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「問題集を解いているのに、同じ問題を何度も間違えてしまう」
「復習ノートを作ろうとすると、解説を書き写すだけで時間がなくなる」
そんな疑問を解決します。
問題を○・△・×へ分ける方法
間違いを5つの原因へ分類する方法
書き写さない復習ノートのテンプレート
1周目・2周目・3周目で変えること
法令、物理学・化学、性質・消火で残す内容の違い
先に結論を言うと、復習するのは不正解だった問題だけではありません。
正解しても、根拠を説明できなかった問題や、最後まで二つの選択肢で迷った問題は未定着です。問題を「正解して説明できる」「正解したが迷った」「不正解・分からない」の3段階へ分け、迷いと誤答を優先して解き直します。
復習ノートには、問題文や解説を丸ごと書き写す必要はありません。問題番号、論点、間違えた原因、次に使う判断基準、再演習結果だけを1問1〜3行で残せば十分です。
この記事では、2冊の甲種テキストで示されている反復学習の考え方を基に、当サイト独自の問題管理方法へ組み直して解説します。
復習するのは不正解だけではない
問題を解いた直後に、次の3種類の印を付けます。

| 印 | 判定 | 次にすること |
|---|---|---|
| ○ | 正解し、選択理由も説明できる | いったん復習対象から外す |
| △ | 正解したが迷った、または理由を説明できない | 解説確認後にもう一度解く |
| × | 不正解、知識がなかった、手順を再現できなかった | テキストへ戻り、優先して解き直す |
○・△・×の意味は、本記事で使いやすいように定義したものです。大切なのは記号そのものではなく、「偶然の正解」を定着済みに含めないことです。
五肢択一式では、二つまで絞り込んで偶然当たることがあります。正答数だけを記録すると、その問題は復習対象から漏れます。本番で表現や条件が変わったときに再現できるかは、正解番号ではなく理由を説明できるかで判定してください。
工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』では、問題を理解度に応じて三つに分け、最低3回繰り返す方法が紹介されています。本記事では、その考え方を「○は卒業候補、△と×は復習対象」という運用へ置き換えています。
問題演習は「小さく学ぶ→解く→説明する」で進める
テキストを一冊読み終えてから問題演習を始める必要はありません。
指定数量を学んだら指定数量の問題、静電気を学んだら静電気の問題、第3類を学んだら第3類の問題というように、論点を小さく区切って解きます。
基本の流れは次のとおりです。
- テキストで一つの論点を確認する
- 資料を閉じて対応問題を解く
- ○・△・×を付ける
- 正解と各選択肢の理由を確認する
- △と×は、判断基準を一行だけ残す
- 時間を空け、資料を見ずに解き直す
公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』も、項目ごとに「覚える→問題を解く→正解・解説を確認する→覚える」を繰り返す構成を説明しています。
1周目で解けないことは問題ではありません。1周目の目的は、自分が知らない論点と、知っているつもりで取り出せない論点を見つけることです。
間違いを5つの原因へ分類する
同じ不正解でも、原因によって次にすることは変わります。△と×には、次の原因コードを一つ付けます。
| 原因 | 状態 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 知識不足 | 用語、数字、物質の性質を知らなかった | 対応箇所へ戻り、判断に必要な一文だけ覚える |
| 条件混同 | 似た施設、期限、類、物質を取り違えた | 相違点を二列で比較する |
| 計算手順 | 式、単位、代入順序を再現できなかった | 与件、求める量、式、単位の順で解き直す |
| 読み違い | 「誤っているもの」「該当しないもの」などを見落とした | 問われている条件へ印を付けてから解く |
| 根拠不足 | 正解したが、他の選択肢を除外した理由を説明できない | 正答扱いにせず△として再演習する |
例えば、指定数量の倍数計算を間違えた場合でも、指定数量を知らなかったなら「知識不足」、各物質の倍数を合計する手順で止まったなら「計算手順」です。
