所有者等(しょゆうしゃとう)の維持管理の義務

定期点検は施設の所有者等が自分で行い、保安検査は市町村長等が行う検査です。

定期点検は1年に1回以上が原則で、記録は原則3年間残します。

点検の結果は記録して残すもので、市町村長等へ届け出る決まりはありません。

まず場面で:点検表で回る人と、検査に来る市町村長等

化学工場の危険物の施設では、担当者が点検表を手に、タンクや配管、ポンプなどを順に見て回ります。終わったら、結果を記録に書いて保管します。これが定期点検です。

点検表で回る施設の人と、検査に来る市町村長等(定期点検と保安検査の違い)

一方、とても大きな屋外のタンクや、長い配管で危険物を送る施設には、市町村長等(しちょうそんちょうとう)の側から検査に来ます。これが保安検査です。同じ「点検」「検査」でも、行うのが施設の側か、行政の側かで分かれます。

市町村長等とは、施設の設置を許可する行政の長のことです。多くは市町村長で、場所や施設によっては都道府県知事や総務大臣になります。

点検の前提:所有者等の維持管理の義務

製造所等(せいぞうしょとう)の所有者・管理者・占有者(せんゆうしゃ)を、まとめて所有者等と呼びます。所有者等は、施設の位置・構造・設備を、技術上の基準に合うように保ち続けなければなりません。この義務は、施設の種類や危険物の量に関係なく、すべての製造所等にかかります。

基準に合っていないと認めたとき、市町村長等は、所有者等に修理・改造・移転を命じることができます。命令を受けるのは、施設を直す権限を持つ所有者等です。危険物取扱者(きけんぶつとりあつかいしゃ)の免状(めんじょう)を持つ人に命じるわけではありません。

定期点検は、この「基準に合っているか」を自分たちで確かめる仕組みです。定期点検とは、決められた施設の所有者等が、施設を定期に点検し、記録を作って残すことです。

保安検査とは、市町村長等が行う保安のための検査のことです。大きな屋外タンクと一部の移送取扱所(いそうとりあつかいじょ)が、基準どおりに保たれているかを調べます。

定期点検は車の持ち主が自分で行う点検、保安検査は役所の検査を受ける車検に近いものです。正確には、保安検査は市町村長等が行う検査で、対象は大きな屋外タンク貯蔵所と一部の移送取扱所に限られます。

覚える数字:定期点検は1年に1回以上、記録は3年間

定期点検の対象・点検できる人・記録

定期点検が要るのは、次の施設です。予防規程(よぼうきてい)が要る施設と重なりますが、同じではありません。

  • 地下タンク貯蔵所と移動タンク貯蔵所(量に関係なく、すべて)
  • 地下タンクを持つ製造所・給油取扱所(きゅうゆとりあつかいじょ)・一般取扱所
  • 製造所・一般取扱所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所のうち、指定数量(していすうりょう)の倍数が下の表の値以上のもの
  • 移送取扱所(保安検査を受けるものを除く)
施設定期点検が要る倍数ひとこと
製造所10倍以上地下タンクがあれば量に関係なく要る
一般取扱所10倍以上地下タンクがあれば量に関係なく要る
屋内貯蔵所150倍以上予防規程と同じ値
屋外貯蔵所100倍以上予防規程と同じ値
屋外タンク貯蔵所200倍以上予防規程と同じ値

地下のタンクは漏れても目に見えにくく、移動タンクは走る間の揺れで傷みやすいので、量に関係なく対象になると説明されます。要らないのは、屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・販売取扱所と、地下タンクのない給油取扱所です。

点検できるのは、甲種(こうしゅ)・乙種(おつしゅ)・丙種(へいしゅ)の危険物取扱者と、危険物施設保安員(きけんぶつしせつほあんいん)です。免状を持たない人も、危険物取扱者の立会い(たちあい)を受ければ点検できます。定期点検の立会いは、丙種の危険物取扱者でもできます。

