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「甲種の合格率は何%だろう」
「合格率が低そうだけれど、独学でも合格できるのだろうか」
「乙4と比べて、どこが難しいのだろう」
そんな疑問を解決します。
令和4〜7年度の甲種合格率と最新の途中経過
合格率だけで難易度を判断できない理由
甲種が難しく感じる3つの原因
現在地に合わせて難易度を下げる方法
先に結論を言うと、最新の完了年度である令和7年度の危険物取扱者甲種の合格率は34.0%です。受験者20,296人のうち、6,900人が合格しました。
令和4〜7年度の通年合格率は31.7〜36.8%で推移しています。数字だけで表せば、概ね3人に1人が合格する水準です。
ただし、「合格率34.0%だから、自分の合格確率も34.0%」とは言えません。甲種には受験資格があり、受験者の学習歴や実務経験は同じではないからです。
甲種の本当の難所は、法令、物理学・化学、性質・消火の3科目すべてで60%以上を取ることと、第1類から第6類までを含む広い範囲です。難易度は、出題範囲を論点へ分け、科目別に得点を記録して反復すると下げられます。
※試験統計と制度は2026年8月26日に、一般財団法人消防試験研究センターの公式サイトで確認しています。
最新の甲種合格率は34.0%
消防試験研究センターが公表した令和7年度、つまり2025年4月から2026年3月までの甲種試験実施状況は次のとおりです。
| 区分 | 人数・率 |
|---|---|
| 申請者 | 24,550人 |
| 受験者 | 20,296人 |
| 合格者 | 6,900人 |
| 合格率 | 34.0% |
令和7年度は20,296人が受験し6,900人が合格
合格率34.0%は、合格者6,900人を受験者20,296人で割った値です。
6,900人 ÷ 20,296人 × 100 = 約34.0%
申請者ではなく、実際に受験した人を分母にしています。申請したものの受験しなかった人は、合格率の計算に含まれません。
「3人に1人」という表現は水準を直感的に示すものです。厳密には、令和7年度は受験者100人あたり34人が合格した結果です。
令和8年度34.8%は4〜6月の途中経過
消防試験研究センターの最新ページでは、令和8年度4〜6月の甲種合格率が34.8%と公表されています。
| 区分 | 令和8年度4〜6月 |
|---|---|
| 受験者 | 4,839人 |
| 合格者 | 1,683人 |
| 合格率 | 34.8% |
これは年度全体の結果ではありません。試験を実施した時期や受験者構成が通年値と一致するとは限らないため、令和7年度34.0%と単純に比べて「易しくなった」とは判断しません。
この記事では、年度間の傾向には完了した令和4〜7年度を使い、令和8年度は途中経過として分けて扱います。
令和4〜7年度の合格率推移
完了した4年度分を並べると、甲種の合格率は次のように推移しています。

| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 22,278人 | 8,196人 | 36.8% |
| 令和5年度 | 20,963人 | 6,652人 | 31.7% |
| 令和6年度 | 21,257人 | 7,484人 | 35.2% |
| 令和7年度 | 20,296人 | 6,900人 | 34.0% |
4年間は31.7〜36.8%で推移
もっとも高い令和4年度は36.8%、もっとも低い令和5年度は31.7%で、差は5.1ポイントです。
4年間の受験者は合計84,794人、合格者は29,232人です。4年間をまとめた合格率は約34.5%になります。
29,232人 ÷ 84,794人 × 100 = 約34.5%
年度ごとの上下はありますが、4年間を通して「概ね3人に1人」という見方から大きく外れてはいません。
1年の上下だけで難化・易化と断定しない
令和5年度は31.7%まで下がり、令和6年度は35.2%へ上がりました。しかし、合格率の変化だけでは、問題そのものが難化・易化したとは断定できません。
合格率には、問題の難しさだけでなく、受験者の知識、学習量、受験資格の経路、受験時期など複数の要因が重なります。消防試験研究センターは、年度別合格率から問題難易度を評価する指標を公表していません。
年度差は「毎年まったく同じ率ではない」と理解し、学習計画は現行の試験科目と合格基準から決める方が安全です。
合格率だけでは難易度を決められない
資格試験の合格率を見るときは、試験問題だけでなく「誰が受けているか」を分けて考える必要があります。
受験資格があり受験者集団が乙4と異なる