原因を分けないまま「もう一度読む」だけでは、同じところで止まりやすくなります。復習の目的は、間違いを記録することではなく、次に変える行動を決めることです。
復習ノートは1問1〜3行で十分
復習ノートは、自分専用の短い弱点一覧です。きれいな参考書を作り直すものではありません。

残す項目は次の六つで十分です。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 問題ID | 書籍名の略称と問題番号 |
| 科目・論点 | 法令/指定数量、物化/燃焼計算など |
| 判定・原因 | △・条件混同、×・計算手順など |
| 正しい判断基準 | 次に同じ論点が出たとき使う一文 |
| 混同した相手 | 取り違えた期限、施設、類、物質など |
| 再演習結果 | 日付と○・△・× |
記入例は次のようになります。
問題ID:問題集A・法令42
論点:指定数量の倍数計算
判定:×・計算手順
判断基準:それぞれの貯蔵量を指定数量で割り、最後に合計する
再演習:8/28 △ → 9/2 ○
この例は、特定の市販問題を再現したものではありません。
問題文、五つの選択肢、解説をすべて書き写すと、1問の復習に時間がかかりすぎます。市販書籍の文章を複製することにもつながるため、ノートには必ず問題番号を残し、必要なときに元の書籍へ戻れるようにしてください。
紙のノートでも、表計算ソフトでも、スマートフォンのメモでも構いません。重要なのは、△と×だけを検索でき、再演習の結果を追記できることです。
3科目でノートに残す内容を変える
法令は「主体・条件・行為」を一組で残す
法令では、数字だけを単独で書くと、何の数字だったか分からなくなります。
「誰が」「どの施設・数量で」「いつまでに」「誰へ」「何をするか」を一組にしてください。
例えば期限を混同した場合は、期限だけでなく、届出なのか許可なのか、相手が誰なのかまで並べます。似た制度を二列で比較すると、条件混同を見つけやすくなります。
法令15問の優先論点は、危険物取扱者甲種の法令の出題傾向と勉強法で確認できます。
物理学・化学は「止まった一手」を残す
計算問題は、解説全体ではなく、自分が止まった一手を記録します。
- 与えられた量を単位変換できなかった
- 化学反応式をそろえられなかった
- 使う式を選べなかった
- 係数比から物質量へ進めなかった
ノートには「与件」「求める量」「使用する関係式」「単位」の四つを並べます。次回は解説を見ず、同じ順序を自分で再現してください。
物理学・化学10問の学習順は、危険物取扱者甲種の物理・化学の出題傾向と勉強法で整理しています。
性質・消火は「類の共通性質+例外」で残す
個別物質の特徴を一つずつ並べると、ノートが長くなります。
まず「第何類か」「酸化性か可燃性か」「水との関係」「適応する消火方法」を共通枠として置き、そこから外れる例外だけを追加します。
物質名を単独で覚えるより、類の共通性質と例外の関係で残した方が、初めて見る選択肢も判断しやすくなります。
性質・消火20問の優先順位は、危険物取扱者甲種の性質・消火の出題傾向と勉強法を参照してください。
3周は同じ問題を同じ順番で解くことではない
3周の役割を分けます。
| 周回 | 対象 | 目的 |
|---|---|---|
| 1周目 | 原則として全問 | 全範囲へ触れ、○・△・×と原因を付ける |
| 2周目 | △と×を中心にする | 解説なしで判断基準を再現する |
| 3周目 | 残った△と×、重要論点 | 順番や表現が変わっても解けるか確認する |
1周目は、難問で長時間止まらず全体へ触れます。正答率より、弱点の場所を特定することを優先します。
2周目は、△と×を資料を見ずに解き直します。答えを覚えている場合は、各選択肢のどこが判断点なのかを説明してください。
3周目は、問題集の最初から機械的に解くのではなく、残った弱点を科目や論点の順番を変えて解きます。問題の位置や正解番号ではなく、知識を手掛かりに答えられるかを確認するためです。
「最低3回」はすべての受験者に共通する公式基準ではありません。一次資料で紹介されている反復方法を、周回ごとの目的が変わるよう本記事で運用化したものです。
正答率は初回と解き直しを分けて記録する
解き直した問題だけの正答率は高くなりやすいため、初見に近い問題と復習問題を同じ数字へ混ぜないようにします。
| 記録 | 分かること |
|---|---|