回数と記録の決まりは次のとおりです。

  • 回数:1年に1回以上(原則)
  • 記録の保存:原則3年間
  • 移動貯蔵タンクの漏れの点検の記録:10年間

災害などで点検が難しいときは、市町村長等が期限を別に定めることがあります。記録には、施設の名称、点検の方法と結果、点検した年月日、点検した人か立ち会った人の氏名を書きます。「いつ・どこで・だれが・どのように」と覚えると抜けません。

保安検査は大きな屋外タンクと移送取扱所だけ

保安検査の対象は、屋外タンク貯蔵所のうち容量がとても大きいものと、配管の長い移送取扱所に限られます。決められた年数ごとに受ける定期の検査のほか、タンクが不均一に沈む不等沈下(ふとうちんか)などが起きたときに受ける臨時の検査もあります。

調べるのは、タンクなら底の板の厚さと溶接の部分、移送取扱所なら構造と設備です。保安検査を行うのは市町村長等で、所有者等は検査を受ける側です。

ここは覚えなくていい

タンクや地下の配管の漏れの点検には別の周期と例外がありますが、細かい決まりは覚えなくてかまいません。保安検査の対象になる容量と配管の長さも、覚えなくて足ります。2024年の改正で点検の期限を別に定められる場合が増えましたが、その条件も覚えなくて足ります。

試験ではこう聞かれる:定期点検と保安検査のすり替え

1つめは、行う人のすり替えです。「保安検査は所有者等が自分で行う」「定期点検は市町村長等が行う」は、どちらも誤りです。施設の側が行うのが定期点検、行政の側が行うのが保安検査です。

2つめは、結果の扱いです。定期点検の結果は記録して残すもので、市町村長等への届出は要りません。「遅滞なく届け出る」「報告する」とした文は誤りです。

3つめは、点検できる人です。危険物施設保安員は、免状がなくても点検できます。危険物保安統括管理者という立場だけでは、点検できる人に入りません。

4つめは、施設と回数のすり替えです。屋内タンク貯蔵所や簡易タンク貯蔵所に定期点検が要るとした文は誤りです。

「3年に1回以上」とした文も誤りです。3年は、記録を残す年数です。

工場・現場ではこうなる:点検の記録は保安の書類として残す

化学プラントでは、定期点検を点検表に沿って行い、結果を保安の記録として保管します。大きな屋外タンクを持つ事業所では、タンクを空にして底の板を調べる工事を、保安検査の時期に合わせて計画します。点検で見つけた不具合は、直した記録とあわせて残し、次の点検で確かめます。

確認問題

問1 免状を持たない社員でも、丙種の取扱者の立会いがあれば定期点検を行ってよい。

答え:○

根拠:定期点検の立会いは、甲種・乙種に限らず、丙種の危険物取扱者もできます。

なぜか:危険物の取扱作業の立会いは甲種・乙種に限られますが、定期点検の立会いはそれとは別の決まりだからです。

狙われる形:丙種は定期点検にも立ち会えないとする形で出ます。

問2 定期点検が終わったら、点検の記録を市町村長等に提出して確認を受ける。

答え:×

訂正:記録は所有者等が作成して保存する。提出する義務はない。

根拠:定期点検は所有者等が自ら行う点検で、結果は記録として作成し、保存します。

なぜか:施設の状態を自分たちで確かめる仕組みなので、記録は施設に残し、求められたときに示すからです。

狙われる形:点検の記録を届け出るとする形で出ます。

問3 大きな屋外タンク貯蔵所の保安検査は、市町村長等が行う検査である。

答え:○

根拠:保安検査は、市町村長等が、大規模な屋外タンク貯蔵所や移送取扱所の構造・設備を調べる検査です。

なぜか:所有者等が自ら行う定期点検とは別に、行政の側が大きな施設の状態を確かめるためです。

狙われる形:保安検査を、所有者等が自ら行う点検とする形で出ます。

まとめ

定期点検は、決められた施設の所有者等が自分で行い、記録を残すもので、市町村長等への届出は要りません。回数は1年に1回以上が原則で、甲種・乙種・丙種の危険物取扱者、危険物施設保安員、立会いを受けた人が行えます。保安検査は、大きな屋外タンク貯蔵所と一部の移送取扱所に、市町村長等が行う検査です。

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参考文献

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