動画解説はこちら|YouTube

危険物取扱者甲種の性質・消火の出題傾向|20問中12問以上を取る勉強法

危険物取扱者甲種の性質・消火20問の出題傾向と勉強法を解説する記事のアイキャッチ

※本記事の参考文献には、Amazonアソシエイトのリンク(アフィリエイト広告)を含みます。

困っている人
困っている人

「第1類から第6類まで物質名が多く、何から覚えればよいか分からない」

「注水できる危険物と、注水すると危険な危険物を混同してしまう」

そんな疑問を解決します。

この記事の内容

性質・火災予防・消火20問の合格ラインと出題範囲

17項目を4つの学習層へ整理する方法

第1〜6類の全体像と優先分野

物質名・性状・貯蔵・消火を一組で覚える方法

過去問と復習ノートの具体的な進め方

先に結論を言うと、危険物取扱者甲種の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は、物質名を一つずつ丸暗記するより、全体像から個別物質へ4層で積み上げる方が得点につながります。

最初に第1〜6類の性質と状態を比較し、次に類ごとの共通性質を固めます。その後に品名別の性質と例外を追加し、最後に貯蔵・取扱い・消火まで一枚の物質カードへまとめます。

本試験では20問が出題されます。合格にはこの科目で60%以上、つまり最低12問の正解が必要です。当サイトでは本番の迷いを考え、練習では16問以上を複数回取れる状態を仕上げの目安にします。16問は公式基準ではなく、余裕を持たせるための運用目標です。

3科目全体の出題傾向は、先に危険物取扱者甲種の出題傾向と科目別攻略順で確認できます。

性質・火災予防・消火は20問中12問以上が必要

消防試験研究センターの案内では、甲種の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は20問です。試験全体は次の45問で構成されます。

試験科目問題数合格に必要な正解数
危険物に関する法令15問9問以上
物理学及び化学10問6問以上
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法20問12問以上

この科目は45問中20問で、全体の約44%を占める最大科目です。ただし、甲種は3科目それぞれ60%以上が必要なので、性質・消火だけで高得点を取っても、法令や物理学・化学の足切りは補えません。

一方で、性質・消火を安定した得点源にできれば、試験全体の合格可能性は上がります。20問あるため、1問ごとの偶然に頼るのではなく、全6類から広く得点できる状態を作る必要があります。

試験の構造を詳しく確認したい人は、危険物取扱者甲種の試験科目・問題数と合格基準を参照してください。

公式公開問題から分かる性質・消火の出題範囲

消防試験研究センターは、過去に出題された問題の一部を参考用として公開しています。2026年8月25日時点で確認できる甲種の性質・消火20問を、当サイトで類別に分類すると次のようになります。

分類問題数該当問題主な内容
類別横断・混合危険2問問26、45類ごとの共通性質、混触時の危険性
第1類3問問28、33、34酸化性固体、品名別性質
第2類4問問27、32、39、40可燃性固体、消火、燃焼生成物
第3類4問問30、31、35、36保護液、禁水、消火、品名別性質
第4類2問問41、42引火性液体の品名別性質
第5類3問問29、37、38貯蔵、共通性質、自己反応性物質
第6類2問問43、44酸化性液体の品名別性質

この1セットでは、第2類と第3類が各4問で多く見えます。しかし、この数字を次回試験の固定配分として使ってはいけません。公式サイトは、掲載問題を過去に出題した問題の「一部」と位置付けています。

重要なのは、公開20問が全6類にまたがり、共通性質だけでなく、個別物質、貯蔵、消火、混合危険まで問う構成になっていることです。

公開問題は「次は第何類が何問出るか」を予想する資料ではありません。現在の五肢択一式で、どの程度まで物質と性質の対応を説明できる必要があるかを確認する入口として使います。

