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重要度:△ 出題は少なめです。273分の1は数字の知識で取れます(問題集の目次の頻出印はなく、公式公開問題でも見当たりません。当サイトの判断)
最終確認:2026年9月24日
自転車の空気入れの先を指でふさいでハンドルを押すと、中の空気に押し返されます。ふくらませた風船を冷凍庫に入れると、しばらくしてしぼみます。危険物乙4では、この2つの動きを、ボイルの法則とシャルルの法則という2つの決まりで問います。
この記事でわかること
- ボイルの法則とシャルルの法則が、それぞれ何を固定したときの決まりか
- シャルルの法則で、温度に273を足して絶対温度(ぜったいおんど)に直す理由
- 2つの法則を使い分ける3ステップ(例題2題)と、よくある取り違え
温度を固定したとき、気体の体積は圧力に反比例します(ボイルの法則)。
圧力を固定したとき、気体の体積は絶対温度に比例します(シャルルの法則)。
絶対温度は、セルシウス温度(℃)に273を足した温度です。
まず場面で:空気入れを押すと縮み、冷やした風船はしぼむ
空気入れの先をふさいで押すとき、中の空気の温度はほとんど変わりません。押して体積を小さくするほど、中の空気が押し返す力、つまり圧力が大きくなります。これが、温度を固定したときの気体の動きです。
風船は、まわりの空気と同じ圧力のままふくらんでいます。冷凍庫で冷やすと、圧力はそのままで、温度が下がった分だけ体積が小さくなります。これが、圧力を固定したときの気体の動きです。
同じ「気体の体積が小さくなる」でも、変えたものが違います。空気入れは圧力を変え、風船は温度を変えました。気体の問題では、まず何を固定し、何を変えたのかを読み分けます。
ボイルの法則は温度、シャルルの法則は圧力を固定する
ボイルの法則とは、温度が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例する、という決まりのことです。圧力を2倍にすると、体積は2分の1になります。式で書くと、圧力×体積=一定です。
シャルルの法則とは、圧力が一定のとき、気体の体積が温度とともに決まった割合で増える、という決まりのことです。温度が1℃上がるごとに0℃のときの体積の273分の1ずつ増え、1℃下がれば同じ割合で減ります。たとえば0℃で273mLの気体なら、1℃上がるごとに1mLずつ増えます。

この273は、絶対温度から来ています。絶対温度とは、これ以上は下がらない温度を0として数える温度のことで、単位はK(ケルビン)です。目盛りの幅はセルシウス温度と同じで、0℃は273Kにあたります。
絶対温度で言い直すと、シャルルの法則は「圧力が一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例する」となります。式で書くと、体積÷絶対温度=一定です。ボイルの法則は温度を、シャルルの法則は圧力を固定したときの決まりです。
気体の粒は、箱の中を走り回って壁にぶつかる小さなボールのようなものです。箱を縮めればぶつかる回数が増えて押す力が強まり、温めればボールが速くなって箱を押し広げます。正確には、気体の圧力は粒が壁にぶつかる力で、温度が上がると粒の動きが活発になります。
2つをまとめた決まりを、ボイル・シャルルの法則といいます。一定の量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例します。試験では、まずボイルとシャルルのどちらかを選べれば足ります。
解き方の手順(3ステップ):固定した量を見て式を選ぶ
計算の型の中で、ボイル・シャルルの計算は余力があればやる型です。先に固める型は、電卓なしで解ける計算の5つの型で見渡せます。ここでは、出たときに式を取り違えない手順を押さえます。
- ステップ1 固定した量を確かめる:温度が一定ならボイル、圧力が一定ならシャルル
- ステップ2 式を選ぶ:ボイルは「圧力×体積」、シャルルは「体積÷絶対温度」が前後で同じ
- ステップ3 そろえてから解く:シャルルは℃に273を足してKにし、前後の式を等号で結ぶ
例題1は、4気圧で6Lの気体を、温度を変えずに3気圧まで下げたときの体積です。
- ステップ1 温度が一定なので、ボイルの法則
- ステップ2 4気圧×6L=3気圧×□L
- ステップ3 □=4気圧×6L÷3気圧=24÷3=8L
圧力を下げたので、体積は増えます。比例と思い込んで6L×3÷4とすると4.5Lになり、答えが逆向きにずれます。
