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重要度:○ 押さえておきたい論点です(市販問題集の頻出印から。公式公開問題では見当たりません。当サイトの判断)
最終確認:2026年9月22日
セルフスタンドで給油すると、ノズルのまわりでガソリンのにおいがします。あのにおいの正体は、液から出た目に見えない蒸気です。危険物乙4では、ガソリンが燃えるとき、燃えているのは液体そのものではなく、この蒸気だと考えます。
この記事でわかること
- ガソリンや灯油は、液面の少し上の蒸気が燃えていること
- 4つの燃え方の名前と、それぞれ何が燃えているか
- ガソリン・木・炭がどの燃え方に当たるか
ガソリンのような液体は、液面から出た蒸気が空気と混ざって燃えています。
燃え方の名前は、液体・木・炭で「何が燃えているか」によって決まります。
ガソリンは液体ではなく、液面の上の蒸気が燃えている
ガソリンは、寒い日でも液面から蒸気を出しています。蒸気は目に見えませんが、空気と混ざって液面の少し上にただよっています。火を近づけると燃えるのは、この空気と混ざった蒸気のほうです。

このように、液体から出た蒸気が燃える燃焼(ねんしょう)の仕方を、蒸発燃焼(じょうはつねんしょう)といいます。液の中や液面そのものが燃えるわけではありません。炎は液面にくっついて見えても、燃えているのはそのすぐ上の蒸気です。
液面の上の蒸気は、液体がかぶっている見えない薄い布のようなものです。火がつくのは布のほうで、液体の本体ではありません。正確には、液面の上にあるのは空気と混ざった蒸気の層で、火がつくのはその層です。
だから第4類(だいよんるい)の危険物(きけんぶつ)を扱うときは、蒸気を漏らさないこと、ためないことが大切になります。液体を扱うときに見張る相手は、液そのものより、そこから出る蒸気です。
灯油も、燃えるときに蒸気が燃える点はガソリンと同じです。灯油がふだんの気温で燃えにくいのは、燃えるほどの蒸気がまだ出ていないからです。燃え方は同じで、蒸気が出始める温度が違うのです。
固体には、ほかに分解燃焼(ぶんかいねんしょう)と表面燃焼(ひょうめんねんしょう)という燃え方があります。次の見出しで、何が燃えているかを比べます。
蒸発燃焼・分解燃焼・表面燃焼は「燃えている物」が違う
固体の燃え方は、何が燃えているかで分かれます。木は熱で分解してできた燃えるガスが燃え、炭は表面そのものが燃えます。硫黄やナフタリンのように、固体から蒸気が出て燃える物もあります。

分解燃焼とは、熱で分解して出た燃えるガスが燃える燃え方です。木材・石炭・紙・プラスチックがこれに当たります。
硫黄やナフタリン、固形アルコールは固体ですが、熱で分解せずに蒸気になって燃えるので、蒸発燃焼です。固体だからといって、分解燃焼や表面燃焼とは限りません。
表面燃焼とは、固体の表面が、炎を出さずに赤く光りながら燃える燃え方です。木炭やコークスは、熱しても中から燃えるガスが出ないので、表面の炭素が燃えます。
自己燃焼(じこねんしょう)は分解燃焼の仲間で、空気の酸素ではなく、物の中に含まれる酸素を使って燃えます。第5類の危険物のニトロセルロースやセルロイドが、これに当たります。内部燃焼とも呼びます。
覚える言葉はこれだけ:4つの燃え方と代表の物質
4つの燃え方は、「何が燃えているか」と代表の物質を組にして覚えます。物質の名前だけを覚えると、固体と液体が混ざって崩れやすくなります。表は、上から「液体と一部の固体」「木の仲間」「炭の仲間」「第5類の危険物」の順に並べています。
| 燃え方 | 燃えている物 | 代表の物質 |
|---|---|---|
| 蒸発燃焼 | 液体や固体から出た蒸気 | ガソリン、灯油、アルコール、硫黄、ナフタリン |
| 分解燃焼 | 熱で分解して出たガス | 木材、石炭、紙、プラスチック |
| 表面燃焼 | 固体の表面そのもの | 木炭、コークス、金属粉 |
| 自己燃焼 | 物の中の酸素で燃える | ニトロセルロース、セルロイド |