性質・消火17項目を4層へ整理する

一次資料の問題集は、性質・火災予防・消火を17項目に分けています。項目名を順番に暗記するのではなく、次の4層へ整理します。

学習層学ぶ内容到達目標
1. 全6類の比較類名、状態、燃焼性、主な危険性類番号から性質を答え、性質から類番号を答えられる
2. 類ごとの共通性質第1〜6類それぞれの共通事項未知の物質でも、所属する類から基本的な危険性を推測できる
3. 品名別性質代表物質の色、状態、水溶性、反応性、用途など似た物質を比較し、例外を区別できる
4. 貯蔵・取扱い・消火避ける接触、保護液、温度・光・水への注意、適切な消火方法性質を理由にして予防策と消火方法を説明できる

第1層と第2層がないまま品名別の暗記へ入ると、似た選択肢を消去できません。反対に、共通性質だけで止めると、個別物質の色、臭い、水との反応、分解生成物などを問う問題で失点します。

まず全体の地図を作り、共通性質を骨格にし、個別物質と例外を肉付けします。最後に「だから、どう貯蔵し、どう消火するか」まで一本につなげます。

第1〜6類の全体像を最初に作る

第1〜6類は、類番号の順番だけで覚えず、「状態」「燃焼性」「主な危険性」を横並びにします。

危険物取扱者甲種の第1類から第6類を性質・状態・燃焼性で比較した図
(一次資料を参考に当サイト作成)
性質状態学習の中心
第1類酸化性固体固体自身は主に不燃性だが、分解・酸化作用で可燃物の燃焼を促進する
第2類可燃性固体固体着火・引火しやすく、粉じんや燃焼生成物にも注意する
第3類自然発火性物質・禁水性物質固体または液体空気または水との接触で発火・可燃性ガス発生のおそれがある
第4類引火性液体液体可燃性蒸気、引火、流動・拡散、静電気を関連付ける
第5類自己反応性物質固体または液体加熱・衝撃・摩擦などで自己反応し、急激に分解・燃焼する
第6類酸化性液体液体自身は主に不燃性だが、強い酸化作用で可燃物の燃焼を促進する

最初に押さえたい対比は三つです。

  • 第1類と第6類は酸化性で、固体か液体かが異なる
  • 第2類と第4類は可燃性で、固体か液体かが異なる
  • 第3類は空気・水との接触、第5類は自己反応が危険性の中心になる

この対比は入口であり、すべてを説明するものではありません。同じ類でも、水と反応する物質としない物質、注水できる物質とできない物質があります。共通性質を覚えたあと、必ず例外を追加してください。

優先して固めたい分野

過去8年分735問を収録した一次資料について、性質・消火の問題見出しと頻出マークを当サイトで機械集計しました。性質・消火は問題見出し288件、頻出マーク70件でした。

頻出マークが多かったのは、次の分野です。

分野頻出マークの概数学習上の扱い
第1類の品名別事項10酸化性固体の代表物質と、水に関する例外を優先する
第2類の品名別事項9硫黄、りん、金属粉などを性状・反応・消火で比較する
第4類の品名別事項9水溶性、引火性、蒸気、代表物質の差を整理する
第3類の品名別事項8自然発火性と禁水性の両方・片方を区別する
第5類の品名別事項5自己反応性、分解危険、安定化・貯蔵条件を結ぶ
第1・3・5・6類の共通事項各4類ごとの骨格として先に固める
混合危険3酸化性物質と可燃物、禁水性物質と水などを組合せで判断する

この集計は、実際の本試験の出題率ではありません。同書の収録方針とOCR結果に基づく概算であり、頻出マークが少ない分野も出題されます。

それでも、品名別事項が上位を占めていることは、共通性質だけでは足りないと判断する材料になります。最初に全6類の共通性質を作り、その後は第1〜5類の代表物質と例外へ学習時間を配分します。第6類も公開問題に含まれるため、捨ててはいけません。