| 初回正答率 | 未対策に近い状態で解ける範囲 |
| 再演習正答率 | 復習によって直せた範囲 |
| 未解決の△・×数 | まだ優先して戻るべき量 |
| 科目別正答率 | 60%未達になる可能性がある科目 |
甲種は、法令、物理学・化学、性質・消火の3科目それぞれで60%以上が必要です。合計正答率だけでは、物理学・化学が5問しか取れていないといった弱点を隠してしまいます。
公式の問題数と合格基準は、危険物取扱者甲種の試験科目・問題数と合格基準で確認してください。
問題を復習対象から外す5つの基準
次の五つを満たしたら、その問題はいったん○として復習対象から外します。
- 資料を見ずに正解できる
- 正解肢を選んだ理由を一文で説明できる
- 他の選択肢のどこが違うか確認できる
- 計算問題は、式と単位を自分で再現できる
- 時間を空けた再演習でも正解できる
一度○になっても、後の論点別演習や模擬試験で間違えたら△または×へ戻します。記号は成績ではなく、次に解く問題を決めるための状態です。
復習が進まない人に多い5つの失敗
解説を全部書き写す
ノート作りが目的になり、解き直す時間がなくなります。自分が間違えた判断点だけを残してください。
不正解だけを復習する
偶然正解した問題が抜けます。迷いと根拠不足も△にします。
正解番号を覚えて終える
類似問題や選択肢の順番変更へ対応できません。選択理由を一文で説明します。
すぐ解き直して○にする
解説が短期的に残っているだけかもしれません。いったん別の論点へ進み、時間を空けて資料なしで確認します。
全問を毎回同じ重さで解く
定着済みの問題に時間を使い、弱点へ回す時間が減ります。2周目以降は△と×を中心にしてください。
2冊を使う場合の問題演習ルート
工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』と公論出版版を使う場合は、役割を次のように分けます。
- 「わかりやすい!」で小さな論点を理解する
- 公論出版版で対応する問題を解く
- ○・△・×と誤答原因を付ける
- △と×だけ「わかりやすい!」の該当箇所へ戻る
- 一行の判断基準を残し、公論出版版で再演習する
教材の詳しい違いは、危険物取扱者甲種のおすすめテキスト2冊で比較しています。
問題集を増やすのは、手持ちの問題で○・△・×を付け、△と×を少なくしてからで構いません。新しい問題を買う前に、いま持っている問題の誤答原因を説明できるか確認してください。
次に読む記事
問題演習の運用が決まったら、次は45問を通して解き、3科目別に結果を測ります。
次に制作する「模擬試験の使い方と2時間30分の時間配分」では、論点別演習から模試へ移る条件、解く順番、見直し、模試後の△と×の戻し方を解説します。
記事群の全体像へ戻る場合は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップを使ってください。
まとめ
危険物取扱者甲種の問題演習と復習ノートの作り方をまとめます。
- 正解して説明できる問題を○、迷いや根拠不足を△、不正解や知識不足を×にする
- 誤答原因を、知識不足、条件混同、計算手順、読み違い、根拠不足へ分ける
- 復習ノートには問題文を書き写さず、問題ID、論点、原因、判断基準、再演習結果を残す
- 法令は主体と条件、物理学・化学は止まった一手、性質・消火は類の共通性質と例外を記録する
- 1周目は診断、2周目は△と×の修正、3周目は順番が変わっても再現できるかの確認に使う
- 正答率は初回と再演習を分け、3科目別に記録する
まず、いま使っている問題集の問題番号の横に○・△・×を付けてください。次に△と×を一問だけ選び、間違えた原因と、次に使う判断基準を一行で残すところから始めましょう。
参考文献
- 工藤政孝『わかりやすい!甲種危険物取扱者試験』弘文社、合格大作戦(PDF p.23-24) Amazonで見る
- 公論出版『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』本書の構成(PDF p.3) Amazonで見る
- 一般財団法人消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(2026年8月25日閲覧)
- 一般財団法人消防試験研究センター「試験の方法」(2026年8月25日閲覧)
化学プラント大全 