甲種は誰でも申し込める試験ではありません。化学系の学歴・単位、乙種免状と実務経験、指定された乙種4種類、化学系の修士・博士などの受験資格が必要です。
一方、乙種には受験資格がありません。そのため、甲種と乙4の合格率を並べても、同じ条件の受験者が別の問題を解いた比較にはなりません。
令和7年度は甲種34.0%、乙種第4類31.9%でした。この数字だけを見て「甲種の方が簡単」と結論付けるのは不適切です。甲種は受験できる人があらかじめ限られ、出題範囲と合格基準も乙4とは異なります。
合格率は個人の合格確率ではない
公表される合格率は、年度内の受験者全体の結果です。あなたが何時間勉強したか、どの科目が得意か、模試で何%取れているかは反映されていません。
個人の合格可能性を判断する材料としては、次の方が直接的です。
- 法令15問で9問以上を安定して取れるか
- 物理学・化学10問で6問以上を安定して取れるか
- 性質・消火20問で12問以上を安定して取れるか
- 45問を150分で解き、見直しまで終えられるか
試験全体の合格率より、自分の科目別得点を基準にしてください。
甲種が難しいと感じる3つの理由
甲種の難しさは、単に「暗記量が多い」だけではありません。試験構造に沿って分けると、主な難所は3つです。

1. 3科目それぞれ60%以上が必要
甲種は、法令15問、物理学・化学10問、性質・消火20問の計45問です。合格には3科目それぞれ60%以上が必要です。
最低正解数は、法令9問、物理学・化学6問、性質・消火12問です。得意科目で高得点を取っても、1科目が基準未達なら不合格になります。
とくに物理学・化学は10問なので、5問正解の50%と6問正解の60%を1問が分けます。苦手分野を大きく捨てる戦略は安定しません。
詳しい判定例は、危険物取扱者甲種の試験科目・問題数と合格基準で解説しています。
2. 法令・物理化学・第1〜6類まで範囲が広い
公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』は、収録内容を法令45項目、物理学・化学35項目、性質・消火17項目に整理しています。
これは公式の出題数ではなく、同書が学習用に分類した項目数です。ただし、甲種が一つの狭い分野だけを問う試験ではないことは分かります。
性質・消火だけでも、第1類の酸化性固体から第6類の酸化性液体まで、状態、燃焼性、反応性、貯蔵、消火方法を区別します。さらに法令と物理学・化学が加わります。
最初から全範囲を一枚の暗記表へ詰め込むと、似た数字や物質名が混ざりやすくなります。科目、論点、サブ論点へ分けて学ぶことが必要です。
3. 似た知識を選択肢の違いまで区別する必要がある
甲種は五肢択一式です。記述式ではありませんが、用語を見たことがあるだけでは不十分です。
法令では、対象施設、数量、距離、期限、選任者などの一部だけを入れ替えた選択肢を見分けます。性質・消火では、類番号、物質名、注水の可否、貯蔵方法を取り違えないことが必要です。
『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』は、問題を最低3回繰り返し、○・△・×で理解度を分ける方法を提案しています。これは公式の必須回数ではありませんが、曖昧な知識を見つける実用的な方法です。
一方で対策しやすい点もある
難所が明確であることは、対策の方向も明確だということです。
五肢択一式で実技試験はない
甲種はマーク・カードを使う五肢択一式の筆記試験です。実技試験や口頭試問はありません。
必要なのは、知識を正確に区別し、計算結果を選択肢から選ぶ力です。実技練習の場所や器具を用意する必要はありません。
論点別に整理して反復できる
公論出版版は過去8年間の内容を97項目に分類し、似た問題をまとめています。試験問題自体はすべて公表されていませんが、論点単位で「覚える→解く→解説を確認する」を繰り返せます。
広い範囲を一度で覚え切ろうとせず、小さな論点ごとに理解と演習を往復する方が進捗を管理しやすくなります。
科目別得点で弱点を特定できる
合格基準が3科目に分かれているため、模試の結果も3科目へ分ければ、次に何を直すかが明確になります。
たとえば、法令11問、物理学・化学5問、性質・消火15問なら、総合31問ではなく「物理学・化学があと1問不足」と判断します。
復習方法は、危険物取扱者甲種の問題演習と復習ノートで具体化しています。
あなたにとっての難易度を3分で判定
次の項目で、現在地を確認してください。
| 確認項目 | はいの場合 | いいえの場合 |
|---|---|---|
| 高校化学のモル・反応式・酸化還元を説明できる | 物理学・化学の復習量を減らしやすい | 基礎計算から先に復習する |
| 乙4を取得している | 第4類と法令の一部を再利用できる | 第1〜6類の全体比較から始める |