おすすめの学習順序

性質・消火は、次の順序で進めます。

性質・火災予防・消火20問を4層で攻略する学習順序を示した図
(一次資料を参考に当サイト作成)
  1. 第1〜6類の名称、状態、燃焼性、危険性を横並びで覚える
  2. 各類の共通性質と、火災予防・消火の原則を一組にする
  3. 注水の可否、保護液、空気・光・熱への注意など、類内の例外を追加する
  4. 頻出マークが多い品名別事項から、物質カードを作る
  5. 20問を混ぜて解き、類別と誤答原因別に弱点へ戻る

一つの類を品名別事項まで完璧にしてから次へ進むと、全6類を一巡するまで時間がかかります。1周目は全類の共通性質まで進み、2周目で代表物質と例外、3周目で間違えた物質へ絞る方が全体像を保ちやすくなります。

物理学・化学で学ぶ燃焼、消火、静電気は、この科目の理解にもつながります。危険物取扱者甲種の物理・化学の出題傾向と勉強法を先に一巡すると、消火方法を理由付きで覚えやすくなります。

学習時間と3科目の配分は、危険物取扱者甲種の勉強時間と学習順序で詳しく解説しています。

物質ごとに7項目のカードを作る

個別物質は、名称だけを単語帳にしません。次の7項目を一枚へまとめます。

  1. 類と品名
  2. 常温での状態と外観
  3. 水への溶けやすさ
  4. 燃焼性・分解性・反応性
  5. 接触させてはいけない物質や条件
  6. 貯蔵・取扱いの要点
  7. 火災時の消火方法と禁止事項

カードの表に「物質名」、裏に7項目を全部書く方法だけでは、思い出す方向が一つになります。次のように双方向で確認してください。

  • 性状から物質名を答える
  • 物質名から所属する類を答える
  • 危険な接触条件から予防策を答える
  • 消火方法から、その理由となる性質を答える

問題で間違えたら、新しいカードを増やす前に、既存カードのどの欄が不足していたかを追記します。カード枚数を増やすことより、選択肢の違いを説明できることが目的です。

消火方法は原理と例外で覚える

消火方法は「第何類は水」と一行で覚えると、例外問題で崩れます。次の順で判断します。

  1. その物質は何が原因で燃焼・分解・反応するか
  2. 水と反応して、発熱や可燃性ガス発生など別の危険を生じないか
  3. 冷却、窒息、除去のどの効果を使うか
  4. 同じ類の中に、原則と異なる物質がないか

たとえば、第1類は一般に冷却のための注水が有効ですが、アルカリ金属の過酸化物などは水との反応を考える必要があります。第2類にも、注水できる物質と水との接触を避ける物質があります。第3類は禁水性物質を含むため、乾燥砂などによる対応を中心に整理します。

第4類は液体の拡散と水溶性、第5類は自己反応と冷却、第6類は酸化性と個別物質の例外を確認します。試験問題では、正しい消火剤の名称だけでなく、「なぜ注水が危険か」「なぜ窒息だけでは足りないか」まで説明できる状態を目指してください。

なお、ここで説明するのは資格試験の学習整理です。実際の事故対応では、物質ごとのSDS、事業所の手順、消防機関の指示を優先します。

過去問は誤答原因を5種類へ分ける

性質・消火では、正解番号よりも誤答原因を残します。次の5種類へ分けてください。

  • 類番号と性質を入れ替えた
  • 共通性質と例外を混同した
  • 物質名、化学式、色、状態などの対応を混同した
  • 貯蔵・取扱いと消火方法を逆に覚えた
  • 「すべて」「一般に」「〜もある」などの範囲表現を読み落とした

公式公開問題でも、説明の大部分は正しいまま、類番号、状態、反応相手、消火方法など一部分だけを変えた選択肢が確認できます。

復習ノートには問題文全体を書き写しません。「所属する類」「誤っていた条件」「正しい関係」「同じ間違いをしやすい物質」の4項目を短く残します。

1周目は第1〜6類へ広く触れます。2周目は各選択肢について、どの語句を直せば正しくなるかを説明します。3周目は間違えた物質と、正解したが迷った物質だけを解き直します。

