推薦応募を使う大学院生に伝えたい失敗談と教訓【落ちることを前提に対策を】

推薦応募を使おうと思うけど注意点はある?

そんな悩みを解決します。

本記事の内容

  • 推薦応募とは
  • 大学院生が推薦応募を使うメリット・デメリット
  • 推薦応募の最終面接でコケた話【失敗談と教訓】
  • 推薦応募は落ちることを前提に対策を

この記事を読めば、大学院生が推薦応募を使うメリット・デメリットが分かり、私の失敗談から推薦応募を使うときの注意点が分かります。

大学院生のとき、第一志望の大手化学メーカーを推薦応募で受け失敗しました。
その経験をもとに分かりやすく解説します。
☑ 化学メーカー生産技術職(7年目)
☑ 工学修士(専攻:化学工学)

推薦応募とは

推薦応募とは、企業から学部に対して設けられる推薦応募枠を利用して就職の選考を受けるシステムです。

就職において企業の採用選考に応募する手段は「自由応募」「推薦応募」があります。

自由応募は就活サイトなどを利用して受けたい企業に自らエントリーシートを出す方法です。

一方、推薦応募は企業からコネクションのある学部に対して推薦応募の枠が設けられます。

学生は受けたい企業の推薦応募枠を獲得し、学部推薦という形で採用選考に応募することになります。

大学院生が推薦応募を使うメリット

推薦応募は自由応募に無い3つのメリットがあります。

  1. 専門性を高めた院生と企業とのマッチング度が高い
  2. 内定率が圧倒的に高い
  3. 時間を節約できる(書類選考なし、一次面接パスの企業も)

メリット①専門性を高めた院生と企業とのマッチング度が高い

推薦応募は専門性を高めた大学院生と企業とのマッチング度が高いというメリットがあります。

理由は2つあります。

理由①企業はあなたの学部の人材が欲しくて推薦応募枠を設けているから

企業はあなたの学部のあなたの研究室の人材が欲しくて推薦応募枠を設けています

言い換えると、あなたの学部で学んだことを活かせる場が推薦応募枠のある企業にはあるということです。

活躍できることは学部や研究室のOBOGが証明してくれています

理由②OBOGから情報を得て、自分に合っている企業か判断できるから

推薦応募枠のある企業はOBOGがリクルーターとして大学を訪問し、説明会を開いてくれることが多いです。

仕事内容やワークライフバランスは当然のこと、大学の先輩なので給料、福利厚生、職場の悪い所などネットや普通の企業説明会では入手できないことも質問できます。

OBOGの一次情報は、自分の就活の軸に合っている企業か判断する際に非常に役に立ちます

得た情報を志望動機に盛り込めるように、たくさん質問しましょう。

以上2つの理由から、専門性を高めた大学院生と企業とのマッチング度が高いと言えます。

メリット②内定率が圧倒的に高い

推薦応募は内定率が圧倒的に高いのが特徴です。

理由は2つあります。

理由①大学院生と企業のマッチング度が高いから

メリット①で述べたように、大学院生と企業のマッチング度が高いです。

企業はあなたの学部の人材が欲しいですし、大学院生は先輩からの情報を得たうえで入社したいと思っているはずです。

お互いを理解し合っていれば内定率が高くなるのは必然です。

理由②推薦応募の学生を企業は落としにくい

推薦応募においては、企業側の意思はこうです。

「高確率で内定出す推薦枠を用意するので、貴学部の優秀な人材を当社にください。」

それに対して、学部側は「この学生なら推薦できる」と判断して応募しています。

推薦応募の学生を企業が落とすということは、学部や教授を否定しているのと同じです。

推薦応募は企業と大学の信頼関係で成り立っています。

ちゃんとした理由がなければ企業側は推薦応募の学生を落とすことはできないのです。

メリット③時間を節約できる(書類選考なし、一次面接パスも)