例題2は、27℃で6.0Lの気体を、圧力を変えずに87℃まで温めたときの体積です。
- ステップ1 圧力が一定なので、シャルルの法則
- ステップ2 6.0L÷300K=□L÷360K(27+273=300K、87+273=360K)
- ステップ3 □=6.0L×360K÷300K=6.0×1.2=7.2L
℃のまま6.0L×87÷27とすると約19Lになり、答えが3倍近くにずれます。 シャルルの法則の比例は、絶対温度どうしの比例です。
ここは覚えなくていい
圧力・体積・物質の量・温度を1つの式で結ぶ理想気体の状態方程式は、覚えなくてかまいません。混ざった気体の圧力を足し合わせるドルトン(ダルトン)の分圧の法則も、後回しでかまいません。圧力と温度が同時に変わる計算も同じです。
試験ではこう聞かれる:比例と反比例の入れかえ
1つめは、シャルルの法則の割合を選ぶ型です。圧力が一定で、温度が1℃上がるごとに0℃の体積の何分の1ずつ増えるかを問います。答えは273分の1で、似た数字の選択肢が並びます。
2つめは、比例と反比例の入れかえです。「温度が一定なら、気体の体積は圧力に比例する」は誤りで、反比例です。「圧力が一定なら、体積はセルシウス温度に比例する」も誤りで、比例するのは絶対温度です。
3つめは、固定する量の入れかえです。ボイルの法則を「圧力が一定のとき」とした文は誤りで、ボイルは温度を固定します。空気入れの場面を思い出すと、どちらを固定したかを取り違えにくくなります。
4つめは、体積を求める計算です。答えの選択肢には、比例と反比例を逆にした値や、℃のまま計算した値が混ぜてあります。求めた体積が増えたか減ったかを、場面の向きと突き合わせて確かめます。
工場・現場ではこうなる:ガスの体積は条件をそろえて比べる
化学プラントでは、窒素や燃料ガスの量を体積で管理しますが、同じ量のガスでも温度と圧力で体積が変わります。そこで流量計の読みを温度と圧力で補正し、決めておいた基準の温度・圧力のときの体積に直して記録します。補正の計算では絶対温度を使い、セルシウス温度のまま割ると大きくずれます。
確認問題
問1 ボイルの法則は、圧力を変えないときの、気体の体積と温度の関係を表す。
答え:×
訂正:ボイルの法則は、温度を変えないときの、気体の圧力と体積の関係を表す。
根拠:ボイルの法則は温度を固定したとき、シャルルの法則は圧力を固定したときの法則です。
なぜか:温度を変えずに気体を押し縮めると、圧力が上がって体積が小さくなります。圧力を変えずに温めると体積が増えるのは、シャルルの法則のほうです。
狙われる形:ボイルの法則とシャルルの法則で、固定する量を入れかえた形で出ます。
問2 圧力を変えずに気体を温めるとき、体積が比例するのはセルシウス温度(℃)である。
答え:×
訂正:体積が比例するのは絶対温度(K)で、セルシウス温度ではない。
根拠:シャルルの法則の温度は、℃ではなく絶対温度(K)で考えます。
なぜか:セルシウス温度では、0℃でも気体の体積は0になりません。絶対温度で表したときに、体積と温度が比例します。
狙われる形:絶対温度をセルシウス温度に置きかえた形で出ます。
問3 圧力一定で気体を温めたときの膨張は、0℃のときの体積を基準にして考える。
答え:○
根拠:圧力一定のとき、気体は1℃上がるごとに、0℃の体積の273分の1ずつ膨張します。
なぜか:0℃で546Lの気体なら、1℃ごとに2Lずつ増えます。何℃から温めても、1℃あたりの増え方は同じ2Lです。
狙われる形:もとにする体積を、温める前のその時点の体積にすりかえた形で出ます。
まとめ
気体の体積は、温度を固定すれば圧力に反比例し(ボイルの法則)、圧力を固定すれば絶対温度に比例します(シャルルの法則)。圧力が一定なら、温度が1℃変わるごとに0℃の体積の273分の1ずつ増減し、絶対温度は℃に273を足した温度です。計算では、固定した量を確かめて式を選び、シャルルの法則では必ず℃をKに直してから解きます。
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参考文献
- 『7日間で集中学習! 乙種4類危険物取扱者 王道問題集』飯島晃良、オーム社、第1版、1-3 熱とエネルギー・1-4 気体の状態変化 Amazonで見る
- 『乙種4類 危険物取扱者試験 令和8年版』公論出版、2-15 ボイルの法則/シャルルの法則/ドルトンの法則(最新版は令和9年前期版)最新版をAmazonで見る
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