第4類の危険物は、重油のように蒸発しにくそうな物も含めて、すべて蒸発燃焼です。 迷ったら「第4類は蒸発燃焼」を先に置き、残りを固体の3つに振り分けます。金属粉が表面燃焼に入ることも、表の中で一緒に押さえておきます。
ここは覚えなくていい
予混合燃焼(よこんごうねんしょう)と拡散燃焼(かくさんねんしょう)は、名前と一言の意味で足ります。前もって空気と混ぜた気体が燃えるのが予混合燃焼、燃えながら空気と混ざるのが拡散燃焼です。ろうそくの炎は、拡散燃焼の例として挙げられます。
試験ではこう聞かれる:ガソリンは表面燃焼ではなく蒸発燃焼
1つめは、液体の燃え方のすり替えです。「ガソリンは液面が直接燃える表面燃焼」「液体が熱で分解して出たガスが燃える」は、どちらも誤りです。第4類の液体が燃えるときは、液面から出た蒸気が空気と混ざって燃えています。
2つめは、物質と燃え方の組み合わせです。木炭とコークスは表面燃焼、木材と紙は分解燃焼、硫黄とナフタリンは蒸発燃焼です。固体だから表面燃焼、と決めつけないでください。
3つめは、自己燃焼の中身です。自己燃焼は分解燃焼の一種で、空気の酸素ではなく物の中の酸素を使います。「空気中の酸素を多く取り込んで燃える」のような説明なら誤りです。
工場・現場ではこうなる:溶剤の蒸気をためない
化学プラントで溶剤を扱う場所では、燃えるのは蒸気だという前提で対策を組みます。ドラム缶や容器のふたは使うとき以外は閉め、蒸気を外へ出さないようにします。屋内で扱う場所は換気を続け、ガス検知器で蒸気がたまっていないかを確かめます。
確認問題
問1 引火性液体(いんかせいえきたい)の火災で炎を上げているのは、液面の上にたまった可燃性の蒸気である。
答え:○
根拠:第4類の液体は蒸発燃焼で、燃えているのは液面の上の蒸気です。
なぜか:液温が上がると、液面から燃える蒸気が出て空気と混ざります。炎はその混ざった気体の中で燃えています。
狙われる形:蒸発燃焼を「液体が表面だけで燃える表面燃焼」と言いかえた形で出ます。
問2 石炭は、熱を受けても分解せず、かたまりの表面で燃える。
答え:×
訂正:石炭は、熱で分解して出た可燃性の気体が燃える分解燃焼である。
根拠:表面燃焼は、木炭やコークスのように熱しても燃える気体が出ない物の燃え方です。
なぜか:石炭は熱で分解して燃える気体を出し、その気体が炎を上げます。表面だけで燃えるのは、分解する成分がほとんど残っていない木炭などです。
狙われる形:分解燃焼の物を「表面燃焼」と言いかえた形で出ます。
問3 ろうそくの炎は、燃料と空気を先に混ぜ合わせてから燃えている。
答え:×
訂正:ろうそくの炎は、燃える気体と空気が混ざりながら燃える拡散(かくさん)燃焼である。
根拠:先に空気と混ぜてから燃えるのが予混合燃焼、燃えながら混ざるのが拡散燃焼です。
なぜか:ろうそくの芯からは燃える気体が出続け、炎のまわりで空気と混ざりながら燃えます。先に混ぜておく燃え方ではありません。
狙われる形:拡散燃焼の例を「予混合燃焼」と言いかえた形で出ます。
まとめ
ガソリンや灯油が燃えるとき、燃えているのは液面の上で空気と混ざった蒸気です。固体は、分解してできたガスが燃える木、表面が燃える炭、蒸気が出て燃える硫黄のように、燃えている物で分かれます。第4類の危険物は、すべて蒸発燃焼です。
次に読む
- 前に戻る:燃えるための3つの条件:燃える物・酸素・熱のどれが欠けても燃えない
- 次へ進む:燃え始める温度の3つの違い:火を近づけるか、近づけないか
- もっと詳しく(甲種レベル):燃え方と消し方の基礎
自然発火と粉じん爆発:火の気がなくても燃える・粉でも爆発する
参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、3-2 危険物の燃焼形態 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、第2章 燃焼の区分(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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