推薦応募を利用すると、時間を節約できます

理由は、自由応募にある書類選考や一次面接がパスできるからです。

パスできるのは推薦応募は学部と企業の信頼関係があるからです。

また、推薦応募1社目で内定し、就活が終わるなんてことも良くあります。

大学院生は就活と研究を両立しなければならないため、時間を節約できるということは大きなメリットになります。

就活が早く終われば、精神的なストレスも軽減できます。

推薦応募のデメリット

推薦応募は理系学生にとって非常に強力な武器でありますが、デメリットも把握しておきましょう。

デメリットは3つあります。

  1. 推薦枠の無い企業には応募できない
  2. 内定したら、必ず入社しなければならない
  3. 落とされることもある

デメリット①推薦枠の無い企業には応募できない

当然ですが推薦枠の無い企業には推薦応募できません

推薦応募枠の有無は学部次第です。

入りたい企業の推薦枠があればラッキーですね。

もしあなたの希望する企業の推薦応募枠がなければ、自由応募で受けましょう。

デメリット②内定したら必ず入社しなければならない

推薦応募は内定をもらったら、必ず入社しなければなりません

辞退するようなことになれば、推薦してくれた学部の顔が立ちません。

最悪の場合、翌年から推薦応募枠がなくなる可能性があり、学部に迷惑をかけることになります。

内定率が高いこととトレードオフです。

なので、第一志望を自由応募で受ける際には注意が必要です。

デメリット③落とされることもある

推薦応募でも落とされることもあります。

内定率は高いですが、会社に不適合だと判断されれば落とされます。

実際、私は第一志望を推薦応募で受験し最終面接で落とされました。

内定をもらうつもりで、3社ほどに絞って就活をしていたので落ちた時にかなり焦りました。

この体験談と教訓は次章でお伝えしたいと思います。

「推薦応募=内定」ではないので、注意しましょう。

推薦応募の最終面接でコケた話【失敗談と教訓】

私は大学院の時に第一志望の大手化学メーカーを推薦応募で受験し、最終面接で落選しました。

当時を振り返り、教訓と推薦応募で落ちた時の対策をお伝えしたいと思います。

失敗談

就活早々に推薦応募した

私は化学工学を学んでおり、以下のような基準で受験する企業を探しました。

  • 化学プロセス設計のできる化学メーカー
  • 高年収・福利厚生の良い(自慢できる)有名大手
  • 内定率の高い推薦応募のできる会社

私は先輩が多く入社している、ある大手化学メーカーに推薦応募することを早々に決めました。

推薦応募したときこんな気持ちでいました。

「研究室の先輩たちは落ちなかったし、自分は成績良いし、体育会系だし、落ちることはないでしょう」

担当教授にも「お前は心配ない」と言われていました。

恥ずかしい話、内定をもらう気でいたのでこのとき自由応募は3社しかエントリーシートを出していませんでした。

書類選考なし、二次面接からスタート

推薦応募のため、書類選考なし。二次面接からスタートです。

これが人生初の就職面接。

2次面接は人事担当者と1対1の面接でした。

内容は、ごく一般的なことです。

  • 志望動機
  • 大学生活で頑張ったこと
  • 研究内容
  • 生産技術の何が大変だと思うか

数日で二次面接通過の連絡をいただきました。

推薦応募では2次面接で落ちることはほぼ無いかと思います。

最終面接

最終面接会場は東京丸の内の本社高層ビルでした。

エレベーターでフロアに到着。

入った瞬間、一流企業の存在感に飲み込まれます。

面接は役員2人と人事1人の合計3人による面接。

面接内容は

  • 志望動機
  • 研究内容のプレゼン
  • 私を試す質問

きつかったのは、私を試す質問が続いたことです。

中でも、「仕事を同時に複数こなすのは得意?なぜそう言える?」と言う質問がありました。

これが想定外で、的確に答えることができませんでした

今なら即答できるのですが、仕事をしたことがない自分にとっては考えさせられる質問でした。

数日後に研究室の教授の元に人事から電話が。

教授から落ちたことを伝えられ、落ち込みこれからどうしようかと困惑したのを覚えています。

落選後

落選した頃には、推薦応募てきる企業はあまり残っていません。

ましてや、大企業は人気かつ先行が早いので。

自由応募でエントリーシートを3社しか出していなかった私は、焦って追加で自由応募を7社ほど出しました。

今いる会社は7社の内の1社です。

内定をもらった時は嬉しかったですが、先輩がいないこと、あまり名前の知らない企業ということで不安が残りました。

しかし、自由応募の選考を受けていく中で4社にも落ち、自信はすっかり失っていましたのでここで就活を終えることにしました。

教訓

私の体験から、理系大学院生のあなたに伝えたい教訓は3つです。

  • 「推薦」応募を過信しないこと
  • 候補企業を絞りすぎることは危険
  • 就活は一歩の出遅れが命取りになる

推薦応募は高確率で内定が取れる、理系学生の特権です。

しかし、落ちる人もいるという事実を受け止めて、落ちた時のことを考えて動いておくことが大切です。

推薦応募を過信せず、自由応募も並行して進めましょう。

推薦応募も自由応募も大手企業は早いタイミングで採用を終了します。

一歩の出遅れがチャンスを逃すことになるので、最初から候補企業を絞り込み過ぎるのは危険です。

推薦応募は落ちることを前提に対策を

「せっかくお金も時間もかけて大学院まで行ったのですから、学部卒では入ることができない企業に就職したい」と思いますよね?

大学院生のあなたには推薦応募に失敗しても大丈夫なように、落ちることを前提に準備をしておくことをお勧めします。

就活スタート時に10社にエントリーを

準備としてはスタート時点で自由応募で少なくとも10社のエントリーをすることをおすすめします。

10社というのは私の経験ですが、一社一社を雑にせずに受験でき、かつ安心できる件数だと思います。

エントリーシートや面接で5社失敗したとしても、残り5社もありますから。

心の余裕が面接での的確な質疑応答につながります。

また、研究との両立という観点でも文系のように20社、30社とエントリーしすぎることはお勧めできません。

自由応募の内定率を上げる

自由応募のデメリットは内定率が低いことです。

内定率が低い理由はマッチング度が低いこと。

マッチング度を上げるために、説明会などに参加して会社の情報収集をしましょう。

自由応募でも第一志望の意気込みで取り組まないと、なかなか内定は取れないでしょう。

まとめ

大学院生が推薦応募を利用する、メリット・デメリット、私の失敗談と教訓を解説しました。

推薦応募は落ちることを前提として、自由応募を進めると心に余裕を持った就活ができると思います。

あなたの希望が叶うように、悲観的に準備をしていきましょう。