| 週10時間以上を継続して確保できる | 反復回数を作りやすい | 試験日までの週数を増やす |
| 3科目別に得点を記録している | 足切り科目を特定できる | 次の演習から記録欄を分ける |
| 45問を150分で解いたことがある | 本番運用の弱点を確認できる | 仕上げ期に最低1回は実施する |
「いいえ」が多くても、受験を諦める判定ではありません。必要な準備を見つけるチェックです。
化学が苦手なら物理学・化学の基礎から、乙4のみなら第1・2・3・5・6類の差分から、時間が少ないなら試験日を後ろへ置くなど、学習順序を調整します。
合格率34.0%から決める学習方針
合格率を見て不安になったら、次の順序へ置き換えてください。
- 3科目の初回問題を解き、法令・物化・性消の得点を分ける
- 60%未満の科目を最優先にし、論点別演習へ戻る
- ○だけでなく、迷って正解した△も復習対象にする
- 3科目すべてが60%を超えたら、45問・150分の模試へ進む
- 本番前は合格ラインぎりぎりではなく、ミスを吸収できる余裕を作る
勉強時間の目安と3周の配分は、危険物取扱者甲種の勉強時間と学習順序を使ってください。
何から学ぶか迷う場合は、危険物取扱者甲種の出題傾向と科目別攻略順で3科目の優先順位を決めます。
よくある質問
危険物取扱者甲種の最新合格率は何%ですか
最新の完了年度である令和7年度は34.0%です。令和8年度4〜6月は34.8%ですが、年度途中の値なので通年値とは分けて見てください。
甲種は国家資格の中で難しい方ですか
異なる国家資格は、受験資格、試験範囲、合格基準、受験者集団が違うため、合格率だけで順位付けできません。甲種では、3科目別60%と第1〜6類を含む範囲の広さが主な難所です。
乙4より甲種の方が合格率は高いのですか
令和7年度は甲種34.0%、乙種第4類31.9%でした。ただし、甲種には受験資格があり、試験範囲も受験者集団も異なります。この数字から甲種の方が簡単とは判断できません。
独学でも合格できますか
独学か講座かを区別した公式合格率は公表されていません。独学でも、3科目の教材、論点別問題演習、科目別得点記録、45問模試を用意できれば、試験構造に沿った対策は可能です。
何時間勉強すれば合格できますか
公式の必要勉強時間はありません。化学の基礎、乙種の取得状況、確保できる週時間で変わります。当サイトでは初期計画を120時間で仮置きし、初回演習の結果で調整する方法を提案しています。
次に読む記事
試験全体の順序を確認する場合は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップへ戻ってください。
科目別の難所を確認する場合は、次の記事へ進みます。
まとめ
危険物取扱者甲種の難易度と合格率をまとめます。
- 令和7年度は受験者20,296人、合格者6,900人、合格率34.0%
- 令和4〜7年度の通年合格率は31.7〜36.8%
- 令和8年度4〜6月の34.8%は途中経過として分けて見る
- 合格率は受験者全体の結果であり、個人の合格確率ではない
- 甲種の難所は3科目別60%、範囲の広さ、似た知識の区別
- 科目別得点を記録し、論点別反復と45問模試へ進む
合格率34.0%を見て「難しそう」で止まるより、法令9問、物理学・化学6問、性質・消火12問という三つの目標へ分けてください。難易度を、自分が次に直す一科目・一論点へ変えることが合格への第一歩です。
参考文献
- 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、受験案内・合格大作戦・各類の概要(PDF p.19、p.23、p.319) Amazonで見る
- 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』本書の構成・受験の手引き・目次(PDF p.3-6、p.183、p.347) Amazonで見る
- 一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況(令和7年4月〜令和8年3月)」(2026年8月26日閲覧)
- 一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況(令和8年4月〜令和8年6月)」(2026年8月26日閲覧)
- 一般財団法人消防試験研究センター『消防試験研究センターだより』2025年7月号(PDF p.21、2026年8月26日閲覧)
- 一般財団法人消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(2026年8月26日閲覧)
- 一般財団法人消防試験研究センター「試験の方法」(2026年8月26日閲覧)
化学プラント大全 