最後は20問を混ぜて解きます。12問が公式の最低ラインですが、当サイトでは16問以上を複数回取れる状態を目安にします。合計点だけでなく、「類別」「共通・個別・貯蔵・消火」「誤答原因」の三方向で記録すると、戻る章を判断しやすくなります。

学習背景別の始め方

乙種第4類を取得済みの人

第4類の共通性質と代表物質は診断問題で確認し、まず第1・6類の酸化性、第3類の自然発火性・禁水性、第5類の自己反応性へ範囲を広げます。乙4で覚えた消火剤を、すべての類へそのまま当てはめないでください。

化学系の学科を卒業した人

物質の反応性を理解できても、試験特有の類別、品名、貯蔵方法、消火の例外を知らなければ失点します。公式公開20問を先に解き、化学知識ではなく危険物分類の知識で迷った問題を優先します。

物質名の暗記が苦手な人

最初から全物質を覚えず、類ごとの共通性質と、問題で見た代表物質からカードを作ります。似た物質は単独で覚えず、同じ類の中で「共通点」と「違い」を横並びにしてください。

試験まで時間が少ない人

全6類の共通性質と消火原則を一巡し、頻出マークが多い第1〜5類の品名別事項を優先します。ただし、公式公開問題には第6類と横断問題も含まれるため、一つの類を完全に捨てる方法は勧めません。

性質・消火の学習で避けたい失敗

第1類から物質名を順番に丸暗記する

共通性質の骨格がないと、似た性状を別の類へ結び付けます。先に全6類を横並びにしてください。

「水で消せる・消せない」だけで覚える

同じ類でも例外があります。水との反応、燃焼・分解の仕組み、消火効果を一組にします。

色や臭いだけの単語帳を作る

出題は、色だけでなく状態、水溶性、反応性、貯蔵、消火を組み合わせます。物質カードの7項目を使います。

乙4の知識だけで第1〜6類へ対応しようとする

第4類の引火性液体と、酸化性物質、禁水性物質、自己反応性物質では、危険性と消火の考え方が異なります。未取得の類は共通性質から学び直します。

一つの公開問題だけで類別配分を決める

公式公開問題は過去に出題された問題の一部です。公開20問で多かった類だけを勉強する根拠にはなりません。

次に読む記事

物理学・化学とのつながりを確認する人は、危険物取扱者甲種の物理・化学の出題傾向と勉強法へ進んでください。

法令科目の優先順位を確認する人は、危険物取扱者甲種の法令の出題傾向と勉強法を使います。

記事群の全体像へ戻る場合は、危険物取扱者甲種の完全攻略ロードマップを参照してください。

次の性質・消火記事では、「第1〜6類の性質と消火方法の一覧比較」を扱います。本記事で作った全体像を、各類の状態、燃焼性、危険性、消火原則の比較表へ落とし込みます。

まとめ

危険物取扱者甲種の性質・火災予防・消火の出題傾向と勉強法をまとめます。

  • 性質・消火は20問で、科目別60%以上、最低12問の正解が必要
  • 公式公開問題の一例でも、全6類、個別物質、貯蔵、消火、混合危険まで問われている
  • 17項目は、全6類比較、共通性質、品名別性質、貯蔵・取扱い・消火の4層へ整理する
  • 頻出マーク集計では、第1〜5類の品名別事項が上位だが、第6類と横断問題も捨てない
  • 個別物質は、類、状態・外観、水溶性、反応性、危険な接触、貯蔵、消火の7項目で覚える
  • 消火方法は、燃焼・反応の原因、水との反応、消火効果、例外の順で判断する
  • 公式の最低ラインは12問だが、練習では16問以上を複数回取ることを当サイトの目安にする

まず第1〜6類の名称、状態、燃焼性を何も見ずに書き出してください。迷った類が、性質・消火の学習を始める場所です。

参考文献